人事とは「人を生かして、事をなす」。個と組織がともに勝つための『図解 目標管理入門』出版の裏側と込めた想いとは

株式会社壺中天は、「人事の意志をカタチにする」をミッションに掲げ、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、出版、講演などを通じて企業の人事支援をおこなっています。初の<「理論と実践」100のツボシリーズ>として2020年に『図解 人材マネジメント入門』を出版、続いて第2弾として2022年に『図解 組織開発入門』を出版しました。そして2023年、第3弾『図解 目標管理入門 マネジメントの原理原則を使いこなしたい人のための「理論と実践」100のツボ』の出版に至りました。

本ストーリーでは、その背景と込めた想いそして現在までの歩みを、代表坪谷へのインタビューをベースにお伝えいたします。

◆なぜ、第3弾で「目標管理」について書いたのか

ケン・ウィルバーの『インテグラル理論』と出会い

株式会社壺中天が創業した2020年、<「理論と実践」100のツボシリーズ>初の書籍として『図解 人材マネジメント入門』を出版しました。捉えにくい「人材マネジメント」領域を、10章×10のポイントで図解とともにわかりやすく、70冊以上の名著をもとに体系的かつ網羅的に構成した本書は、出版経験者からも「秀逸だ」と評価いただけるものとなりました。そして同年、全国約17万人の人事キーパーソンが選ぶ、人事・人材開発・労務管理などの分野におけるイノベーターを表彰する表彰制度<日本の人事部「HRアワード2020」」書籍部門>に入賞を果たしました。続いて、2022年『図解 組織開発入門』を出版します。有難いことに、企業やメディアからセミナーや講演、執筆などのお声がけも増え、様々な読者の方々と関わるなかで、次のテーマとなったのが「目標管理」でした。なぜ、第3弾のテーマは「目標管理」となったのでしょうか。

「2作目の『組織開発入門』を執筆しているときにケン・ウィルバー『インテグラル理論』と出会い、大きな衝撃を受けました。「個の主観」「組織の主観」「組織の客観」「個の客観」という四象限で世界のすべてを読み解こうという壮大な思想です。この枠組みで考えると、自分がこれまで考えてきたことがより鮮明に表現できると直観しました。

これまで自著で書いてきたことを四象限で整理してみたところ、埋まらない領域があることに気がつきました。それは「個の客観」です。ケン・ウィルバーは四象限をすべて考えるべき(統合すべき)だと主張しています。自分は「個の客観」領域について考え切れていなかった、ここにこれから取り組むべきだと自覚しました。客観とは英語でObjectiveです。個が自らのObjectiveを扱う人事の領域、それはMBO(Management By “Objectives” and “Self-control”)、日本語では目標管理です。こうして次の著作は「目標管理」をテーマとすることが決まりました。(坪谷)」

「objective(客観)の前にsubjective(主観)が弱っているのではないか」
「前作の『組織開発入門』について、ドラッカー研究者の佐藤等さん(ドラッカー学会共同代表理事)が「この本はドラッカー・マネジメントの欠落部分を大いに補うとともにマネジメントの体系を拡張する足掛かりになる可能性を秘めている」と評してくださったことから、佐藤先生との交流がはじまりました。

MBOはもともとドラッカーが提唱したものです。専門家である佐藤先生に「個のObjectiveについて考えたい」と相談したところ、「Objective(客観)の前にSubjective(主観)が弱っているのではないか」と示唆をいただきました。この一言から大きなヒントを得て「個と組織、主観と客観を目標によって統合する」というコンセプトを打ち立て『目標管理入門』の執筆はスタートしました(坪谷)」

◆専門家11名との対談実現により『目標管理入門』が結晶化!

目標管理で伝えるべき「全体構造」として10のChapter(章)を構想

先の2作と同様に『図解 目標管理入門』もまた、構造の図を作るところから始まりました。

「目標管理で伝えるべき「全体構造」を考え、10のChapter(章)を構想するところから始めていきました。そして、その10のChapterそれぞれについて、いま日本でもっとも話を聞くべきだと私が思う方々にお声がけをし、有難いことに11名との対談が決まりました。」

「対談の掲載先はログミー社にお願いしました。かつてログミー社の編集者 五十嵐愛さんから、目標管理についてインタビューを受けたことがあったためです。五十嵐さんはご自身のマネジャーとしての実体験から、目標管理に強い問題意識を持っているとのことでした。そのインタビュー記事は非常に多くの人からの反響に繋がりました。今回もご一緒したいとご連絡したところ、とても喜んでくださって全10回の対談連載がスタートしました。(坪谷)」

▼logmi(ログミー)11名との対談 Chapter1~10(2022.08~2023.01)
Chapter1.MBO ドラッカー学会共同代表理事 佐藤等氏 #1/2
明確な目標を示さないまま、社員の“主体性任せ”に陥る組織
人事の専門家が説く、「目標管理」でつまずきやすいポイント

Chapter2.OKR メルカリCHRO 木下達夫 氏 #1/2
一般的なMBOは、低い目標を掲げるほうが高く評価されやすい
目標管理で「負のインセンティブ」が働く理由

Chapter3.KPI 『最高の結果を出すKPIマネジメント』中尾隆一郎氏 #1/2
KPIマネジメントは「一番弱いところ」に着目すべき
結果を出すための最重要プロセスの決め方

Chapter.4 目標管理 『目標管理の本質』 五十嵐英憲 氏 #1/3
日本にドラッカーの「目標管理」が取り入れられた、切実な理由
不況・リストラからの経営再建を支えた、先駆者たちの悪戦苦闘

Chapter5.目標設定 『非常識な成功法則』神田昌典 氏 #1/2
「偉業を達成する人」が持っている、才能よりも大事な力
『非常識な成功法則』に学ぶ、夢を叶えるシンプルな方法

Chapter6.夢 株式会社リクルート 人材・組織開発室 室長 堀川拓郎 氏 #1/2
リクルートでも「Will」が書けずに悩む人もいる
取り組みたいことに縛られる“Willの神格化”からの脱却

Chapter7.強み 『才能をひらく編集工学』安藤昭子 氏 #1/2
自分の夢すらも“正解っぽいもの”を探そうとする人々
組織と働く人の間で起きている、すれ違いの要因

chapter8.業績 『最軽量のマネジメント』サイボウズ株式会社 山田理 氏 #1/3
目標や数字を個人に落としていく必要はない
サイボウズが、離職率28%の悪循環から抜け出せた「成功循環モデル」

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