科学人材が枯渇する「科学クライシス」が、現実問題に。理系人材の5割以上が、給与等の経済面から、キャリアビジョンが描けないことを理由に博士課程進学を断念

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~博士人材を増やすために必要なのは、若手のうちから”活躍できる環境”と”キャリアプランの見える化”~

最適な研究開発人材をAIでマッチングするプラットフォーム”CoA Researcher”を開発する株式会社CoA Nexus(コアネクサス)(東京都目黒区、代表取締役社長:野崎 光太、以下:CoA Nexus)は、博士課程への進学をしなかった理系人材371名を対象に、「博士課程のキャリアパスに関する調査」を実施いたしました。
その結果、5割以上の理系人材が、「待遇」や「キャリアプラン」に対する不安から、博士課程を選択しなかったことが明らかになりました。また、博士課程への進学者を増やすための施策としては「若手の頃から活躍できる環境」や「金銭面の負担がない環境」を求める声が多く、それらが解決されたら進学を前向きに検討すると95%の人が答えました。

昨今、博士人材や研究者の減少が問題視されており、「若手の頃から活躍できる環境づくり」そして「キャリアパスの見える化」がまさに科学人材の枯渇が現実となる「科学クライシス」の課題解決につながる状況であることを示唆している結果となりました。

<調査サマリー>
理系学部の出身者で、博士課程に進学しなかった理由に関して、キャリアの観点から見ると、「より仕事や収入が期待できないこと」と経済的な負担と比較して、投資対効果が少ないことを問題視していることがわかりました

理系学部の出身者が考える博士課程への進学者を増やす施策は「未来(仕事・収入)の保証」であることが明らかに。1位は、「卒業後の仕事、収入の保証」、2位は「博士後期課程での給与支給」と金銭面やキャリア形成面での不安が顕著に

博士人材のキャリアイメージは、ネガティブな側面では、「キャリアパスの不透明さ」「博士は就職が厳しい/安定しない」「アカデミアのポストが少ない / アカデミアは任期制で不安定」「給与が安い」等の不透明なキャリアパスへの不安があることが明らかになりました。一方で、ポジティブな側面だと「収入の高さ」であり、「自分の興味、関心の高いテーマに集中できる」「社会的地位を得られる」といった未来の報酬面での評価がありました

博士課程の進学者や博士へのキャリアを増やすためには、「キャリアの選択肢を拡充、可視化する」という意見が最多でした。続いて、「若手の登用の促進」が挙げられ、これまでの博士課程やキャリアのあり方を変革することを望む声が目立ちました。「科学クライシス」の回避には、産学が連携したキャリア形成が大きな鍵に

<各設問結果>
■博士課程を選択しない理由は、キャリアの観点から「収入への期待値の低さ」が背景に
理系学部を卒業した方々に「博士課程を選択しなかった理由」を質問しました。
その結果、キャリアの観点から、「博士課程を取得することで、良い仕事や収入が期待できなかった」という回答に関して、博士人材のキャリアパスの不透明さや不安定さへのイメージが紐づいていることがわかります。

博士課程を選択する人材を増やすためには、「透明性があり、魅力的なキャリアパス」を周知させる活動が必要であるといえます。

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