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月間1億人が利用する書籍版「Netflixオリジナル」のScribd、王者Kindleとの差別化はいかに

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ピックアップ:Scribd Announces $58 Million Strategic Investment Led by Spectrum Equity ニュースサマリー:サンフランシスコ発のスタートアップ「Scribd」は11月25日、エクイティーラウンドにて5,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてSpectrum Equityが参加。同社はこれまでにシリーズDま…

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ピックアップ:Scribd Announces $58 Million Strategic Investment Led by Spectrum Equity

ニュースサマリー:サンフランシスコ発のスタートアップ「Scribd」は11月25日、エクイティーラウンドにて5,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてSpectrum Equityが参加。同社はこれまでにシリーズDまで完了しており総額1億580万ドルを調達している。

Scribdは月額サブスクリプションモデルで本・オーディオブック・雑誌のオンライン読書サービスを提供している。月間のユニークユーザー数は1億人を突破しており、有料会員数は100万人。加えて、同社プラットフォーム限定公開のオリジナル作品「Scribd Original」の制作も行なっている。

話題のポイント:「オリジナル作品として生み出すサブスク型のプラットフォーマー」と聞くとまさにNetflixと印象が重なります。Scribdは2007年に創業し、立ち上げ初期には誰もが簡単にデジタル書籍を公開できるプラットフォームの運営を行っていました。同社サイトによれば世界初の取り組みであったとされています。

2013年からは現在の原型となるデジタル書籍サブスクリプションモデルの展開を始め、2016年には雑誌にも対応しました。同社は上述通りユーザー数を着実に伸ばし、今年4月にはオリジナル作品「Scribd Original」の制作に着手することを発表。4月に発表されてから累計4作品が公開されています。

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Scribd Originalのコンセプトは、著名作家が次作構想を練るまでの間、比較的短めの作品を発表できる機会を提供していくことです。背景には大作完成までに時間が多く費やされてしまい、普段読者と関わる機会が少なくなっている問題の解消が目的とされています。

作家にとっては次作完成までのリフレッシュや読者とのコミュニケーションを兼ねたちょうど良い執筆機会としての利用が想定されており、出版社にとっても次作に備えるまでの「ギャップ期間」を有効活用できる場となっていることが分かります。

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さて、Scribdにとって最大の脅威となりつつあるのがAmazonの「Kindle Unlimited」です。同サービスも著名作家の短編作品を「Kindle Singles」として公開しています。

Netflix、HuluやPrime Videoの違いなようなもので、そのプラットフォームから誕生するオリジナルコンテンツの好き嫌いでユーザー層が変わってくるでしょう。また、Kindle Unlimitedはプライム会員の特典という立ち位置のため、書籍メインのサブスクと考えればScribdにアドバンテージが大きいと考えられます。

とはいえ、Scribdの基本言語は英語がベースなため、現時点で利用層は他社より狭まっているのは確かです。こうした状況下でも有料会員数100万人を突破しているのは着目すべきでしょう。

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また、Scribdでは書籍という枠組みに捉われずアカデミックな資料をPDFで閲覧が可能です。資料自体は提携企業から提供されており、たとえばパートナシップを結ぶ『Forbes』が1917年に出版した雑誌を閲覧したりもできます。

同社は「To change the way the world reads.(世界の”読む体験”を変えていく)」をミッションに掲げます。そしてここまで積み上げてきた「オンライン」「サブスクリプションモデル」「オリジナルコンテンツ」は確実にこのミッション実現へ近づくためのものです。

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