限られた土地に理想的な家を建てる。スペースを有効活用した木造4階建て住宅『もくよん』誕生までの軌跡

ou2株式会社は25年前、クレバリーホームFC加盟店契約を結び、都内で先鋭的な戸建て住宅を販売しています。東京ならではの悩みを解消し、理想的なマイホームを持つことを可能にした同社のサクセスストーリーに迫ります。

◆「10cmも無駄にしない」限られたスペースを無駄にしないための企業努力

東京に家を持つことは他の地域と比較して格段に土地の値段が高くなります。金1坪あたりの坪単価は100万~600万円。20坪の土地を購入する場合、7,000万~1億円超にもなります。

そのため、少しの面積も無駄にはできません。予算が許せば少しでも広いお家を手に入れたい等の要望が強くなります。そういった理由から「10cmも無駄にしない」というフレーズが生まれました。都内での無駄のない家づくりを叶えるためには、横に広げるわけにはいかないため、上もしくは下に広げるしかありません。2階建てをまずは3階建てに変更。クレバリーホーム全体でもほとんど契約がない3階建て商品のため、世田谷区の1棟目を皮切りに3階建て住宅を中心に営業、販売を開始し、現場見学会も開催しました。もう一つ、要望も多かった屋上の利活用です。

小さい土地にできる限りの広さを使う建物計画。当然ながら庭などのスペースは取れません。そこで、屋上をお庭代わりのスペースとして提案しました。 シート防水やFRP防水が一般的だった防水技術の中でも、当時出たばかりの金物防水をいち早く採用し、ステンレス防水にすることで30年の保証がつけられるところに目をつけました。他社からは「木造住宅に屋上など以ての外」、「かならず水漏れが発生する」、鐵骨RCメーカーからも「木造は揺れるので屋上を作るなどとんでもない」、「絶対に亀裂がはいり雨漏りします」と言われ続けました。「今年産まれた赤ちゃんが30歳になるまでメーカー保証が付けられます」と30年保証を前面に押し出し、木造3階建て+屋上の商品を拡販していくようになりました。
◆次は「下」へ。更なるスペースの有効活用

次に、下方向である地下への挑戦です。建築基準法では「1/3まで床面積に含まなくてもよい」という法規があります。これを使わない手はない、ということで地下に着目しました。
ただ、東京は狭いとか、隣の家が倒れてくるとか、地下水が高いとか、さんざん言われてきました。しかし、どうしても可能性を捨てきれず様々な工法を比較、調査しました。

鉄板を溶接して立方体を地上でつくり、それを穴に落とし込む工法、大きな余地と大きなクレーンが必要なため都内では断念せざるを得ませんでした。地上で鉄筋を組み始め、地下の壁面を製作して、それを徐々に地下に落とし込んでいく潜函工法を検討しました。 特許技術であるため、京都の技術者とともに2~3件実施するも隣家との距離が短い、落とし込みに不均等が生じた場合の是正が難しいなど、それ以上施工は増えませんでした。

次に、長野の地下業者とノウハウ提携を考えました。地下防水の考え方になります。コンクリート打ち継ぎ面での防水処理の仕方、材料ノウハウ 等々を学び、それが今の地下工事のベースとなっています。
そしてついに3階+地下+屋上ということで 最大5層住宅の提案に至ったのです。

◆木造住宅を持つために解決すべき2つのジレンマ

しかしながら、東京では高さ制限が3階でも使い切らないくらい緩和されています。3階までであれば、木造住宅としては一般的になってきています。4階建て以上の場合、鐵骨構造、コンクリート構造が一般的ですが、4階になった途端、建物金額が大幅にアップしてしまいます。

3階建てではスペースが足りない。4階建てだと予算が足りない。というジレンマが発生しました。
そこで木造でこの2つのジレンマを解消できないかと試行錯誤しました。構造計算、役所対応、構造体の材料問題、通常の木造では不可能な足場、金額の問題(木造より高くなったとしても鉄骨よりも安くなくてはならない等)を様々な検証、試行錯誤を繰り返し、トライアンドエラーを重ねてようやくひとつの道筋がみえてきました。木造3階では広さ的に足りない。鐵骨4階では金額が出せない。というお困りの方がいるのではと感じ、営業的にはニッチな需要があるのではと考え、販売をスタートしました。最初は、お客様から「木造で4階建てなんてできるの?」、「耐震的に怖い。大丈夫?」、「建物がかなり揺れるのでは?」と懐疑的な意見が大半でした。


東京に建てる木造4階建て賃貸住宅「もくよん(R)賃貸住宅」発売
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000097390.html
初めてお客様の要望は『もくよん』のコンセプトそのもの
しかし 錦糸町のお客様で「3階建てでは足りない。4階建てではハウスメーカーの鉄骨しか選択肢がない。金額が合わない」という理由からネット検索で調べていただき、当社の 「木造4階建て」のキーワードで錦糸町モデルハウスへ問い合わせがありました。そのお客様には開発の経緯や木造3階建ての現場見学。また、耐火構造になることから床壁天井、外壁が全て二重構造になること、結果的に耐火上だけでなく密閉性、断熱性、防音性に優れた構造体となることを確認していただき、期待と不安が入り混じった気持ちも少なからずあったかとは思いますが、ご納得いただいた上で当社初の木造4階建て『もくよん(R)』の契約に至りました。

これが当社初の「もくよん」の誕生であり、親しみをこめた名称として木造4階建てをひらがなで略称した「もくよん」という名称を名付けて、商品名として商標登録行いました。

※初めての「もくよん」 実際の住宅写真

更にこのお客様は話が進んでいくにつれて、アメリカ在住であった娘様が帰国した際のお部屋を用意してあげたいと地下室をプラスし、また近くに住む長男家族とのコミュニケーションの場として ファミリーで楽しめる屋上を造りたいとのことで当社初の「木造4階建て+地下室+屋上 の6層住宅」の実現となりました。この建物を皮切りに、最初にを建てたのは商社をリタイアしたオーナーご夫妻様でしたが自分たちの夢を全てかなえてくれた当社への感謝も手伝い、同じような悩みを抱えるお客様 ご自身のお住まいを何の躊躇いもなくご披露してくださいました 。木造4階建ての可能性を完成品の形で目の前で見ることができ、また各営業マンも自信をもって勧めることができ、徐々に『もくよん(R)』で夢をかなえる人が増え始めました。
◆これからのターゲットは同じ悩みを持つ全国各地のお客様

それはお客様のニッチな要望と“東京”という決して広い土地でないが、高さ制限がほぼかからないエリアがかなりあるという特性。防火地区という防火上の規制を受けることもありますが、結果として耐火、断熱、防音など住まいとしての品質アップすることができるというところもあり、今では耐火3階建てを含め、木造建築全体の4割以上を占める主力商品となりました。

そして 更に経験を積んで、技術の研鑽を積み、東京のみならず他の地域でも同じような悩みを持つお客様が必ずいることを信じてこの『もくよん(R)』を更に成長させていきたいと思います。