Xiaomi(小米)、中国版テスラの座を狙い初EV「SU7」公開——発表会の生配信は4,300万ビューを記録

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3月28日、北京で行われた Xiaomi(小米)初のEVモデル「SU7」の発表会見でスピーチするXiaomi 創業者兼 CEO Lei Jun(雷軍)氏。
Image credit: Xiaomi(小米)

3月28日の夜遅く、中国南部の広州にある Xiaomi(小米)の店舗には、何百人もの人々が押し寄せた。Xiaomi は、デビューとなる電気自動車の販売開始価格を予想よりも低く発表したため、多くの人がポルシェに代わる、より手頃な価格のエレクトロニクスブランドと見なした。TechNode(動点科技)は、中国の電気自動車ブロガーがソーシャルメディアアプリ「WeChat(微信)」で配信したライブストリームで、1時間以内に20万人以上の視聴者を集めたことを確認した。

Xiaomi は「SU7 EV」の発表イベント後、わずか数分で5万台の予約注文を獲得し、すでにデビュー戦を勝利で飾っている。公式ライブストリームは、マイクロブログプラットフォーム「Weibo(微博)」で約4,300万ビューを記録し、同社初の自動車に対するテクノロジーに詳しい中国の消費者の圧倒的な関心を浮き彫りにした。予約者は手続きの一環として5,000人民元(約10.6万円)のデポジットを支払うよう求められ、Xiaomi は Weibo の簡単な声明で、そうしてくれた顧客に感謝の意を表した。

このオールエレクトリック・スポーツセダンは、人気の Tesla Model 3 よりもおよそ4,100米ドル安い、21万5,900人民元(約460万円)という予想よりも安いスタート価格で販売される。デュアルモーター全輪駆動バージョンは、最高時速265kmの Porche Taycan(ポルシェ タイカン)と競合し、価格はわずか299,900人民元(約640万円)である。

Xiaomi の自動車発売は、Apple が最近10年にわたる自動車製造の取り組みを中止したと報じられ、Apple が EV の展望から意外なほど後退したのとは著しく対照的だ。Xiaomi の CEO Lei Jun(雷軍)氏は記者会見で次のように述べた。

我々は、Apple のデバイスを持つユーザを含む全てのユーザに、スマートでコネクテッドな生活体験をあらゆる場所で提供し、家庭、車、そしてそれ以上の場所でのシームレスな連携を実現する。

切り札

中国の Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)の異名を持つ55歳のシリアルアントレプレナー Lei 氏は、2時間に及ぶイベントの中で、 Xiaomi のエコシステムがいかに携帯電話、自動車、家庭内のガジェットなど、さまざまなデバイス間のユニバーサルな接続と連携を提供するかを紹介することで、従来の自動車メーカーからユーザを引き離そうとした。

Xiaomi は基本的に、クリックやスワイプ、あるいは簡単な音声コマンドで、購入希望者のデバイスがすべて連携することを約束した。ある例によれば、暑い夏の日、持ち主が家を出る前にホームスピーカーに希望の温度を伝えれば、車のエアコンが室内を冷やしてくれる。別の例では、車のダッシュボードが家庭用アクセサリーの集中コマンドステーションになり、ドライバーが家に近づくと起動する。

競合の Huawei(華為)は EV パートナーとの同様の取り組みをアピールしているが、 Xiaomi は昨年11月、テレビからフィットネスバンドまで、6億5,500万台以上のデバイスが同社の IoT プラットフォームに接続され、この種のネットワークとしては世界最大だと主張している。Xiaomi の新型 EV と IoT ネットワークとの連携について、Lei 氏は「これは Xiaomi の切り札だ」と語った。

Tesla よりも優れている

一方、Lei 氏は、Tesla がすでに世界的なパイオニアとして際立っており、Huawei が中国国内でその名を確立しつつある分野である自動運転において、 Xiaomi が「トップクラスのプレーヤー」になる計画についても言及した。Xiaomi によると、同社の EV はすでに中国の高速道路で平均300km以上の自動運転が可能で、8月までに中国全土の都市部の道路を単独で走行できるようになるという。

Xiaomi は、カメラベースのコンピュータービジョン(映像解析)システムと、LiDAR などより多くのセンサーに依存する別の先進運転支援システム(ADAS)の両方に取り組むことで、2つの異なるアプローチに向かっている。同社は、両システムに NVIDIA の最先端チップを独占的に採用し、ソフトウェア開発を完全に内製化することで、すべての車種においてタイムリーな無線アップデートを実現すると述べた。

中国では、Teslna 車はインテリジェントな運転機能に関しては SU7に及ばないだろう。(Lei 氏)

Lei 氏はまた、今年末までに注文した顧客には無料でソフトウェアを提供すると付け加えた。Tesla は現在、完全自動運転(FSD)パッケージへの将来のアクセスに64,000人民元(約136万円)を中国の購入者に請求している。ただ、この機能ではまだ中国では利用できないままだ。それでも、BYD(比亜迪)から Geely(吉利汽車)まで、プレミアム EV で高度に自動化された機能を顧客に提供しようとしている競合他社に直面している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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