次世代認証SsenStoneが6.5億円、脳刺激で睡眠改善Leesolが4.3億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(9月16日~22日)

Image credit: SsenStone, Leesol

9月16日~9月22日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは4件で、資金総額は157億ウォン(約17億円)に達した。

企業名 産業分野 調達額 ラウンド 投資家
TeamPass
(팀패스)
化粧品製造DX 非公開 助成金 TIPS(政府スタートアップ支援事業)
Leesol
(리솔)
脳への電気刺激による睡眠管理デバイス開発 40億ウォン(約4.3億円) シリーズA ViNe Ventures
Bomchan
(봄찬)
建築用石材コマース 非公開 シード Primer
Unit Lab
(유닛랩)
カスタムモジュラー建築 非公開 助成金 TIPS(政府スタートアップ支援事業)
ICU Corporation
(아이씨유코퍼레이션)
斜視視力測定システム 非公開 助成金 TIPS(政府スタートアップ支援事業)
Optowell
(옵토웰)
放散用レーザー半導体 40億ウォン(約4.3億円) Wonik Investment Partners、Timeworks Investment
DATOS
(다토스)
外食業経営管理ソリューション 非公開 シード Heim Venture Investment、エンジェル投資家
SsenStone
(센스톤)
認証セキュリティ 60億ウォン(約6.5億円) KDB韓国産業銀行、ES Investor、デトク資産運用
SpaceBeam
(스페이스빔)
宇宙光通信 17億ウォン(約1.8億円) 済州-Vision ベンチャー投資協会第1号
Laurenchoo company
(로렌츄컴퍼니)
ノンアルコールフードテック 非公開 プレシリーズA KAIST青年創業投資持株、漢陽大学技術持株、個人投資組合
JSW Technology
(제이에스더블유테크놀러지)
プラズマ滅菌器 非公開 助成金 TIPS(政府スタートアップ支援事業)
DXGene Korea
(디엑스젠코리아)
薬物中毒バイオマーカー定量検査 非公開 助成金 TIPS(政府スタートアップ支援事業)
GOAT Company
(지오에이티컴퍼니)
家電製品の比較 非公開 プレシリーズA Infobank
Nadoo Modoo
(나두모두)
AIソフトウェア開発 非公開 シード 韓国投資アクセラレータ
Publy
(퍼블리)
開発者コミュニティ 非公開 M&A Seeso
Doogooda
(두구다)
AI医療経営最適化ソリューション 非公開 助成金 TIPS(政府スタートアップ支援事業)
Sane Nuts Studio
(세인넛츠 스튜디오)
インディゲーム開発 非公開 シード Bon Angels Venture Partners

スタートアップ投資

  • 認証セキュリティソリューションの Ssenstone(센스톤)が60億ウォン(約6.5億円)を調達した。2015年に設立され、認証技術「OTAC(One-Time Authentication Code、単方向ランダム固有識別)」を開発した。ID とパスワード、OTP(使い捨てパスワード)がなくても各種認証が可能である。
  • ウェルネス機器および電子薬開発会社の Leesol(리솔)が40億ウォン(約4.3億円)を調達した。同社は2017年に設立されたヘルスケア企業で、微細な交流電流を利用し、特定の周波数で脳を刺激して同調させる技術「経頭蓋交流電気刺激(tACS)」を事業化している。

トレンド

クライメートテック投資の急増…投資分野 TOP3は?

気候変動が世界的な問題となっている中、近年の猛暑の長期化により国内でも気候変動に対する危機感が高まっており、気候問題解決への国家的な関心も増している。クライメートテックには再生可能エネルギー、資源循環、炭素削減、環境に優しいモビリティなどが含まれており、持続可能な環境を作る技術開発に焦点が当てられている。

このような状況下で、関連企業への投資家の関心も着実に増加している。今年9月22日時点のデータでは、環境・エネルギー・持続可能性分野でスタートアップが調達した資金は2,227億ウォン(約240億円)であり、昨年同期間と比べて148%増加したことがわかっている。投資を受けたスタートアップを分析した結果、最も多くのスタートアップが資源循環分野で活動していることが判明した。

廃棄物処理、資源リサイクル、環境に優しい素材開発など、循環経済モデルを構築するスタートアップがその代表例である。例えば、LD Carbon(엘디카본)は資源循環と原料再生技術で400億ウォン(約43億円)の投資を受けた。また、Terracle(테라클)Replar(리플라)はそれぞれプラスチック廃棄物処理および分解ソリューションで105億ウォン(約11億円)、100億ウォン(約11億円)の投資を誘致している。

エネルギー分野は、最も多くの投資を集めている。カーボンニュートラル目標を実現するための重要な要素として、持続可能な環境に優しいエネルギーが注目されている。再生エネルギー発電企業である  Bright Energy Partners(브라이트에너지파트너스)は1,000億ウォン(約108億円)の投資を誘致し、今年の環境・エネルギー・持続可能性分野全体の投資で1位となっている。炭素排出管理や炭素捕集など、炭素削減のためのソリューションも投資領域として注目されている。

気候変動への対応においてデータが重要性を増しており、ソフトウェア企業も投資を誘致しているが、過去数年にわたり大規模な投資を集めてきた培養肉などの農食品分野への投資は減少傾向にある。

投資段階としては、シリーズ A およびプレシリーズ A の段階で資金を調達しているスタートアップが多く、クライメートテック市場がまだ初期段階であることが示されている。投資主体としては、 Hyundai Motor Group(현대차그룹)POSCO(포스코)などの大企業をはじめ、国内外のベンチャーキャピタルや金融機関、政策金融など多様な機関が参加しており、今後これらの企業の成長に伴う大規模な後続投資が見込まれている。

グローバルレベルで2050年までにカーボンニュートラル目標が設定されているため、クライメートテックは政府と企業の両方にとって必須の分野となっている。政府も2030年までに3兆ウォン(約3,200億円)規模のクライメートテックファンドを姿勢し、クライメートテック分野に9兆ウォン(約9,70億円)を投資すると発表している。政府の支援政策、企業の ESG 経営強化、グローバルな気候危機への対応努力などが相まって、気候テック分野は持続的に成長すると予測される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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