AI活用し児童虐待対応を支援、AiCANが2.15億円をシリーズA調達——ANRIがリード

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児童虐待対応支援アプリ「AiCAN」
Image credit: AiCAN

児童虐待対応の DX 支援 SaaS「AiCAN サービス」を提供する AiCAN は1日、シリーズ A ラウンドで2.15億円を調達したと発表した。このラウンドは ANRI がリードし、HIRAC FUND、社会変⾰推進財団、taliki が参加した。

これは同社にとって、2023年5月に実施したプレシリーズ A ラウンドに続くものだ。ANRI は以前のラウンドに続くフォローオンでの参加。

同社によると、子ども虐待の問題は、日本において重要な問題であるとしており、相談件数が年々増加しているという。2020年には相談件数が20万件を超えており、職員数の不足と高度な判断を伴う対応の難しさから、現場は逼迫しているという。

このような背景に対し、AiCAN は、現場の経験知と最新のテクノロジーを融合し、自治体の児童相談所や子育て支援課・母子保健課など、子ども虐待対応の最前線に立つ機関をサポートするサービスを開発・提供している。

AiCAN サービスは AI を活用した SaaS で、児童相談所などの現場における業務をサポートする。具体的には、虐待事例の再発確率の表示や他機関との情報共有機能を提供し、現場のニーズに応じた機能を備えている。また、同サービスは、現場の職員が効果的に業務を遂行できるようにするためのデータ分析に基づく提案や研修も行っている。

さらに、AiCAN は自治体が保有するデータを分析し、相談状況の経年変化や地域ごとの傾向を可視化する「Insight」というサービスも提供している。このサービスは、児童福祉分野に特化したデータ分析を通じて、課題の整理や政策立案を支援するものである。

同社は他にも、児童相談所や市区町村の職員向けに実践的な研修プログラム「Empower」を提供している。このプログラムは、研究知見に基づいた調査・アセスメント・支援に関する内容を動画視聴と演習を組み合わせたハイブリッド形式で実施するもので、職員のスキル向上を図っている。

AiCAN は2023年に全国6自治体で実証実験を行い、地域や規模の異なる自治体においても「AiCAN サービス」の導入効果を検証したとしている。その結果、今年度より複数の自治体で本導入が予定されており、今後さらに導入地域を拡大していく予定であるという。

今回調達した資金は、サービスの改善・拡充に充てられ、ユーザの拡大を目指すとともに、採用を拡大し、開発体制・営業体制の強化を図るとしている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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