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出張の「仮払い」は昭和が残した負の遺産ーー今、知っておくべき「BTM(ビジネストラベルマネジメント)」の存在と役割

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出張で何気なくやっている「仮払い」や「実費精算」。エクセルや場合によっては紙の申請書を提出して承認をもらい、レシートを用意して月末までに精算する。提出・処理という経理と現場の不毛な戦いが始まるわけです。 実はこれ、昭和初期から変わっていない商習慣で、例えば日本式の「はんこ」文化に近い風習です。特に出張の多い企業であれば社員に与える負担や時間のロスも大きく、なるべくカットしたい業務のひとつではないで…

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Photo by Element5 Digital on Pexels.com

出張で何気なくやっている「仮払い」や「実費精算」。エクセルや場合によっては紙の申請書を提出して承認をもらい、レシートを用意して月末までに精算する。提出・処理という経理と現場の不毛な戦いが始まるわけです。

実はこれ、昭和初期から変わっていない商習慣で、例えば日本式の「はんこ」文化に近い風習です。特に出張の多い企業であれば社員に与える負担や時間のロスも大きく、なるべくカットしたい業務のひとつではないでしょうか。

この課題を解決するのがトラベルマネージャーという職種の存在です。特に国家間の移動が多い欧米で先行しており、海外では「National Business Travel Association」という、ビジネストラベルマネージャーのコミュニティが存在するほど、役職としては一般的な仕事です。しかし、国内では旅行代理店がこれらを企業から一括して請け負うビジネスモデルが一般的です。

ただ、最近はインターネットの普及に伴い、サービスとしてオンラインで出張の手配・管理をするための「BTM(ビジネストラベルマネジメント)」というカテゴリが成立しており、ビジネスの出張においてBTMを活用する企業が増えています。

ではこのBTM、具体的にはどのような役割なのでしょうか?

私たちは「AIトラベル」という、この分野の非効率に取り組むスタートアップです。考え方としてはいろいろな視点があるのですが、出張に関わる一連の非効率なオペレーションを一元管理し、出発地から目的地までの「移動体験」を価格や経路といった観点で最適化する役割、といったところでしょうか。

なので、BTMの役割は幅広く、立替精算業務をなくすことを目的とするだけはでなく「移動データを見える化し、最適化する」というのが最も合った表現になります。具体的な仕事は主に次の5つです。

  • 問題点の解決
  • 予約や承認の見える化
  • 経費業務の効率化
  • 危機管理対策
  • コンシェルジュ的役割

それぞれ具体的にみてみましょう。

まず問題点の解決です。旅費規定があり、出張でその条件にあった宿泊先の選定や移動ルートの検索などで困ったことはないでしょうか。そういった問題を出張者と管理部門の間に立って不満を解消するのも実はBTMの大きな活用場面となります。

次に予約や承認作業の見える化です。世界的にはTravelPerkやTripActionsといったツールを使うのが一般的になっていますが、数多くの出張者を抱える企業では、この予約や承認状況の見える化は大きな時間効率化のポイントになります。

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移動に関する情報を可視化する(画像:AI Travelのサービス画面より)

そしてタイトルにもあった経費精算の効率化です。単に精算業務を効率化するだけでなく、各自が正しく経費を使ったのか、そこに不正がなかったのか、こういったガバナンスを持たせるのも重要な役割です。また、危機管理の観点も大切です。世界の紛争や事件、国内の天災や突発的な事故など、出張中の社員がどういった事態に巻き込まれるか把握することは管理者として重要な任務になります。いつ・だれが・どこにいるのかを把握できる環境です。

最後はコンシェルジュ的な要素です。出張というのは普段と違う勤務になるので、場合によってストレスがかかる可能性もあります。列車や飛行機において好みの座席等を調整したり、大変な思いをされた方も多いと思いますが、急遽日程変更で発生したキャンセルを処理する対応の代行業務など、出張前や出張時における課題に対して解決できる対応体制が敷かれていることです。

今、世界は間違いなくボーダレスの時代に突入しています。島国の日本であっても海外とのやりとりは避けられません。

私たちは、その「移動」が適正コストだと判断できるものであったり、その「移動」よって得られた売上などの対価や価値を紐付けることが大切だと考えています。移動から見えるミライを見据えたBTMサービスを追求しています。

<参考情報>

本稿は出張手配の手間とコストを削減する次世代クラウド出張手配・管理サービス「AI Travel」を開発・提供するAIトラベル代表取締役、村田佑介氏によるもの。Facebookアカウントはmuratayusuke。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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国内配車アプリ戦争ーーアジア・Grab、米国・Uber、中国・滴滴(DiDi)、勝敗の鍵握るのはJapan Taxi

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ピックアップ:Grab、Japan Taxiと提携し日本の5都市で配車サービスを提供へ ニュースサマリー:シンガポール発、東南アジア発の配車サービス「Grab」が日本市場への参入を計画している。JapanTaxi(旧:全国タクシー)と業務提携し、日本の主要5都市にてサービス展開を目指す。ユーザーはGrabアプリを通してJapanTaxiを予約できるようになる。 展開される5つの都市は東京・大阪・京…

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Image Credit : Grab

ピックアップGrab、Japan Taxiと提携し日本の5都市で配車サービスを提供へ

ニュースサマリー:シンガポール発、東南アジア発の配車サービス「Grab」が日本市場への参入を計画している。JapanTaxi(旧:全国タクシー)と業務提携し、日本の主要5都市にてサービス展開を目指す。ユーザーはGrabアプリを通してJapanTaxiを予約できるようになる。

展開される5つの都市は東京・大阪・京都・札幌・沖縄。同社の狙いは、増加する東南アジア地域からの訪日観光客が、日本を観光する際にGrabアプリを利用できるようにすること。つまり日本人の日常的な移動ではなく、観光客をメイン・ターゲットとしている。

話題のポイント:気になるのは日本の配車サービス市場の今後の変化です。Grab参入以前の市場を見ると、外資としては米国「Uber」、中国「滴滴(DiDi)」、国内発では今回提携を計画しているというJapanTaxiにDeNAの「Mov」、みんなのタクシー「S.RIDE」などのプレイヤーらが活動しています。

日本はUberに代表される、自営業者によるライドシェア(自分の車で人を運ぶタイプ)が許されておらず、あくまで「タクシーの配車と決済」をスマホで便利にしたサービス形態になっているのが国内の特徴です。なので、配車サービス事業者とタクシー事業者が主なプレーヤーになります。また、日本交通のように配車サービスとして「Japan Taxi」を別会社で立ち上げ、一方ではプラットフォーマー、一方ではタクシー事業者として二面性を持っている事業者もあります。

ややこしい市場ですね。

さらに外資3社は同じユーザーを食い合う訳ではなく、それぞれの提供元地域(米国、中国、東南アジア)ベースで異なるユーザーをターゲットとしているという点には注意が必要です。

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Image Credit : Google Play

すなわち、欧米人のユーザーは使い慣れたUberアプリを日本でも利用する可能性が高いと考えられ、一方で滴滴は中国人ユーザー層を想定しているということです。滴滴はAlipayやWechat Payの支払いにも対応しています。上記2つの例と同様に、Grabの場合は増加するシンガポールやマレーシアからの訪日観光客をターゲットとしています。

そして「Softbank」と「TOYOTA」という二つの巨大投資家が及ぼす影響も大きいでしょう。先述した外資3社はこれら2つの共通の投資家をバックにしています。そのため、将来的に戦略的な協業関係・買収が行われる可能性がゼロではないことも留意すべきです。

今日、正式に発表されたLINE・ヤフー連合の動きも当然これに影響してくるはずです。

さて、以上の前提を踏まえた上で、Grabの日本展開における優位性はどんな点にあるでしょうか。現時点で言えば、それはJapan Taxiが既に確立しているネットワーク規模にあります。先行していたJapan Taxiは、先述したGrab以外の4つのサービスの中で国内のサービス提供地域が最も広く、また7万台(※2019年6月時点)という最大のタクシー供給量を誇ります。

Uberは展開地域(県数)においてその次に位置付けられますが、その他のサービスら含め、差は大きいとされており、Grabはその面、長期的な拡大が比較的容易であると考えられます。

政府目標で掲げられたインパウンド目標は2020年で4000万人です。

海外からの訪日観光客が増加が、彼らが自国で利用していた配車サービスの日本参入を促し、その圧が国内の規制緩和を促し、既存プレイヤーへの競争圧を作っています。世界から出遅れていることは明らかですが、日本のライドシェア市場も本格的な競争が始まったと言えるのではないでしょうか。Grab参入はそれを象徴する出来事だと見受けられます。

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台北で開催されたスタートアップカンファレンス「Meet Taipei(創新創業嘉年華)」から、注目を集めたスタートアップを一気にご紹介

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本稿は、「Meet Taipei(創新創業嘉年華)2019」の取材の一部。 台北市内の花博公園で、14〜16日の3日間にわたって起業専門誌「BusinessNext(数位時代)」らが主催するスタートアップイベント「Meet Taipei(創新創業嘉年華)」が開催された。最終日となった16日は土曜日だったということもあり、平日の日中には時間を割けなかった人々も会場を訪れ、イベントは活況を呈していた。…

Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、「Meet Taipei(創新創業嘉年華)2019の取材の一部。

台北市内の花博公園で、14〜16日の3日間にわたって起業専門誌「BusinessNext(数位時代)」らが主催するスタートアップイベント「Meet Taipei(創新創業嘉年華)」が開催された。最終日となった16日は土曜日だったということもあり、平日の日中には時間を割けなかった人々も会場を訪れ、イベントは活況を呈していた。アジアを中心に世界各国からスタートアップ1,700チームあまり、起業家・投資家・エコシステム関係者などのべ7万人が一堂に会する予定。通算で6回目を迎えるこのイベントは、過去最大規模となる見通しだ。

14日に実施された Global Media Pitch のセッションの第一弾(AI とデータインテリジェンス、モバイルアプリ、コネクティッドデバイスと IoT)に引き続き、この日は同セッションの第二弾(トゥモローズテック、フィンテックとメディア、マーテックとコマース)の領域から16チームが登壇。ゲームを楽しめたりエクササイズを促したりする子供向けスマートウォッチ「Team8(フランス)」が優勝、また、商業施設やレストランなどでの行列待ちをアプリでの呼び出しに置き換えられる「QueQ(タイなど)」が SparkLabs Taipei 賞を受賞した。

Team8
Image credit: Masaru Ikeda
Team8
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QueQ
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QueQ
Image credit: Masaru Ikeda

NeoStar(創業之星)Demo Show

一方、Meet Taipei の会場ではさまざまな主催者がピッチコンペティションを開催しているが、その中でも特に盛り上がっていたのは NeoStar(創業之星)Demo Show だ。NeoStar Demo Show は、BusinessNext が毎月行っているデモデイ/ミートアップイベントの集大成とも言うべきもので、台湾国内の将来有望スタートアップ30社がピッチした。うち、10社はヘルスケア、マーテック、フィンテックなどに AI 技術を適用したもので、B2B が B2C を上回る年となった2019年を象徴していた。審査員らの評価に基づいて審査がなされた結果、受賞したスタートアップを以下に紹介したい。

【Neo Star 賞1位、Infinity Ventures 特別賞】 Aiello.ai(犀動智能)

Aiello.ai(犀動智能)
Image credit: Masaru Ikeda

Aiello.ai(犀動智能)は、それぞれお Google や Qualcomm 出身の創業者らにより設立。音声を使うことによって、デジタルな情報リソースにアクセスしやすくしようとする AI スタートアップだ。ホスピタリティや旅行業界でオペレーションや UX を改善することに注力している。同社が開発するカスタマイズ AI 音声アシスタントとクラウドを使えば、ホテルは業務効率やサービスを改善するだけでなく、顧客に合わせてユニークなブランド音声で話しかけることが可能になる。

【Neo Star 賞2位、中華開発創新加速基金(CDIB)特別賞】TMYTEK(稜研科技)

TMYTEK(稜研科技)
Image credit: Masaru Ikeda

TMYTEK(稜研科技)は、5G に必要なビームフォーミング技術(多数のアンテナ素子を用いて電波を目的の方向に集中させる技術)を4年にわたり研究開発し、ミリ波(mmWave)RFシステム「BBOXTM」をローンチした。5G 市場で最先端技術の開発に従事可能な人材は限定的とされる中、TMYTEK の開発した技術を使うことで、モバイルキャリアやデバイスメーカーが 5G 分野の基礎技術・サービス・デバイス開発を加速できる効果が期待できる。9月には、RF 技術テストプロバイダの ACE(筑波科技)と提携を発表している。

【Neo Star 賞3位、Taiwan Tech Arena(台灣科技新創基地)賞】ITM(国際信任機器)

ITM(国際信任機器)
Image credit: Masaru Ikeda

IoT のデバイスメーカーやサービスプラットフォームには、データセキュリティの確保と共に分散化の必要性が求められるようになった。ITM(国際信任機器)は、ブロックチェーン対応 IC を開発しており、ブロックチェーンへのトランザクション(取引記録)登録と、高速検索技術の IC 化に成功した。この技術により、パブリックブロックチェーンの帯域幅(トランザクション頻度)の問題が解消され、IoT デバイスのデータをネットワークに載せやすくなる。医療、交通、エネルギーなどの業界へのブロックチェーン技術の適用に注力。

左から: iTrash(晧揚環境)CEO、Infinity Venture Partners 田中章雄氏、Aiello.ai(犀動智能)のメンバー
Image credit: Masaru Ikeda

なお、スマートシティのゴミリサイクルシステムを開発する iTrash(晧揚環境)は Infinity Ventures 特別賞を受賞した。iTrash は空き瓶や空き缶を回収できるベンディングマシンを開発している。

iTrash(晧揚環境)
Image credit: Masaru Ikeda

ユーザは飲料を飲んだ後の空き瓶や空き缶をこのマシンに投入することで代金が還元され、台湾版 Suica である Easy Card(悠遊卡)に貯めることができる。上位3位と iTrash は12月上旬にバンコクで開かれる Infinity Ventures Summit に招待される予定。

Canner.io(易開科技)
Image credit: Masaru Ikeda

また、オープンソースのコンテンツマネージメントシステム(CMS)を開発する Canner.io(易開科技)は審査員特別賞を受賞し、中華開発創新加速基金(CDIB)から投資を受けられる権利を獲得した。

台湾で人気を集める O2O 割引アプリ「RE 紅包」

RE 紅包 CEO の Michael Lin(林翊忠)氏
Image credit: Masaru Ikeda
RE 紅包
Image credit: Masaru Ikeda

番外編として、最近、台湾で人気を集める O2O アプリ「RE 紅包(アール・イー・ホンパオ、RE は紅包を英訳した Red Envelope の略)」を紹介しておこう。紅包は中華圏で定着している伝統的なお年玉のような習慣で、この概念をデジタル時代に O2O へと適用するスタートアップやテック大手は、これまで中国を中心に垣間見られた。

2017年7月にローンチした RE 紅包は今年9月の段階でダウンロード件数60万件、台湾国内の実店舗約4,000軒が加盟。ユーザはクレジットカードや現金を使って RE 紅包にポイントをチャージ、ユーザは店頭でバーコードを提示すると商品を購入できる。RE 紅包は店舗から取引成立時に実取引価格の10%相当を送客やマーケティングの手数料として差し引くが、そのうちの4割(ユーザにとっては価格全体の3.5〜4%)がユーザにポイント還元される仕組み。

一度チャージしたポイントは店舗で使ったり、他のユーザにあげたりすることは可能だが、現金として引き出すことはできない。台湾にもキャッシュレス決済の波は訪れており、Google Pay、Apple Pay、Samsung Pay、台湾 Pay、Jkopay(街口支付)、LINE Pay など決済手段は過密になりつつある。事実上のキャッシュバックに相当する機能を持たせることで、RE 紅包は決済アプリとは少し違う土俵で躍進を遂げているようだ。

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機械学習は次のステージへーーMIT研究者が発明、“No-Hardware AI”「Neural Magic」のインパクト

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ピックアップ:Neural Magic gets $15M seed to run machine learning models on commodity CPUs ニュースサマリ:“No-Hardware AI” 企業を謳う「Neural Magic」は、11月6日、シードラウンドにて1,500万ドルの資金調達を実施したと発表した。出資者にはComcast Ventures NEA、Andre…

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Image Credit : Neural Magic HP

ピックアップ:Neural Magic gets $15M seed to run machine learning models on commodity CPUs

ニュースサマリ:“No-Hardware AI” 企業を謳う「Neural Magic」は、11月6日、シードラウンドにて1,500万ドルの資金調達を実施したと発表した。出資者にはComcast Ventures NEA、Andreessen Horowitz、Pillar VC、Amdocsが名を連ねる。

同社は、MITでマルチコア処理と機械学習を長年研究してきた2人の研究者によって2018年に設立された。ディープラーニングモデルを処理する高コストなGPUやTPUなどの専用AIハードウェアを使うことなく、汎用CPUでより大きなモデルをより速く、より高い精度で処理するソフトウェアを開発する。

調達した資金は機械学習エンジニア、ソフトウェアエンジニア、セールスおよびマーケティングの採用に使われる。

話題のポイント:現在、AIの躍進を支えるのはムーアの法則(1965年にインテル共同創業者のGordon E. Moore氏が唱えた「集積回路の実装密度は18カ月ごとに2倍になる」)をなぞるように発達したコンピュータの計算能力であることは周知だと思います。

しかし、見方を変えれば2012年以降、常にAIのあしかせになっているのがハードウェアでしょう。画像処理でよく用いられる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練する場合、GPUのメモリ制限内に収まるように画像サイズやデータセットを縮小する必要があります。こういった精度を犠牲にするやり方は、大規模な医療画像データセットを使用する場合、好ましいとはいえません。

実際、AI専用のチップセットを作る大手NvidiaのチーフサイエンティストのBill Dallyは「ディープラーニングはハードウェアによって完全に制限されている」と述べています。

機械学習が実用的かどうかは予測の速度、効率、精度が判断基準となります。高いレベルで実行されれば適用事例は格段に増えるはずです。

さて、ここまで書いたことがよく知られている一般的な話です。

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Image Credit : Neural Magic HP

今回取り上げた「Neural Magic」は“No-Hardwawre AI”を謳う企業です。高価なAI専用GPUやTPUを使わずに、誰でも持っているPCに入っている汎用CPUで大きなディープラーニングの高性能実行するためのソフトウェアを開発しています。

Neural Magicがユニークなのは「ハードウェアはボトルネックだが、ソフトウェアでもっとできることはないのか?」というニーズに応えている点です。

同社はコネクトミクスの研究を起点に以下を提供すると発表しています。

  • 汎用CPUで大規模なディープラーニングモデルを実行した場合、条件によっては最大10倍のコスト削減
  • 精度を犠牲にすることなくGPUと同等のパフォーマンスを実現
  • 既存のツールと連携し、必要な場所(オンプレミス、クラウド、またはエッジ)に展開できる柔軟性

CNNが適用できる領域に限られますが、ハードウェアの発展に頼らず低コスト化とハイパフォーマンスを実現できる衝撃は大きいです。仮にGPUと併用できるならハイスペックマシーンを社内で取り合うことは間違いなくなくなるでしょう。

ちなみに、CNNが適用できる領域を少し紹介すると、衛生画像や医療画像の分析、音声認識、感情分析、SpotifyやTikTokのレコメンデーションなどが挙げられます。ディープラーニングが得意とする画像分析に含まれているので十分な適用範囲といえます。

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Image Credit : Neural Magic HP

たとえハードウェアの効率化をしたとしても、導入企業からすればスイッチコストが非常に高くなります。一方、ソフトウェアは入力と出力の型を統一しておけば、新しいコンセプトのソフトウェアが登場したとしても柔軟に対応できます。

また、ビッグデータの取り扱い需要の高騰に伴い、これまで表計算程度の処理で済んでいたシステムに限界が押し寄せるでしょう。そのため、リレーショナルデータベースや基幹系システムに代わる新たな仕組みに期待が集まります。

そこで最小限の処理機能しか想定されていなかった従来型ソフトウェアの大幅アップデートがAI市場で起こると感じています。この再発明はスタートアップにとって大きなチャンスが眠っており、Neural Magicはまさにそこを突きました。

Neural Magicは資金調達の翌日、最初の製品となるNeural Magic Inference Engineを発表しました。現在、アーリーアクセスができる状態です。Pytorch、Tensorflow、Caffeなどの主要な機械学習フレームワークからONNXファイル出力で動作します。気になった方は是非試してみてください。

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ブロックチェーン「Polkadot」が特化型ファンド設立、LayerXなど日本発プロジェクト支援に期待【訂正あり】

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※編集部注:元タイトル「ブロックチェーン「Polkadot」が特化型ファンド設立、支援先にLayerXなど」に関して、LayerXを含む後述3社は過去Web3 Foundationによる助成金を受けたことのある企業であり、当新設ファンドの投資先であるという事実はありません。誤解を生む表現が含まれていため削除し、また関連して記事内の表現も補足させていただきました。該当する関係者の方に訂正してお詫びい…

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Image Credit: Polkadot

※編集部注:元タイトル「ブロックチェーン「Polkadot」が特化型ファンド設立、支援先にLayerXなど」に関して、LayerXを含む後述3社は過去Web3 Foundationによる助成金を受けたことのある企業であり、当新設ファンドの投資先であるという事実はありません。誤解を生む表現が含まれていため削除し、また関連して記事内の表現も補足させていただきました。該当する関係者の方に訂正してお詫びいたします。

ピックアップPolychain, Web3 to Back Polkadot Projects With New Ecosystem Fund

ニュースサマリーブロックチェーン特化のベンチャー・キャピタル「Polychain Capital」が、ブロックチェーン・ネットワーク「Polkadot」をバックアップするWeb3 Foundationと提携。Polkadotプラットホーム上のプロジェクト及びアプリケーションに対し投資を行う特化ファンド「Polkadot Ecosystem Fund」を組成すると発表した。

ファンド総額は明らかにはなっていないものの、同ファンドの創設者はCoindeskのインタビューに対し”数百万(ドル)”と答えている。

PolkadotはEthereum創業者によって立ち上げられたWeb3 Foundationによるプロジェクトで、異なるブロックチェーン同士に相互運用性をもたらす技術を開発している。現在は試用ネットとして運用されており、コミュニティと共に2019年末のメインネット・ローンチに向け開発を続けている。

話題のポイント:Web3 Foundationは2018年12月からPolkadotを利用する40を超えるプロジェクトにグラント(寄付)を提供しており、そのうち3つは日本発のプロジェクトです。

1社目は、研究開発や金融領域でのブロックチェーンのコンサルで実績のある「Layer X」。グラントは同社の開発するブロックチェーン秘匿化技術「ゼロチェーン」に対して提供されました。ちなみに先日発表されたMUFGと同社との提携は非常に注目を集めています。

<参考記事>

そして2社目は、SubstrateベースのPolkadotと互換性のある独自ブロックチェーンであり、パフォーマンス(トランザクション処理速度)を向上させることを目的としたPlasm Networkを開発する「Stake Technologies」。(先日テストネットをローンチ)

3社目に「Hyperledger Iroha」の開発企業である「Soramitsu」。同社はC++環境にてPolkadot Runtime Environmentの実行をおこなっています。

※補足:このグラントを行なったWeb3 Foundationと、当記事で紹介している「Polkadot Ecosystem Fund」は別で、記載する3社が同ファンドから出資・支援を受けているわけではありません。

さて、Polkadot Ecosystem Fundの資金提供モデルはグラントではなく、株式の数%を取得する形で実施される予定です。上記3つの企業が今後、支援を受ける可能性は大いにあるでしょうし、別の日本企業らが選出される可能性もゼロではないでしょう。日本企業への出資が期待されます。

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Grab、Japan Taxiと提携し日本の5都市で配車サービスを提供へ

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 報道によると、Grab が日本のタクシーオペレータ JapanTaxi と提携関係の締結を進めているようだ。この提携により、Grab のユーザが日本の人気のある場所で配車サービスを使…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


報道によると、Grab が日本のタクシーオペレータ JapanTaxi と提携関係の締結を進めているようだ。この提携により、Grab のユーザが日本の人気のある場所で配車サービスを使えるようになる見込み。Nikkei Asian Review の報道によれば、Grab は東京、京都、札幌、名古屋、沖縄で使えるようになる模様。

Grab は、ロンドン拠点のモビリティマーケットプレイス Splyt Technologies との提携に続くものだと繰り返した。実現すれば、Grab のユーザは、Grab アプリを使って JapanTaxi を通じた配車サービスを利用可能になる。

Grab は6月、広範な関係構築の一環として Splyt が800万米ドル調達したシリーズ A ラウンドに参加した。この際、Grab と Splyt の提携により、両社いずれのアプリを使っても国際旅行者が東南アジア8カ国336都市で Grab の配車サービスを予約できるようになった。

日本にはさまざまな配車サービス事業者が事業展開している。中国の Didi Chuxing(滴滴出行)は今年初め、ソフトバンクとタクシー配車のための共同出資会社 DiDi モビリティジャパンが日本国内13都市にサービスを拡大する予定であると発表した。配車アプリが増えつつある市場で、DiDi モビリティジャパンは2018年9月、地元タクシー会社40社と連携し大阪で利用が開始された

Grab にとって永年の競合である Uber もサービスを展開しており、2018年5月に試験サービスを開始している。2018年9月、Uber は地元のフジタクシーグループと協業し、名古屋でタクシー配車サービスのローンチを発表した。これより前には、Uber は中国と東南アジアのオペレーションをそれぞれ、DidiGrab に売却している。

編注:本稿では当初、Grab は日本で新サービスをローンチする予定であると伝えた。この表現は正確ではなく、Grab のユーザが日本で配車サービスを予約できるようになるというものである。

<関連記事>

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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ハンドメイド製品分野のビジネスマッチングイベント「Pop Up Asia(亜洲手創展)」が台北で開幕、アジア25都市から774ブランドが集まる

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先週から今週にかけては「世界起業週間(GEW, Global Entrepreneurship Week)」ということもあり、日本では TechCruch Tokyo、インドネシア・バリ島では Nexticon、シンガポールでは FinTech Festival を含む SWITCH、そして当地・台北では MeetTaipei(創新創業嘉年華)が開かれるなど、世界中で同時多発的に起業関連イベントが…

松山文創園区(Sonshan Cultural and Creative Park)
Image credit: Masaru Ikeda

先週から今週にかけては「世界起業週間(GEW, Global Entrepreneurship Week)」ということもあり、日本では TechCruch Tokyo、インドネシア・バリ島では Nexticon、シンガポールでは FinTech Festival を含む SWITCH、そして当地・台北では MeetTaipei(創新創業嘉年華)が開かれるなど、世界中で同時多発的に起業関連イベントが開催されている。

15日〜17日の3日間、台北の松山文創園区(Sonshan Cultural and Creative Park)では、ハンドメイド製品のデザイナーやメーカーが一堂に会するイベント「Pop Up Asia(亜洲手創展)」が開催されていた。松山文創園区は、旧日本統治時代にタバコ工場だった場所で、現在はリノベーションされて文化イベントなどが開催され、ライフスタイルデザインの発信地としての台北を印象付ける場所だ。BRIDGE で以前取り上げた「IDEAS Show(網路創意展)」や「 ASIABEAT」もここで開催されたことがある。

Pop Up Asia
Image credit: Masaru Ikeda

今年で4回目を迎える Pop Up Asia には13カ国25都市から774社・団体が参加しており、タバコ工場だった時代の倉庫4つを使って、さまざまな展示がなされている。倉庫4つのうち2つは販路拡大を目指すデザイナーブランドで、残りの2つはそういったデザイナーブランドの製造を支援するマテリアルやメーカーなどだ。

Pop Up Asia の主催者であり、インディアーティスト作品の事業化やマーケティングを支援してきた Campobag(希嘉文化)の CEO Jerry Yan(顏瑋志)氏は、Pop Up Asia の規模は毎年2倍の規模で伸びており、この分野の産業規模を拡大するのに一役買っていると語った。

Campobag(希嘉文化)の CEO Jerry Yan(顏瑋志)氏
Image credit: Masaru Ikeda

さらにハンドメイド業界を伸ばすには e コマースサイトとの提携が必要。そうすることでイベントの時のみならず、年中通して消費者がハンドメイド製品を買えるようになる。いくつかの社とは話し合いを持ったことはあるが、方向性の違いなどからまだ実現には至っていない。

BRIDGE でもこれまでに紹介した、日本や台湾のハンドメイドマーケットプレイスと話し合いを持ったことことはあるようだが、そういったマーケットプレイス自体が自らとブランドと捉えているため、Pop Up Asia というイベントのブランドと相容れない点が大きな原因のようだ。Pop Up Asia ではバイヤー向けにはハンドメイド製品を買い付けできるオンラインプラットフォームを試験的に用意しているが、コアビジネスに集中する観点から、自らコンシューマ向けマーケットプレイスを作る予定は無いらしい。

インドネシアのポップアップストア事業者が、メーカーやアーティストにピッチしていた。
Image credit: Masaru Ikeda

そんな中で面白いのは、バンコクに行ったことのある人なら、おそらく概ね知っているであろう中心地サイアムの百貨店「Emporium」が Pop Up Asia と提携している点だ。Pop Up Asia で展示されたハンドメイド製品の一部が Emporium 内の常設エリアで購入可能となっている。Yan 氏によれば、従来から存在する大ブランドが廃れていく中で Emporium が店内に新たな風を入れ込む必要を感じてアプローチしてきたのだそうだ。日本の百貨店とも話を持ったことはあるそうだが、具体的な進展はまだ無いとのことだった。

ところで、IoT やハードウェア製品の分野であれば、その種のスタートアップに取って必要な一通りの機能が深圳に揃いつつある。アクセラレータ然り、VC 然り、サプライチェーン、工場、その他もろもろ。大量生産を可能にするノウハウも提供される。対照的にハンドメイド製品は文字通りハンドメイドである以上、そのまま大量生産に向くものではないが、Yan 氏はアーティストという枠を脱してハンドメイド製品で成功する起業家を生み出すために、さまざまな側面支援のサービスを彼らに提供していきたいとも語った。

日本の Makers’ Base の展示。弁当に入れたいおかずを選ぶと、オリジナル図柄の Tシャツ、カバン、弁当袋、などを 3D プリンタで作ってくれる。
Image credit: Masaru Ikeda
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Facebook Payの可能性は「現代のガレージセール」にあり

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ピックアップ:Facebook’s new payment service will let you send money without fees across Facebook, Instagram, WhatsApp, and Messenger ニュースサマリー:Facebookは12日、送金・決済サービス事業の一環として「Facebook Pay」を開始することを発表した。同…

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Image Credit: Facebook

ピックアップFacebook’s new payment service will let you send money without fees across Facebook, Instagram, WhatsApp, and Messenger

ニュースサマリー:Facebookは12日、送金・決済サービス事業の一環として「Facebook Pay」を開始することを発表した。同サービスはFacebook、Facebook Messenger、Instagram、WhatsApp上にて、シームレスに利用できる統一決済サービス。

Facebookは2015年より「Payments」と呼ばれる送金サービスをメッセンジャー上にてすでに開始していた。しかし同サービスは、基本的に銀行口座間における送金のみの対応となっていた。対してFacebook Payではクレジットカードを通した決済も可能となるのが特徴だ。

プレスリリースによれば、Facebook Payは今週より米国ユーザー向けに提供が開始される。まずはFacebook上における小口資金調達、ゲーム内課金、イベントチケット購入、マーケットプレイスでの取引、個人間決済を対象としてサービスが提供される。

話題のポイントFacebookはブロックチェーンプロジェクト「Libra」でも取り上げているように、金融文脈で世界を変えていくことに大きな意欲を持っています。

しかし、Facebookが決済市場において存在感を示すのはそう簡単でなかったようです。事実、競合のPaypalやVenmoに押されてP2P決済領域で数歩出遅れていました。その中で登場してきたFacebook Payは、Facebook内マーケットプレイス上の売買を前提としたP2P決済サービスといえます。

たとえばマーケットプレイスの利用シーンとして大学が挙げられます。アメリカでは大学授業の教科書を中古で安く手に入れられる場所としてFacebookの「Buy-Sell」グループ(マーケットプレイス)が利用されています。ユーザーの所属大学グループに入り、自分の欲しい商品を見つけたら持ち主とメッセンジャーを通して交渉を始めます。最終的に交渉がまとまり次第、都合のいい場所で待ち合わせて直接取引をする流れです。

メルカリのように配達ベースではなくFace to Face取引が可能なのは、Facebookプロフィールを通じてある程度信頼のおける相手であると担保されている点や、車社会といった背景があるのだと考えられます。また、ガレージセール(自宅の前でフリーマーケットのように格安で不用品を販売、基本近所の人向け)といった文化も相性が良かったといえるかもしれません。

大学の事例を取り上げましたが、住んでいる町ベースでの「マーケットプレイス」もよく見かけます。私が住んでいるシアトルにもメジャーなグループだけで10個ほどあります。

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こうした複数のローカルコミュニティーがFacebookのプラットフォーム上にたくさん存在し、その中で取引をするというのが一般化されてきました。Facebookが所有するグループ・コミュニティー経済圏におけるシームレスな決済システム構築のためにも、Facebook Payは必要不可欠だったといえるでしょう。

なかでもInstagram上での売買はFacebook Payを通じてこれから増えていくことが予想できます。今年3月よりInstagramはアプリ内で決済が行える機能「Checkout」をリリースしており、これがFacebook Payに統一されるかもしれません。このような流れから、Facebookは新機能「Facebook Pay」を各種アプリ内マーケットプレイス取引の促進剤として導入すると考えます。

さて、これから個人による国際取引・決済が当たり前な世の中になっていくことが予期できます。デジタル決済が国境・通貨を越えて当たり前となっていくことで、市場に流動性がさらにもたらされることになるでしょう。加えて、個人の作品がブロックチェーンのシステムに載った形で取引され、取引価値に応じてユーザーの信頼度が測られる新たな評価経済が訪れると感じます。

Facebook Payは、Libraが目指すブロックチェーン経済圏とは関係ないと公式に言及されています。しかし上述したような世界が訪れることを考えれば、LibraとFacebook Payが完全に独立した形でサービス展開されるとは思えません。少なくとも長期的には何らかの連携がなされるでしょう。

person holding smartphone taking picture of bridge during daytime
Photo by Jeremy Levin on Pexels.com

ここでLibraとFacebook Payの将来的な連携像をInstagramを例にとって考察してみたいと思います。

最近、Instagramがいいね!の数を見えにくくする動きを試験的におこなっています。言い換えれば、いいね!の数で影響力の価値を可視化するのが難しくなっていると考えてよいでしょう。インスタ映えする写真をたくさん投稿して、いいね数を膨大に稼いだとしても、必ずしもユーザー個人の価値を正しく評価できているとは思えなくなっている証拠です。

そこで新しい指標として注目されるのがNFT(Non-Fungible-Token: 代替不可能なトークン)を介した経済圏の構築だと考えます。従来の暗号通貨(Fungible-Token)とは異なり、トークン一つ一つが固有性を持つ別々のアセットとして機能します。個人の価値を表現し、それを他社が「享受」できるスキームです。詳しくは以下の記事で解説されています。

<参考記事>

paintings in side room
Photo by JULIO NERY on Pexels.com

従来、いいね!の数や認知度に比例してアカウントに価値が付与され、そこにスポンサーからのお金が集まってくるという流れでした。しかしNFTが一般化すれば、これらInstagramに投稿する写真そのものがデジタルアセットとして取引可能となり、今までフィジカルなアセットを前提として行われてきた絵画アートなどの市場と同等の価値表現をすることが可能となります。

こうしたNFTが活用される可能性の背景にあるLibraの存在は大きいと言えます。Libraが金融文脈からブロックチェーンサービスを提供していくことで、ブロックチェーンによって個人のデータ、さらに言えば評価データを扱うことも一般的になる可能性があります。

その次世代SNS経済圏が誕生するまでの間、Facebook Payを通しプラットフォームにおけるボーダレスな決済を当たり前のものとして拡大させることを狙っているとも言えるのではないでしょうか。

現在はそれぞれ独立したサービスとして立ち上げが期待されていますが、いずれはFacebookが描く“The Future is Private”というミッションのもと、誰もが安心して使えるSNSの主軸としてLibraとFacebook Payが据え置かれると感じます。

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スペースシェアの「スペースマーケット」がマザーズ上場へ

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スペースシェア事業を手掛ける「スペースマーケット」は11月15日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは4487。52万株を公募し、127万4700株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは26万9200株。主幹事は大和証券が務め、上場予定日は12月20日。 価格の仮条件は12月4日に決定し、ブックビルディング期間は12月5日から12月1…

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スペースシェア事業を手掛ける「スペースマーケット」は11月15日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは4487。52万株を公募し、127万4700株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは26万9200株。主幹事は大和証券が務め、上場予定日は12月20日。

価格の仮条件は12月4日に決定し、ブックビルディング期間は12月5日から12月11日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は12月12日。同社公開の有価証券届出書によれば、2018年12月期の売上高は5億7800万円で経常損失は2億7100万円。現在進行中の第6期第3四半期は売上が5億5000万円、経常利益は500万円と黒字化している。

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スペースマーケット

スペースマーケットの創業は2014年1月。住居やオフィス、その他施設などで遊休状態にある場所を個人や団体、法人に貸出すマッチングサービスを提供する。2016年1月にはシェアリング経済を啓蒙するための社団法人「シェアリングエコノミー協会」を設立し、同社代表取締役の重松大輔氏が代表理事に就任するなど、国内のシェア経済の牽引役を担っている。事業としては遊休スペースを貸出す側と借りたい側のオープンなマッチングを提供する「プラットフォーム」と、法人向けにスペースマーケットが間に入って場所を中心としたソリューション提供をする「法人向けソリューション」の2タイプがある。事業セグメントは単一として扱う。

2018年12月の第5期でプラットフォームは4.12億円、法人が1.65億円の売上。進行中の第6期第3四半期ではプラットフォームが4.79億円、法人が0.71億円の売上となっている。また、このプラットフォームを通じて利用者が実際にスペースを利用した総流通額(GMV)は2017年12月期(第4期)が5.18億円、翌年の2018年12月期が13.86億円と拡大している。また、利用されたスペース数についても第4期が8500箇所に対して第5期が2万1400箇所と躍進した。

主要な株主は創業者で代表取締役の重松大輔氏が38.2%、重松氏が代表を務めるダブルバインズが14%、オプトベンチャーズが11.7%、サイバーエージェント・ベンチャーズ(現・サイバーエージェント・キャピタル)が7.2%、スペースマーケットの取締役CPO/CTOを務める鈴木真一郎氏が6.4%、マイナビが3.1%、オリックスが2.4%、みずほキャピタル、東京建物、XTech Ventures、ドコモベンチャーズがそれに続く。

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米国の配車サービス業界は、どんな新種のスタートアップを後押ししているのか?(後編)

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前編からの続き 利益の推進力 その他多くの企業がドライバーの手取りを増やすためにさまざまなアプローチを採用している。 Techstars の卒業生でピッツバーグを拠点とする Gridwise は、大量のデータを利用していつどこに行けばよいのかをドライバーに教えることで、1時間の収入を39%も向上させることができるとしている。同社が提供しているモバイルアプリは、交通サービス、ソーシャルメディア、天気…

前編からの続き

利益の推進力

その他多くの企業がドライバーの手取りを増やすためにさまざまなアプローチを採用している。

Techstars の卒業生でピッツバーグを拠点とする Gridwise は、大量のデータを利用していつどこに行けばよいのかをドライバーに教えることで、1時間の収入を39%も向上させることができるとしている。同社が提供しているモバイルアプリは、交通サービス、ソーシャルメディア、天気、コンサート、地元のニュースといった、外部の多数の情報源から得られたデータならびに自社ドライバーのネットワークから得られたクラウドソースデータを集約している。

Gridwise のアプリ
Image credit: Gridwise

また Gridwise は予測アラートを発しており、ドライバーがいつどこの路上にいるのが最善なのか分かるようにしている。この機能は空港の混雑状況、天気予報、およびその他の乗客の需要が増大しそうな要因といった情報を基にしている。

これは PredictHQ というスタートアップと似たものである。同社は需要の急増をより正確に予測できるよう、(Uberのような)配車サービス企業と直接提携している。しかし Gridwise はビッグデータの力をドライバー自身の手に委ねている。

そしてさらに、ニューヨークを拠点とする Cargo は車内販売を提供し、製品を作るブランドと提携することで、ドライバーがイヤフォンからチョコレートまでさまざまなものを売って副収入を得ることができるようにしている。Cargo はこれまでに3,000万米ドル近くを調達してきたが、この中には昨年行われた2,250万米ドルのシリーズ A ラウンドも含まれている。このラウンドはPeter Thiel 氏の Founders Fund がリードし、Zynga の設立者である Mark Pincus 氏のような著名人も参加した。

ドライバーは商品を前面の小さな透明のケースに陳列し、乗客は Cargo Store モバイルアプリで商品代金を支払うことができ、ドライバーは売り上げの一部を受け取る。Cargo は以前、ドライバーは手数料や紹介料、ボーナスを通じて最大で月に500米ドルの副収入を得ることができると VentureBeat に語っていたが、現実的には平均的なドライバーが稼ぐ額は130米ドル程度となっている。

Cargo

Cargo は元々、配車サービスのドライバー向け非公式の業者として運営していたが、昨年 Uber が公式パートナーとして参加し、ドライバーが商品を取りに行くための専用の場所である Uber Greenlight Hubs がローンチされた。

設立者兼 CEO の Jeff Cripe 氏は、どんな変革的なビジネスが現れても、その周囲には「商品とサービスの価値ある経済圏」があるものだと考えている。他の例としては、iPhone のローンチと開発者向け Apple App Store、Airbnb の民泊マーケットプレイス周辺に生まれた無数のサービスなどが挙げられる。

Uber もまた世界的な、革新的な企業です。私たちは2016年に、急成長する配車サービスプラットフォームをベースとした企業としては初である Cargo を設立しました。その目的は、道のりや、乗客として過ごす時間という新たに出現した真に価値ある特典をもっと効率的にマネタイズすることです。航空便が食事や飲み物、娯楽、Wi-Fi で行っているように、配車サービスもより良い経済性と乗車体験を加速させるような付加価値サービスに傾注するようになるし、そうなるべきであると考えたのです。(Cripe 氏)

こういった新しいサービスを支える主な推進力は低賃金であると指摘することは簡単だが、おそらくそれは完全に正しいというわけではない。実情としては、これらのサービスにはドライバーによる少々の同意が必要であり、少々のリスクが含まれている。言い換えれば、たとえ配車サービスのドライバーが事前により多く稼いでいたとしても、その多くはやはり Octopus や Cargo と提携して手取りをさらに増やそうとするだろうということだ。Cripe 氏はそう固く信じている。

(低賃金と Cargo を利用するドライバーという)2つのことには少し相関があります。弊社は低労力で補足的な収入です。もしドーナツを毎日仕事に持って行けば収入が10%増えると言われれば、その額がいくらであっても、私はそうしようとするでしょう。

さらに、Octopus や Ivee のような企業が報告するチップの増加で証明されているように、顧客満足度という点からも付加価値サービスにはビジネスとしての意味が大いにある。この点はまたより良い評価にもつながる。

弊社が実際に聞いた各地のドライバーからのフィードバックでは、Cargo の主な利益の1つは、目に見える経済的な利益以外にも、乗客に最高の乗車体験を提供できることであり、それによって受ける良い評価であるということでした。

確実な視聴者

Octopus の車内広告表示デバイス
Image credit: Octopus

これらのさまざまなスタートアップは確かに巨大な経済圏における低賃金という問題を浮かび上がらせているが、それは本当にドライバーに自分の車を広告を乗せた商業拠点へと変えさせている主な要因の1つに過ぎないのだろうか。ここで重要な点は、乗客は閉鎖空間の中に30分かそれ以上の間いることが確かなので、確実に視聴するターゲットを熱望している企業や広告主にとっては、自動車が大きなチャンスを体現しているということである。

リーチしにくいミレニアル世代の消費者を捉えて視聴してもらうための理想的な状況であるとは考えていましたが、ドライバーや乗客に弊社のシンプルな製品をここまで気に入ってもらえるとは思ってもみませんでした。弊社はライドシェア業界を注意深く見て、そして気づいたのは、ライドシェアの利用は急上昇を続けているものの、ドライバーの収入は過去数年間で50%以上下落していたということでした。乗客とドライバーに愛される製品を作れば、ブランドとマネタイズを結びつけることができるかもしれないと分かったのです。(Thomas 氏)

Sinclair の投資もまた非常に戦略的な動きであり、これによって Octopus は乗客が移動している場所に基づいて、もっと関連した地元メディアのコンテンツにアクセスすることができるようになるだろう。

Sinclair のエグゼクティブチェアである David Smith 氏はこう述べる。

弊社がここで見ているものは、座席に座って見てくれる確実な聴衆への、まだ活用されていない媒体です。弊社が Octopus に投資を行った理由は、このチームがイノベーティブで他とは異なるブランディングの機会を上手く作り上げ、弊社がそのさらなるスケールをお手伝いできると考えたからです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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