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日本の小規模小売店舗のビジネス変容を後押しする「軒先」【ゲスト寄稿】

本稿は、Disrupting Japan に投稿された内容を、Disrupting Japan と著者である Tim Romero 氏の許可を得て転載するものです。 Tim Romero 氏は、東京を拠点とする起業家・ポッドキャスター・執筆者です。これまでに4つの企業を設立し、20年以上前に来日以降、他の企業の日本市場参入をリードしました。 彼はポッドキャスト「Disrupting Japan」を…

本稿は、Disrupting Japan に投稿された内容を、Disrupting Japan と著者である Tim Romero 氏の許可を得て転載するものです。

Tim Romero 氏は、東京を拠点とする起業家・ポッドキャスター・執筆者です。これまでに4つの企業を設立し、20年以上前に来日以降、他の企業の日本市場参入をリードしました。

彼はポッドキャスト「Disrupting Japan」を主宰し、日本のスタートアップ・コミュニティに投資家・起業家・メンターとして深く関与しています。


日本には、小さな商店街や市場の長い歴史がある。私が日本について最も楽しむことの一つは、アメリカ風のショッピングモール文化には無いものだ。都市部のオフィス街の人が多いエリアでさえ、裏通りに入ると多くの専門店や八百屋スタンドで埋め尽くされている。

軒先の CEO で創業者の西浦明子氏は、この文化が繁栄し広がり続けることを望み、小規模事業者がポップアップショップ、八百屋スタンド、フードトラックを運営する上でスペースを見つけられるようにしている。軒先は、このようなほんの少しのスペースが必要な小規模事業者と、そんなスペースを所有する家主をつなぎ、その過程で新たなビジネス機会を作り出すスタートアップだ。

軒先 CEO 創業者の西浦明子氏

Tim:

軒先は、どんなお客さんを対象にしているのですか?

西浦氏:

我々の名前が示すように、我々は軒下にスペースを見つけます。少量のスペースが必要な小規模小売事業者と、共有可能なスペースを持つ家主や大規模小売店をマッチさせています。

Tim:

小規模事業者は、スペースを見つけるのが難しいのでしょうか? どの街にも多くの小規模店舗があるように思います。

西浦氏:

小売スペースを見つけるのは、小さな会社にとっては大変です。私自身、最初の子供を産んで小さな輸入業を始めようとしたとき、その困難に直面しました。事業は小さく始めたかったので、長期間にわたる賃貸契約を約束したり、多額の敷金を支払うことができなかったのですが、一方でたいていの家主は短期間では物件を貸してくれませんでした。私は多くの小規模ビジネスが同じ問題に直面していることに気づき、この問題を解決することが、もともとの輸入業のアイデアより大きなビジネスになると思ったのです。

Tim:

アメリカでは、メジャーなブランドが短期間でプロモーションする方法として、ポップアップストアが定着しています。日本では、そうではないのでしょうか?

西浦氏:

ポップアップストアを開設するメジャーブランドは日本にもありますが、我々の顧客の多くは中小の販売事業者、例えば、野菜、靴、洋服、食品を販売している人たちです。多くは、ハンドメイド商品を売る人々だったり、自家製の作物を売る農家の人たちだったりです。

Tim:

空いているスペースを家主が貸したいと思うのは合点がいきます。しかし、TSUTAYA やブックオフといった大規模な小売事業者も、店舗内のスペースを軒先で貸し出していますね。どうしてでしょうか?

西浦氏:

理由は多くあります。一つは、店への客の誘導を増やしたいということ。例えば、我々の顧客のドラッグストアは、スペースを八百屋スタンドに貸しています。人々が野菜を買いに立ち寄れば、「あぁ、ここでシャンプーも買っておかなくちゃ」となるわけです。TSUTAYA などの企業は、新しい店舗を紹介することで、顧客体験を改善しようとしています。

Tim:

どんな店舗にスペースを貸し出しているのですか?

西浦氏:

多くはフードトラックですね。TSUTAYA のお客様の多くは20〜30代で、フードトラックは彼らの興味に合っているのです。もちろん、ベンダーは多くの新しいお客に会える場所を確保できることに喜んでくれますし、TSUTAYA は目新しい面白い小規模ベンダーを取り揃えることができます。この組み合わせから、大規模小売事業者と、小規模小売事業者と、顧客の全員がメリットを享受できるわけです。

Tim:

一度動き始めれば、この種の協業の価値は簡単に見出すことができますね。しかし、小売チェーンはイメージとか、自分たちのスペースがどう使われるかについて極めて気を使います。軒先を使ってみようという最初の顧客は、どのように獲得しましたか?

西浦氏:

インターネットスタートアップには時代錯誤に聞こえるかもしれませんが、我々は一軒一軒ドアを叩いて巡り、PowerPoint のプレゼンテーションをたくさん作って顧客を獲得してきました。我々のアイデアにオープンで、以前から小規模事業者やフードトラックからアプローチをもらっている顧客もいましたが、多くの小規模事業者を評価し管理する面倒を避けたい理由から、(我々の顧客にとって)軒先のアイデアは現実的ではありませんでした。我々がすべての手間に対応することで、顧客はハッピーになりました。しかし、それには時間がかかりました。一年以上をかけて、アーリーステージの顧客を軒先のプラットフォームに迎え入れてきたのです。今では、経験と多くの成功したケーススタディがあるので、顧客はもっと速く軒先のユーザになってくれています。

Tim:

2016年、2ヶ月間にわたってサービスの停止を余儀なくされましたね? 何があったのですか?

西浦氏:

7月の終わり、顧客データの紛失に至るかもしれないセキュリティ上の問題が、システム内にあることに気づいたのです。そのままリスクを持ち続けるのではなく、サーバを止めて問題を調査・改善することに決めました。

Tim:

可能性のレベルのセキュリティ脅威に対しては、極端な対応のように思えます。その2ヶ月間で、多くのビジネスを失ったのはないですか?

西浦氏:

決済情報にリスクがあったので、真剣に考える必要がありました。難しい局面ではありました。多くの顧客が憤慨されたのも当然です。しかし最終的に、軒先を使っていた不動産オーナーの約98%は、そのまま留まってくれました。

Tim:

それは素晴らしい。軒先の顧客は軒先を使えないときでさえ、付き合い続けてくれたのはなぜでしょう?

西浦氏:

最も重要なことは、コミュニケーションでしたね。すべての顧客に対して、そのときの状況や問題を解決するために実施していることを完全に伝えるようにしました。第二に、顧客との長期的な関係が大変重要だと考えています。ドアを叩いてプレゼンテーションして巡った日々のおかげで、我々は顧客のことを真剣に考えることができました。だからこそ、問題に直面した時に、我々の顧客は喜んで我々を信頼してくれたのです。


2ヶ月間にわたって事業の停止を余儀なくされた会社の多くは、倒産に追い込まれるかもしれない。西浦氏と軒先のチームはサバイブしただけでなく、この市場で最も強いプレーヤーの一つとして営業を続けている事実は、顧客との絶大な関係性だけでなく、真剣にサービスを提供することが、いかに重要で尊いことかを教えてくれる。

また将来、軒先から多くの話を聞くことになるだろう。

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会議室シェアサービスの「Spacee(スペイシー)」、軒先やConnected Designと提携——貸出空間のバリエーション拡大と需要の底上げを狙う

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1時間単位で空いている会議室を貸したり借りたりできる「Spacee(スペイシー)」を運営するスペイシーは、駐車場のシェアリングやスペースシェアリングサービスを提供する軒先、東急電鉄やニフティらの JV で店舗・オフィス・ホテル向けの IoT 商品を開発・販売する Connected Design と、それぞれ事業提携したことを明らかにした。 軒先とは、Spacee との間で登録されている貸出物件や…

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1時間単位で空いている会議室を貸したり借りたりできる「Spacee(スペイシー)」を運営するスペイシーは、駐車場のシェアリングやスペースシェアリングサービスを提供する軒先、東急電鉄やニフティらの JV で店舗・オフィス・ホテル向けの IoT 商品を開発・販売する Connected Design と、それぞれ事業提携したことを明らかにした。

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スペイシーの駐車場アプリ「スペイシー駐車場」

軒先とは、Spacee との間で登録されている貸出物件や顧客の相互融通を行う。時間貸の空きオフィス貸出を得意とする Spacee だが、今年2月には駐車場空きスペースのマッチングサービスも開始している。一方で、軒先はポップアップショップや駐車場などの期間限定貸出を得意とするが、300物件程度の会議室の登録もあるという。得意とする分野の物件や顧客を互いに融通することで、全体需要の底上げを狙う。

料金面から見てみると、Spacee は1時間単位、軒先は1日単位で貸し出されている物件が多い。短時間の貸出に対応するため、Spacee では銀行振込・カード決済・後払など多様な決済手段に対応しており、ユーザにとっては、軒先が在庫として持つ会議室物件を Spacee 経由で借りることによるメリットもあるという。貸出物件の相互融通にあたっては、両社それぞれに登録する物件オーナーとの間で個別に追加契約が取り交わされ、注文が発生する毎に、両社間で一定の紹介手数料が支払われるスキームのようだ。

一方、Connected Design との提携では、同社が提供するトータルセキュリティソリューションの Spacee 会議室への導入を始める。その皮切りとして、Connected Design の乱数スマートロックが、Spacee の提供する品川の会議室への試験導入されている。

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Connected Design のパッケージに採用されている、フキのスマートリムロック

Connected Design は同社のソリューションを民泊をはじめとする、さまざまな種類の施設や拠点に導入を始めているが。住宅やオフィスと異なり、不特定多数の人々が利用する拠点では想定されない問題が生じることがあるため、Connected Design 側には、Spacee での導入を通じて、それまで見えなかった問題点を浮き彫りにし、商品やサービスの改善につなげたいとの意図があるようだ。

Spacee では会議室オーナーとユーザ双方の利便性向上のため、今後もパートナーを増やしていく予定で、会議室オーナーに WiFi や掃除のサービスを紹介できる提携先を模索中とのこと。「akippa」が時間貸駐車場の満車が多い地域の物件を重点的に増やしているように、Spacee では、カフェの混雑状況などをベンチマークし、需要が多いと見た地域でシェア会議室の運用をオーナーに勧め、不動産屋を紹介するようなケースもあるのだという。

スペイシーは今年4月、500 Startups から資金調達を実施している(シードラウンド、調達額非開示)。現在、チームにはフルタイム・パートタイムなどをあわせて12人くらいの社員がいるが半数以上がエンジニア。今後は、マーケティング分野やフルコミットで事業に集中できる人員の拡充に注力したいとしている。

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軒先がパーキング事業でJAFと業務提携、全国のJAF会員約1800万人に対し駐車場のシェアリングサービスを展開

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駐車場のシェアリングやスペースシェアリングサービスを提供している軒先が、一般社団法人日本自動車連盟(以下、JAF)と連携し、JAF会員向けの新規サービスとして「駐車場シェアサービス」を本日8月3日より開始したと発表した。 軒先は、軒先パーキングなどを通じて空いている自宅の駐車場やマンションなどの空き駐車場、月極駐車場を貸したい人に対して、イベント利用や駐車場を使いたい人とをマッチングさせるサービス…

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駐車場のシェアリングやスペースシェアリングサービスを提供している軒先が、一般社団法人日本自動車連盟(以下、JAF)と連携し、JAF会員向けの新規サービスとして「駐車場シェアサービス」を本日8月3日より開始したと発表した。

軒先は、軒先パーキングなどを通じて空いている自宅の駐車場やマンションなどの空き駐車場、月極駐車場を貸したい人に対して、イベント利用や駐車場を使いたい人とをマッチングさせるサービスを提供している。

今回、JAFは軒先パーキングと連携した新事業「駐車場シェアサービス」をスタート。JAF会員約1800万人が会員割引で軒先パーキングの駐車場を利用することができる。また、すべての会員が自動車を保有しているということから、駐車場を借りるだけでなく自分が使っていない時間帯の駐車場をJAFナビを通じて貸し出しを行うこともできる。JAFナビは、JAFのサイト上でJAF会員ログインをするだけで、駐車場を借りたり利用したりすることが可能だ。

「もともと弊社からJAFの優待施設として軒先パーキングを採用してもらえないかと打診したことがきっかけです。弊社とJAFさんとの協議や検討を経て、単なる一優待施設という枠組みを越えて、会員向けにシェアパーキング事業として展開していこう、といった方向になりました」と、軒先代表取締役社長の西浦明子氏は語る。

「JAFさんの全国1800万人強の会員である自動車保有ユーザーにリーチできることは、事業拡大のスピードを上げるうえで非常に大きなポイントになります。また、JAFさんとの提携によりシェアリングサービスに漠然とした不安を抱いていたり使うことをためらっている方々に対して信頼関係を構築することで、シェアリングサービスを理解していただき、そこから普段として使っていただけたりする人が増えてきてもらえるようになれればと考えています」(西浦氏)

軒先は、今後はJAF同様に自動車や駐車場、遊休不動産活用を軸に、親和性の高い企業との連携を推進していくという。ベンチャーがこうした大企業や大手の組織とタッグを組むことによって、シェアリングという新しい概念をより多くのユーザに対して理解させることが重要だ。既存の組織と上手くタッグを組むことによって、業界全体に対して新しい価値を提案できるベンチャーとしても、こうした連携の形は参考になるかもしれない。

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ナビタイムジャパン、akippaや軒先と業務提携しカーナビアプリ上でリアルタイムな駐車場予約を実現

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シェアリングエコノミーを推進するために、大手企業とスタートアップが積極的なタッグを組み始めた。 ナビタイムジャパン社は、同社が運営するカーナビアプリ『カーナビタイム』『NAVITIMEドライブサポーター』などのナビゲーションサービスで、駐車場のシェアリングサービスを提供するakippaと軒先パーキングの駐車場の検索が可能になる。つまり、大手ナビゲーションサービスがシェアリングエコノミーを運営する二…

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シェアリングエコノミーを推進するために、大手企業とスタートアップが積極的なタッグを組み始めた。

ナビタイムジャパン社は、同社が運営するカーナビアプリ『カーナビタイム』『NAVITIMEドライブサポーター』などのナビゲーションサービスで、駐車場のシェアリングサービスを提供するakippa軒先パーキングの駐車場の検索が可能になる。つまり、大手ナビゲーションサービスがシェアリングエコノミーを運営する二社と事業連携を図ったのだ。

この機能、昨日4月27日からスタートしている。カーナビタイムやNAVITIMEドライブサポーターを立ち上げると、駐車場の検索画面や地図上からakippaや軒先パーキングで利用可能な駐車場の予約状況やリアルタイムな空席情報の確認、その場の予約による利用などを申し込むことができる。

カーナビアプリ内の表示例
カーナビアプリ内の表示例

もちろん、現在地から予約した駐車場あでのルートも確認できる。(目的地までのナビゲーションは、『NAVITIMEドライブサポーター』のプレミアムコース(有料)への登録が必要。)

従来まであったコインパーキングなど通常の駐車場と予約制駐車場が一つのサービス内で検索できるようになるため、駐車場の混雑状況や利用目的に合わせて、より最適な駐車場を選ぶことが可能になる。

今回の提携の狙いとして、「5月の大型連休であるゴールデンウィークや夏休みとった行楽シーズンを前に、利用者の増加を図りユーザのアクティブ率や利用シーンを増やす」(akippa代表取締役社長、金谷元気氏)ものだったり、「これまで自社サイトでの集客をメインとしていてが、ナビゲーションサービスに駐車場情報が表示されることで、これまでリーチできていなかった層にリーチでき、出先でいままさに駐車場を探している人たちに利用していただく」(軒先代表取締役社長、西浦明子氏)といった狙いが二社にはあるという。

また、今回の事業提携は、ナビタイムジャパン側からそれぞれに提案されたものだという。

「ナビタイムさんには軒先パーキングのリリース前である2012年秋頃に一度弊社から協業の打診をさせていただいたことがありましたが、サービスローンチ前ということもあり可能性が未知数ということで一旦見送られました。しかし、昨年2014年末に再度先方よりコンタクトがあり、今回の提携に至りました」(西浦氏)

「今回の提携は、ナビタイムさんから直接お声がけいただき、一番アクセスが集まるGW前には提携が整えるように進めてきました」(金谷氏)

2012年頃は、まだまだシェアリングエコノミーという言葉自体も浸透していなかったが、UberやAirbnbなどの海外勢の日本進出などさまざまなプレイヤーの参入によって市場全体が活性化し、ユーザニーズの盛り上がりを後押ししたものであることと言える。

同時に、オリンピックも含めて観光に力を入れていきたいという社会全体のニーズと、そこにビジネスチャンスを見出している企業にとって、よりよいサービスを提供するためにも、こうして積極的に大企業とベンチャーが提携していくことに意味を見出していることと言えるだろう。

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スペースシェアの軒先がサービスを全面リニューアル−「軒先ビジネス」と名称を変え、個人や企業のスペース利用ビジネス支援に注力する

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スペースs軒先ビジネスと名前を変え 2014年は、あきっぱやスペースマーケットなど、駐車場や空きスペースのシェアリングサービスが登場し、「シェアリングエコノミー」の注目が大きくなった年だった。 そうしたなか、2009年から遊休スペースオーナーと利用者をマッチングする「軒先.com」や、2012年には空き駐車場をマッチングさせる「軒先パーキング」を開始するなど、スペースシェアの先駆けとして事業を展開…

スペースs軒先ビジネスと名前を変え

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2014年は、あきっぱやスペースマーケットなど、駐車場や空きスペースのシェアリングサービスが登場し、「シェアリングエコノミー」の注目が大きくなった年だった。

そうしたなか、2009年から遊休スペースオーナーと利用者をマッチングする「軒先.com」や、2012年には空き駐車場をマッチングさせる「軒先パーキング」を開始するなど、スペースシェアの先駆けとして事業を展開していた軒先が、「軒先.com」を「軒先ビジネス」と名称を変え、空きスペースを使って販売や販促などを行う個人事業主や中小規模の事業者、大手法人などを対象とするビジネスユーザーにフォーカスしたサービスへと全面的なリニューアルを行った。

事業として、スペース利用者の集客や販売支援に注力するを行う。例えば、サービス内にはスペース利用オーナーのプロフィールページやブログ機能を追加。取り扱い商品やこれまでの出店事例、商材のPRなどを掲載し、情報発信のプラットフォームとして機能させる。他にも、積極的に他社サービスと連携していくことで、軒先ビジネスの利用者会員向けの特典を充実させていく。もちろん、これまでと同じく空きスペースを保有しているオーナーは募集する。

今回のリニューアルをもとに、従来のスペースマッチングだけではなく、出店者支援サービスのプラットフォームとしてコンセプトもシフトさせ、個人でビジネスを営む人や中小規模の商店に対するサポート事業を展開していくという。

2009年から活動してきた軒先についてや、今回の大幅なリニューアルについて、軒先代表取締役の西浦明子氏にインタビューを行った。(太字は筆者)

軒先は、2009年からスペースマッチング事業を行うなど、日本におけるシェアリングエコノミーの先駆けとして活動してきたと思いますが、軒先.comをリリースしてからこれまで、どういった展開をされてきましたか?

日本において、次第にシェアの感覚が広まってきたことを実感します。スペースオーナーからしても、遊休スペースを活用して収益を上げたいと考える人も多くなりました。途中、軒先パーキングをリリースしたりと社内のリソースも分散はしていましたが、事業自体は堅調に伸びてきました。特に、阪神電鉄や京王電鉄などの電鉄会社、ココカラファインやマツモトキヨシなどの大手ドラッグチェーン店といった、大手法人からのスペース登録の引き合いが増えてきて、現在では登録スペースは2500を超えています。

ユーザ数や利用状況はどうですか?

ユーザは、移動販売事業者や物販を営む個人事業主、スモールビジネスの方が主でしたが、こちらも大手法人からの利用が増えてきました。オイシックスや生協、シーボン化粧品などに利用されていて、主に販促での利用が多くなってきました。現在ユーザ数でいえば約4000社ほどに利用していただいており、リピート率は約80%と高いリピート率です。同じ場所を毎週○曜日と決めて使う方もいれば、色々な場所をキャラバン方式で利用する方など、利用状況はさまざまです。

昨年は、あきっぱやスペースマーケットなどが登場し、メディアの注目を集めました。分野的には競合と言えるサービスがでてきたことで、正直な話として軒先としてどうお考えでしたか?

これまで、軒先以外にプレイヤーがいない状況でしたので、シェアサービス自体への認知が高まってきたことは素直に嬉しいです。一方で、UberやAirbnbの成功があってこそ、シェアエコノミーに対する盛り上がりであるとも思っています。弊社では、創業当時から「もったいないスぺースをシェアする」というキャッチフレーズでサービスを行ってきましたが、サービスを始めた2009年当時は「シェアリングエコノミー」という言葉はもちろん、シェアサービス自体の認知は低い状況でした。

色々なピッチコンテストに出ても「そんな面倒で儲からなそうなサービスなんでやるの?」「不特定の人に不動産を貸すなんて」「スケールしなさそう」等々色々言われておりましたが、ここにきてUberやAirbnbの成功事例を目の当たりにして、やっと日本のシェアサービスを評価・評論する人たちのがトーンが変わってきたのではないでしょうか。こうした先行事例がないと、シェアサービスが伸びるのか否か、期待すべきなのか否かを判断することが難しかったのでは、と。

現状、日本ではまだ「シェアリングエコノミー」はバズワードの域を超えていないと思いますが、不動産以外の領域でも様々な
シェアサービスが出てきた2015年は、まさにシェアリングエコノミー元年になるのではと考えています。

今回のリニューアルで軒先ビジネスと名を変え、販売や販促を行う個人事業や法人にフォーカスするとのことですが、その理由はどういったものでしょうか?

5年以上事業をやってきて実感しているのは、ユーザからの要望と課題が明確にわかってきたことです。これまでは「場所の紹介」を軸とした活動がメインでしたが、ユーザのニーズから空きスペースを活用してビジネスを作ってもらい、それらをサポートすることがサービスの軸になれると強く意識しました。実際に、販売や販促でよく売れるスペースがあるからこそ、ユーザからもリピートしていただける。ではその場所を活用してもっと商売繁盛させるために私たちができることはなにかを、ユーザからの声を通して様々なメニューに反映することにしました。

また、ユーザ属性もかなり特定されてきました。ユーザの約80%がいわゆるビジネスユーザで、ケータリングカーでランチやクレープなどを販売するような移動販売事業者や各種物販催事、販促を行う個人、法人がほとんどです。

当初は「空きスペースを色々な目的で使えます」と総花的に展開してきた軒先を、こうしたビジネスユーザ向けに「1日からだれでも簡単にお店が開けるスペース」という切り口でポジショニングを確立させサービスをより深堀していこうと考えました。また、今後はいわゆる業者などのプロの方のみでなく、フリマアプリでものをよく売り買いするような一般ユーザー、Stores.jpやBASEなどでネットショップを開いているようなセミプロユーザ、趣味の作品をオークションなどで売っている主婦・学生など、もっとライトなユーザーや独立開業予備軍なども広く取り込んで市場を拡大していきたいと考えています。

軒先ビジネスユーザー層

サービス内で追加された機能で、スペース利用者の事例紹介や出店予定情報、集客や販売支援とあります。これらのサービスを追加された理由はなんでしょうか?

単に空きスペースを見せられても、そこで何をしたらいいのか?具体的にどんな風に使えるのかわかりずらい点がこれまでのサイトではありました。一方、自社の強みおして空きスペースだけではなく、そこでどんな人がどんなモノをどんな風に売ってどれくらい売れたかという情報も持っています。その情報をこれまで活かしてきてなかった、というのがこれまでの課題であり、大きな損失だと気づきました。そこで、具体的なスペースの利用事例を積極的に発信していくことで、その事業をされている方のPRにもつながり、かつ、スペース活用のノウハウを発信する手段となり、自社の強みを活かせるのでは、と考えました。

これまで、さまざまな商売をされている人と接してきた軒先だからこそ、今後は、スペース自体そのものよりも、そこで事業をされている人にフォーカスしたコンテンツも発信することで、スモールビジネス支援ということができるのではと考えています。

ユーザ自身もサイト内にプロフィールページを持つようになり、今後はどのスペースで出店予定があるかという情報を発信していいくことができ、事業そのものの広報としても使うことができます。将来的には、これらの「出店情報」を使ったメディアを立ち上げる予定です。また、自社で支援できない分野に関しては、外部の提携企業と連携して保険・経理・決済・レンタル品等々、ユーザーの事業支援を行います。さらに、これから独立開業をしようと思っている方向けのコンサルティング的な事業も立ち上げる予定です。

昨今、ウェブ上では誰でも簡単にお店を開けるようになりましたが、いざリアルでとなるとまったく昔と変わっていない状況がそこにはあります。だからこそ、もっと気軽にお店を開けるインフラとして使ってもらえたらと考えています。

最後に、今後の目標などお聞かせください。

最近では、海外でもAppearhere.comStorefront.comといった軒先の海外版とも言えるようなものがでてきました。欧米でも、ポップアップショップスペースが人気です。日本でもこうしたポップアップショップのニーズは出てくると思います。今後はこうした独特なショップスペースの領域にも広げていきつつ、スペースシェアの領域で事業を展開していきながら、軒先ブランドをつくって行ければと考えています。

ありがとうございました。

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