THE BRIDGE

Taishi Masubuchi

Taishi Masubuchi

1996年東京生まれ。シンガポールでの高校生活、米シアトルでの大学生活を通し、いつの間にかテクノロジーが好きに。現在はブロックチェーンリサーチャーとして活動。個人で、イーサリアム関連のプロジェクトに多く関わる。ブロックチェーン以外でも、東南アジア、北米(シアトル中心)のスタートアップの動きに着目。ジャーナリズムを通した小さなムーブメントを乱発し続けるために記事執筆。旅行をもっとしたくなるような、"位置"に価値を付けていく事業考案中。旅が好きです! Twitter - @taiseaocean

執筆記事

コーヒー豆で車を作る?ーー実は再利用可能なあの「残りカス」、こんなものにまで転用可能

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ピックアップ:Ford is making car parts—with waste from McDonald’s coffee beans ニュースサマリー:コーヒー豆の残りかすの再利用に注目が集まりだしている。 Ford Motorは4日、マクドナルドが販売するコーヒー豆の粉を再利用し、同社が生産する車の部品開発に再利用する計画を発表した。CNBCによれば、同社はインテリアやボンネットへの利…

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Image Credit: Kaffee Form

ピックアップ:Ford is making car parts—with waste from McDonald’s coffee beans

ニュースサマリー:コーヒー豆の残りかすの再利用に注目が集まりだしている。

Ford Motorは4日、マクドナルドが販売するコーヒー豆の粉を再利用し、同社が生産する車の部品開発に再利用する計画を発表した。CNBCによれば、同社はインテリアやボンネットへの利用を考えていると報じており、現状から20%ほど重さを軽減できるとしている。

Fordではまず、コーヒー豆の総量約30万個に相当するヘッドランプを取り囲む部品の製作に取り掛かるという。記事によると、提携を結んだマクドナルドのマックカフェでは2018年米国において、年間8億2200万カップのコーヒーが販売されているそうだ。

話題のポイント:今まで肥料としての再利用にとどまっていたコーヒー豆ですが、近年、そうした肥料への再利用に加え、新たな利用手法があらゆる角度から考えられています。ご紹介したFordの例以外にもいくつか取り組みがあります。

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University of Pennsylvania

たとえばバイオ燃料への再利用。ペンシルベニア大学による研究によれば、コーヒーの焙煎・抽出過程にて生じた残りかすには平均15〜21.5%の油分が含有されているそうです。また、油以外の個体部分はバイオマスペレットへの再利用が可能だとされており、一つのコーヒー豆の残りかすから2種類のエネルギー生成が可能であると述べられています。

同論文では、ニューヨークにおいてトラックを利用して875カ所のスターバックスコーヒーとドンキンドーナツを週に2・3回のペースで回収した場合、1時間当たり1215.3キロのコーヒー豆の廃棄物を得られるとしています。それらを全て上述したバイオディーゼル燃料へと再利用すると1時間当たり130キロ、バイオマスペレットを324.2キロの割合で生成可能と結論付けています。

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University of Pennsylvania

ちなみに、一人当たりのコーヒーショップ数(coffee shops per capita)は、ニューヨーク・マンハッタンが米国で第2位。その倍近くある第1位のシアトルでは、単純計算でバイオ燃料も倍近く生成できるということになるのではないでしょうか。

さて、車・バイオ燃料ときて次にご紹介するのはドイツのスタートアップ「Kaffee Form」です。同社は残りかすをタンブラー・カップの生産に再利用。販売する製品からはコーヒーの香りが漂うと言い、まさに、コーヒー好きには最高なタンブラーと言えるでしょう。

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Image Credit: Kaffee Form

Kaffee Formはこの製品を通して、日常に「コーヒー豆のカス」を登場させることで、環境保全への意識を変えていきたいとHPで述べています。ミッションに「reshape consumer habits」とあるように、身の回りにあるもので商品を生産することで、長期的に消費者行動を変えていくことを目指しています。

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Image Credit: Kaffee Form

特に日本では今まで、”リサイクル”と聞くとあまりエキサイティングな認識はされない存在だったと感じます。たとえば小学校などで「3R」として習うのが「Recycle, Reuse, Reduce」ですが、そこから発展してリサイクル活動へ結びつけるような教育はあまり目にしません。

米国では、以前ご紹介したRidwell社のように、個人や家庭で積極的なリサイクル活動を好んで行う傾向にあると感じます。

<参考記事>

その他にも米国スターバックスは完全にプラスチックストローを廃止したり、企業が環境保全に対してアクションを取ることも求められている風潮に変わりつつあります。日本では、スタートアップとしてこうした事業をあまり聞きませんが、世界的にトレンドになりつつある市場であると思います。

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クラフトビール版Amazon「TapRm」がディスラプトする業界規制の“しがらみ”

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ピックアップ:Beer-loving commerce startup TapRm raises $1.5M ニュースサマリー:クラフトビール専門EC「TapRm」は11月26日、150万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はThe Brow Groupが努め、VU Venture Partners、Branded Strategic Hospitalityも参加した。 同社は昨年NY…

Screen Shot 2019-12-02 at 2.30.48 PM
Image Credit: TapRm

ピックアップ:Beer-loving commerce startup TapRm raises $1.5M

ニュースサマリー:クラフトビール専門EC「TapRm」は11月26日、150万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はThe Brow Groupが努め、VU Venture Partners、Branded Strategic Hospitalityも参加した。

同社は昨年NYにて創業。米国にはビール生産者が直接小売販売できない法律があることから、仲介業者を挟む必要がある。しかし、仲介と小売業者の両方のライセンスを持つTapRmを利用すれば、レストランやバーからの大規模な発注を狙えるほか、直接一般消費者への販売も可能になる。

話題のポイント:アルコール特化版AmazonともいえるのがTapRmです。同社が提供する機能はいたってシンプルで、アルコールのECサイトです。商品的な差別化要素としては、Amazonなどで扱っていないオリジナクラフトルビール販売(地域限定など)に特化している点が挙げられます。

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上図を見ると、アメリカの大手スーパー「Whole Foods」や「Walmart」で目にするビールとは違う種類を扱っていることが一目でわかります。しかし、アメリカにおいてアルコールEC市場はそこまで盛り上がりをみせていません。

Profiteroが公開したデータによれば、アルコール購入者のうちECサイトを利用した割合はたったの8%でした。言い換えれば残りの92%は店舗での購入ということになります。ちなみに下のグラフを見ると日本は中国に続いて全体の2位に位置しており、アルコールのオンライン購入が比較的盛んであることが伺えます。

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Image Credit: Profitero

アメリカにおけるアルコール飲料市場に消費者が投じる金額は、米国商務省によれば年間2300億ドル以上ともいわれていますが、意外にもEC市場は未成熟だったのです。

この背景には、冒頭でも言及したアルコール販売に対して制定する法律「Three-Tier Distribution System」にあるのかもしれません。これは、酒類の販売の際、生産者は小売業者や消費者に対し直接販売をすることができず、卸売業者を通さなければならないと定められた法律です。

つまり、基本的にアルコール生産者は自身でECサイトを立ち上げ販売することができず、いわゆるDirect to Consumer(D2C)モデルの推進がやりにくいわけです。

こういった規制のしがらみに着目したプラットフォームがTapRmです。同社は小売と卸売業のライセンスを同時取得することで、生産者が直接的に酒類販売を実施できるプラットフォームの提供に成功した、というわけです。潜在的にメーカーは直接販売したかった、ということなのでしょう。

また米国では州法が存在し、「他の州では合法だったビール販売手法が、この州では法律違反だった」といったことも起こりやすいため、アルコール生産者にとっては変に自社で販路を開拓するより、TapRmを利用して販売する方が安全というメリットもあります。

Infographic: 2014 Was Another Great Year For U.S. Craft Beer | Statista
Image Credit: Statista

Statistaが公開したデータによれば、2014年におけるクラフトビール醸造所は合計で約3,400カ所。内訳としては自前の醸造所を持ち、自家製ビールを提供する酒場やレストランを指すブリューパブが約1,400ヵ所、小規模醸造所が1,870、残りは小規模な醸造所が続く形です。

2008年比で醸造所が2倍に増えている点から成長市場であることは明らかです。EC市場も合わせて盛り上がるのは時間の問題ではないでしょうか。

こうしたマーケット情勢とオンライン市場を組み合わせ、法的問題を解決することがTapRMの目指しているところでしょう。今後は、サブスクリプションモデルなど、あらゆる事業展開が実施されていきそうです。

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旅行中のお部屋を「即現金化」するLeavy.co、そのカラクリを考えてみた

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ピックアップ:Leavy.co, the app for millennials who want to rent out their room while travelling, discloses $14M funding ニュースサマリー:パリに拠点を置くトラベルスタートアップ「Leavy.co」は26日、シードラウンドにて1,400万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はPri…

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Image Credit: Leavy.co

ピックアップ:Leavy.co, the app for millennials who want to rent out their room while travelling, discloses $14M funding

ニュースサマリー:パリに拠点を置くトラベルスタートアップ「Leavy.co」は26日、シードラウンドにて1,400万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はPrime Venturesが務めた。Index Venturesも同ラウンドに参加している。

Leavy.coは旅行者が旅に出ている間、自宅またはアパートメントを短期賃貸として貸し出せるプラットフォームを提供している。利用者は宿泊者とやり取りする必要なく、プラットフォーム上からオンデマンドで物件を探すことができる。鍵の受け渡しなどは該当地域の物件管理を担当するオンデマンド・ホストが代行する。

最大の特徴は、部屋を貸し出すオーナーの報酬受け取りまでの早さにある。同社では物件をリスティングした時点で代金が支払われる。そのため、貸し出すユーザーは旅に出る前に資金を手元に置くことが出来る。また、結果的に予約者が獲得できなかった場合でも、通常の金額がそのまま支払われる。価格自体は需要と供給に従った、ダイナミックプライシングによって設定される。

話題のポイント:Leavy.coのコンセプトは「旅するミレニアルを増やすこと」。しかし旅をするために多額の借金を背負っていては元も子もありません。このギャップを埋めるために「旅をしながら稼ぐ」手段としてLeavy.coのアイデアに行き着いたと同社のホームページで語られています。

たしかに旅をする = 普段住んでいる家が空くため、その部屋を民泊化する手段は真っ先に思いつくマネタイズ方法です。とはいえ、信頼できる友人がいるなら別ですが、貸し出すとなればトラブル対応に備えてその場にできるだけ居合わせたり、細かくやり取りをしなければならない煩雑さがありました。

そこでLeavy.coでは、アプリ内コミュニティーで気軽に「Hosts on Demand(ローカルホスト)」を募集する仕組みを作りました。オーナーはホストに諸対応を安心して任せられるため、思い立った際に気軽にリスティングできるサービス設計になっています。

また、ユーザー層にも特徴があります。Leavy.coのユーザー数は6万5000人を超え、そのうち60%がミレニアル世代の女性であるとのこと。Airbnbやその他民泊プラットフォームでは、家族が所有する自宅の一室やそもそも投機目的の部屋が主流ですが、若い女性向けの物件が出揃うことで、差別化が生まれていることが予想されます。

さて、2017年に創業したLeavy.coがたった約2年間でユーザー数6万を超えるまでに成長を遂げた理由として、冒頭で紹介した前払いシステムが挙げられます。

これ、一体どういう仕組みなのでしょうか。

上述通り、同社では物件の貸し出しの有無に関わらず、ダイナミックプライシングによって設定される価格をオーナー側へ支払う契約になっています。当たり前ですが、オーナーに対して予約者が付かずに一定額を支払い続ければ、ただ損失が積み重なるだけの仕組みです。

CEOのChaouachi氏もTechCrunchのインタビューにて「もし宿泊者を獲得できなければすべてのリスクは我々が請け負うこととなります」と語っています。裏を返せばリスティングされればほぼ確実に宿泊者が集まるという仮説で運営をしているわけです。

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Image Credit: Leavy.co

ここからは筆者の仮説です。

上図に記した305ユーロは、仮にフランス・パリにて12月23日から27日までの5日間、シングルベッドの部屋を貸し出した場合にオーナーが受け取れる金額です。旅に出ている間、1日当たり、約60ユーロ(日本円で7200円)ほど受け取れるので、旅費の足しにはなりそうです。

Leavy.coが利益を生み出すためには上記金額より高値で市場に出す必要があります。失敗すれば100%の不利益です。さてここで競合となるAirbnbのリスティングを見てみましょう。

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Image Credit: Airbnb

同じ条件におけるAirbnbのリスティング価格帯は安くて1日100ドルほどです。そうです、Leavy.coの方がざっくり40%ほどのディスカウントになっています。オーナー目線でいえば、Airbnbに高値でリスティングしても利用者が現れなければ利益はゼロですから、割安でもリスクフリーで貸し出しせるLeavy.coは魅力です。

また、空室率の問題もあります。

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D.C. Policy Center

上図はアメリカ・ワシントンD.C.におけるデータになりますが、Airbnbにおける月間貸し出し率を現したデータです。NPO法人であるD.C. Policy Centerによれば、ワシントンD.C.におけるAirbnbの貸出率はほとんどが年間20日以下であり、数多くが9日以内の宿泊であることがわかっています(同データにおけるAirbnbの物件はすべて貸し切り物件、つまりLeavy.coが提供する「家」と同じ条件。)

つまり短期滞在の物件は人気なのですね。空いていない可能性が高い。

一方、Leavy.coは一つの場所を連泊前提で利用できるため、断片的に滞在場所を変えるリスクが低く抑えられます。こういった空き状況とプライシングのデータを使い、適切な提示額を導き出すことで利用客のマッチング成功率を100%に近づけているのではと考えます。

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Image Credit: Leavy.co

 

またアプリ内ではコミュニティー通貨として「Leavy Coin」を導入し、写真投稿など、ユーザーが自身の住む町に関わることでコインを獲得できます。こうしたGoogle Mapsのローカルアドバイザーのようなエコシステムを独自に設計している点も特徴でしょう。

加えて、モバイル決済「Leavy Pay」も様々な店舗で利用でき、一つのアプリ内でコイン獲得から決済機能までを実装しています。また、オンデマンドのローカルホストとしてお金を稼ぐことも可能です。

このように、コミュニティー形成と決済機能を両立させることで、自宅を民泊サービスに掲載する機会がなかったユーザーでも継続して利用できる仕様を目指しているのではないかと思います。様々な収益ポイントを設定することで「せっかく旅にいくんだったらリスティングするか」というユーザー行動を導くことができるかもしれません。

ローカルに根付きながらお金を稼げる、もしくはローカルを抜け出して遠くに旅行をしながらでも稼げる、こういった新たな経済圏のアイデアは日本でも参考になるのではないでしょうか。

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月間1億人が利用する書籍版「Netflixオリジナル」のScribd、王者Kindleとの差別化はいかに

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ピックアップ:Scribd Announces $58 Million Strategic Investment Led by Spectrum Equity ニュースサマリー:サンフランシスコ発のスタートアップ「Scribd」は11月25日、エクイティーラウンドにて5,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてSpectrum Equityが参加。同社はこれまでにシリーズDま…

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ピックアップ:Scribd Announces $58 Million Strategic Investment Led by Spectrum Equity

ニュースサマリー:サンフランシスコ発のスタートアップ「Scribd」は11月25日、エクイティーラウンドにて5,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてSpectrum Equityが参加。同社はこれまでにシリーズDまで完了しており総額1億580万ドルを調達している。

Scribdは月額サブスクリプションモデルで本・オーディオブック・雑誌のオンライン読書サービスを提供している。月間のユニークユーザー数は1億人を突破しており、有料会員数は100万人。加えて、同社プラットフォーム限定公開のオリジナル作品「Scribd Original」の制作も行なっている。

話題のポイント:「オリジナル作品として生み出すサブスク型のプラットフォーマー」と聞くとまさにNetflixと印象が重なります。Scribdは2007年に創業し、立ち上げ初期には誰もが簡単にデジタル書籍を公開できるプラットフォームの運営を行っていました。同社サイトによれば世界初の取り組みであったとされています。

2013年からは現在の原型となるデジタル書籍サブスクリプションモデルの展開を始め、2016年には雑誌にも対応しました。同社は上述通りユーザー数を着実に伸ばし、今年4月にはオリジナル作品「Scribd Original」の制作に着手することを発表。4月に発表されてから累計4作品が公開されています。

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Scribd Originalのコンセプトは、著名作家が次作構想を練るまでの間、比較的短めの作品を発表できる機会を提供していくことです。背景には大作完成までに時間が多く費やされてしまい、普段読者と関わる機会が少なくなっている問題の解消が目的とされています。

作家にとっては次作完成までのリフレッシュや読者とのコミュニケーションを兼ねたちょうど良い執筆機会としての利用が想定されており、出版社にとっても次作に備えるまでの「ギャップ期間」を有効活用できる場となっていることが分かります。

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さて、Scribdにとって最大の脅威となりつつあるのがAmazonの「Kindle Unlimited」です。同サービスも著名作家の短編作品を「Kindle Singles」として公開しています。

Netflix、HuluやPrime Videoの違いなようなもので、そのプラットフォームから誕生するオリジナルコンテンツの好き嫌いでユーザー層が変わってくるでしょう。また、Kindle Unlimitedはプライム会員の特典という立ち位置のため、書籍メインのサブスクと考えればScribdにアドバンテージが大きいと考えられます。

とはいえ、Scribdの基本言語は英語がベースなため、現時点で利用層は他社より狭まっているのは確かです。こうした状況下でも有料会員数100万人を突破しているのは着目すべきでしょう。

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また、Scribdでは書籍という枠組みに捉われずアカデミックな資料をPDFで閲覧が可能です。資料自体は提携企業から提供されており、たとえばパートナシップを結ぶ『Forbes』が1917年に出版した雑誌を閲覧したりもできます。

同社は「To change the way the world reads.(世界の”読む体験”を変えていく)」をミッションに掲げます。そしてここまで積み上げてきた「オンライン」「サブスクリプションモデル」「オリジナルコンテンツ」は確実にこのミッション実現へ近づくためのものです。

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ギリシャにみる、民泊が引き起こす経済格差とその実情

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ピックアップ:Flexible Apartment Rental Startup Blueground Raises $50M Series B ニュースサマリー:短中期アパートメント賃貸サービス「Blueground」は23日、シリーズBにて5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家としてWestCapとPrime Venturesが参加した。同社は2013年にギリシャ・ア…

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Photo by jimmy teoh on Pexels.com

ピックアップ:Flexible Apartment Rental Startup Blueground Raises $50M Series B

ニュースサマリー:短中期アパートメント賃貸サービス「Blueground」は23日、シリーズBにて5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家としてWestCapとPrime Venturesが参加した。同社は2013年にギリシャ・アテネで創業。1か月から最長5年までの短中期アパート滞在仲介サービスを提供している。8か月前に実施したシリーズAでは2,000万ドルを調達したばかりである。

過去3年間で売上を3倍に伸ばしており、現在は世界9都市(アテネ、ボストン、シカゴ、ドバイ、イスタンブール、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンD.C.)で1,700件以上の物件を掲載する。

話題のポイント:短期宿泊サービスといえば、今年ユニコーン入りを果たした「Sonder」やAirbnbが出資する「Lyric」が思い浮かびます。Bluegroundのコンセプトやサービス内容も、SonderやLyricと限りなく近いといっていいでしょう。

<参考記事>

一方、民泊が増えることで現地の人にマイナスな影響を与えるリスクがあることも理解しておく必要がありそうです。これは筆者のギリシャ出身の友人から聞いた話です。

肌感覚ですが、ギリシャでは昔とは比べ物にならないほど軽犯罪が増えていると感じています。Airbnbを筆頭に民泊が街中で目立ってくるのと比例して、軽犯罪率や家賃相場が上昇していたのを感じました。

ギリシャはご存知の通り、この10年近くを債務危機と隣合わせで過ごしている国です。

友人が指摘していた軽犯罪率推移は、実際は経済危機を乗り越えてから下降傾向にあるという結果もあるようなので、あくまで数字では読み取れない現地の人ならではの生活視点だといえます。ただ、家賃相場についてはインデックスを見ると、以下のように2017年を皮切りに上昇し続けていることが分かります。

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このグラフは実際の不動産価格を年間の家賃で割ったものです。そのため、上昇すればするほど家賃価格が高騰していることが表されています。国の経済が回復を遂げていれば、不動産価格が全体的に上昇することも頷けます。では実際のところ国民の生活水準は向上しているのでしょうか。ギリシャ国民の所得推移を見てみましょう。

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Image Credit: OECD

2009年から始まった経済危機以降、国民の年間収入は下降し続けており、2018年では2008年比で30%ほど減少しています。つまり家賃が上場するのと反比例して、収入が下落傾向にあることが分かりました。金銭的余裕がなくなっていることから生活水準が一段と厳しくなっていることが予想されます。

それではなぜ家賃だけが上昇を続けているのでしょうか。仮説の1つに民泊市場の成長が挙げられます。ギリシャは昔から観光地として人気を博してきた土地です。そのため、観光者は絶えず訪れており、BluegroundやAirbnbなどのサービス需要は着々と上昇してきたのです。こうした民泊市場の登場により、経済危機以降も継続して家賃が上がってきたと考えられます。

当たり前ですが、家主は家賃収入が高い方がよいわけです。

しかし、ここで問題となるのが現地の生活水準とのギャップです。

一見、観光客が多く訪れることは好経済循環をもたらす良いシグナルに見えますが、国民にとっては生活価格が観光客をベースとした設定になる懸念が出てきます。たとえば不動産オーナーが収入の低い国民を基準とするよりも、短期・中期の滞在者向けに価格設定をした方が圧倒的に儲かると考え、家賃相場を押し上げる傾向が挙げられます。これは先に紹介した家賃インデックスからも想像ができるでしょう。

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先のグラフにある通り、ギリシャの平均年間所得は2017年において約1万7000ユーロ(約200万円)程度です。一方、家賃市場平均をBluegroundのリスティングを参考に見てみると相場は1,400ユーロほど。同額で1年間住むとすると、年間1万6800ユーロを家賃に消費しなくてはならず、それだけで平均所得近くまで到達してしまいます。これでは現地の人は借りられません。

このように、観光地として認識されてしまった土地ではお金をたくさん落とす客が増えるのと比例して、家賃相場を代表とする生活水準にインフレが起こってしまい、いつまで経っても収束を見せない構図ができあがってしまっている点が指摘できます。

ギリシャ経済とAirbnbの関係性について取り上げたForbesの記事でも、Airbnbがギリシャにおいて職を作り出し、新たな収入源を生み出したことは明らかにポジティブな影響でしょう。

しかしこのポジティブな面、つまりサービス提供側からの声しか聞き入れず終わっている場合が多々あります。米国でSonderがユニコーン入りしたように、民泊の需要性が市場にあることも間違いありませんが、経済の悪循環の可能性も理解しておく必要もあるはずです。

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“免税手続き”をビジネスチャンスにした「Refundit」の方法

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ピックアップ:VAT-refund startup Refundit raises $9.8 million led by travel-tech giant Amadeus ニュースサマリー:イスラエル発のトラベルスタートアップ「Refundit」は14日、ベンチャーラウンドにて980万ドルの資金調達を実施したと発表した。スペイン拠点の旅行ITグループ、アマデウスがリード投資家を務めた。また、既…

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ピックアップ:VAT-refund startup Refundit raises $9.8 million led by travel-tech giant Amadeus

ニュースサマリー:イスラエル発のトラベルスタートアップ「Refundit」は14日、ベンチャーラウンドにて980万ドルの資金調達を実施したと発表した。スペイン拠点の旅行ITグループ、アマデウスがリード投資家を務めた。また、既存投資家のPortugal Venturesも同ラウンドに参加している。

同社は旅行者に対しVAT(付加価値税)の免税手続きを、スマホから簡潔に行えるソリューションを提供。申請から実際の受け取りまでも15分で完結するのが特徴だ。カメラで撮影したレシートを同社アプリを通し申請し、審査を通過すれば即座にデビットカード・クレジットカードに入金(返金)される。

同社は2017年に創業。2018年1月にシードラウンドにて250万ドルを調達していた。

話題のポイント:トラベルエージェンシーのデジタル化(OTA)に始まり、旅行業界がペーパーベースからオンライン完結型へと変遷を遂げ始めています。

今まで海外でショッピングをして免税手続きをする、といえば空港の行列に並び申請をすることが一般的でした。Refunditではその煩雑さと非効率的な側面を解決するため、VATの手続きをオンライン完結型で提供しています。「VAT申請といえば空港の窓口でするもの」という概念が一般的すぎて、不便であるもののそこにインターネットを掛け合わせるといった発想は今までなかったと思います。

同社サービスの利用条件には、EU市民でないこと、EU圏からほかの地域へと飛び立つことが挙げられています。また、現段階ではパイロットプログラムとしてベルギー・ブリュッセル空港でサービスが開始されており、次の対応国候補にはスロバキアが候補として挙がっています。

さて、同社が公開しているブログによればEU旅行者のうち90%がVATの申請をしておらず、つまりは支払わなくてもよい税金を大多数の旅行者が支払ってしまっている状況にあると指摘しています。

また、既存のVAT申請代理企業は手数料として30%-60%を徴収しているものの、同社のサービスを通せば9%のみであることも強調されています。

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UNWTO

タックスリファウンド市場を知るうえでは、ツアリズム市場との関係性が欠かせないと言えるでしょう。旅行業界が盛り上がり、旅行者が増えれば増えるほど、経済が活性化されることは明らかです。

上図はUNWTOが今年1月に公開した2018年度における大陸ごとのツアリスト数・成長率を現しています。もちろんヨーロッパは国数が多いとはいえ、世界で1番大きな市場となっており、成長率も6%を記録しています。

また、海外渡航者予想を見ると2030年には18億人に到達すると予期されており、実際の成長率と比較すればこの数字を上回ることが想定されています。

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UNWTO

さて、同社の創業者は、2013年にGoogleに買収されたマップアプリ「Waze」の共同創業者でシリアルアントレプレナーのUri Levine氏。同社は世界観光機関が主催する「Global Traveltech Competition 2019」にて優勝も収めています。

今後対応する国や空港を広げ、同社サービスの利用がトラベラーにとって当たり前となれば、VATのみでなくトラベル領域で「紙」からアップデートできていないエリアをデジタライズさせる大きなきっかけになるかもしれません。

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Facebook Payの可能性は「現代のガレージセール」にあり

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ピックアップ:Facebook’s new payment service will let you send money without fees across Facebook, Instagram, WhatsApp, and Messenger ニュースサマリー:Facebookは12日、送金・決済サービス事業の一環として「Facebook Pay」を開始することを発表した。同…

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Image Credit: Facebook

ピックアップFacebook’s new payment service will let you send money without fees across Facebook, Instagram, WhatsApp, and Messenger

ニュースサマリー:Facebookは12日、送金・決済サービス事業の一環として「Facebook Pay」を開始することを発表した。同サービスはFacebook、Facebook Messenger、Instagram、WhatsApp上にて、シームレスに利用できる統一決済サービス。

Facebookは2015年より「Payments」と呼ばれる送金サービスをメッセンジャー上にてすでに開始していた。しかし同サービスは、基本的に銀行口座間における送金のみの対応となっていた。対してFacebook Payではクレジットカードを通した決済も可能となるのが特徴だ。

プレスリリースによれば、Facebook Payは今週より米国ユーザー向けに提供が開始される。まずはFacebook上における小口資金調達、ゲーム内課金、イベントチケット購入、マーケットプレイスでの取引、個人間決済を対象としてサービスが提供される。

話題のポイントFacebookはブロックチェーンプロジェクト「Libra」でも取り上げているように、金融文脈で世界を変えていくことに大きな意欲を持っています。

しかし、Facebookが決済市場において存在感を示すのはそう簡単でなかったようです。事実、競合のPaypalやVenmoに押されてP2P決済領域で数歩出遅れていました。その中で登場してきたFacebook Payは、Facebook内マーケットプレイス上の売買を前提としたP2P決済サービスといえます。

たとえばマーケットプレイスの利用シーンとして大学が挙げられます。アメリカでは大学授業の教科書を中古で安く手に入れられる場所としてFacebookの「Buy-Sell」グループ(マーケットプレイス)が利用されています。ユーザーの所属大学グループに入り、自分の欲しい商品を見つけたら持ち主とメッセンジャーを通して交渉を始めます。最終的に交渉がまとまり次第、都合のいい場所で待ち合わせて直接取引をする流れです。

メルカリのように配達ベースではなくFace to Face取引が可能なのは、Facebookプロフィールを通じてある程度信頼のおける相手であると担保されている点や、車社会といった背景があるのだと考えられます。また、ガレージセール(自宅の前でフリーマーケットのように格安で不用品を販売、基本近所の人向け)といった文化も相性が良かったといえるかもしれません。

大学の事例を取り上げましたが、住んでいる町ベースでの「マーケットプレイス」もよく見かけます。私が住んでいるシアトルにもメジャーなグループだけで10個ほどあります。

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こうした複数のローカルコミュニティーがFacebookのプラットフォーム上にたくさん存在し、その中で取引をするというのが一般化されてきました。Facebookが所有するグループ・コミュニティー経済圏におけるシームレスな決済システム構築のためにも、Facebook Payは必要不可欠だったといえるでしょう。

なかでもInstagram上での売買はFacebook Payを通じてこれから増えていくことが予想できます。今年3月よりInstagramはアプリ内で決済が行える機能「Checkout」をリリースしており、これがFacebook Payに統一されるかもしれません。このような流れから、Facebookは新機能「Facebook Pay」を各種アプリ内マーケットプレイス取引の促進剤として導入すると考えます。

さて、これから個人による国際取引・決済が当たり前な世の中になっていくことが予期できます。デジタル決済が国境・通貨を越えて当たり前となっていくことで、市場に流動性がさらにもたらされることになるでしょう。加えて、個人の作品がブロックチェーンのシステムに載った形で取引され、取引価値に応じてユーザーの信頼度が測られる新たな評価経済が訪れると感じます。

Facebook Payは、Libraが目指すブロックチェーン経済圏とは関係ないと公式に言及されています。しかし上述したような世界が訪れることを考えれば、LibraとFacebook Payが完全に独立した形でサービス展開されるとは思えません。少なくとも長期的には何らかの連携がなされるでしょう。

person holding smartphone taking picture of bridge during daytime
Photo by Jeremy Levin on Pexels.com

ここでLibraとFacebook Payの将来的な連携像をInstagramを例にとって考察してみたいと思います。

最近、Instagramがいいね!の数を見えにくくする動きを試験的におこなっています。言い換えれば、いいね!の数で影響力の価値を可視化するのが難しくなっていると考えてよいでしょう。インスタ映えする写真をたくさん投稿して、いいね数を膨大に稼いだとしても、必ずしもユーザー個人の価値を正しく評価できているとは思えなくなっている証拠です。

そこで新しい指標として注目されるのがNFT(Non-Fungible-Token: 代替不可能なトークン)を介した経済圏の構築だと考えます。従来の暗号通貨(Fungible-Token)とは異なり、トークン一つ一つが固有性を持つ別々のアセットとして機能します。個人の価値を表現し、それを他社が「享受」できるスキームです。詳しくは以下の記事で解説されています。

<参考記事>

paintings in side room
Photo by JULIO NERY on Pexels.com

従来、いいね!の数や認知度に比例してアカウントに価値が付与され、そこにスポンサーからのお金が集まってくるという流れでした。しかしNFTが一般化すれば、これらInstagramに投稿する写真そのものがデジタルアセットとして取引可能となり、今までフィジカルなアセットを前提として行われてきた絵画アートなどの市場と同等の価値表現をすることが可能となります。

こうしたNFTが活用される可能性の背景にあるLibraの存在は大きいと言えます。Libraが金融文脈からブロックチェーンサービスを提供していくことで、ブロックチェーンによって個人のデータ、さらに言えば評価データを扱うことも一般的になる可能性があります。

その次世代SNS経済圏が誕生するまでの間、Facebook Payを通しプラットフォームにおけるボーダレスな決済を当たり前のものとして拡大させることを狙っているとも言えるのではないでしょうか。

現在はそれぞれ独立したサービスとして立ち上げが期待されていますが、いずれはFacebookが描く“The Future is Private”というミッションのもと、誰もが安心して使えるSNSの主軸としてLibraとFacebook Payが据え置かれると感じます。

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自家用車を自動(運転)車にするGhost、商用化のハードルを下げるためにとった“ある戦略”

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ピックアップ:Ghost wants to retrofit your car so it can drive itself on highways in 2020 ニュースサマリー:自動運転技術の開発を手がける「Ghost Locomotions」はシリーズDにて6,370万ドルの資金調達を実施したことを発表した。同ラウンドにはKeith Rabois氏(Founders Fund)、Mike …

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Image Credit: Ghost Locomotions

ピックアップ:Ghost wants to retrofit your car so it can drive itself on highways in 2020

ニュースサマリー:自動運転技術の開発を手がける「Ghost Locomotions」はシリーズDにて6,370万ドルの資金調達を実施したことを発表した。同ラウンドにはKeith Rabois氏(Founders Fund)、Mike Speiser氏 (Sutter Hill Ventures)、Vinod Khosla氏(Khosla Ventures)が参加している。

Ghost Locomotionsは既存の普通自動車を自動運転車にアップグレードできるハードウェアとソフトウェアを開発している。同社によれば、製品ローンチ初期段階では高速道路における自動運転実現にフォーカスするという。

話題のポイント:自動運転関連企業といえばTeslaに始まり、自動運転タクシーを目指すGoogleスピンオフWaymo、Zoox、AutoXなどが有名ではないでしょうか。

今回シリーズDを迎えたGhost Locomotionsは自家用車を「自動運転化」させる、まさにあらゆる車を対象に「Add-on」的な位置付けで自動運転機能を手軽に追加できる世界観を目指しています。そのため、同社の取り組みは上記にあげた先行企業らとは一線を画している印象です。

light trails on road at night
Photo by Pixabay on Pexels.com

Ghost Locomotionsの競合差別要素として特徴的だと感じたのは「Freeway(高速道路)」を走行利用シーンに挙げている点です。

同社ブログで語られていますが、他社は商用化のため、都心部の歩行者がたくさんいるシチュエーションで高度な実証実験を迫られており、法的面や安全面においてどうしても時間がかかりやすいと指摘しています。たとえばWaymoなどは「タクシー」としてサービス提供しなければならず、歩行者のいる環境でなければ実験の意味を持ちません。そのため都市部での実証実験は当たり前に必要です。

一方、Ghost Locomotionsは高速道路での実証実験に特化してなるべくそのハードルを下げようとしています。これは市場参入のスピードを圧倒的に早めることを目的にしています。

同社は「あらゆるケースで自動運転技術を成立させるのは現時点で不可能だと考えています」と述べています。彼らの定義する「ケース」とは、自動運転車が走行する際、地理的条件・環境・歩行者・天気などの変数に全て対応することを指します。

そのため、Ghost Locomotionsはスピード走行を第一目的に設計されており、変数要因が少ない高速道路にユースケースを特化させているのです。都心部における商用目的の実証実験よりも、米国において2/3の走行距離・利用を占めることがフリーウェイを最優先事項にしている理由がここにあります。

一見、高速道路といえば、街中より走行速度が上がるためより安全性が求められるというイメージです。しかし、ひたすら真っすぐに進む道として単純化させて捉えればGhost Locomotinsの戦略にも納得がいきます。

 

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Uber Crash Report

とはいえ、たとえばカリフォルニア州とワイオミング州の高速道路では舗装環境も法律も変わってくるため、その都度対応策が講じられることが望まれるでしょう。

また、最近アリゾナ州フェニックスにて、Uberの自動運転車が死亡事故を引き起こしたことが明らかになりました。この事件の被害者は交通違反をしていたことも明らかになっています。実際の映像では夜間で見通しが悪い道のため、仮に人が運転していたとしても避けられていたのかどうか議論を呼んだことから大きなニュースとなりました。

この点、「高速道路には人がいない」という通説が、米国の場合には当てはまりません。稀に歩行者(ホームレスなど)が当たり前のように高速道路のわき道を歩いているといったことも目にします。つまり高速道路とはいえ、あらゆる変数が生じる可能性があるという点は気にしておくべきでしょう。

TechCrunchの記事によれば、Ghost Locomotions開発のキット(ハードウェアとソフトウェア)の出荷は2020年を予定しているとしています。来年以降、米国の高速道路で自動運転車が出揃っている光景が一般的になるかもしれません。

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次のパラダイムシフトは「ブロックチェーン」、a16zが仕掛ける“クリプト・スクール”が開講へ

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ピックアップ:Introducing a16z Crypto Startup School ニュースサマリー:米投資ファンド「Andreessen Horowitz(通称a16z)」は、10月に立ち上げたクリプト(仮想通貨)スタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」の書類受付を11月8日より開始すると発表した。応募リンクはこちらから。 同スクールはブロ…

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Image Credit: Andreessen Horowitz

ピックアップIntroducing a16z Crypto Startup School

ニュースサマリー:米投資ファンド「Andreessen Horowitz(通称a16z)」は、10月に立ち上げたクリプト(仮想通貨)スタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」の書類受付を11月8日より開始すると発表した。応募リンクはこちらから。

同スクールはブロックチェーン・クリプト事業参入を目指すスタートアップが対象となる。応募締め切りは12月6日。プログラムは来年2月から約7週間に渡って4月まで実施される。参加費用は無料だ。

カリキュラムは以下の通りであり、終了後にはDemo Dayが設けられ、各プロジェクトごとにピッチをおこなう。

  • What are Crypto Networks, and Why Do They Matter?
      (クリプトネットワークとその影響力とは)
  • Blockchain Computing Primitives: Cryptography and Consensus
    (
    暗号学とコンセンサスの全て)
  • Overview of Application Development Tools
    (ブロックチェーンアプリケーション開発)
  • Applications: Today and 2025
    (今日と2025年のアプリケーション)
  • Crypto Business Models
      (クリプト事業のビジネスモデル)
  • Cryptoeconomics
    (クリプトエコノミクス)
  • UX, Product Development and Security
    (UX、プロダクト開発とセキュリティー)
  • Go-to-market Strategy and Developer Relations
    (市場参入戦略とデベロッパーリレーションズ)
  • Community Participation and Governance
    (コミュニティー運営とガバナンス)
  • Regulatory Landscape and Considerations
    (法規制のこれから)
  • Guide to Fundraising
    (資金調達ガイド)

a16zはVC業界の中でも、積極的にブロックチェーン・クリプトスタートアップを支援していることで知られる。昨年6月には同社初となる3億ドル規模のクリプト特化ファンド「a16z Crypto」の設立もおこなっている。

話題のポイント:ブロックチェーン・クリプト系スタートアップが、大型の調達を完了することも全く珍しくなくなってきました。あらゆる業界で技術導入が始まったことから、2019年は「ブロックチェーン元年」であると耳にすることも増えてきました。

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Image Credit: a16z Crypto

今年4月にはステーブルコインの開発・運営を行う「Celo」が、a16z Cryptoなどより2,500万ドルの資金調達を完了させています。こうした事例から金融セクターを中心に投資が集まり出している状況といえるでしょう。

また、2019年はFacebookがLibraプロジェクトを正式に始めだしたこともブロックチェーン・クリプト業界にとっては大きな後押しとなっていることは間違いありません。一方、Libraを含め金融・ブロックチェーンに可能性があるからこそ、当局からの逆風があることはご存知の通りです。

業界に対してポジティブな視線、ネガティブな(カンパニーリスクマネジメントとして)視線を向ける対極の企業カルチャーが現れだしている今、a16zは100%ポジティブに同業界の未来を見ています。

a16zがブロックチェーン・クリプト業界にどの様な想いを抱いているのか、今回a16z Crypto Startup Schoolの設立に伴い、ジェネラルマネージャーのChris Dixon氏は以下のようなメッセージを残しています。

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Image Credit: a16 Crypto

気になったメッセージを以下に挙げておきます。

  • 10〜15年のサイクルで、新しい技術が世に生まれるのは歴史が証明している
  • 今日、新たな技術の誕生による大きなパラダイムシフトが起きようとしている。その中でも我々が(最も)注目しているのがブロックチェーンだ
  • ブロックチェーン:デジタルマネー、スマートコントラクト、分散型機関への活用
  • 様々な問題視をされる業界だが、それは市場への本格導入がまだできていないから。それを進めるのが私たちの役割だ
  • 7年の歳月を経て、クリプト・ブロックチェーン業界にチームで取り組んできた。市場にブロックチェーンを普及させる、これを達成するために私たちは惜しみなく今までの経験・知見を公開していく。その一つの手段として「a16z Crypto Startup School」が役立つだろう

Andreessen Horowitzがこれまで培ってきた7年の”経験”が、パブリックにシェアされることでより多くスタートアップが誕生し、メインストリームへ溶け込んでいく。そんな未来を作り出すことを本気で彼らが考えていることが大いに伝わってきます。

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融合進む「株×暗号通貨」投資、ソーシャルトレーディングのeToroが暗号通貨関連企業を買収

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ピックアップ:Investment platform eToro acquires crypto portfolio tracker app Delta ニュースサマリー:ソーシャルトレーディング・サービス「eToro」は6日、暗号通貨ポートフォリオアプリケーションを運営する「Delta」を買収したと発表した。買収額は公開されていない。eToroは株式、暗号通貨の取引・管理を同時に可能とするコミッ…

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Image Credit: eToro

ピックアップ:Investment platform eToro acquires crypto portfolio tracker app Delta

ニュースサマリー:ソーシャルトレーディング・サービス「eToro」は6日、暗号通貨ポートフォリオアプリケーションを運営する「Delta」を買収したと発表した。買収額は公開されていない。eToroは株式、暗号通貨の取引・管理を同時に可能とするコミッションフリーな取引所を運営している。

プレスリリースによればDeltaは6,000以上もの暗号通貨、180以上の取引所に対応しているという。また、アプリダウンロード数はeToroによって買収される現時点までに150万を記録していた。

話題のポイント:従来、投資というと初心者には使いにくいインターフェース、そして難しい専門用語がずらりと並んでいるというのが第一印象でした。しかし、トレードの自動化が一般的になるにつれ、特に知識がなくとも興味のある業界や自分の好きな企業名を入力するだけで自動でポートフォリオを選んでくれるサービス形態も増えてきています。

その中でもeToroはSNS要素を要り交ぜた「ソーシャルトレーディング」を特徴としている企業です。ソーシャルトレーディングはコピートレーディングともいわれているように、プラットフォーム内で戦績の高いユーザーのポートフォリオを参照したり、投資戦略についてディスカッションするコミュニケーション要素が高い点が特徴です。

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Image Credit: eToro

eToroのコピートレーディング画面は上図のようにデザインも新鮮でモダンな印象を受けます。いわゆるSNSインフルエンサーのように、アカウント一覧が表示されており、彼らのポートフォリオを参照することが可能です。

さて、eToroは従来の株式投資プラットフォーマーとして運営を続けてきました。しかし近年、暗号通貨に大きく注目していることを伺わせる動きを見せています。Facebookが主導するLibraとの取り組みも大きな例として挙げられるでしょう。

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Image Credit: eToro

上図は同社がコピーポートフォリオとして打ち出しているLibraのパートナー企業群に投資可能な商材です。最低投資価格も2,000ドルからと、比較的参加は厳しくない条件ではないでしょうか。

eToroの説明によれば、Libraメンバーに変更があった際はポートフォリオも自動的に更新されるとしており、投資における圧倒的な自動化を目指している象徴であるともいえます。機能だけを見れば株式と暗号通貨を同時に取り扱える便利なプラットフォームですが、両者を掛け合わせたことが可能となってくると投資の概念が大きく変わるきっかけになるかもしれません。

いずれにしろeToroが今回Deltaを買収したことで、今後も同プラットフォーム内における暗号通貨セクションの強化は実施され続けるのは確実でしょう。Delta買収をきっかけにeToroという企業の存在感が膨れ上がる契機となるのではと思います。

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