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渋滞のストレスをお金に換えるフィリピンスタートアップJojo

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渋滞につかまり、貴重な時間を自動車や公共交通機関の中でただ座って過ごすというのは極めてストレスフルだ。目的地に着くまで、政府とその短絡的な交通渋滞政策に恨みの言葉を吐き続けることになる(なにしろ道の真ん中ではそれくらいしかできることがない)。 しかしながら、フィリピンの人々、特にマニラ首都圏に住む人々は長い間それに慣れてきた。日々の交通状況にライフスタイルを合わせてきたのだ(ピーク時には比較的短い…

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渋滞につかまり、貴重な時間を自動車や公共交通機関の中でただ座って過ごすというのは極めてストレスフルだ。目的地に着くまで、政府とその短絡的な交通渋滞政策に恨みの言葉を吐き続けることになる(なにしろ道の真ん中ではそれくらいしかできることがない)。

しかしながら、フィリピンの人々、特にマニラ首都圏に住む人々は長い間それに慣れてきた。日々の交通状況にライフスタイルを合わせてきたのだ(ピーク時には比較的短い10キロメートルの距離を移動するのにも、市内では平均して1時間半かかる)。

ある賢明な起業家グループがこの交通渋滞を現金化するビジネスの方法を見つけ出した。起業家自身だけではなく、通勤者も現金を得ることができる。このプロセスでは市内のすべての通勤者を起業家に変えるのだ。

通勤する人や自動車を運転する人が副収入を得られるようにする宅配クラウドシッピングアプリ Jojo のチーフストラテジーオフィサー Jay Fajardo 氏はこう述べる。

平均的なフィリピン人は1日のうち1時間6分を移動に使い、1年で16日相当の貴重な時間を浪費していることになります。もし私が日々の通勤でひどい渋滞を1キロメートル進むごとにお金を稼げたら、利益になるのはもちろんのこと、渋滞を我慢できるようにもなるでしょう。

Jojo は自身を「Pasabay」なデリバリーアプリであると称し、荷物や商品(大至急必要な書類や当日配達希望の購入商品)を送りたい人と、荷物の目的地に向けてすでに出発している人を結びつけるものだとしている(「Pasabay」は現地の言葉で「一緒に乗る」を意味する)。

顧客は荷物を送るためだけにスケジュールをあける必要がない。予約をすると顧客が選んだ都合のいい場所で Jojo の運搬者と会うことになる。荷物が合法で、一般的な大きいバックパックに入るサイズであれば、マニラ首都圏のどこにでも送ることができる。Jojo の先進的な GPS 追跡システムを使って、1クリックで荷物の正確な現在位置を知ることもできる。

Fajardo 氏はこう述べている。

送り主には、リアルタイムなトラッキング機能つきの速く安全な輸送と、認証済み運搬者へのアクセスを提供します。また運搬者に対しては、移動のついでに荷物を運ぶという便利な副業を提供しています。

Jojo のマーケティングマネージャー Eunice San Miguel 氏はこう述べている。

交通渋滞が悪化していく中で、普通の通勤者は、実は目に見えず活用もされていないロジスティクスやサプライチェーンであり、活況を呈している成長中の e コマース産業を手助けすることができます。より効率的で持続可能な運送方法なのです。

試行期間中、マニラ首都圏ではバイクを使って45分という速さで荷物を配達することができたという。

しかしながら、交通状況は変化するため、弊社は配達時間を明確にすることはできません。ですが当日配達は保証しています。

Fajardo 氏は言う。

このプラットフォームでは送り主は送る方法を通勤者、バイク、自動車という3つから選ぶことができる。通勤者は交通状況のために一番遅いかもしれないが、料金はもっとも安い。バイクは中間的な価格で、もっとも速い。自動車はもっとも料金が高いが、大きな荷物を運ぶことができる。つまりすべては送り主のニーズ次第であり、プラットフォームはそのニーズを解決する柔軟性があると同社は述べている。

受取人が荷物を受け取ることができない場合は、2通りの処理がある。受取人は自分の代わりに受け取る人に4桁の暗証番号を伝えることができ、この暗証番号は運搬者にも伝えられ、手続きは終了する。もし誰も受け取ることができない場合は、荷物はマカティにある Jojo 本部に送られ、その後、送り主または受取人へ送られる。

輸送は最初の3キロメートルが99フィリピン・ペソから始まり、その後は1キロメートルごとに8フィリピンペソが追加されていく。

配達保証

Jojo によれば、運搬志願者は認証済み運搬者となる前にきちんと調査されているとのことである。運搬者となるには政府発行の身分証を2つ提出しなければならない(バイクを使って運搬するつもりであれば、2つのうち1つは免許証)。同様に、国家捜査局(NBI)か警察の更新済みの許可証、あるいは車両の登録番号、永住を示すもの、車両を所有していない場合は車両の委任状を提出しなければならない。

Jojo のチームメンバー
Image credit: Jojo

また運搬者は、運搬者の要件や権利、責任、義務について Jojo がしばしば予定するセミナーやブリーフィングに参加しなければならない。参加しなかった場合は許可が下りず、運搬者としての資格停止や資格剥奪という結果につながる。

Fajardo 氏は以下のように説明する。

荷物が Jojo の運搬者の手にあっても安全性が確保されるよう、弊社はこういった厳格な手続きを行っています。アプリを使用する際は、送り主は Jojo 運搬者の写真や評価を見ることもできます。また弊社のリアルタイム GPS 追跡を通じて、送り主は荷物が届くまでの間、運搬者の位置を追跡することができます。

同社はまた非合法なものや禁止されているものを運搬することがないようにするメカニズムを採用している。同氏は次のように明らかにしている。

Jojo の運搬者は請負業者であり、配達する荷物をきちんとチェックする責任があるということを自覚しています。目の前で梱包されたものではない荷物や、送り主(もしくは Jojo に荷物を手渡した人)が荷物を開いて検査することを拒否した場合は、運搬者は荷物の引き受けや配達を拒否することもあります。

またデータ保護にも細心の注意を払っており、送り主と受取人の情報は配達に必要な最低限度のものしか保持していない。また情報を共有する第三者もいない。

Jojo は運営の最初の1ヶ月間で1万8,000ダウンロードを目標としている。

成長する e コマース

e コマースはフィリピンで着実に成長を続けており、2018年の収益は8億4,000万米ドル、平均して1年に12%成長している。このため運送企業やフルフィルメント企業が市場のニーズに応じて参入しサービスを始めることが容易になっている。

しかしながら、フィリピンのロジスティクス業界は成長を続けて入るものの、全体的な顧客の満足度は低いままだ。Miguel 氏はこのように説明する。

Jojo はクラウドシッピングモデルで顧客のペインポイントや確実性(利用可能な運搬者の供給)、そして時間や速度に応えていきます。弊社は顧客の荷物のお届け先にすでに向かっている運搬者を活用しているのですから。

しかしながら、まだ問題も残っていると Miguel 氏は付け加える。

二面的なマーケットプレイスの常として、もっとも大きな問題は送り主と運搬者という2つのユーザセグメントのバランスを取ることです。両方のセグメントのニーズを満たすようにしなければなりません。つまり送り主には運搬者への安定したアクセスを、そして運搬者には、このプラットフォームに留まろうと思わせるだけの十分な数の送り主をということです。

Jojo はどういうふうに、Grab ExpressLalamove のような他の宅配アプリとの差別化を図ろうとしているのだろうか?

Fajardo 氏はこう述べる。

Jojo はクラウドシッピングのプラットフォームです。通勤している普通の人を運搬者にします。また、運搬者はある地点から別の地点への配達の途中ですので品物は早く着きますし、運搬者は小さな地区の中でもラストマイルをカバーする能力があります。

Jojo はマニラ首都圏を拠点とする First Shoshin Solutions のプロジェクトの1つであり、日々の悩みを解決するプラットフォーム開発を目指すテックスタートアップである。これまでは独力でやってきたが、同社は製品をスケールするためにいずれ資金調達を行う計画である。

【via e27】 @E27co

【原文】

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