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韓国ロッテが100億円規模のファンドとアクセラレータを開設へ——財閥系企業の起業支援に望むこと

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以下は、メディアパートナーである韓国のスタートアップ・ニュースメディア beSUCCESS の創業者で代表の、チョン・ヒョヌク(=정현욱、英名:James Jung)氏による投稿を翻訳したもの。 昨日(原文掲載日:10月27日)、朝鮮日報、中央日報、韓国経済新聞などの主要メディアは、ロッテグループ会長のシン・ドンビン(辛東彬=신동빈)氏が発表した、1,000億ウォン(約106.7億円)規模のファン…

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以下は、メディアパートナーである韓国のスタートアップ・ニュースメディア beSUCCESS の創業者で代表の、チョン・ヒョヌク(=정현욱、英名:James Jung)氏による投稿を翻訳したもの。


昨日(原文掲載日:10月27日)、朝鮮日報、中央日報、韓国経済新聞などの主要メディアは、ロッテグループ会長のシン・ドンビン(辛東彬=신동빈)氏が発表した、1,000億ウォン(約106.7億円)規模のファンドやアクセラレータについて大々的に報じた。

その主な内容は、来年1月に若者の創業支援を目的とする「ロッテアクセラレータ(롯데 액셀러레이터)」という名の投資法人を設立し、1,000億規模のファンドを組成するというものだ。併せてシン会長も、彼の資産から100億ウォン(約10.7億円)を拠出し、スタートアップにシード資金とインフラ、メンタリングなどを提供するというものだった。また、シン会長は、今後3年間で100以上の優秀なスタートアップを育成するという計画を発表した。

筆者がスタートアップ業界で約4年間にわたり、韓国の財閥グループによるスタートアップ支援を直接的・間接的に見てきた中で感じるのは、主要財閥によるスタートアップアクセラレータ設立を、韓国のスタートアップを成功に導く支援とするには、単に支援だけではなく、その財閥の新たな成長の足場を築くものでなければならないということだ。

しかし、実際には、そのようなアクセラレータの多くの場合は、政府の関心を引くためだけの創業奨励プログラムだったり、財閥企業の経営幹部を満足させるためだけの活動だったりするような印象を受けることが多かった。たとえば、アクセラレータの設立を告知するローンチイベントを、全世界からスタートアップアクセラレータ関係者を招待して大々的に開催した後、実際の活動がほとんど見受けられないケースや、企業内の役員交代や政府基調の変化により、アクセラレータ事業が中断されることがあった。

今回のロッテアクセラレータの設立について、スタートアップ界からは、

なぜ今になって? 免税店の運営権問題(訳注:2015年末でソウル市内2箇所の免税店の運営権が切れる)とロッテ創業家の経営権争いを解決したいのだろうか?

ロッテの役員にメンタリングを受けたとして、何をメンタリングしてくれるのか?

私財拠出をして、まるで罰金を支払おうというかのようだ。

記事によれば、1,000億ウォンのうち、シン・ドンビン会長の私財拠出はたかが100億ウォン? 寄付でもなければ、投資助成でもない?

…など否定的な反応が見受けられるのも、前述したような過去の失望感から導かれた結果かもしれない。

このような否定的な反応をどのように打破できるか? 筆者に言わせてもらえるなら、何よりも実務担当者に、スタートアップへの見方を変えてもらうことをお願いしたい。今や、私たちスタートアップ業界にも多くの経験が蓄積されたので、実務担当者がスタートアップを「目先の利益のために取り込もう」としたところで、それに容易に気づくことができるからだ。

したがって筆者は、今回のロッテアクセラレータの発表が、そのような失望感や従来のトレンドから脱して、大企業がスタートアップを真に一緒に素晴らしい未来を作っていくパートナーとして見てくれるきっかけを作ってもらいたい。

そして、今回のロッテをはじめ、現在アクセラレータ事業を運営しているすべての企業の関係者は「なぜ私たちがアクセラレータを運営していて、そこからどのように我々が一緒に未来を作っていくのか」について考えてほしい。1年や2年で終わるのではなく、10〜20年とより長いタイムスパンで、どのように長期的な事業に進むことができるかどうかを、もう一度深く考えてほしいとお願いしたい。

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

【原文】

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