イーロン・マスク氏「GPT-4レベルの」Grok-1.5を公表ーーX(旧Twitter)の有料プランに搭載へ

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Credit: VentureBeat made with Midjourney V6

Elon Musk (イーロン・マスク) 氏が Grok-1.5 の発表を行い、GPT-4 レベルのパフォーマンスに迫っている。

xAI (エックスエーアイ) は、独自の大型言語モデル (LLM) である Grok-1 のアップグレード版、Grok-1.5 を発表した。来週(訳註:原文掲載日は3月29日)リリース予定の Grok-1.5 は、推論と問題解決能力が向上しており、OpenAI の GPT-4 や Anthropic の Claude 3 を含む既知のオープンおよびクローズド LLM のパフォーマンスに迫っている。また、Gemini 1.5 Pro の最大 100 万トークンのコンテキストウィンドウ には及ばないものの、長いコンテキストも処理可能だ。

Musk 氏は、Grok-1.5 が X プラットフォーム上の ChatGPT に挑戦する xAI のチャットボットを支えることになると述べた。一方、新モデルの後継である Grok-2 はまだトレーニング段階にあるという。次のバージョンでは、「現在の AI をすべての指標で上回る」ことができるはずだが、いつ利用可能になるかについての詳細は明らかにしなかった。

Grok-1.5 は、コーディングや数学関連のタスクを含む主要なベンチマークすべてにおいて、前モデルから大幅な改善を実現している。xAI によると、Grok-1.5 は MATH ベンチマークで 50.6%、GSM8K ベンチマークで 90%、HumanEval ベンチマークで 74.1% のスコアを達成したという。

さらに、xAI は Grok-1.5 のコンテキストウィンドウが最大 128,000 トークンであることを確認した。これにより、モデルは一度に膨大な量の情報を取り込んで処理することができ、Grok-1 の 16 倍となる。長文書の分析、要約、情報抽出により適したものになっている。

Grok-1.5 は、推論と問題解決能力の向上により、ベンチマークにおいて前モデルを上回るだけでなく、Gemini 1.5 Pro、GPT-4、Claude 3 など、人気のオープンおよびクローズドソースモデルにも迫っている。

xAI は来週から Grok-1.5 の展開を開始する予定だ。同社によると、このモデルは当初、早期テスターと X プラットフォーム (旧Twitter) 上ですでに Grok チャットボットを使用しているユーザーに提供される。段階的に展開され、同社はモデルを改善し、いくつかの新機能を導入しながら、徐々により多くのユーザーが利用できるようにしていくという。

Musk 氏が X で Grok を提供したとき、それは Grok と X の両方の採用を促進するための動きだと見られていた。彼は AI を月額 16 ドルの「Premium+」サブスクリプションの一部として提供することから始めた。しかし数日前、億万長者は、月額 8 ドルを支払うすべての Premium サブスクライバーに対してもチャットボットを有効にすることを 共有した

別の アップデート では、一定レベルの認証済みフォロワーを持つフォロワーは、Grok を含む Premium および Premium+ サブスクリプションの特典を無料で受けられることも確認している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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