アロマセラピーとは、100%天然の植物の香り成分=精油(エッセンシャルオイル)を使い、リラクゼーション効果だけでなく、ストレスからの心身の不調の改善や、病気や外傷の治療、病気の予防、などを目的とする自然療法になります。
世界ではメディカルアロマとして医療現場やスポーツ選手のケアにも取り入れられています。日本では世間一般的に「アロマは女性のもの」というイメージがあると思いますが、ジェンダーレスな若年層を中心に、男性にも少しずつ認知され始めています。
ナチュリ―ル株式会社は、「世界中のストレスを抱えた男性を、アロマの力で心身ともにもっと健康に!」という想いのもと、オリジナル男性向けアロマ商品を企画・販売しているスタートアップ企業になります。
2013年、代表の星野知子が「男性向けアロマ活用講座」を開催しだしたのが、男性へのアロマ普及啓蒙活動のスタートになります。その後、2015年に、男性のメンタルヘルス用アロマスプレー「ミスターアロマ(R)」を発売。2022年には姉妹ブランド「武士道アロマ(R)」をクラウドファンディングにて資金調達&リリースしております。
ストーリーでは、代表の星野が事業を始めた経緯や、男性向けアロマ商品の開発から販売までの道のりを振り返り、そして今後の展望についてご紹介させていただきます。
◆事業開始の背景には、夫を突然死で亡くした原体験があった
代表の星野がこの事業を始めた背景には、夫との死別という原体験があります。
15歳で知り合った夫と19歳からお付き合いを始め、就職はせず23歳で結婚、25歳で長女を出産しました。
32歳の時、2歳、5歳、7歳の子育て真っ最中に、夫を突然死で亡くしました。
夫は43歳、心筋梗塞でした。
「医者の不養生」とはよくいったもので、耳鼻科の開業医だった夫は、体調が悪くても仕事を休まず無理をする人でした。長時間勤務や、開業後の様々なストレスをため込んでおり、亡くなる直前はとてもしんどそうでした。「いつか倒れるんじゃないか」そう心配はしていたのですが、当時の私は、何も彼にしてあげることができませんでした。
◆アロマセラピーとの出会い。精油の素晴らしい力に魅せられていく
夫の死後、私がアロマセラピーに出会い、学び始めたのは2009年のことです。100%天然の植物の香り成分=精油のことを知れば知るほど、その素晴らしい力に魅せられていきました。芳香剤や香水のような合成香料とは違い、100%天然由来である「精油」には、薬理作用が認められているものも多く、自律神経のバランスの調整が得意で、欧米では医療機関で処方されていることもあります。「近親者との死別の悲しみを癒すアロマ」があると知った時は本当に驚きました。
◆勉強と準備に2年を費やし、念願の女性専用自宅サロンをの開業する
主人との突然のお別れをなかなか受け入れられなかったあの時、もしアロマのことを知っていたら、、、もっと早く知りたかった、、、。
私と同じように近親者との死別の悲しみに苦しむ方を、アロマの力で楽にしてあげたい!子育てやお仕事でストレスを溜めている女性を、アロマの力で癒してさしあげたい!という想いがこみあげ、アロマセラピーをお仕事にすることを決意しました。
勉強と準備に2年を費やし、2011年、念願の女性専用自宅アロマサロンを開業しました。
◆初のアロマセミナーを開催してみて受講生の7割が意外にも男性だった
自宅アロマサロンを開業して1年ほどだった頃、異業種交流会に参加するようになりました。そこで、「アロマのセミナーをしませんか?」というお声がけをいただいたのです。2013年11月、所属していた異業種交流会主催で、初めて「アロマセミナー」を開催しました。受講してくださった方は7割が男性、3割が女性。
やってみて気づいたことがありました。受講してくださった女性はほとんどが「アロマ」のことをすでにご存知で「わたしアロマが好きで毎日使ってるの」そうおっしゃる方が何人も、、。それに比べて男性は、「アロマ」のアの字もご存知なかったのです。
◆「アロマは女性のもの」というイメージだが、男性の需要もある
「アロマは女性のもの」というイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。イライラや不眠は男性でもお悩みの方はいらっしゃると思います。アロマを使うことで改善が期待できます。また、男性の更年期障害など、男性特有の心身の不調の改善も得意です。
夫のようにストレスから突然死したり病気になる男性を、これ以上増やしたくない!日本中からなくしたい!
ずっとそういう気持ちがありました。そして、アロマのことを勉強すればするほど、アロマの力でそれが可能だと思うようになりました。
◆40代男性に多い「突然死」は誰にでもありうる
前日まで元気だった人が突然亡くなる「突然死」。40代から、その数は一気に増えるようです。私の夫も、亡くなったのは43歳でした。女性より男性のほうが圧倒的に多く、「ストレスが原因」といわれることが多いのですが、ストレスはないから大丈夫!と思う方も注意が必要です。精神的なストレスがなくても、肉体のストレス(睡眠不足、食生活の乱れ)も、「突然死」を引き起こすからです。
コーヒーや栄養ドリンクで誤魔化しても、実際は抗ストレスホルモンを出し続けてきた副腎は疲弊し、気づかないうちに血管が弱り始めます。見た目は健康そのものですが、ある日、大きなストレスやショックな出来事、過労が重なった時、血管が破裂して一気に「突然死」を引き起こします。
仕事をバリバリしている働き過ぎのビジネスマンが、最も危険です。
「なぜ、元気な人ほど突然死するのか?1日たった3分、強い血管をつくれば健康になる」(ベストセラーズ)の著者で千葉県船橋市のすぎおかクリニック院長の杉岡充爾先生は、「突然死の予防には、食事や運動と並んで、“普段から自律神経を過剰に緊張させない”習慣が極めて重要です。」そう、おっしゃっています。
https://toyokeizai.net/articles/-/117406
◆自律神経のバランスを整えられるアロマで「突然死」は防げる!男性にもアロマをもっと広めたい。
自律神経とは、意思とは関係なく、臓器や体温、呼吸などをコントロールしている神経系で、活動しているときに優勢になる交感神経と、リラックスしているときに優勢になる副交感神経からなっています。人間は、自律神経の交感神経と副交感神経をいったり来たり、どちらかを優勢にしながら生きています。
リラックスしている時に優勢になるのが副交感神経なら、ずっと副交感神経が優勢のほうがいいのでは?そう思われるかもしれません。しかしそういう訳ではありません。日中活動中の体は、交感神経が優勢になる方が良いのです。よくないのは“過剰に“交感神経が優勢になることです。
どちらがいいとか悪いではなく、大切なのはバランスです。
交感神経が優勢になりすぎたり、副交感神経が優勢になりすぎたり、自律神経のバランスが乱れた状態を、アロマは整えることが得意です。
アロマで自律神経のバランスを整えることで、「突然死」を防ぐことができると思うのです!そのためにも、もっと男性に「アロマセラピー」を広めたいのです。
◆アロマで集中力アップや女性の好感度アップなど、パフォーマンスアップも可能!
アロマの力は「突然死」を防いだり、ストレスケアや安眠効果だけではありません。集中力アップや女性の好感度アップなど、素晴らしい効果をたくさん持つアロマ!シーンに合わせたアロマを使うことで、パフォーマンスアップが可能です!
その素晴らしさを、日本中の男性に広めたい!!
◆男性向けアロマセミナーのスタート。4年間で4000人と名刺交換して約1000人を集客
そんな想いから、2013年2月「男性向けアロマ活用講座」をスタートさせました。スタートしたものの、セミナー講師として登録したカルチャースクールのお客様リストはほとんどが女性。男性の受講生の集客は自分でしなければいけません。お勤め経験なし、コネなし、人脈なしの私は、異業種交流会に片っ端から参加し続け、4年間で約4,000人と名刺交換をし、講座の集客をしました。ありがたいことに、講座はコロナ前に50回まで開催することができ、出張講座も含め、約1000人の方に受講いただきました。
◆女性向け商品ばかりの現状を変えるべく「男性向けアロマ商品」の開発を決意
しかし、いくらアロマの素晴らしさを広めても、世の中にある「アロマ商品」は女性向けばかり。男性が使いやすい、「男性のためのアロマ商品」は、ほとんどありません。大手アロマメーカーさんから発売されても、売れない「男性向け」はすぐに廃番になります。
講座開始当初、「男性のためのアロマ商品」は、手作りしてお渡ししていました。ですが、日本中に広めたいのに「手作り」ではどうしても限界があります。
ないなら作ろう!!
製造業の経験などありませんでしたが、「男性のためのアロマ商品」を開発することを決意しました。
◆プロジェクトチーム結成。ディスカッションを繰り返してブランドの世界観を作り上げる
2013年に決意した当初は、私の頭の中でもまだ「男性のためのアロマ商品」のイメージは漠然としていました。まわりの人たちに、とにかく「作りたい!」ということを伝え続け、2014年には、デザイナーさん、コピーライターさん、パッケージ屋さんなど私の夢を叶えるために協力してくださるプロフェッショナルな方たちと、プロジェクトチームができました。
「男性にも使ってもらいやすい製品の形状は?」「ターゲットの人物像はどんな感じ?」「販路はどうする?」「男性の心をつかむメッセージの打ち出し方は?」などディスカッションを繰り返しながら、ブランドの世界観を作り上げてきました。
◆ブランド名は「ミスターアロマ」に決定。男性用と分かりやすい名前に
ブランド名が「ミスターアロマ」に決定したのが2014年の5月のことでした。「一度聞いただけでも覚えやすくて、男性用ということが伝わる名前」という私の希望に応えてデザイナーさんが考えてくださったネーミング案から、セミナーの受講生さんたちにご協力いただき、アンケートをとって決めました。生まれて初めて、商標登録も申請しました。
◆経営者仲間の応援
ボランティアで「手モデル」を務めてくださったのは、同じ異業種交流会のお仲間で家具職人の社長さん。他にもお仲間のテイラーさんがスーツを貸し出してくださったり、たくさんの方の協力のおかげで、すばらしいキービジュアルも撮影でき、オンラインショップやリーフレットなども完成していきました。
「ミスターアロマ」は、男性向けアロマ活用講座を通して、男性ならではお悩み、ニーズ、香りの好みの傾向をリサーチし、香水のように「好み」で選ぶのではなく、「お悩み」や「シーン」ごとに選べるように、4種類作りました。
・朝が苦手な方や、眠気をスッキリしたい方――――――――――「ウェイクアップ」
・仕事でストレスを溜めている方や、自分に自信を持ちたい方――「サクセス」
・女性の好感度をあげたい方―――――――――――――――――「アプローチ」
・疲れがとれない方や、寝つきが悪い方――――――――――――「スイッチオフ」
シーンごとに使い分け可能で、それぞれのお悩みをサポートできます。例え4種類が混ざっても、「香水」を4種類つけるようなことにはなりません。喧嘩せずに良い香りになります。香りの持続時間はは10分ほどなので、「香水」との併用も可能です。
「ミスターアロマ」は、雑貨扱いの空間用のアロマスプレーではなく、皮膚に直接塗布できる商品にしたかったので、化粧品として製造してくれるOEMの業者さんを探しました。実は亡くなった実父は化粧品会社に勤めていたのですが、父の力は借りずに作ろうと決めていました。石油由来の合成香料を混ぜることを勧める業者さんが多く、「100%天然の精油」を原料にすることは、商品化するにあたって“リスキー”だと、何社にも言われました。
◆リスキーだけど、どうしても譲れない「100%天然のオーガニック精油」へのこだわり
天然であるということは、すべての成分を分析することが不可能ということ、それは、どんな成分がどんな「不具合」をもたらすか“未知数”ということを意味します。確かに“リスキー”ですが、そこはどうしても譲れないポイントでした。分子の小さい「精油」は2分で血液に吸収され、全身を巡ります。合成香料ではなく、「100%天然のオーガニック精油」にこだわって作りたい!私のこだわりを優先してくれる業者さんに出会うことができ、開発を進めました。
ですが、警告どおりになったのです。
◆幸せの絶頂!完成お披露目パーティ
2015年1月に発売が決まり、2014年の12月、お世話になった方たち130人にご参加いただき、「ミスターアロマ完成お披露目パーティー」を開催しました。
家族、学生時代からのお友達、異業種交流会のお仲間、セミナーの受講生さん、「ミスターアロマ」プロジェクトチームの方々、ずっと応援してくださっていた方たちと一緒に完成のお祝いをできて、幸せの絶頂でした。
◆パーティーから2日後の悲劇。初回生産分が全てお蔵入りに
ところが、パーティーの2日後、原料の「精油」と容器との不具合が発覚。コロコロと先端のボールが回って皮膚に塗布できる“ロールオンタイプ”の容器で作っていたのですが、ロール部分のプラスチックが、精油の影響で溶けて変形してしまったのです。先端のボールが外れて転がったのをみた時、頭が真っ白になったことを今でも思い出します。初回生産した1000個は、すべてお蔵入りになりました。
◆商品を製造することの大変さを知り、新たなOEM業者を探す
その後、容器を変更して実験をしてみましたがまた不具合がみつかり、新しく購入した容器がすべて無駄に