飲食店におけるGWや年末年始などの来客数の予測精度向上に向けた実験結果を発表

SHARE:

第17回行動変容と社会システム研究会にて発表

株式会社Goals(本社:東京都港区、代表取締役:佐崎 傑、以下 当社)は、ゴールデンウィーク(GW)や年末年始など、飲食店の来客数動向が通常とは異なる特殊な日付における来客数予測精度の向上に向けた実験作業を行いました。実験の結果、GW・お盆・年末年始において来客数予測の精度が全店舗平均12%改善※したことが確認されました。
実験結果は、「社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2023)」(2023年3月9日~12日・北海道開催)内の「第17回行動変容と社会システム研究会」で発表しました。
 ※RMSE(二乗平均平方根誤差、Root Mean Squared Error)数値の比較による
■実験の背景

 本実験は、当社と株式会社クリアタクトが、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)より、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託事業「人口知能技術適用によるスマート社会の実現『農作物におけるスマートフードチェーンの研究開発』」の一部を、共同で業務委託を受けて行ったものです。
 飲食店では食材発注量の算出や従業員の人員配置の決定に必要な指標の一つとして来客数予測があります。この来客数予測は、店舗責任者における作業負担も大きいほか、来客数予測の精度が低い場合は、食品ロスの発生や人員の過不足に繋がり、店舗の適切なコストコントロールが難しくなります。
 来客数予測は機械学習を用いた場合でも、GWや年末年始など通常とは来客数が異なる特殊な期間・日付(特殊日付)は予測精度が低い傾向にあります。
 当社と株式会社クリアタクトは飲食店の適切なコストコントロールに向けて、来客数予測の精度向上に焦点を当てる実験を計画し、産総研に採用され、今回の作業を実施しました。

■実験概要

 従来は店舗ごとに過去の来客数データから予測モデルを作成していましたが、年間でも数日しかない特殊日付はデータ量が少ないため予測精度が低いことが課題でした。
 本実験では、特殊日付のデータ量を増やすため、複数の外食企業・店舗の来客数データを集約してPLSA(確率的潜在意味解析、Probabilistic Latent Semantic Analysis)によるクラスター分析を行い、来客数の変動が類似する特殊日付と店舗ごとにグループ化した上で回帰分析を行う来客数予測手法を提案しました。なお、PLSAの実行には産総研の確率モデリングソフトウェア(PLASMA)を用いました。
 この手法により、特殊日付においても十分量の学習データで回帰分析をすることが可能になり、予測精度の向上が期待されます。
 本実験の手法による予測モデルと、店舗ごとの来客数データから作成した従来の予測モデルを比較した結果、特殊日付の中でもGW・お盆・年末年始は本実験の手法において、全店舗平均12%、一部店舗で平均63%の精度改善を確認しました。

図:特殊日付における従来法と本実験の比較 (数値が0に近いほど実測値との誤差が小さい)

PR TIMESで本文を見る