伝統工芸を未来と世界に。伝統工芸学生アンバサダー事業「とらくら」を正式リリース。同時に、各都道府県の学生アンバサダー3名の追加募集を開始。

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伝統工芸を未来と世界に伝えるべく、「Z世代×︎伝統工芸」という新たな視点から伝統工芸の魅力を発信するアンバサダー事業をリリース。

新しい文化提案事業を手がけるculture-techスタートアップ、株式会社wakonart(本社:大阪府堺市、代表取締役:白江勝行)は、2021年2月20日、一般社団法人伝統文化デジタル協議会(本社:福岡県福岡市、代表:平井みどり)と共同で「Z世代×️伝統工芸」という新たな視点から伝統工芸の魅力を発信する学生アンバサダー事業「とらくら」を正式にリリース。同時に、各都道府県の学生アンバサダーをそれぞれ3名限定で追加募集を開始。

今、日本の伝統工芸は岐路を迎えている

日本政策投資銀行が2018年に発表した『地域伝統ものづくり産業の活性化調査』(以下,資料参照)によると、1980年頃に生産額がピークを迎えた。それ以降、バブル崩壊による不景気や安価な海外製品の台頭、ライフスタイルの変化によって生産額は年々減少。現在はピーク時と比較すると5分の1、約1,000億円程度の生産額に落ち込んでいる。

また、従事者の高齢化も深刻化。経産省の公表によれば、平成21年度の時点で50歳以上の従事者の割合は64%、30歳未満が5.6%となっている。長年受け継がれてきた技術や精神を継承する人が圧倒的に不足している。

『地域伝統ものづくり産業の活性化調査』
https://www.dbj.jp/topics/region/industry/files/0000030626_file2.pdf

伝統工芸のデジタル化、鍵はZ世代

「Z世代」は1996年から2012に生まれた世代を指し、アメリカでは人口の4分の1を占める。そんな将来の消費社会の中心となるこの世代は独特な価値観や消費行動を取るため世界中のマーケターが注目している。JETROのレポート『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーション Z」 -米国における世代(Generations)について-』(以下,資料参照) から一部抜粋すると、Z世代の大きな特徴は以下の5つ。

テクノロジー依存
コミュニティを重視
活発にボランティア活動に参加
起業意欲が高い
現実/実利主義

つまり、Z世代はデジタルネイティブかつ多様性を重んじ、表面的なブランドより日常に根差したリアルさや本物を重視する傾向にある。伝統工芸はこれまで伝統を重んじ、日常生活に馴染むように形を変え、継承されてきた。Z世代のこの消費の価値観と伝統工芸はまさに合致する部分もあり、未来に繋ぐために鍵となってくると言える。

『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーション Z」 -米国における世代(Generations)について-』
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/ec095202b7547790/ny201810.pdf

伝統工芸学生アンバサダー とらくらとは

とらくら とは、(一社) 伝統文化デジタル協議会と(株)wakonartが共同運営する伝統工芸学生アンバサダー。とらくら は traditional craft の略称。「伝統工芸」という言葉には「難しい」「堅い」と言ったイメージがあると感じる。そこで、とらくら という新しい言葉を作ることで、より伝統工芸を身近に感じて欲しい、そういう思いを込めた。とらくら には、伝統工芸を未来に繋ぐべく、全国から共通の「想い」をもった学生が集結する。そして若者の目線で伝統工芸の思想の深さをデジタルを通して世界に発信し、業界全体のDXの後押しをする。同時に、学生自身も伝統工芸への理解を深め後世に継承する目的がある。

具体的には、伝統工芸エバンジェリスト育成講座「とらくらCollege」と 伝統工芸のメディア事業「とらくら」を行う。中長期的には、Z世代向け商品開発「Z工房」やその他イベント運営、最終的にはコミュニティから「D2C」や「その他新規事業」のインキュベーション支援を行う。伝統工芸品市場は過去40年で80%生産額と従事者数が減少してきた市場。一方、世界的には日本の伝統工芸に対する評価が上昇傾向にある。伝統的なものづくりである伝統工芸の持つ「技術・精神・歴史」の情報を正しく伝え、伝統工芸を保護・革新させる、継承させる役割を担うのがこの組織である。
2021年2月12日に実施した「第1回 とらくらCollege (工芸の定義を考える)」の様子

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