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現代版の物々交換「モノ払い」の衝撃ーーCASHを生んだバンク新サービス、旅行のエアトリから開始

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斜め上過ぎて嫉妬心しか生まれない。そんなサービスをご紹介したいと思う。 即時買取の「CASH」や旅行代理店「Travel Now」などを運営するバンクは6月12日、決済代行サービス「モノ払い」の開始を公表した。ユーザーは不要なモノを写真で撮影して査定するだけで、購入商品の代金に充てることができる。不足金額についてはクレジットカードの支払いで充当できるほか、購入代金以上の余剰金が生まれた場合はCAS…

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斜め上過ぎて嫉妬心しか生まれない。そんなサービスをご紹介したいと思う。

即時買取の「CASH」や旅行代理店「Travel Now」などを運営するバンクは6月12日、決済代行サービス「モノ払い」の開始を公表した。ユーザーは不要なモノを写真で撮影して査定するだけで、購入商品の代金に充てることができる。不足金額についてはクレジットカードの支払いで充当できるほか、購入代金以上の余剰金が生まれた場合はCASHウォレットにチャージされる仕組み。

リリース時点の利用可能なサービスとしてエボラブルアジアの運営する旅行予約サイト「エアトリ」がこの決済方法を利用できる。またファッション関連のECを運営するナノ・ユニバースの自社オンラインストアに導入が予定されている。

さて、具体的に何がどうなるのか紐解いてみたい。

CASHのノウハウを活かした決済代行サービス

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バンクのこと、光本勇介氏のことを知ってる人であれば、これがCASHの仕組みを応用したものであることはすぐに理解できると思う。CASHは当初こそ質屋モデルのアップデートとしてグレーな箇所もあったが、その後は即時買取という体験に落ち着き、紆余曲折を経て今もサービスの成長を続けている。

簡単におさらいすると、CASHはユーザーが撮影した商品をある一定のデータに基づいて即時に査定し、バンクのとの間の売買が終わる前に信用取引として先に入金してくれるサービスだ。商品に嘘がある(損傷具合の不一致や偽物など)リスクを性善説でクリアした稀有な体験を提供する。

要はこれをそのまま決済代行、つまり次の商品代金に充てる、というのがモノ払いの考え方になる。メルカリで売買した売り上げを現金として引き出さず、メルペイ・ウォレットに入れたまま次の商品を購入する、あの体験をもっとオープンに誰でも使えるようにした感じに近い。

物々交換の「差額」が生み出すお得体験の可能性

しかしこの方法はメルカリ・メルペイのような一気通貫したプラットフォームでないといろいろ問題が発生する。ひとつが差額だ。前述した通り、不足した場合はクレジットカードで差額を支払うことができる。また余剰した場合はその分がCASHウォレットにチャージされる。

やや面倒だなと思いつつ、ひとつ気が付いたことがある。ここで生まれる体験のことだ。光本氏は結果的に、不要なモノを使うことで安く購入できた、と感じてもらえるのではと話していた。

これは確かに購入者として魅力的な要素だ。

今、欲しいものやサービスが目の前にあって、さらに手元に不要なモノがあるとする。これを瞬時に交換できたら、もしくは全額ではなくともいくらかのディスカウントになればどうだろう。世の中のポイントカードはその役割を一定担っているが、それが日常の中ですぐに使えることになる。

貨幣経済時代、物々交換のメリットなど考えたこともなかったが、これには大きな可能性を感じる。

CASH経済圏の拡大

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EC事業者はこの決済代行を導入することで、今、手元にお金のない、もしくはディスカウントを希望するユーザーを取り込むことができる。また、CASHで即時買取のフローを持っているので、支払いサイトについてもクレジットカード会社などと同等の受け取りが可能という話だった。変わった手段ではあるものの、実は導入のハードルはそこまで高くはない。

気になるのが手数料の問題だ。

クレジットカード決済や非接触決済の場合、それぞれクレジットカードブランドなどが存在するため、必ず手数料がかかることになる。一方、モノ払いは完全にバンクオリジナルだ。

この点について光本氏に聞いたところ、まだ手数料については未定とこのような回答をくれた。

基本的には未定です。ただ、決済手数料ビジネスを展開しているわけではなく、結果的に買い取れたアイテムでビジネスをしているので、クレジットカードなど他の決済手段よりも安くなると思います。

CASHという「即時買取・即時現金」の体験は刺激的である一方、やはりユーザーはどこかで限定される運命にあったと思う。時間をかけて高い価格で買い取ってもらいたいという向きには別の選択肢があるからだ。結果として流通総額(GMV)を伸ばすにはもうひとつアイデアが必要だった。

しかし、今回の体験は「お得」に近い。メルカリ経済圏が垂直統合型であるならば、お得な体験でモノが回る「CASH経済圏」は水平分業型とも言えるだろう。

キーになるのが面をどうやって取るかという戦略になる。数多あるEC事業者にこの全く新しい概念をどうやって採用してもらうのか。また、光本氏はそもそもSTORES.jpというインフラを創業して作ってきた人物でもある。現在は連合企業としてheyになったが、そことの協力関係はどうなるのだろうか。

EC事業者様に対しては、いまお金がない方に購買をさせる新たな機会を創出できる決済手段として見ていただければと思っています。また、不用品を決済に使っていただくことで、全額でなくても、一部の支払い補填にしていただくこともできますので(安く買える)、結果的に購買コンバージョンの向上につながる決済手段としてもうれたらと考えています。最後に、私たちは「決済手数料」ではなく消費者から買取ったモノでビジネスをしますので、他の決済手段よりも安い手数料で決済をご提供することもできるのではないかと考えています。

heyとの連携に関しては、別会社になりますので、まだいまのところ未定ですが、「モノ払い」の導入候補先にはもちろんなりえますので、両サービスにメリットが出せるようであれば、検討できたら理想だと思っております(光本氏)。

CASHの第二章、はじまった感あるので、この先のトラクションに期待したい。

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