〝ヒト版ETC〟技術で、買い物や入場をハンズフリーにする「Sinumy Technology」/KDDI ∞ Labo4月全体会レポ

倉内亮弥さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

Sinumyは「リアルな世界にシームレスの体験を」というビジョンのもと、ハンズフリーの認証技術「Sinumy Technology」を開発しており、現在は実証実験フェーズにあります。

インターネット上で商品を購入する際、本人確認やパスワード入力、決済などは数秒で完了します。しかし、リアルな日常で買い物するときは、スーパーでレジに並んだり、財布から現金やカードを出し入れしたり、さまざまな手間が発生しています。

一方、現実世界でも決済が数秒かつハンズフリーで完了しているのが高速道路のETCです。ETCのコア技術は決済対象の車両を特定する「位置測定」と不正利用を防ぐ「セキュリティ認証」です。ETCの技術を人に転用することは非常に困難とされています。車両と異なり数十cm間隔で人が並んでいる場合、1人の決済対象者を特定するのが難しいためです。

そこでSinumyは「ヒト版ETC」の実現に向けて、Sinumy Technologyを開発しています。

この技術が実現すれば、人と人の間隔が10cm程度でも決済対象者を確実に特定でき、Bluetoothを活用することでセキュアな本人認証も可能です。店舗での決済や、イベントやアミューズメントパークでの入場チケットの確認、オフィスの出入口での入館証の提示などがハンズフリーで、スマートフォンをかばんやポケットから取り出すことなく行えるようになります。(倉内さん)

協業ニーズとしては、認証技術はあらゆるサービスに絡むため、不動産や交通はもちろん幅広い分野から要望をヒアリングしたいと考えているそうです。また、社内施設のアクセスコントロールやログ取得などを効率化したいという相談にも対応可能だといいます。

現在は実証実験フェーズですが、実用化に向けて順調に進んでいます。インターネットサービスの認証に関連するため、(ここに集まっている)ほとんどの企業にとって何らかの関係があり、協業させていただける可能性があるのではないでしょうか。ハードウェア製造のためパートナーも探しているところです。(倉内さん)

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