ドラムがつないだ家族の絆と子どもの成長。発達障害・自閉症の子供が安心してドラムを学べる「ともくんみゅーじっくすたじお」2年の歩み          

2022年5月にスタートした、発達障害・自閉症の子どもをサポートする、ともくんみゅーじっくすたじおは約30名の生徒とともに2周年を迎えました。

このストーリーでは、自身も自閉症の子どもを持つ1人の親である代表の原嶋勝巳が、発達障害・自閉症の子どもたちが安心して通えるドラム教室の立ち上げからの2年間を、エピソードを交えながら振り返ります。

◆3歳で広汎性発達障害自閉スペクトラム症と診断。診断後の日常と親としての苦悩

息子は3歳の時に、広汎性発達障害自閉スペクトラム症と診断されました。生まれてから発語がなく、周りの子と違う行動が多いと感じていました。保育園では落ち着きがなく、常に教室の中を走りまわり、集団行動ができず人の言うことを聞きませんでした。

また、外で一歩手を放してしまうと、どこに行ってしまうか分からないほど捕まえるのが大変で、他の人にしがみついたりと迷惑をたくさんかけてきました。言葉も出ていないので、何をしたいのかが理解できず、親としてどうしたらいいのか分からず、辛い時期を過ごしていました。

◆試行錯誤の末にたどり着いた、ドラムとの運命的な出会い。息子の特性に合ったドラム教室への入会

息子が特別支援学校に上がってから、何かしないといけないのでは、何かしないと落ち着かないと焦り続け、手探りで、英会話やサッカー、水泳などさまざまな習い事をダメもとで試してみました。

結果は、どれも合わなかったり長続きはせず、途方に暮れてた時に、7歳になって治療で通っていた鍼灸院から、障がいのある子でも通えるドラム教室があると紹介をしてもらいました。ドラム!?大きな音が苦手な息子にできるのかな?

その当時、TVで流行っていた太鼓の達人を試しに購入したところ、何と楽しそうに太鼓を叩く姿が見れました。これはと思い、ドラム教室に通うことを決めました。
◆ドラム教室で開花した息子の才能。家族全員で活動を始めた「友くんバンド」

ドラムを習い始めた当初は、音の問題や場所見知りなど大変なことがたくさんありました。

最初の3回目ぐらいまでは、スタジオに入ってほぼ泣きっぱなしで終わり、それでも諦めずに通い続けてると、才能が少しづつ開花。ある程度叩けるようになった頃、音楽を通じてコミュニケーションの幅が広がればと、家族で”友くんバンド”の活動を始めました。

妻はギターを、私はキーボードと作詞・作曲を行いました。息子の好きな曲で音を合わせ練習を重ねることで、音楽が家族のひとつのコミュニケーションのツールとなっていました。

◆家族バンドから始まった息子のソロ活動。ドラム演奏が息子に与えた大きな自信

ドラムが叩けるようになると、家族バンドで音楽教室のイベントにも参加。息子がソロで活動するようになるまで2年程続けました。その後、息子はYouTubeなどのドラム動画を数多く見て「自分も頑張ろう」と、必死に練習し徐々に実力をつけました。

▼友くんバンドドラムチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCRAyZXDhlUNfRUJRPsmnvRA

現在は自閉症ドラマーとして、さまざまなイベントやYouTubeで、パフォーマンスを披露できるドラマーとして活躍するまでに成長しました。

◆同じ悩みを持つ子どもたちを応援したい。ドラム教室「ともくんみゅーじっくすたじお」立ち上げへ

ドラムを楽しそうに叩く息子の姿を目の当たりにし、好きなことを見つけて伸ばすことが、障がいのあるなしに関わらず子どもにとって大切なことだと改めて気づかされました。

その後、もっと大きい夢を持つようになりました。それが「息子が好きなドラムで社会貢献できるようにしたい。世の中にたくさんいる同じような発達障害や自閉症の子どもたちを応援する活動がしたい」との思いです。これを実現するにはどうしたらいいのか?
私たち家族は人生で最大の決断をしました。それが、ドラム教室「ともくんみゅーじっくすたじお」の立ち上げです。
◆不安を抱えたスタートと初めての成功体験。生徒の成長が与えてくれた大きな喜び

正直、勢いで決めてしまったところもあり、本当に大丈夫なのか、不安はつのるばかりでした。

そんな中、初めての問い合わせが入り、教室の説明と体験レッスンを全身全霊で行い、気持ちが通じてくれたようで、入会を決めてくださいました。あの時の感動は今でも忘れません。

初めてレッスンを受け持ったのは、特別支援学級に通う生徒さんでした。最初は顔も見てくれず、話しかけても背を向けていて心配が尽きなかったのですが、その子の特性でもあり、慣れてくると笑顔で返事をしてくれて、スタジオに通って1年以上経ちますが、ドラムもとても上達しました。そういった子どもたちの目に見える変化がとても嬉しいです。

「ここに通わせて良かった」という親御さんの声を聞くと、スタジオを立ち上げて良かったと改めて思います。

◆息子が講師として挑む新たな挑戦。同じ境遇だからこそ伝わる指導

現在、軽度の障がいを持っている子や不登校の子など約30人がドラムを学んでいます。
次のステップは、息子が、好きなドラムで社会貢献できるようにしたい、世の中にたくさんいる同じような発達障害や自閉症の子どもたちを応援する活動がしたい、
この目標を達成することです。

息子は現在社会人となり、B型就労作業所に通っています。その側ら、障がいのある子どもたちに少しずつドラムを教え始めました。一人ですべてをこなすのは難しいので、家族やドラムを教えている専任講師と一緒にサポートを受けながら日々努力しています。
将来的には自立して指導をできるようになってもらうことが目標です。

今息子は、5名以上の生徒さんのレッスンにメインとなったりサブで入ったりで経験を積んでいます。同じ境遇だからこそ、理解が通じることがレッスン中にもたくさんあります。上手にコミュニケーションが取れないことも多いけど、気持ちは伝わるものです。そして、目指したい姿が生徒さんの目の前にいる、この存在が良い影響を与えているのも事実です。

私が目指すのは、家族一丸となって、ドラムを通して子どもたちが自信を持てるようになったり、新しい一歩を踏み出したりすることの後押しをすること。これからもそんな活動を続けていきたいと思っています。

◆「子育ての喜びや悩みを共有できる場所にしたい」発達障害や自閉症のお子さんをお持ちのお父さん、お母さんへのメッセージ

毎日、子育てに時間が追われ、親御さんにしか分からない喜びもあれば、悩みもあったり、自分の時間がない、気軽に話せる人がいない、子どもの将来に不安があるなど、いろんな想いをうずまく日々をお過ごしではないでしょうか。
実際、私たち家族もそうでした。

ただ、何かが変わってきたなと感じ始めたのは今から10年以上前のことです。
ともくんがドラム教室に行き始めてから、それまで表情がなかったともくんに、笑顔が少しずつ見れるようになってきたこと

もちろん、そこには理解のある素敵な先生と優しく温かな雰囲気があり
私たち親の悩みや苦悩も聞いてくださり、相談もしてきました。
その時のことを忘れたことはありません。

そして高校生になったともくんと一緒にドラム教室を立ち上げた今、私たちの教室にかける思いはただ一つ
子育ての喜びや悩みを共有できる場所にしたい
同じ子育てをしてきた親である私たちだからできることがあります

「うちの子はじっとしていられないんですが、それでも教室に入れますか」
え!全然大丈夫ですよ
ともくんも最初はそうでしたので気持ちは痛いほどわかります
少なくても当事者でもある私たちにとってはなんの問題もありません

お悩みがあれば私たちに相談してください。一緒に考えましょう!
嬉しかったことは教えてください。一緒に喜びましょう!
私たちのドラム教室は、お子さんの可能性を一緒に応援し、お父さん、お母さんたちと心置きなく談笑できる場所を作り続けます
一緒に笑顔になりませんか!

▼教室の様子はここから見れます
https://www.instagram.com/tomo_family310/

◆体感レッスン後のお客様の声をご紹介。全国から集まる感謝の声とレッスンの魅力
・ SNSでともくんを知り、感動して大阪から短期でレッスンを受けに行きました!

自閉症のある子でも本格的に楽しくドラムレッスンできる教室で素晴らしい体験をさせて頂きました。教室の雰囲気も柔らかくて、安心できる感じです。
聴覚過敏のあるお子さんにも対応したドラムがあって、本当に発達凸凹ある子にやさしい教室だなぁと思いました。
・ 息子をすごく褒めてくれて、出来ることを大事にしてくれて、大好きな曲でドラムもさせてもらい、本当に楽しそうにドラムを叩く息子の姿が見れて良かったです。

・ 自閉症の息子の初めての習い事!体験教室からその日に即決しました!

普段、全く話を聞かない子ですが、レッスンになると真剣(^o^)
初心者でも親切丁寧に楽しく学ばせてもらってます(*^^*)
・ レッスンする先生が、発達特性や自閉症に理解があったので、とても安心でした。

・ 「褒めて伸ばすと」いう指導方針が感じられて、温かいレッスンでした。わが子に合っていると思いました。

・ オーナー夫妻がとても気さくで、レッスン以外の子育てについてのお話しもできてすごくよかったです。

▼体験レッスンの申し込みはこちらから
https://harappa.blog/