Microsoft Copilotが音楽AI「Suno」と連携、文章から作曲が可能に

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Microsoft は19日、AI アシスタント「Copilot」のユーザが任意のテキストプロンプトに基づいて即座に曲を作成できるようにする、AI 音楽スタートアップ Suno との新しいパートナーシップを発表した。

この連携は、Suno の技術を利用し、1~2つの文から歌詞、楽器、ボーカルを含む完全な楽曲を生成する。例えば、「友達とのドライブ旅行についてのアップビートなポップソングを作って」とプロンプトを出すと、キャッチーで歌詞のまとまりのあるポップチューンが出来上がる。

今回の提携は、多くのテック大手から自動音楽生成のための AI ツールが続々と発表されるなかでのことだ。例えば、Google は最近、アーティストのスタイルをコピーしないように安全装置を備えた実験的な作曲ツール「MusicFX」を発表した。同様に、DeepMind のプロジェクト「Lyria」は、ローンチ前に音声模倣機能に対する反発に直面した。TikTok のメーカーであるByteDance(字節跳動)も、音声入力をよりよく理解するために AI システム「SALMONN」を開発している。

Image credit: Microsoft

倫理的な問題を提起しつつ、音楽を民主化

Suno は独自の AI システムを使って、簡潔なテキストから歌詞、楽器、ボーカルを含む完全な楽曲を作成する。このシステムは、音楽制作を民主化する一方で、著作権侵害、独創性、人間のアーティストとの不公正な競争などの問題を提起している。

Microsoft は倫理的な落とし穴を認識しているようで、一般からのフィードバックを通じて責任ある開発を約束している。Copilot のプレビューローンチは、MusicFX における Google の実験的アプローチを反映している。しかし、Microsoft が具体的な問題にどのように対処していくのかについては、まだ詳細が明らかになっていない。

AI と音楽の未来

今回のコラボレーションにより、Microsoft は AI の創造的な可能性を追求する最前線に立つことになる。音楽の障壁を下げることで、Copilot は人間の新たな表現を可能にするかもしれない。しかし、規制、報酬、芸術性については疑問が残る。AI が生成する音楽には人間の精神が欠けているとか、法的リスクがあるといった見方もある。

こうしたツールが進歩するにつれ、Microsoft はユーザ、アーティスト、業界と緊密に協力しながら透明性を高めなければならない。AI が創造性を代替するのではなく、創造性を増強するためには、適切なバランスを取ることが鍵となるだろう。しかし、思慮深く行えば、Copilot の新しい力は、テクノロジーと音楽の交差点における革新的な未来を構成することができるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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