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スマートシティの創出に必要なもの——構想発表から10年、スペイン・マラガの経験(後編)【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿) The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture c…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿

The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist.


マラガ市の風景
Image credit: Fabio Alessandro Locati
Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0

世界中のほとんどの国際都市では、都市計画家、政治家、不動産デベロッパが、大都市をスマートシティに変えることに取り組んでいる。不動産やそれに付随する業界で働いている人であれば、スマートシティという概念がホットなものであることを知っているだろう。しかし、多くの多幸感に満ちた新しいトレンドのように、スマートシティという概念はさまざまな解釈が可能だ。

そんなことから、スペインのマラガ市でスマートシティプロジェクトを展開しているデジタルアーキテクトの一人にお会いしたときには、彼の知見を拝する機会に飛びついた。Rubén Fernández Vela 氏はスペインの弁護士で、現在は東京でデータ保護とプライバシー、デジタル法とテクノロジー、スマートシティの分野で法律コンサルタントとして働いている。

<参考文献>

前編からの続き

Rude VC:

スマートシティの構成員のデータはどのように適切に保護されているのですか?

Vela 氏:

Rubén Fernández Vela 氏

スマートシティでは、政府モデルは、その中心にある哲学がオープンソース的なものであるべきです。

  • オープンなパブリックデータ +
  • 透明性と説明義務 +
  • すべての社会構成員の参加 +
  • デジタル技術との調和

データは積極的に透明なもの、すなわち、オープンソースの標準とパラメータによって、オープンにされるものの対象とならなければなリません。オープンデータは、自由かつ公共的な基準の下で、市民のためのリアルで役に立つ情報を保証するものです。だからこそ、私たちがスマートシティについて語るとき、我々はそのことをプライバシー規制(あつえられたプライバシー、元々のプライバシー概念、データ保護、透明性、公共データの再利用など)を遵守した、オープンソースのデータハブとして理解しなければならないのです。

Rude VC:

スマートシティプロジェクトを実施する際に、市の職員はどのような時間軸を考慮すべきですか?

Vela 氏:

スマートシティプロジェクトの実現に要する時間は、その都市の具体的な状況によって異なります。

いずれにしても、スマートシティを実現することは、時間と労力を要する作業です。政府、市民、企業など、プロジェクトに関わるすべての関係者に利益をもたらすリーダーシップとビジョンを必要とする長距離レースです。これは、行政、住民、企業、民間企業の官民連携によって実現され、都市に関連した成果につながる革新的なソリューションを育成することができます。

Rude VC:

スマートシティプロジェクトの実現は、常に一気に分解して構築(オーバーホール)されるものでしょうか、それとも段階的に行えるものでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティプロジェクトを実現することは、決して根本的かつ完全なオーバーホールであるべきではありません。それは段階を経て行われなければなりません。スマートシティプロジェクトは、構造化されたプロセスと、多くの場合、パイロットプロジェクトなどからなります。

ちなみに、スマートシティの概念は、一連の要件を満たし、特定の側面だけに焦点を当てたものではないため、技術的な方法で都市を改善するという単純な事実と混同してはいけません。スマートシティとはシステムの集合体です。この新しい用語は、イノベーションに基づいたエコシステムの下での未来の都市として示されていて、そのためには官民の協力が必要となります。

スマートシティプロジェクトの実現は、都市のあらゆる側面をカバーしながら段階的に行われるべきです。

Rude VC:

スマートシティの実現は、その都市の継続的な日常生活を中断することなく達成できるのですか? あるいは、スマートシティの実現は、抑制された環境の中でより簡単に達成されるのでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティプロジェクトの実現は、段階的かつ徐々に変化するプロセスであるため、必ずしもその都市の継続的な日常生活を中断する必要はありません。

抑制された環境でスマートシティを実現することは、行政、経済、都市の生活、社会全般、運動、環境を統合したシステムとしてのスマートシティの概念に反するように思われますが、そうとは一概には言えません。

例えば、23区からなる東京都はスマートシティの6つの柱のそれぞれの発展のための自律性と能力を備えていて、これは抑制された環境の中でスマートシティ事業を実現するための理想的なシナリオを示しています。

Rude VC:

マラガ市のスマートシティ実現に特有の特徴を教えてください。

Vela 氏:

マラガ市のスマートシティの特徴には、次のようなものがあります。

  • スマート風力発電街灯やソーラー街灯を設置、人感センサーで光の強さを調節し点灯させる。
  • ゴミや下水から得られるエネルギーを利用して、電力網に販売している。デジタルメーターで水や照明の管理をモニタする。
  • 行政は、オンラインの「市民フォルダ」を通じて、複数のシステムから収集した市民の個人情報を本人に提示する。
  • 市民が市内の問題を報告することができるように複数のアプリケーションを開発することで、公共交通機関を効率よく利用したり、駐車場の場所を確認する同時に料金を支払えたり、市のモニュメント・写真・スケジュール・意見・便利な電話番号・ビーチの情報を得られるようになる。さらには、求人情報、起業家向けのプランを見つけるためのアプリケーションなども。
  • 無限の情報や対話が得られるパネルを街に設置する。
  • 交通管制や公共交通機関は、緊急センター連携される。
  • オープンガバメント、透明性、オープンデータサイトを説明するランチ機会の設定。
  • インターネットへの無料かつ例外的なアクセスを可能にする、さまざまな公共機関の間をつなぐ光ファイバーネットワークの構築。
  • 共有用の電気自動車のネットワークとシステムの開発(車やスクーターの共有)。
  • スマートシティにおけるスタートアップの重要性を念頭に、マラガ市のスマートシティのニーズを満たすために、マラガにはさまざまなハブやビジネスアクセラレーターが作られた。
  • モバイルアプリにより、政府の意思決定に市民が直接参加するためのプラットフォームだけでなく、政府に直接提案できる可能性を提供。
  • イノベーションや技術課題を市民に啓発するためのセミナーの開催。

Rude VC:

スマートシティになるには、どのような都市が適していると思いますか? スマートシティになるには、どのような特徴を持った都市が適しているのでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティという概念は、人口過多と面積拡大のために、それが引き起こすすべての問題の解決策を必要とする大都市に関連しています。市民が少ない都市や地域は、その反対の問題に直面しているため、特別な扱いを必要とします。見捨てられないよう、魅力的であり続ける必要があるということです。

それは、都市の種類の問題ではなく、スマートシティの実現に向けた行政の意志がどうかということです。

東京は、スマートシティモデルの実現に向けて、最もエキサイティングな舞台となっています。人口1,500万人近く(都内在住や通勤・通学したりしている人)を擁し、23区、26市、5町、8村に分かれていて、各行政単位でスマートシティ計画を策定するための材料が揃っているだけでなく、すべての自治体が一体となったプロジェクトをまとめた「メガスマートシティ」も存在しいます。過疎化の一途をたどる地方も忘れてはいけません。

Rude VC:

スマートシティはイノベーションのエコシステムの成長を促進するのでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティには、イノベーションとサステナビリティという2つの要素が常に存在しています。

起業家やスタートアップは、スマートシティの発展に不可欠な価値を持っています。ある市をベータ段階と見ると、IT とサステナビリティを核としたスタートアップや革新的な組織が最良の取り合わせになると思われます。数多くの市場調査が、スマートシティに関連するスタートアップの成功を裏付けています。スタートアップはスケーラビリティの可能性を持っているのに加えて、世界のさまざまなスマートシティでビジネスモデルを再現できる可能性が非常に高いでしょう。

要約すると、スマートシティとは、技術、開発計画、都市計画を通じた都市であり、その住民の日常生活を向上させるためのサステナビリティを目的としています。スマートシティとは、技術が適用されたサステナブルな都市です。サステナブルな都市とは、a) 社会イノベーション、b) 交通とモビリティ、c) エネルギー、e) ガバナンス、f) 経済とビジネス、g) 環境 からなります。技術を適用することで、市民のデータを収集・整理・解釈することで、a) サービスと市民生活の質の向上、b) 新しいアプリケーションの創出、c) 公共支出の減少、d) サステナブルな発展の達成を実現することができます。

スマートシティは、インフラや都市要素が市民の生活を容易にする技術的なソリューションを備えた、環境にコミットした都市です。

米中で人気沸騰中、成長が期待されるオンラインフィットネス市場を大解剖

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、YJキャピタルのキャピタリスト岡本紫苑さんによるもの。原文はこちらから、また、その他の記事はこちらから読める。Twitterアカウントは@OkamotoShion YJキャピタルは、オンラインフィットネス動画配信サービス「LEAN BODY」を運営するLEAN BODYに追加投資をさせていただきました。 追加投資を決断したのは、①今後オンラインフィットネスがフィッ…

Photo by Anna Shvets from Pexels

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、YJキャピタルのキャピタリスト岡本紫苑さんによるもの。原文はこちらから、また、その他の記事はこちらから読める。Twitterアカウントは@OkamotoShion

YJキャピタルは、オンラインフィットネス動画配信サービス「LEAN BODY」を運営するLEAN BODYに追加投資をさせていただきました。

追加投資を決断したのは、①今後オンラインフィットネスがフィットネスサービスの中心として拡大すると予想しており、②LEAN BODY社が日本のオンラインフィットネス業界のリーディングプレイヤーであると考えているからです。今回は、①のオンラインフィットネス市場の成長可能性について書いてみたいと思います。

1. 国内フィットネス市場の概況

(1)国内フィットネスクラブ市場の構造変革

オンラインフィットネス市場について検討する前提として、リアルのフィットネスクラブの市場規模について見ていきます。2018年時点の国内フィットネスクラブ売上高は約4,800億円、施設数は約5,800軒です。昨今の健康志向の高まりを受け、売上高・施設数共に右肩上がりで成長しています。

引用:ティップネスウェブサイト

フィットネスクラブの主要プレイヤーは、コナミ、セントラルスポーツといった従来型の総合型フィットネスクラブと、24時間セルフ型のエニタイムフィットネス、ターゲット限定型のカーブス、パーソナル型の「RIZAP」等の新興型プレイヤーとに大別されます。

出所:SPEEDA総研作成図をもとに筆者加工

後者の新興型プレイヤーが2013年以降頃から増加し、近年はフィットネスクラブ売上高ランキング上位に複数名を連ねています。この新興型プレイヤーの躍進を、第一次構造変革と呼ぶことにします。

出所:SPEEDAデータをもとに筆者加工

それでは、次に起こる構造変革は何でしょうか。第二次構造変革と呼ぶべきものが、オンラインフィットネスプレイヤーの台頭であると考えています。そもそも第一次構造変革はなぜ起こったのでしょうか。それは一言でいえば、フィットネスがより日常生活に浸透したことによる変革だと考えています。24時間好きな時に利用できるエニタイムフィットネスやJOY FIT、総合型フィットネスクラブよりも安価で短時間なトレーニングを想定したカーブス等が躍進したのは、フィットネスをいつでも・より手軽に楽しみたいという消費者のニーズが現れたものといえるでしょう。

そうしたフィットネスの日常生活への浸透は今後ますます進み、いつでも・どこでも・手軽にフィットネスを楽しみたいというニーズはより拡大するものと考えています。そして、そのようなニーズを実現してくれるのがオンラインフィットネスなのです。

資料:筆者作成

(2)日本におけるオンラインフィットネスの市場規模

では、オンラインフィットネスの市場規模はどの程度あるのでしょうか。日本は他国と比べてもフィットネスクラブの会員数が少なく、フィットネスクラブに通っている人は全人口のわずか3.3%です。これは、フィットネスクラブの施設数が足りないこと、料金が高いことが主な原因であると考えられます。これらの理由により現在フィットネスクラブに通っていない97%の人も、いつでもどこでも行うことができ、料金も手軽なオンラインフィットネスであれば、実施できる可能性は十分にあります。

出所:プロフィットジャパンブログ

また、米国では、大手フィットネスジムチェーンの24 Hour Fitnessとフィットネス動画配信サービスのDaily Burn等、リアルのフィットネスクラブとオンラインフィットネスサービスが提携する例が見られます。ジムには月に数回通い、ジムに行けない平日夜にはオンラインフィットネスで軽く体を動かす等の形で、リアルのフィットネスクラブとオンラインフィットネスを併用している人が多数いることがうかがえます。このように両サービスの併用が一般になされていることから、フィットネスクラブを既に利用している人も、オンラインフィットネスサービスのターゲットに十分なり得ると考えます。

上記により、オンラインフィットネス市場は、顕在化しているフィットネスクラブの市場規模よりもはるかに大きなポテンシャルがあると考えられます。

2. 世界のオンラインフィットネス市場の概況

世界に目を向けると、既にアメリカ、中国等でオンラインフィットネスサービスの躍進が始まっています。Report Oceanのレポートによると、世界のバーチャル/オンラインフィットネスの市場規模は、2019年は31億2247万米ドル、2026年までに330億2667万米ドルに達するとされており、2020年~2026年中はCAGRで38.20%という高い成長が予測されています。

(1)アメリカ

アメリカではご存知のとおり、エクササイズバイクで知られるPelotonが急成長を遂げています。有料会員数は133万人を超えており、時価総額は約465億ドル(2021/1/9現在)まで成長しています。2020年7-9月決算は売上高7.6億ドル(前年比232%増)、営業利益は6,890万ドルで、2四半期連続の黒字を達成しました。

出所:Google

また、瞑想アプリについてもCalmやHeadspaceが大規模な資金調達を行う等、注目が集まっています。他方、リアルのフィットネスジムについては、老舗フィットネスジム「ゴールドジム」を運営するGGIホールディングスが2020年5月に連邦破産法11条を申請する等、コロナ禍による苦境が鮮明になっています。

(2)中国

中国においても米国同様、オンラインフィットネスが大きく成長しています。ソーシャルフィットネスアプリやフィットネスマシン等を提供するスポーツテック企業の「Keep」は、シリーズEラウンドで約8,000万ドルの資金調達を行い、中国のスポーツテック分野の初のユニコーン企業となりました(※)。同社の発表によると、Keepの登録ユーザー数は2億人を超えているとされています。他にも任天堂のリングフィットアドベンチャーが爆売れする等、コロナ禍を契機にホームフィットネスが大きな注目を集めています。(※BRIDGE編集部註釈:Keepは先日、シリーズFで3.6億ドルをさらに調達

3. コロナ禍収束後のオンラインフィットネスの未来

オンラインフィットネスは、コロナ禍による外出自粛・フィットネスジムの閉鎖により大きく躍進しました。そうであれば、ワクチンの普及によりコロナ禍が落ち着けば、オンラインフィットネスブームも収束してしまうのでしょうか。私はそんなことはなく、オンラインフィットネスはアフターコロナにおいてもフィットネス業界の中心となると考えています。

まず、米国の例を見てみると、下図のとおり、2020年7-9月はコロナの新規感染者数が落ち着いていました。その時期は米国の多くの州でジムの営業が再開されていましたが、上記のとおり、オンラインフィットネスPelotonは当該四半期も好調な業績を記録しています。

出所:Google

また、ボストンコンサルティンググループのコロナにより自粛している活動・施設の利用再開時期に関する意識調査によると、ジム/スパについては「たとえ通常時に戻ったとしても行うつもりはない」との回答が33%と、他の活動・施設よりも多くなっています。これは、コロナ禍収束後においても、自宅でのフィットネスでジム/スパの利用を代替可能と考えているユーザーが多いためだと考えられます。

出所:ボストンコンサルティンググループ

さらに、上記のとおり、リアルジムとオンラインフィットネスを併用しているユーザーが多数いることから、コロナ禍が収束し、フィットネスジムの利用が再開したとしても、それによりオンラインフィットネスのブームが去ることにはつながらないと考えています。

4. まとめ

上記のとおり、私は日本におけるオンラインフィットネスの発展に大きな可能性を感じており、アフターコロナの時代においてもフィットネス業界の中心的存在になると考えています。

コロナ禍によって人々は新しい生活様式を余儀なくされ、心身の健康維持や在宅時間の充実について向き合うきっかけを与えられることになりました。いつでも・どこでも・気軽に・自分に合ったコンテンツでフィットネスを楽しみ、ココロもカラダも健康になれる。そんな未来をLEAN BODYが実現してくれると信じ、YJキャピタルとしてもささやかながらそんな未来に貢献できればと思っています。

スマートシティの創出に必要なもの——構想発表から10年、スペイン・マラガの経験(前編)【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿) The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture c…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿

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Image credit: ParallelVision via Pexels

世界中のほとんどの国際都市では、都市計画家、政治家、不動産デベロッパが、大都市をスマートシティに変えることに取り組んでいる。不動産やそれに付随する業界で働いている人であれば、スマートシティという概念がホットなものであることを知っているだろう。しかし、多くの多幸感に満ちた新しいトレンドのように、スマートシティという概念はさまざまな解釈が可能だ。

そんなことから、スペインのマラガ市でスマートシティプロジェクトを展開しているデジタルアーキテクトの一人にお会いしたときには、彼の知見を拝する機会に飛びついた。Rubén Fernández Vela 氏はスペインの弁護士で、現在は東京でデータ保護とプライバシー、デジタル法とテクノロジー、スマートシティの分野で法律コンサルタントとして働いている。

<参考文献>

以下は彼との会話の抜粋だ。

Rude VC:

「スマートシティ」という言葉にはさまざまな解釈があるようですが、その定義を説明していただけますか?

Vela 氏:

Rubén Fernández Vela 氏

スマートシティは、多くの著者や団体が一連の要素や基盤に基づいて説明しようとしてきた、大きく複雑な現象です。

スマートシティという概念が前世紀の初めに生まれた当初は、エネルギー効率を追求し、CO2排出量を削減することを目的としていました。現在では、情報通信技術の活用や、市民生活の向上、経済、都市のサステナビリティなど、さまざまな考え方が関係しています。技術は目標を達成するための手段であり、目標とは人間中心の都市の発展です。

我々が言うスマートシティとは、情報が流れるデジタル・ユビキタスの世界の中で、市民が都市情報に接続しリアルタイムに活動する理想的な都市のことを意味します。

スマートシティの概念の正確な定義は、デジタル技術を使用して、そのコンポーネントとして重要なインフラと公共サービスの両方をよりインタラクティブに、より効率的に提供し、市民がそれらをより意識することができるようにする都市、となります。

Rude VC:

スマートシティプロジェクトを実現し、自分たちの街をスマートシティに変えたいと思う自治体の職員を鼓舞するものは何ですか?

Vela 氏:

DESA(国連経済社会局)によると、2050年には都市に住む人の割合が世界の人口の70%に達すると言われています。自治体職員は、市民の生活の質だけでなく、環境や既存企業の競争力にも直接的でポジティブな影響を与えることを目指しています。

都市はいかなる国の社会経済的発展においても基本的な役割を果たしています。都市は、経済成長、イノベーション、社会的進歩、文化、知識、多様性の主要な推進力となっています。都市の魅力とは、基本的なサービスを提供し、生活の質を保証し、ビジネス創造と人材開発のためのより良い条件を促進する力に由来し、最高の市民と企業を魅了すべく競うことになります。

スマートシティは、行政、市議会、民間団体、市民、それぞれの期待を完璧に結びつけるものです。自治体は、市民の問題点やニーズを理解することで、市民の信頼を得たいと考えています。

Rude VC:

市の職員は、スマートシティになることで何を達成しようとしているのですか?

Vela 氏:

スマートシティとは、都市のあらゆる分野(都市計画、インフラ、交通、サービス、教育、健康、治安、エネルギーなど)の効率的な管理を実現し、都市と市民のニーズを満たすことを目指しています。そのためには、技術革新とあらゆる社会的主体と企業の協力が必要です。都市に必要なのは、a) 技術的なインフラ、b) エネルギー戦略、c) 資源の管理と保護、d) 官民サービスの創造、e) 市民それぞれの個人データがアクセス可能で、オープンで、再利用可能なオープンガバメントです。

自治体は、交通、公共サービス、廃棄物収集などに影響を与える、市民運営やサステナビリティに関連した問題に直面するニーズを解決しようとしています。その解決策は、意思決定のためのテクノロジー、具体的には AI、IoT、ビッグデータの利用にあります。

スマートシティとはサステナブルな都市です。それは、社会的イノベーション、効率的な移動と輸送の方法、エネルギーイノベーション(ゼロカーボン)、オープンガバメント、協調経済を目指す都市のことです。

成功したスマートシティは、市民の生活を改善し、サービスの提供を改善し、行政と市民の間の新しいコミュニケーションの形を開発し、サステナブルな開発を実現し、行政のための経済的節約を実現し、起業家のエコシステムを育成するためにテクノロジーを採用しています。

Rude VC:

スマートシティの実現について考えるプロセスとは?

Vela 氏:

スマートシティを実現するプロセスは簡単なものではありません。関係するさまざまな分野の専門家の時間と努力が必要です。政府、市民、公共・民間組織にメリットをもたらすリーダーシップとビジョンが必要です。

スマートシティを実現するまでの設計は、一般的に以下のような段階を経て行われます。

    1. チームビルディング
    2. 検証
    3. マルチセクター(多業界)視点でのソリューションの設計
    4. 実行計画の策定
    5. 複数組織の連携
    6. 評価と反復

スマートシティの哲学を適用する際には、自治体の規模、性格、進化、成長、適応能力などのいくつかの要素を考慮しなければなりません。それは、サステナブルな開発の原則に従った変革であり、すべてのスケールで効率的な管理を適用し、そのすべてに技術的なエコシステムを導入することを意味します。これらのニーズは、市民、役所や行政、関係企業の協力によってのみ解決されます。

Rude VC:

一般市民はどのようにスマートシティ開発プロジェクトに従事していますか?

Vela 氏:

都市とは、人々が生活や仕事をし、提供する多くのサービスの枠組みの中で活動を展開するプラットフォームです。エネルギー資源の大部分の中心であり、国の発展に大きな影響を与えます。

スマートシティには、市民の声に積極的に耳を傾け、市民と完全に接触する役割としての透明性の高い政府が必要です。そのためには、「従来型」から「スマート」な都市への進化にデジタル技術が不可欠です。

都市自体が、市民を中心とした人間中心のプラットフォームとなる。スマートシティでは、市民は自分の都市の情報システムにリアルタイムでアクセスできるようになり、提供されたデータによってより良い意思決定をすることができ、重要なのは、自治体の意思決定プロセスに影響を与えることができるようになるということです。

デジタル技術によって実現されたスマートシティは、市民を能動的なエージェントに変え、自分たちの属する社会の共同創造者に変えます。自分たちが暮らす環境を最もよく知っているのは市民であり、自分たちの住む地域や都市の運命を行政と一緒に提案し、共同で決定できるのは市民です。

Rude VC:

一般の人々はスマートシティ・プロジェクトについてどのような懸念や恐れを抱いているのでしょうか? そのような懸念はどのように緩和されますか?

Vela 氏:

都市の民営化、デジタルデバイド、データ保護と電子プライバシー、質の高いデータへのアクセスは、一般の人々がスマートシティプロジェクトについて抱く可能性のある最も一般的な懸念のいくつかです。

プロジェクトに関与するすべての民間会社等専門家の顔ぶれとアジェンダを開示し、構想段階から都市に関与させることは、市民からの潜在的な懸念を先取りするために非常に重要です。

IT へのアクセスが平等でなければ、市民はスマートシティにアクセスすることができず、アイデンティティを大きく失うことになる。スマートシティの設計と計画においては、連携と教育プログラムが必要があります。

スマートシティを実現するプロジェクトでは、データ保護の観点から、新たにあつらえられたプライバシー法と、元々のプライバシー概念を尊重する必要があります。

最後に、データベースのサービスを開発し、スマートシティでデータドリブンの経済を創出するためには、データが人口のすべてのセクター対して、特に市民やスタートアップからアクセスできるようにする必要があります。そのためには、オープンソースのデータでの作業を容易にする API や web サイトの開発に加え、データの再利用、透明性、オープンガバメント、電子行政などのポリシーを策定することが不可欠です。

後編に続く

LayerXが 「LayerX INVOICE」公開、クラウド請求書を最初のプロダクトに選んだワケ

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ニュースサマリ:経済デジタル化支援のLayerXは1月13日、経理業務を効率化する請求書AIクラウド「LayerX INVOICE」を公開した。LayerX INVOICEは請求書の受け取り後、AI-OCRによって請求書を自動でデータ化した上、仕訳データや振込データの自動作成及び会計システム連携をシームレスに実行してくれる。 開発にあたりLayerXでは月間の受領請求書枚数が1万枚を超える大手など…

LayerX社内での開発風景。彼らはオフィスに戻った(写真提供:LayerX)

ニュースサマリ:経済デジタル化支援のLayerXは1月13日、経理業務を効率化する請求書AIクラウド「LayerX INVOICE」を公開した。LayerX INVOICEは請求書の受け取り後、AI-OCRによって請求書を自動でデータ化した上、仕訳データや振込データの自動作成及び会計システム連携をシームレスに実行してくれる。

開発にあたりLayerXでは月間の受領請求書枚数が1万枚を超える大手など含む100社以上にヒアリングを実施し、課題を抽出した上で機能拡充を実施した。昨年10月からは一部の企業に対してβ版の提供を開始しており、連携する会計システムはfreee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計など主要なシステムが対応している。これら会計システムに連携する仕訳データを自動で作成・連携できるほか、銀行の振込データも同様に自動で作成可能となっている。

LayerX INVOICE

また、紙の請求書についても連携パートナーと協力して代理受領・データ化を請け負う。紙の請求書を代理で受け取り後、スキャンすることで紙の受領が必要なケースでもオフィスに出社せず、クラウドのみで完結できるとした。

初期費用と月額費用が必要で、請求書の対応枚数によっていくつかのプランに分かれる。詳しい価格については問い合わせが必要。同社は国内で発令されている緊急事態宣言において企業のリモートワークが推奨される状況をふまえ、今日から3カ月間の無料トライアル期間を設けている。

話題のポイント:2018年8月の創業から追いかけてるLayerXから待望のプロダクトがリリースされました。同社はこれまで自律分散技術を活用した業務プロセスのデジタル化を主力事業として活動してきていましたが、どれも大手とのコラボレーションによるものでした。LayerXのこれまでについてはこちらの記事を参照ください。

参考記事

さて、経済活動のデジタル化を掲げるLayerXはなぜ最初のプロダクトにクラウド請求書を選んだのでしょうか?実際、この手のツール類は連携するマネーフォワードやfreeeなどをはじめ、各社出揃った感がありますし、クラウドファクタリングのOLTAは完全無料のツールとして提供を開始するなど、違ったフェーズに入っているのが現状だと思います。ということでLayerXの福島良典さんに同社の現在地についてお話を伺いました(太字の質問はすべて筆者、回答は福島さん)。

LayerXではこれまで主に企業との協業スキームでデジタル化の支援を実施してきた。クラウド請求書が溢れる中、このプロダクトを最初のテーマに選んだ理由は

福島:LayerXでは三井物産様を始め、SMBC日興証券様、三井住友信託銀行様とジョイントベンチャーを作り事業運営をしています(三井物産デジタル・アセットマネジメント、以下MDM)。半年前の調達時にBRIDGEさんに寄稿させていただきましたように、この事業運営で得た知見を元に「より汎用的なソリューションとして提供していけるような体制をLayerXとしても作りたい」と考えていました。

請求書のプロセスのどこにチャンスを見出した

福島:MDMはデジタルなアセマネ会社として「今までアセット化されなかったものの証券化、今までアクセスできなかったものに対する投資の開放、裏側の業務プロセスデジタル化による金融機関の生産性向上」を目指しており、この裏側の業務プロセスのデジタル化(=コーポレートDX)では、SaaSの導入と既存SaaSでできないことを切り分け、既存SaaSの導入で効率化できる部分は導入・活用を進めてきました。

既存SaaSでカバーできていなかった領域として「請求書受領から支払いまでの効率化」ソリューションがあり、この部分を自社プロダクトとして開発し始めました。これを複数の企業にみせたところ非常に反響が良く、汎用のプロダクトとして展開することを決定した次第です。

経済活動をデジタル化する、という大きなミッションを掲げているが、企業とのアライアンスや今回のプロダクトリリースを通じて、LayerXがどのぐらいの地点に辿り着いたか認識を教えてほしい

福島:あらためて、LayerXのミッションは「すべての経済活動を、デジタル化する。」ことです。昨秋に自身で書いたこちらのnoteでも触れておりますが、当社では、デジタル化のレベルは大きく四つあると考えています。超要約して書くならば「ツール→業務→企業間・業界間・産業間」と最適化される対象が広がっていくイメージです。

DX時代の金融機関における「経営のソフトウェア化」(福島さんのnoteより)

当社が注力するブロックチェーンや秘匿化技術は「Level4のデジタル化」の根幹となる技術です。一方日本の産業界の現状はLevel1-2のDXがやっと進み始めたところです。

まだまだ国内企業のデジタル化への取り組みはこれから、という状況

福島:今まで、デジタル化が真剣に取り組む必要に迫られていなかったのは、デジタルの持つ優位性が「インターフェースをデジタルに変える」だけだったからではないでしょうか。これでは変化の幅は限られます。LayerXが(JV事業やSaaS事業において)取り組むデジタル化はLevel1-2からスタートしLevel3に移行するように解決していきます。同時に、祖業であるブロックチェーン事業については「LayerX Labs」という形を残し、5年10年単位で確実に来る大きな波を、沖にでて待ちつづけています。これらが合流する形でLevel4のデジタル化を実現していきます。

大手含めてかなりの検証を重ねた上での勝負だと思う。勝ち筋は

福島:こちらも、実はBRIDGEへの寄稿で触れていますが、インターネット×エンタープライズはチャンスが大きい産業だと思っています。なかでも請求活動は企業の最も基本的な活動の一つです。請求書業務を上述の「レベル分け」で例えてみます。Level1だと請求書の「pdf化、データ化」が実現されるイメージです。

Level2-3が今回提供するLayerX IINVOICEの範囲で、「手入力がなくなる・システム間の転記がなくなる・ミスや漏れなどを機械的にアラートする」など業務のデジタル化がされるイメージです。次に来るLevel4が「請求書の標準化・規格化によってデータのやり取りだけで完結する、デジタルマネーと請求書が結びつくことで催促や担保の概念が変わる、IoTデバイスをトリガーに役務提供や実際に物が動いたら決済される」など、業界間や産業間をまたいだ最適化になるイメージです。

このようなデジタル化が進むことで、従来の「サービスの単発売り切り型の経営」から、そのサービスを継続的に提供し、絶えず改善しながら顧客のライフタイムバリューをどう高めるかという「サービス産業的な経営(=ソフトウェア経営)」に変わっていくと考えています。

ありがとうございました。

上海の病院でデジタル人民元が導入、ビットコイン高騰でマイニングリグも高騰など——1月前半の中国ブロックチェーン界を振り返る

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上海の病院がデジタル人民元のスマートカードのトライアルを開始し、デジタル通貨を配布する3回目の抽選会が深圳で開かれた。ビットコインが暴騰する中、仮想通貨をマイニングするリグの価格はここ2ヶ月で急上昇し、国営メディアは投資家が買いに走ることを戒めた。 デジタル人民元の試練 上海のある病院が、デジタル人民元用に設計された初の「ハードウォレット」のトライアルを開始したと、国営メディアが1月7日に報じた。…

Image credit: TechNode/Xuewen Song

上海の病院がデジタル人民元のスマートカードのトライアルを開始し、デジタル通貨を配布する3回目の抽選会が深圳で開かれた。ビットコインが暴騰する中、仮想通貨をマイニングするリグの価格はここ2ヶ月で急上昇し、国営メディアは投資家が買いに走ることを戒めた。

デジタル人民元の試練

  • 上海のある病院が、デジタル人民元用に設計された初の「ハードウォレット」のトライアルを開始したと、国営メディアが1月7日に報じた。上海交通大学医学院附属同仁医院の従業員は、職員食堂でスマートフォンではなく、スマートカードを使ってデジタル人民元で代金を支払うことができる。澎湃新聞

上海のデジタル人民元のパイロット運用は Amazon Kindle に似たインクスクリーンを使用しており、これはインターネット接続や携帯電話がなくてもデジタル人民元が利用できることを意味している。(Collin Wu 氏の Twitter

  • 中国でデジタル通貨を流通させるための抽選会が先週、深圳市で3回目の開催となった。この抽選会は、中国人民銀行が現在進行しているトライアルの一環である。今回の試験では2000万人民元(約3億円)が配布された。China Banking News
  • 深圳の地元メディアは、中国農業銀行がデジタル人民元の入出金に ATM を使ったテストを行っていると報じている。深圳新聞

ビットコイン高騰でマイニングリグ価格も高騰

  • 先月ビットコインの価格が急騰したことを受け、中国製の仮想通貨マイニングリグの需要が横並びで急増した。先週、ビットコインは4万米ドルを超えた。
  • 新型マイニングリグの価格はここ2ヶ月で2倍になり、Bitmain(比特大陸)の在庫は数ヶ月前から売り切れの状態が続いている。CoinDesk
  • 強気のリグ市場では、お蔵入りしていた旧型のマイニングリグにも光が当たることになった。旧型マイニングリグも中古市場で高値で取引されていることが、仮想通貨インテリジェンスポータル「Hash Rate Index」のデータから明らかになった。巴比特
  • この話題は中国のソーシャルメディアプラットフォーム「Weibo(微博)」で1月9日に890万回以上の再生回数を記録し、トレンドとなった。
  • アメリカで上場する中国のスポーツ宝くじ会社 500.com(500彩票)は、Bitmain と MicroBT(比特微)の仮想通貨マイニングリグを1,440万米ドル相当購入する計画だ。同社は、購入資金を調達するために1.21米ドルで1,190万株のクラス A 普通株を発行する。500彩票

ビットコイン高騰に対する国営メディアの反応

  • China Economic Dailyは、ビットコイン取引法的にまだグレーゾーンにあり、各国政府が禁止した場合にはビットコインは無価値になるだろうと述べた。同紙は、ビットコインに対する取り締まりが激化すると予想している。巴比特
  • 国営の人民日報は1月5日の長文社説で、ビットコインが強気の動きを見せている中で、レバレッジをかけたビットコイン取引をしないように読者をたしなめた。人民日報
  • 人民日報のブロックチェーンに関する言及は、2017年から2020年にかけて700%に増加したと、政策分析会社 Macro Pro の調査が伝えている。Macro Poro

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

中国検索大手Baidu(百度)、自動車メーカーGeely(吉利)とEV生産へ

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Baidu(百度)は11日、自動車メーカーの Geely(吉利)と提携し、中国市場向けのスマート電気自動車(EV)を製造すると発表した。 重要視すべき理由:Baidu と Geely の提携により、Baidu は1兆米ドル規模の EV 産業への進出をさらに深めることになる。中国内外のインターネット大手が急成長する市場の一角を奪い合う中、Baidu は、Meituan(美団)、Tencent(騰訊)…

Image credit: Masaru Ikeda

Baidu(百度)は11日、自動車メーカーの Geely(吉利)と提携し、中国市場向けのスマート電気自動車(EV)を製造すると発表した。

重要視すべき理由:Baidu と Geely の提携により、Baidu は1兆米ドル規模の EV 産業への進出をさらに深めることになる。中国内外のインターネット大手が急成長する市場の一角を奪い合う中、Baidu は、Meituan(美団)、Tencent(騰訊)、JD.com(京東)などの同業と異なり、単に既存の企業に投資するのではなく、EV を自ら製造する中国初のテック大手となる。

詳細情報:Baidu は主要な自動運転技術とソフトウェアを提供し、Geely は自動車製造の専門知識を提供する。合弁会社の経営権は Baidu が持ち、現在は Geely が唯一のパートナーとなっている。

  • Baidu の独立した子会社として運営される新会社は、自動車の設計から研究開発、製造、販売、サービスに至るまでの産業チェーン全体を統括する。
  • Baidu は、自動運転車開発部門「Apollo(阿波羅)」、「DuerOS for Apollo(度秘)」、「Baidu Maps(百度地図)」など、コア技術のフルポートフォリオで子会社の戦略的発展を支援する。
  • 今回の提携では、Geely が4年の歳月と18億人民元(約290億円)を費やして完成させた EV 製造プラットフォーム「SEA(Sustainable Experience Architecture、浩瀚)」を活用する。Geely によると、このプラットフォームはあらゆるサイズやモデルの自動車に対応しているという。
  • Baidu と中国の自動車メーカーとの戦略的提携の噂は以前からあり、投資家の関心を集めていた。Baidu の株価は過去1ヶ月で67%上昇し、時価総額は8億米ドルに達した。Geely の株価も1月8日に20%以上上昇した。

Baidu では、インテリジェント運転の未来を長い間信じており、過去10年間でAIに多額の投資を行い、世界クラスの自動運転サービスのポートフォリオを構築してきた。中国は EV の世界最大の市場となっており、EV 消費者が次世代の自動車をよりインテリジェントにすることを求めているのを目の当たりにしている。(Baidu 共同創業者兼 CEO の Robin Li=李彦宏氏)

  • Xpeng Motors(小鵬)CEO の He Xiaopeng(何小鵬)氏は Weibo(微博)で、彼の知る限り、より多くのテック企業がレースに参加し、今年中に自ら車を作り始めるだろうと述べた。

<関連記事>

背景:Baidu は2013年に自動運転プロジェクトをキックオフしたが、短編動画プラットフォーム各社との競争で検索広告収入が減少している同社にとって、自動運転車が戦略的な焦点となったのは2017年になってからだった。

  • 2017年、検索大手は自動運転ユニット「Apollo」を設立。8月に開始した自動運転タクシーサービス「Go Robotaxi」を北京、湖南省中部の長沙、河北省北部の滄州で運営している。
  • Baidu の EV 市場への参入は、既存のスマートドライブ製品やサービスの採用を後押しする可能性がある。この車両は、Baidu が自社のソフトウェアやサービスを通じて集めた消費者の行動やトレンドに関するデータや情報を実装し、同社の自動運転エコシステムを完成させる位置付けだ。
  • このような提携は主流にはならないだろう、と China Passenger Cars Association(乗用車市場信息聯席会)秘書長の Cui Dongshu(崔東樹)氏は言う。今後も製造能力と技術がコアを占めるため、インターネット大手と自動車メーカーとの戦略的提携は、それだけで強者に立ち向かうことはできないだろう、と彼はつけ加えた。
  • Baidu はこの数年間、Nio(蔚来)、Xpeng、Leading Ideal(理想汽車)への投資機会を逃すなど、新しい技術を取り入れた車で多くの失敗をしてきた。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

中国のフードデリバリ最大手「Ele.me(餓了麼)」、配達員が低賃金への抗議で焼身自殺を図る

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中国のフードデリバリ最大手「Ele.me(餓了麼)」の配送業者 Fengniao(蜂鳥)の配送ステーション前で、配達員が自らに火をつけた動画が拡散し、中国のテック業界の劣悪な労働条件に再びスポットライトが当てられている。 詳細:江蘇省東部の泰州市の中心部で、配達員を巻き込む炎を消す様子を映した短い動画(編注:本映像には刺激の強い描写が含まれています。閲覧の際はご注意ください)が中国のソーシャルメデ…

「Ele.me(餓了麼)」の配達員
Image credit: TechNode/Shi Jiayi

中国のフードデリバリ最大手「Ele.me(餓了麼)」の配送業者 Fengniao(蜂鳥)の配送ステーション前で、配達員が自らに火をつけた動画が拡散し、中国のテック業界の劣悪な労働条件に再びスポットライトが当てられている。

詳細:江蘇省東部の泰州市の中心部で、配達員を巻き込む炎を消す様子を映した短い動画(編注:本映像には刺激の強い描写が含まれています。閲覧の際はご注意ください)が中国のソーシャルメディア上で拡散した。この人物は病院に搬送され、命に別状はないと報告されている。

  • 1分間の動画が撮影されたのは、炎に包まれた男性が路上に横たわっている状態で発見された11日の朝の風景だ。地元住民がその場に駆けつけ、消火器で火を消した。火が消された後、男性は感情的になっており、群衆に向かって「命も欲しくない、苦労して稼いだお金を返して欲しかった」と語っている。
  • この賃金問題に詳しい関係者によると、この配達員が Fengniao で働く専属契約を結びながら、他の複数のデリバリプラットフォームで働くために欠勤したことが関係していたという。
    #江蘇一外売員点燃身上汽油自残#(江蘇省の配達員がガソリンで焼身自殺)」と題された Weibo(微博)のハッシュタグは、12日朝の時点で128万ビューを集めていた。
  • TechNode(動点科技)が Ele.me に確認したところによると、この男性は Fengniao からアウトソースされた人材紹介会社の元従業員だったという。

悲劇的な出来事に悲しみを感じている。状況は現在調査中であり、現段階ではコメントできない。(Ele.me の広報担当者)

背景:中国のテック企業は、労働者に金銭的な圧力をかけているだけでなく、過剰な残業スケジュールを強要していると非難されている。

  • インターネットライフスタイルプラットフォーム大手各社の台頭を支える、何百万人にも及ぶフードデリバリ配達員の労働条件は、配達員のストライキに始まり、配達員が店の従業員を刺す事件にまで発展するなど、中国では長い間問題になってきた。
  • Alibaba(阿里巴巴)の支援を受けた Ele.me は、業務中に死亡した43歳の配達員の家族に2,000人民元(約32,000円)の補償金しか支払わないと発表し、世間の怒りを買った。その後、同社は補償額を60万人民元(約960万円)に引き上げた。
  • Alibaba 競合の「Pinduoduo(拼多多)」も、残業の社風から同様の反発を買う状況に直面している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

ソーシャルメディアの「顔情報」から政治的傾向を読み取れるのか(1/4)

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スタンフォード大学の研究者で物議を醸しているMichal Kosinski氏の論文は、顔認識アルゴリズムによってソーシャルメディアのプロフィールから人々の政治的傾向を暴くことができると主張している。Kosinski氏と共著者は、カナダ、アメリカ、イギリスのユーザーのフェイスブックや出会い系サイトのプロフィール100万件以上のデータセットを使用して、「自由主義者と保守主義者」の顔のペアの72%におい…

Photo by Pixabay from Pexels

スタンフォード大学の研究者で物議を醸しているMichal Kosinski氏の論文は、顔認識アルゴリズムによってソーシャルメディアのプロフィールから人々の政治的傾向を暴くことができると主張している。Kosinski氏と共著者は、カナダ、アメリカ、イギリスのユーザーのフェイスブックや出会い系サイトのプロフィール100万件以上のデータセットを使用して、「自由主義者と保守主義者」の顔のペアの72%において政治的指向を正しく分類するアルゴリズムを訓練したと述べている。

この研究は「人の性格や性格は外見から評価できる」というトンデモ科学的な概念である「人相学」を取り入れたものである。1911年、イタリアの人類学者Cesare Lombroso氏は、「ほぼすべての犯罪者」は「つぼ耳、太い髪、薄いヒゲ、顕著な副鼻腔、突き出た顎、広い頬骨」であると分類学を発表した。泥棒は 「小さくさまよった目」が目立ち、強姦魔は 「腫れ上がった唇とまぶた」が目立ち、殺人者は「しばしば鷹のような鼻を持ち、常に大きい」と主張したのだ。骨相学という関連分野では、精神的特徴を予測するために頭蓋骨のこぶを測定している。Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)の代表的な著者たちは、この種の顔認識は「必然的に失敗する運命にある」と述べており、強い主張は貧弱な実験結果の現れだとしている。

Kosinski氏の研究を批判しているプリンストン大学のAlexander Todorov教授も、顔認識の論文で採用されているような方法は技術的に欠陥があるとしている。Todorov教授は、何百万枚もの写真を比較するアルゴリズムが拾ったパターンは、顔の特徴とはほとんど関係がなくなる可能性が高いと指摘する。例えば、出会い系サイトに自分で投稿した写真には、顔以外の手がかりがたくさんあるはずだ。

さらに現在の心理学の研究では、成人期までには、人格はほとんどが環境の影響を受けていることがわかっている。「写真から性格を予測することは可能かもしれないが、人間の場合はせいぜい偶然よりもわずかにマシな程度」と、プロフィール画像から性格を予測することに取り組んできたペンシルバニア大学の博士研究員のDaniel Preotiuc-Pietro氏は、最近のインタビューでBusiness Insiderに語っている。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

マメからできた代替卵の「JUST Egg」、中国ファーストフード大手が採用

ピックアップ:California vegan egg startup Eat Just yokes itself to China’s fast food chain ニュースサマリ:植物性の卵「JUST Egg」を提供するサンフランシスコの食品スタートアップEat Justは、中国のファーストフードDicosに代替卵を供給することを1月に発表した。同社が開発する代替卵「JUST E…

画像出典:Eat Just 公式ウェブサイト

ピックアップ:California vegan egg startup Eat Just yokes itself to China’s fast food chain

ニュースサマリ:植物性の卵「JUST Egg」を提供するサンフランシスコの食品スタートアップEat Justは、中国のファーストフードDicosに代替卵を供給することを1月に発表した。同社が開発する代替卵「JUST Egg」は緑豆というマメ科の植物から作られている。同社公式サイトによると、JUST Eggはコレステロールフリー、抗生物質フリーで遺伝子組み換えも行っておらず、タンパク質含有量は卵1個分に匹敵するという。

詳細:Eat Justは2011年、Hampton Creekという社名でJosh Tetrick氏とJosh Balk氏により創業。同社はLi Ka-Shing氏、Peter Thiel氏、Bill Gates氏、Khosla Venturesなどの著名投資家から3億ドル以上を調達し、最新の評価額は12億ドルだった。

  • 同社はすでに2019年からアリババグループが運営するTmallやJD.comなどを通じて中国でのオンライン販売を行っており、同社の中国事業は前年比70%の成長を遂げているという。
  • 同社グローバルコミュニケーション担当責任者・Andrew Noyes氏は、「植物ベースの食品は中国の消費者の間で人気が高まっており、持続可能な食生活は、将来的な国の食料調達に関する国民的な話題の一つになりつつある」とコメントしている。
  • 今回代替卵を提供することになったDicosはハンバーガーやフライドチキンなどを提供する中国最大級のフードサービス企業で、同社プレスリリースによると32の省と自治区で計2,600店舗を運営し、年間6億人の顧客にサービスを提供している。

背景:Euromonitorによると、世界最大の食肉消費国である中国において、代替肉の市場規模が2018年の100億ドルから2023年には120億ドルに成長すると予測されている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

ブロックチェーンとIBM:ブロックチェーン導入の課題(2/5)

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HyperledgerとIBM (前回からのつづき)ブロックチェーンは分散システムを活用し、システム内におけるトランザクションの透明性を高めることが可能だ。加えて、個々の商品の識別をすることも可能なため、商品の偽造などの不正行為などを把握することができる。IBMのブロックチェーンに対する取り組みはHyperledgerがが挙げられるだろう。これは、Linux Foundationのオープンソースで…

Image Credit :Hyperledger

HyperledgerとIBM

(前回からのつづき)ブロックチェーンは分散システムを活用し、システム内におけるトランザクションの透明性を高めることが可能だ。加えて、個々の商品の識別をすることも可能なため、商品の偽造などの不正行為などを把握することができる。IBMのブロックチェーンに対する取り組みはHyperledgerがが挙げられるだろう。これは、Linux Foundationのオープンソースであり、エンタープライズ向けブロックチェーンの代表格として挙げられる。2016年に設立された同財団は、30の設立メンバーで構成され、IBMも含まれている。

Rennie氏は「私たちは早い段階から企業ニーズに応じたブロックチェーンにフォーカスし、Hyperledgerに貢献することに力を注いできました」と述べる。

同社によれば、ブロックチェーン導入の課題の一つはブロックチェーンと暗号資産が同義語のように扱われていたことにあるという。Hyperledgerでは、ブロックチェーンを利用してP2Pのプラットフォームを作成したうえで、金融や製造、IoTや保険などの多種多様な業界へ利用できることが導入のメリットだ。同氏は業界横断的な標準を定めたことが、ブロックチェーンという新しい方法でデータの共有を促進することに役立ったと述べる。

12月上旬に発表された最新のHyperledger年次報告書によれば、同技術を利用した企業・組織のプロジェクトは67社に上っているとする。また、IBMは3,631件のコミット量で最大の貢献者となり、2位とは3倍近い差をつけている。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】