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いくら走っても追いつけない大先輩の背中を見て走る:今ならではの物づくりで100年続く会社を目指す大関綾さん【後編】

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「女性起業家として史上最年少上場を目指すアパレルブランド「Aya Ohzeki」の大関綾さん」の後編をお届けします。【前編】はこちら。 自分にとっての翼は発想力  多くの女性が憧れるココ・シャネルは、綾さんにとっても憧れの存在。「もし翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を持つためにどんなことでもしなさい」(”If you were born without wings, do nothing to …

「女性起業家として史上最年少上場を目指すアパレルブランド「Aya Ohzeki」の大関綾さん」の後編をお届けします。【前編】はこちら。

自分にとっての翼は発想力

 aya-Ozeki多くの女性が憧れるココ・シャネルは、綾さんにとっても憧れの存在。「もし翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を持つためにどんなことでもしなさい」(”If you were born without wings, do nothing to prevent them from growing.”)という言葉は、綾さんの心に特に刺さるものがあった。

 「この言葉に出会った時に、自分にとっての翼について考えました。翼は空を飛ぶためのもので、私にとって空を飛ぶことは事業をきちんと成功させることです。お金、人脈など必要なことはたくさんある中でも、自分の発想力こそ大事なんじゃないかと思いました」

競争が激しさを増す今、一つの商品がヒットしても、過去の商品に勝る新しいものを生み出し続けなければ企業は生き残れないと話す綾さん。会社のコンセプトでもある「まだ世にない商品を出していく」を実現するには、自分の発想力で新しい商品を生み出していくことが必要不可欠。中学生の頃から習慣になっている「町を歩いていても人と話をしていても、ひたすら気にかけて考えること」が役に立っている。

ものづくりで発展してきた国で、ものづくりで勝負する

21歳と言えばデジタルネイティブな世代。起業するなら、ITの世界が自然と選択肢に入りそうなものだが、敢えてものづくりの道を選んだ。ITには流れが早く資本がいらないというメリットがある一方で、変化がめまぐるしく、超ヒットしたプロダクトが3年後には消えてなくなっている可能性が十分にあると言う。また、ものづくりの国として発展してきた日本で、それを継承したいという想いもある。

「ものづくりに取り組む人が必要だし、それを長く続けることが大切だと思っています。だから、わたしは100年続く会社を作りたいんです」

Aya Ohzekiブランドの海外展開では、縮小する日本のものづくりを継承し、新しい形で発展させていくことも目論む。すでに、Aya Ohzekiのブランドはアメリカと香港の各店舗で販売されている。

そんな取り組みの一つが、椎野正兵衛(S.SHOBEY)のスカーフ。黒船が来て日本が開国した頃に日本に初めて誕生したと言われるブランドだ。最盛期、日本はスカーフの世界シェアの実に8割を占めていた。椎野正兵衛にファブリックを特別供給してもらう形で、最高級バージョンのネックウェアを開発し、メイド・イン・ヨコハマの製品を世の中に発信していく。

また、京都の西陣織をペーズリー柄を編んだ「ノーブルタイ」も開発中。ノーブルタイはAya Ohzekiの独自商品で、ネクタイに代わる本革製の新しいネックウェアだ。西陣織をモダンなアイテムにして、より若い世代に届けたいと先方から話が舞い込んだ。さらに、革の上に漆を塗って模様付けをしたノーブルタイの試作品も見せてくれた。

「一緒に組みましょうというお話はいろいろいただくのでありがたいです。最終的には、純粋に将来性を感じるかに尽きます。漆を使った商品化も、筑波大学からいただいたお話ですぐにやりましょう!と始めました。収益をすぐに上げることを考えると上手くいかないので、ポテンシャルが決め手になっています」

5年後、遅くても10年後には確実に上場しています

自他ともに認める綾さんの負けず嫌い。幼い頃、親が3つ年下の妹が焼いたパンケーキのほうが上手だとほめただけで悔しくて泣いてしまったエピソードを聞かせてくれた。このくやしい!という気持ちに尽き動かされるのは21歳になった今も変わらない。

「わたしが普段お会いするのは、40-60代の経営者の方が多いんです。若くしてチャレンジしていることを認めてくださる方もいれば、まだ実績がないため相手にされないこともあります。悔しいから、実績を作って見返すしかない」

綾さんは心がけて、世間からビジネスの成功者と尊敬される経営者のそばにいるようにしてきた。人としての素養、また経営者としての姿勢や手腕を直接学ぶ機会に恵まれている。本当は同じようなベンチャーの人たちといたほうが心地が良いのだと言う。

「同じ世代のベンチャーの人たちといたほうが居心地はいいです。でも、同じようなフェーズにいる人たちと話していると、今のスピードでもいいかもってきっと甘えてしまう。ずっと先にいらっしゃる大先輩なら、いくら走っても追いつけないからもっと早く走るしかないから」

ものづくりを軸に、100年続く会社を作る。5年後とは言わずとも、10年後までには確実に上場していると言い切った。高校生でビジコンに登場した時のように、宣言した以上、実現する他はない。

まだ世にない新しい製品を作ることで、新しい文化までを作ることを目指すAya Ohzeki。起業は想像していたよりも圧倒的に大変だと語る綾さんは、まだ20代に突入したばかり。制服を着ていた頃に走り出しているのだから、完全に”A head start”を切った走者だ。止まることを知らず、見えないゴールラインを目指して走り続ける綾さんはこの先私たちに何を見せてくれるのだろうか。

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女性起業家として史上最年少上場を目指す、物づくりブランド「Aya Ohzeki」の大関綾さん【前編】

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ブランド「Aya Ohzeki」が開発する女性向けネックウェア 史上最年少上場を目指して奮闘する女性がいる。2014年時点の東証マザーズ上場の女性の最年少は、トレンダーズの経沢香保子さんが記録した39歳。あと18年の猶予が残されているにもかかわらず、「一刻も早く上場したいんです」と話すのは、17歳でノーブル・エイペックスを立ち上げた代表取締役社長の大関綾さん。 海外展開を視野に入れて、自身の名前「…

model_sepaladyブランド「Aya Ohzeki」が開発する女性向けネックウェア

史上最年少上場を目指して奮闘する女性がいる。2014年時点の東証マザーズ上場の女性の最年少は、トレンダーズの経沢香保子さんが記録した39歳。あと18年の猶予が残されているにもかかわらず、「一刻も早く上場したいんです」と話すのは、17歳でノーブル・エイペックスを立ち上げた代表取締役社長の大関綾さん。

海外展開を視野に入れて、自身の名前「Aya Ohzeki」と名付けた自社ブランドでは、主にメンズのネックウェアを展開してきた。最近新たにレディースのラインが加わり、国内の伝統技術を取り入れた商品で海外展開にも本腰を入れていく予定だ。

待ち合わせをしたのは、彼女のオフィス近くのカフェ。土日もほぼ仕事をしていると言う綾さんはココアを頼み、甘党の一面を覗かせた。21歳という年齢、本来なら花の大学生活を満喫する年頃。思わず、「もっと友達と遊びたいとか、ストレスに押しつぶされそうになったりしない?」と聞いてみた。これに即答した彼女にはきっと愚問だったのだと思う。

「わたし、すごく冷静でマイペースなんです。アポが上手く決まらなかったり、嫌なことを言われたりしてすごく落ち込むこともあります。でも引きずっている暇はなくて、無理矢理切り替えているうちに慣れました。どうしてもって時は、友達に会ったりお風呂に入って寝ます(笑)」

経営を身近に感じることができた幼少時代

aya-Ozeki綾さんの起業家への道のりは、知り合いの経営者を見て育った小学校の頃に既に始まっていた。会社に雇われるのではなく、自分の裁量で責任を追って仕事をする姿に憧れた。可愛がってくれる「ご近所のおじさん」的存在がたまたま経営者だったことで、経営が手の届くものに感じられたのかもしれない。また、両親の離婚をきっかけに母が苦労する姿を見て自、何とかしてあげたいという気持ちも彼女の独立精神を後押しした。

起業家になりたいという漠然とした夢が具体的に走り出したのは、中3で出場したビジネスコンテスト。そのビジコンの舞台で、綾さんは「これから3年以内に起業します」と宣言したのだと言う。3年以内の起業を有言実行するために、学業と並行して起業が許される高校へ転職した。未だに一番仲が良いという高校時代の友人たちは、今年2014年の春に社会人生活の第一歩を踏み出す。「これまで友達とは全く仕事の話はしてきませんでしたが、これからはするのかもしれませんね」と微笑む。

今年で5期目に入ったノーブル・エイペックス。学生時代、起業前の試作品作りに3年間を費やし、立ち上げた後はビジネス上のネットワーキング、ECサイトの立ち上げ、販路の開拓など、アパレル事業を軌道に乗せるために四苦八苦してきた。

「やっと基盤が整って、今年から売ることに本腰を入れられるかなという状態です。最初の商品開発だけでも大きな資金を費やしていますし、絶対に形にしてやるという決意でやってきました。若い人の挑戦を応援しようと、これまで本当に沢山の方にお世話になっています。そういった方々に恩返しするためにも、成功する以外に道はないんです」

男性のネックウェアに変わるレディース商品の不在に着目

アパレル商品の販売はネットショップが中心だが、日本国内の百貨店には催事などスポット販売の形でどこも一度は入ったことがある。また、今年に入ってから楽天にもショップを開設。昨年からはレディース向け商品も展開し、早速スーツ量販店の「アオキ」が取扱いを開始している。これを皮切りに百貨店などにも販路が広がり、少し前には女優の桐谷美玲が商品を身につけてTV出演するなどして注目を集めた。レディース市場への進出について、綾さんはこう話す。

「業界が保守的なメンズの衣料全般は縮小傾向にあります。アベノミクスといってもまだまだ不況で家計は苦しく、そこでまず削られてしまうのが旦那さんの衣料品です。そんな市場の現状を踏まえて、将来性のあるレディースを昨年から始めました。今後は、レディースに力を入れていく予定です。」

元気がない男性のアパレル市場と反対に、前年比120%程で伸びているのがレディースのスーツ市場。そんな伸びしろがある市場で綾さんが着目したのは、女性向けネックウェアの不在だった。特にリクルートスーツを着る女子就活生には男性のネクタイに代わるものがなく、ファッションで差別化のしようがない。

「男性と同じようにスーツを着るのに、女性には男の人のネクタイに変わるものがないんです。一番の理由は、既存の業界に新しい商品を作る会社がないこと。一見新しい業界に見えて、アパレル業界の変化は数年単位で色柄が変わる程度です。他にない取り組みを買って、アオキさんも取り入れてくださったんだと思います」

女子就活生には、通常シルク素材で8,000円〜のネックウェア商品を、ポリエステルで作った2900円の価格帯で販売する。2014年3月からは、上場企業と組んで就活イベントで無料プレゼントするアグレッシブなプロモーションを開始する予定だ。

「時間はかかるかもしれませんが、必ず女性のネックウェア文化を広めてみせます。マクドナルドの発想と一緒で、子どもの時から食べてもらうことで味に慣れてもらう。今はまだこういうジャンルがないので、就職活動をする若い頃からつけてもらって習慣化させて、顧客を育てていきたいです。」

後編につづく。

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