AppleがApp Storeを立ち上げてから10年が過ぎた今もなお、iOS専用アプリストアは急速な成長を続けている。アプリ解析とマーケット調査のApp Annieが調査結果を公表した。大多数のアプリが100万ドルを稼ぎだしており、中には1000万ドルを突破したものも出現している。同社はさらに多くのアプリがここに到達すると予測する。
App Storeの10年間のデータをまとめたApp Annieによると、2017年12月までの一般売上は1300億ドルに到達、ダウンロード数は1,700億回以上になっている。1万個に迫る数のアプリが2010年以降、単体で100万ドル以上の売上を上げており、内訳として100万ドルから1000万ドルのレンジでは2293件のアプリが、それに加えて564件のアプリは1000万ドル以上を稼いだとしている。
大多数の国のユーザーはiOS端末に約100個のアプリをインストールしており、毎月約40個を積極的に使っているという。一方でフランス、インドネシア、韓国のユーザーは112以上のアプリをインストールしているにもかかわらず、実際に使用しているアプリの数はかなり少ないという結果が出ている。
各国でのiOSにおける売上は実際にはアプリのダウンロード率よりも急速に増加しており、世界でのダウンロードシェアは30%に満たないにもかかわらず、2017年にはGoogle Playストアの約2倍の売上を生み出している。iOS App Storeの利用は、今後5年間で更に80%増加すると予測され、2017年の425億ドルから2022年には757億ドルに到達するとしている。
ゲームは引き続きApp Store課金の拡大を加速させる。2017年のゲームアプリは全ダウンロード数の31%しか占めていなかったが、一般売上の75%を占めることになった。特にアジア太平洋地域のiPhoneに売上が集中している。App Storeには450万本以上のアプリがリリースされているが、その77%はゲームなのだ。
近年の成長の多くはアジア太平洋地域からもたらされている。米国は、ダウンロード数(401億回)とアプリ売上(360億ドル)の両方で世界トップクラスを維持しているが、中国も399億件のダウンロード数と277億ドルの売上を達成している。驚くべきは日本が売上で世界3位につけている点で、ダウンロード数は95億回しかないのに売上は252億ドルにも到達している。
アジア太平洋諸国のダウンロード数は全世界の49%にまで成長しており、売上は59%に拡大している。これは2014年10月に中国でiPhone 6とiPhone 6 Plusがリリースされた後に急増した。ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)地域と米国の利用者はそれぞれダウンロード数の26%を占めているが、アメリカの27%に対してその売上は14%にすぎない。
App Storeに劇的な売上増加をもたらしたのはアプリ内課金だ。長年にわたりPandora RadioやSpotifyなどのオーディオアプリが収益チャート上位に君臨していたが、2017年に入るとNetflix、Tencent Video、iQiyiという3つのビデオアプリがトップ5に並び、デイティングアプリのTinderがその周囲につけるようになる。
一方でApp Annieの調査にはApple Musicからの収入は含まれていないようだ。Apple Musicはライバルの音楽アプリが登場した後、多くのサブスクリプション収入を奪い取ったわけだが、今後はこのビデオサービスを重要なターゲットに据えることになるだろう。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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