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シリコンバレー進出後、幕を閉じたシンガポールの「Chalkboard」−CEOSaumil氏へのインタビュー

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【翻訳 by Conyac】 【原文】 Mount SophiaのChalkboardのオフィスで開催されたパーティーは、数名のゲストとピザやドリンクが用意されたシンプルなものだった。ネットワーキングイベントとしてはおおよそ普通。そんな中、特に公式発表などはなかったものの、参加者には何らかの動きがあることを察している者もいた。 シンガポールを拠点とするモバイル広告スタートアップ「Chalkboar…

【翻訳 by Conyac】 【原文】


Mount SophiaのChalkboardのオフィスで開催されたパーティーは、数名のゲストとピザやドリンクが用意されたシンプルなものだった。ネットワーキングイベントとしてはおおよそ普通。そんな中、特に公式発表などはなかったものの、参加者には何らかの動きがあることを察している者もいた。

シンガポールを拠点とするモバイル広告スタートアップ「Chalkboard」にハッピーエンディングは訪れなかった。共同設立者のSaumil Nanavati氏Bernard Leong氏は、数ヶ月前に既に会社をたたむ決断をしていた。彼らは、それを行う方法をひっそり模索していたのだ。

興味深いことに、同社は買収まであと一歩のところまできていた。Chalkboardは、買収対象として非常に魅力的なスタートアップだ。売上げは上昇しており、収支もほとんどトントンに到達したところところだった。買収について協議を進めていた1社はシリコンバレーの企業、もう1社はシンガポールで名高い企業だった。だが、Chalkboardはそれら2社ともピッタリとは合わなかった。

しかし、事業を撤退するいう決定にも関わらず、2名の起業家はこれを個人的な失敗とは捉えていない。最後までチームとして努力してきた。開催されたパーティーは、いわば彼らが友人達と共に歩んできた道を祝うパーティーだった。

「物事が望んだ方向へと進まなかったことに落胆はしています。しかしこの結果を恥じてはいないし、投資家を含む多くの賢い人々と共に最善を尽くしました。私たちは挑戦し、ベストを尽くしたのです」。

と、Saumil氏は木曜日の午後に行われたSGEのインタビューの中で述べた。今回の経験をあらわす略語は、「MIA(市場、投資家、そして、野心の頭文字からとった) 」だと言う。

彼らがChalkboardで抱いた野心はとても大きく、シリコンバレーで活躍する最高の起業家たちに十分匹敵するものであった。彼らに出資したシンガポールのNeoteny LabsのJoi Ito氏は彼らのビジョンを買ったのだ。

事業をたたむことになった理由は、様々な要素が合わさった結果であった。彼らのビジネスモデルがアジア市場にうまく適合しなかったこと、欧州危機を受けてアメリカのベンチャーキャピタルによる投資が低迷したこと、買収オファーが関係者(および本人たち)にとってフェアではないものだった、などだ。

買収相手を探してみましたか?そのプロセスはどうでしたか?

2月の出張はそれが目的でした。アメリカ、シンガポール、マレーシアといった国から、2、3社、それぞれ異なるグループ系列の会社と話し合いました。あるオファーは、acq-hire(人材を確保するための買収)でした。

それで私達は難題に直面したのです。これを受け入れると、私たち起業家は雇ってもらえ事業は成功したことになりますが、投資家は元が取れず失敗したことになります。もしくは投資家たちは払い戻しを受け、私達が好まない状況に足を踏み入れるか。この選択肢はなかなか過酷なものでした。

誰かが犠牲にならなければならない、それは辻褄の合わない話だったのです。そして次にこんな疑問が出てきました。なぜ誰も勝利しない最悪のことをするのか?とはいえ、他者を犠牲にして友好な関係に苦々しさを覚えたくはありませんでした。

やめる時期をどのように決断したのですか?

そう決断を下したのは2011年のクリスマス休暇の後です。その理由の一つとして欧州危機があります。ベンチャーキャピタルからの資金調達で影響を受け、実現したかったことの多くができなくなりました。物事が変わったのです。直前の四半期で、ベンチャーキャピタルからの投資は45%にまで下がってしまいました。

直接的に影響を受けたわけではありませんが、そこから派生した問題もありました。アジアの投資家には影響がありませんでしたが、アメリカの投資家にはあったのです。私達は十分な資金を持っていましたし、売り上げは今現在でも入ってくるほどに確保できています。受け入れた投資額のうち、およそ30%のお金手放すことになるでしょう。

それではアジアはどうでしょうか?アジアの市場や環境については?

逆に聞かせて欲しいのですが、これから数年のうちにFacebookやInstagramのようなサービスがアジアから生まれると思いますか?私の考えでは、アジアには人が収益もなしに企業のために一生懸命働くに十分なエコシステムがないと思います。Facebookは長い間収益がなかったし、Instagramもそうです。

Rocket Internetが大きな話題となっている今、Samwer Brotherの企業のCEOらが、アイディアとその裏のビジネスモデルを持って走り出せば、基本的には巨額の資金を注入し、ホッケースティック曲線を描く予測をし、積極的に拡大していくでしょうが、彼らが自らの手でいったいどれ程の資金を獲得できるかは定かではありません。

eコマースのビジネスはアメリカでは上手くいっていますが、零細小売店の多いアジアではそうではありません。私達はアジア市場における人の行動について、非常に興味深いことを学びました。それは、私達が提供する価値の問題ではなく人の問題だということです。アジアの人はインターネットの世界の次のステップまで至っていないのです。

私達は小さなビジネスを支援したいのか?これが主なテーマでした。とても難しいテーマです。フリーミアムモデルに基づいて無料でサービスを提供しようとすると、ターゲットがやってきて実際に試してくれるのではないかと密かに期待していました。

ところが、マーケティングあるいはニュースメディアで新サービスを宣伝すると、いつでも予測と異なる結果に見舞われました。新規顧客確保を目的とする広報活動の後、アジア市場の人々は私達に直接電話をかけてきたり、eメールを送ってきたりして個別のサポートが求められました。営業電話をかけなければ、ターゲットは急に興味をなくしサービスを試す気を失ってしまいます。無料のプロダクトなのに、一体どうやって営業電話やサポートに対応できるでしょうか?

アメリカでは一つの記事が公開されることで、全国から20〜30人がオンラインでサービスを試してくれていました。アメリカの人々はそれを理解していました。だがここの人々は理解してくれません。また、アメリカ市場はより洗練されています。私達はアメリカとシンガポールのサイトでは異なる広告文を使っています。ここでは、サイトはよりシンプルな英語を使用しています。そうでないと現地の家族経営のお店は私達がやっていることを理解してくれないからです。

おかしなことに、未払いの顧客もたくさんいます。集金問題はアジアでは頻繁に見られます。私達はお金を追いかけることに時間を費やし、そして度々換金することのできない小切手を受け取りました。18ヶ月もの間、支払いが滞った大企業もありました。しかも、その合計額は彼らにとって大した額ではなかったのです。こういった小さなことの積み重ねが私達を苦しめました。利益がほとんど出ない状況にエネルギーを失ってしまったのです。そして、お金を追いかけるために人を雇うことは、何かが全く間違っている気がしたのです。

時間が経つにつれ、アメリカへ移動すべきだと感じるようになっていました。オフィスを早急に立ち上げる必要もありました。問題だったのは、企業を移動しなければ生き抜いていくことができないという状況にまできていたということです。それは亀の子供のようなもので、海水につかったら最後、泳ぎ続けなければならないのです。しかし、私達のチームメンバーのほとんどはシンガポール人ではありませんので、彼らをアメリカへと移住させることは困難で、その他にも問題は山積みでした。

では、なぜ何か他のことに方向転換しなかったのですか?

Chalkboardをするために保留にしていた個人的なことがたくさんありました。またそれにだけ没頭していたので、他に何のアイデアもありません。だから、私達の選択肢はこの事業を継続して持っている資金を使い切るか、スタッフを維持して今までのように単発的なビジネスを処理するかのどちらかでした。でもそれでは意味がないし、この事業に関わったすべての人の時間を無駄にしていたと思います。

そこで1歩下がって白紙に戻し、新たなスタートを切ることにしました。そこで一番大切なのはチームワークだと思っています。事業をするには相応しいチームと目標が必要です。これはサッカーの監督みたいなものです。もし自分がサッカーチームのチェルシーの監督でリバプールと試合をし、相手チームのスピードがすごければ守りのチームをつくりたいと思うでしょう。相手チームのプレーがスローなら、違ったチーム・フォーメーションを組みたいと思うはずです。

問題が分からなければ、どんなチームを持つべきかも分からない。私は適当なチームを作って問題を修正するようなことはしたくはありませんでした。当時は、野望実現の前にはばかる問題へどうアプローチすべきかがわからなかったのです。そもそもそれを達成するためのプラットフォームを持っているのか、それともビジネスのアイデアを変えるべきなのか。

Bernardと一緒に作り出した「MIA」という造語について、自身の野心と投資家との間に食い違いはありますか?

大きな成功をもたらすようなアイデアを持っているなら、気の散るようなことはいっさい考えず、必死に働きコツコツと努力をすべきだと考えています。例えば、Foursquareはグローバル展開しているし、Samwer Brothersを見るとナンバーワンでなければ意味がないというのが彼らの見解です。

それが皆の、そして投資家やファウンダーの心理であり、その多くはグローバル展開をしようとしています。Joiもそれを提案してくれました。彼はこの点に関して、私達に自由にフォーカスさせてくれました。これは他の投資家と比べて非常に珍しく独特なことです。

私達は、その他多くのことをに頭を悩ませたくなかった。例えば、アメリカのスタートアップを見てみると彼らは弁護士などを雇っています。なぜなら、彼らのプロダクトを適切な時に適切な方法で世の中に送り出し、消費者が喜ぶよう万全を期したいからです。

自分達のオプションや懸案事項を伝えた時、JoiとJames(Neotenyの)は今後の展開になるかを理解してくれました。両者ともにどんな状況にあるかを察知しており、私達が望んだようには物事が進んでいないことを知っていました。彼らと一緒に働けて良かったと思います。彼らには理解力があるし思いやりがあります。

今後の個人の計画は?チームの解散はどのように行なったのですか?

チームの全員が次の仕事を見つけられるようにしました。皆、今後の予定は決まっています。既存クライアントをケアするために何人かのスタッフはこのまま当社で働いてもらうことになっています。そのクライアントの1社と私は既存プロジェクトを進めています。その他多くのスタッフは母国に帰る予定で、自分の国の方がより快適だからです。企業に就職した人もいます。

後片付けのフェーズに入って久しく、あとはエグジットの計画を立てることだけでした。資金を残すために経費削減を始め、実際にいくらかの資金は手元に残りました。さよならパーティーを開いて、家具も売り払ってしまいました。

それが人生というものです。ポーカーゲームみたいなもので、何回でも繰り返しプレーする。スタートアップの環境にいることもあれば、企業環境にいることもあります。終わりにすることを選び、終わり方を決め、いつ別れを告げるかを決めるのです。

インタビュアー:Gwendolyn Regina Tan

注釈:Bernard LeongはSGEの共同設立者でもある。

【via SGEntrepreneurs】 @sgentrepreneurs

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位置ベースの広告ネットワーク。4,300件の広告主と月間480万人におよぶアクティブ・ユーザを獲得している。Chalkboard は、伊藤穣一氏がジェネラル・パートナーを務めるネオテニーラボからの出資を受けており、次…

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