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Taishi Masubuchi

Taishi Masubuchi

1996年東京生まれ。シンガポールでの高校生活、米シアトルでの大学生活を通し、いつの間にかテクノロジーが好きに。現在はブロックチェーンリサーチャーとして活動。個人で、イーサリアム関連のプロジェクトに多く関わる。ブロックチェーン以外でも、東南アジア、北米(シアトル中心)のスタートアップの動きに着目。ジャーナリズムを通した小さなムーブメントを乱発し続けるために記事執筆。旅行をもっとしたくなるような、"位置"に価値を付けていく事業考案中。旅が好きです! Twitter - @taiseaocean

執筆記事

平時と戦時、それぞれのCEOの存在意義ーーAndreessen Horowitzが贈る10年分のリーディングリスト

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ピックアップ:Reading List for Leaders in Uncertain Times 新型コロナウイルによる経済損失はほぼ全ての業界にて現在進行形で進んでいる。そんな時代を生き抜くため、著名VCのAndreessen Horowitz(a16z)は同社が今までに執筆してきた、今の境遇だからこそ読むべき「Reading List」を公開した。 同リストは、同社が過去10年に渡りスター…

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ピックアップ:Reading List for Leaders in Uncertain Times

新型コロナウイルによる経済損失はほぼ全ての業界にて現在進行形で進んでいる。そんな時代を生き抜くため、著名VCのAndreessen Horowitz(a16z)は同社が今までに執筆してきた、今の境遇だからこそ読むべき「Reading List」を公開した。

同リストは、同社が過去10年に渡りスタートアップへ向けたメッセージとして公開してきたアーカイブで構成される。特にリーダーシップ、メンタルマネジメント、戦略、また事業運営をトピックとしたものでまとめられる。以下では、リーダーシップに枠組みされるストーリーをまとめた。

Peacetime CEO/Wartime CEO (戦時と平時、それぞれのCEOの存在意義)

概要:2011年、GoogleのCEOがエリック・シュミット氏からラリー・ペイジ氏へと移り変わる際に、a16z創業者であるベン・ホロウィッツ氏によって書かれたもの。当時、あらゆるメディアは社交的であったエリックから、シャイなラリーへとCEOの座が移ることで、はたして彼がGoogleの「顔」となれるのかばかりに焦点を当てていた。しかし、ベンはGoogleのCEOがラリーに代わる意義は同社が「戦時」に突入する意思だと表現し、エリックもラリーも同様の考えを持っていると語っている。

所感:ここでいう「Peacetime」並びに「Wartime」は以下のような定義です。

Peacetime:Those times when a company has a large advantage vs. the competition in its core market, and its market is growing. In times of peace, the company can focus on expanding the market and reinforcing the company’s strengths.

Wartime: A company is fending off an imminent existential threat. Such a threat can come from a wide range of sources including competition, dramatic macro economic change, market change, supply chain change, and so forth.

「Peacetime」は、一言でいえば無敵状態。大きなアドバンテージを持ち、他社に影響を受けることが少ないため、何も気にせずマーケット拡大につき進める状態としています。対して「Wartime」は想定できないマクロ的な経済影響や競合他社による潰し合いが起きている状態と定義しています。

では、両者におけるCEOの存在意義はどういった点にあるのでしょうか。記事内では数多くの面で両者の役割を比較していました。以下はその一例です。

(1)Peacetime CEOは勝ち筋を知っている者。反して、Wartime CEOは勝ち筋と思われている常識を覆すことが出来る者

(2)Peacetime CEOはスケーラブルで、ハイボリュームな採用活動を実践する者。反して、Wartime CEO はPeacetimeの活動しつつも、レイオフを遂行できる者

(3)Peacetime CEOは企業カルチャーを定義する。反して、Wartime CEOは「War」にカルチャー定義をさせる

(4)Peacetime CEOは常に不測の事態に備えるプランを持っている。反して、Wartime CEOにはサイコロを振って運任せな気持ちも必要

(5)Peacetime CEOは市場拡大を試みる。反して、Wartime CEOは市場を勝ち取りに行く

Which Way Do You Run?  (不安に包まれた時、創業者がとるべき行動)

概要:2019年にベン・ホロウィッツ氏によって執筆された、創業者特有の「不安」への対峙を示したもの。同氏がドットコムバブル時にCEOを務めていたLoudcloudで感じた、創業者としての不安心の経験ベースに話が構成されている。

所感:スタートアップ創業者にしか分からない、あらゆるケースへの「不安」が題材となっています。バリュエーションの変化による精神的不安や、自分の選択で雇った従業員の分野に対する理解度が想像以上に低かったことによる後悔から生じる不安。これらに対してどう立ち向かうべきなのかに対し、自身の経験を元に話が綴られています。印象的なのはベンのこの一文。

To this day, every time I feel fear, I run straight at it, and the scarier it is, the faster I run.(今の今まで、恐怖や不安を感じるたびに、ただそれに向かって、怖ければ怖いほど、早く走ってきました)。

First Rule of Leadership (リーダーシップ、最初で最後のたったひとつのルール)

概要:2017年にベン・ホロウィッツ氏によって執筆された、リーダーシップの最初のルールについて記されたもの。1993年に、プロバスケプレーヤーCharles Barkley氏の著名なセリフ「 “I am not a role model. Just because I dunk a basketball doesn’t mean that I should raise your kids.”」からリーダーシップのあるべき姿が論じられている。

所感:記事内では、リーダーシップとは難しいものでなくたった一つのルール「 In order to be a great leader, you must be yourself.」を軸に話が展開していきます。つまり、立場が変われど自分自身で居られることが最大のリーダーシップであるという意味です。

実際、これは当然のように感じられますが、ベンはこの当然がなかなか難しいと伝えています。同氏はStanという人物を例に出してこの状況を説明しているのですが、マネージャーに昇格した途端「Stan」から「Manager Stan」へ変わってしまい、Stan自身が評価されていたにもかかわらずマネージャーという頭文字が付いてしまえば、そこにリーダーシップは生まれないという論理を展開しています。

Lead Bullets(銀の弾丸はない)

概要:2011年にベン・ホロウィッツ氏によって執筆されたプロダクト開発における必要不可欠な心掛けについて記されたもの。

所感:Benは良く起業家と以下のような会話をするとしており、ここに全ての本質が詰まっています。

Entrepreneur: “We have the best product in the market by far. All the customers love it and prefer it to competitor X.”

Me: “Why does competitor X have five times your revenue?”

Entrepreneur: “We are using partners and OEMs, because we can’t build a direct channel like competitor X.”

Me: “Why not? If you have the better product, why not knuckle up and go to war?”

Entrepreneur: “Ummm.”

Me: “Stop looking for the silver bullet.”

銀の弾丸は、あらゆる困難を一発で解決できるような素晴らしい方法のことを一般的に差します。同氏は、企業運営において銀の弾丸探し、つまりただひたすら「珍しいプロダクト機能」を追い求めるほど意味のないことはないと語ります。早い段階から銀の弾丸を探しにピボットを始めてしまうことで、マーケットの需要から製品の本質がずれていくことを意味しているのでしょう。経営者として、逃げ出したくなる時に自問自答すべき一文で締めくくられています。

“If our company isn’t good enough to win, then do we need to exist at all?”

いずれのストーリーも、ベンの実体験を基に話が構成されていました。哲学的でもあり、説得性のある、まさにAndreessen Horowitzらしさが詰まったリーダシップに関わる一覧と感じます。上述以外にも、下記2つのポッドキャストがリストに記載されていたので、ぜひ聞いてみてください。

次回は「On managing your own psychology and professional development」、メンタルマネジメントと成長についてお届けします。

 

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Airbnbが医療従事者に宿泊先を無償提供、2万件のホストが提供を申し出

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ピックアップ:Airbnb Hosts to Help Provide Housing to 100,000 COVID-19 Responders ニュースサマリー:Airbnbは26日、新型コロナウイルス(COVID-19)対策に従事する医療関係者向けに宿泊先を無償にて提供するプログラムを発表した。これは国際赤十字、国際救済委員会、国際医療隊と協力で実施される。同プログラムは同社が2012年よ…

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Image Credit : Airbnb

ピックアップ:Airbnb Hosts to Help Provide Housing to 100,000 COVID-19 Responders

ニュースサマリー:Airbnbは26日、新型コロナウイルス(COVID-19)対策に従事する医療関係者向けに宿泊先を無償にて提供するプログラムを発表した。これは国際赤十字、国際救済委員会、国際医療隊と協力で実施される。同プログラムは同社が2012年より開始した、Open Homes Platformの一環として実施される。

話題のポイント:AirbnbのOpen Homes Platformはこれまで、災害や難民の「一時避難場所」としてサービス提供してきました。「ホストが無償で自宅を提供する」という概念が提唱されたのは、2012年にニューヨークを襲ったハリケーン・サンディーの際に同社ホストが被災者の避難所として無償提供したのが始まりだと言われています。

同社共同創業者でCEOのBrian Chesky氏によれば、27日(アメリカ時間)朝にて約2万を超えるホストが医療従事者に向けて自宅の提供に名乗り出ていると報告しています。

上述通り、同社は今まで難民のみを対象に同プログラムを提供していたため、医療関係に伴うこうした動きは初の試みとなります。そのため、どれだけのホスト側賛同者を得られるか不明でしたが、約24時間で2万人・2万宅のスペースを確保できたことになります。

しかし仮に、COVID-19問題が長期化(1年以上)するとなると一体どこまで同プログラムを継続し続けるのかの選択は難しい問題に発展しそうです。

確かに、現状は最低でも2万の自宅を確保しているものの、実際に参加しているホストはホスティングにて”それなりの”収入があった層であることが想定できます。これは、同プログラム参加条件である「Entire Home (まるまる貸切)」や清掃体制が整っている必要性があるからです。

同社は今月14日にCOVID-19に伴う宿泊予約のキャンセルを一定ポリシーに基づき無料としました。筆者も同期間内にキューバのAirbnbに宿泊予定でしたが、驚くほど迅速にキャンセル手続きをすることが出来ました。手続きの際には、こちらから連絡するよりも前にホスト側からキャンセルポリシーに関して詳細な連絡が届くなど、おそらくAirbnb側からホスト側へ何かしらのアクションがあったのかと感じています。

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Image Credit : Airbnb

同社は今年にもダイレクトリスティング(直接上場)されるのではないかと言われていたほど順調な経営状態でしたが、上述のようなキャンセル続出により「ホスピタリティ業界の牽引企業」として大打撃を受けるのは避けられないでしょう。

しかし、企業は事業に需要があれば資金は集まるため内部崩壊の心配はさほど大きくありません。どちらといえば、ホスト側がどこまで耐えられるか、つまり自宅をホスティングすることで大部分の生計を立てていた層のサポートをAirbnbは積極的に実施することが求められるかもしれません。

Reutersの報道によれば、米国におけるホストは失業保険を受けられる可能性が高いとしており、こうした面からの資金サポートが受けられるかは民泊事業者の重要なターニングポイントであると感じます。(「Airbnbのホスト」が職業として公に認められるという意味でも)。

同社最大の売りでもある「ネットワーク効果」が一気に没落することは考えにくいですが、一時的なストップな状態へと突入するのは仕方なさそうです。

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1年契約のAirbnb「Zumper」が目指す、長期滞在型民泊の可能性と体験

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ピックアップ:Zumper Secures $60M To Become The ‘Airbnb For One-Year Leasing’ ニュースサマリ:賃貸住宅のマーケットプレイスを運営する「Zumper」は10日、シリーズDにて6000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家にはe.venturesが参加し、Greycroftも同ランドに参加している。 同社は米国・カナダにお…

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ピックアップ:Zumper Secures $60M To Become The ‘Airbnb For One-Year Leasing’

ニュースサマリ:賃貸住宅のマーケットプレイスを運営する「Zumper」は10日、シリーズDにて6000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家にはe.venturesが参加し、Greycroftも同ランドに参加している。

同社は米国・カナダにおける賃貸マーケットプレイスを展開するスタートアップ。「ホテル予約のシームレスさを賃貸に」をミッションに置き、賃貸契約までの手軽さを売りとしている。今回の調達ラウンドにて、同社は2012年の創業依頼、累計で1億5000万ドルの資金調達に成功していることになる。

話題のポイント:「賃貸のシームレス体験」を自称するZumperですが、賃貸契約の流れをオンラインへシフトさせただけであれば、同社以外にもZillowやApartments.comなどのオンライン型マーケットプレイスは数多く登場しています。

また、Zumperは「Airbnb For One Year Leasing」の実現を目標としているものの、中長期型民泊も例えばWhyHotelなど多岐にわたって勢力拡大が始まっています。そのため、Zumper特有なオリジナリティー性はそこまでないのが実情です。

とはいえ、同社は今後の戦略に「Airbnb」というキーワードを持ち出しています。これは、今後の展開としてZillowなどには見られない、個人間の利用体験を加速していくことが想定できます。

特に注目したい体験が支払いです。同社ではアプリ内にて家賃の支払いが完了するペイメントの仕組みの導入を開始しています。つまりサービスプラットフォーマーとして家賃のやりとりを集約しているのですが、これはUberやAirbnbなどでもお馴染みの体験で、利用しているサービス(今回の場合は賃貸している家)をスイッチしやすいことにつながります。

例えば先日シリーズAにて2000万ドルを調達した「Landing」もひとつの参考です。同社では、メンバーシップ型の賃貸契約サービスを導入することで、入居から退去まで、まさにフレキシブルな体験提供を目指しています。

<参考記事>

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一方で全てがシンプルに設計されているかというとイマイチな点もあります。

上図はZumperの賃貸申し込み(問い合わせ)初期画面です。簡単な個人情報のみで、問い合わせが可能なのはありがたいですが、これ自体はZilliowなどでも一般的なフローとなっています。同画面からの問い合わせ後、担当者より連絡があり、物件の内覧といった流れです。

これでは「Airbnbの楽さ」や「ホテルのような予約体験」には程遠い煩わしさが伴います。民泊プラットフォームが持つスムーズさを実現するためにはこのあたりのフローも何かアイデアが欲しいところ。

まあ、一年契約なので契約や諸手続きが煩雑なプロセスなこともあり、確かに問い合わせまではデジタル化されていても、その後のやり取りを旧来型に据え置いているのはプライオリティの問題だけなのかもしれませんが。

 

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【新型コロナ】Facebookが中小向け「1億ドル規模」の支援金を発表、最大3万社に配布へ

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ピックアップ:Facebook Small Business Grants Program ニュースサマリー:Facebookは17日、新型コロナウイルス(COVID-19)にて経済的影響を著しく受けている中小企業向け支援プログラムを1億ドル規模で実施することを発表した。対象となるのは、Facebookがオペレーションを実施する世界30カ国における企業。最大で3万社への支援が予定されている。 支援…

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ピックアップ:Facebook Small Business Grants Program

ニュースサマリー:Facebookは17日、新型コロナウイルス(COVID-19)にて経済的影響を著しく受けている中小企業向け支援プログラムを1億ドル規模で実施することを発表した。対象となるのは、Facebookがオペレーションを実施する世界30カ国における企業。最大で3万社への支援が予定されている。

支援金自体はキャッシュまたはFacebookにおける広告クレジットを通し配布される。そのため、キャッシュでの受け取りを希望する場合は、使用用途に制限なく利用することができるとしている。

話題のポイント:Facebookが実施する支援プログラムは、上述通り3万社へ1億ドルとなるので、1社単体で見ると平均3000ドル程度と見積もられます。具体的な応募プロセスや、実際に資金が配布される時期などの詳細は未だ発表されていませんが、同社によれば数週間以内の迅速な対応を進めていくとしています。

数週間前にはMicrosoft、Amazonなどが共同でウイルス対策ファンド「COVID-19 Response Fund」を設立するなど、各IT企業を中心とした資金的援助策がでてきています。また、義援金以外にも、コロナウイルスに関わるフェイクニュースを撲滅し、正しい情報を届けるためMS、Facebook、Google、LinkedIn、Reddit、Twitter、YouTubeが共同声明を発表しています。

Facebookに目を向けると、実際にオフィシャルな形でコロナウイルスに関わるニュースをチェックできる機能を実装し、リアルタイムでWHOや国家機関の近況を確認することが可能です。また同時に、Business Resource Hubと呼ばれる特設サイトを開設し、中小企業が現在の状況でいかにインターネットを活用し困難を乗り切れるかの諸情報を発信するなど協力的な姿勢を見せています。

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世界各国では、カフェやレストランなどの運営がウイルス感染対策として原則禁止されるなど、収入源を完全に断たれている状況下にある地域が増え始めています。筆者の住むシアトルも、原則レストラン・カフェ・バーなど接触を伴う事業は禁止されているものの、UberEats等を利用したデリバリーは許可されています。

しかし、UberEatsなどテクノロジーベースのサービス利用経験のない事業者は、導入までにかなりのギャップを感じているというのが実情だと思います。なのでこのようなテクノロジーと無関係だった中小企業に対しては、直接的な支援の方が受け入れやすいのは間違いありません。

もちろん、サービス提供の企業側にとっては導入事業者絶対数を増やす機会となりますが、同時に事業者にとっても固定費用支出を少しでも減らせることを考えれば導入を拒む理由が見当たりません。

また、下記ツイートが示しているようにレストランオンライン予約の「OpenTable」も新型コロナウイルスの状況悪化に伴い、新たな局面に入っていることがわかります。もちろんOpenTable自体もそうですが、そうしたオンライン予約に頼っていたレストランの悲痛さが伝わってきます。

そのほかで影響が大きいものと言えばやはりAirbnbがあるでしょう。米国が3月19日より、国外への渡航を実質禁止にしたことで、例えば中南米で民泊を営んでいる事業者の春休み期間における米ドル収入源は完全に断たれたことになります。

このように、実際見えないところで多くの収入源が立たれるところを見ると、いかに新型コロナウイルスが世界経済を狂わせているのかがわかります。筆者も現地で過ごしながら超短期的な、数日先の生計に不安を抱えるアメリカ労働者の実情をひしひしと感じています。今後、州政府がいかにこの混乱を短期・中期的に乗り越え、また、時にはIT企業との協力で打開策を見つけていくのか、緊迫した状況は続いていきそうです。

 

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5年前に「次の疫病大流行」を危惧していたビル・ゲイツ氏、新型コロナに関する31の問に答える

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ピックアップ:31 questions and answers about COVID-19 ニュースサマリー:3月18日、マイクロソフト共同創業者で現在はBill & Melinda Gates Foundation (ビル&メリンダ・ゲイツ財団)にて慈善活動に力を入れるビル・ゲイツ氏は、Reddit上にて新型コロナウィルス(COVID-19)に関する「Ask Me Anything (…

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ピックアップ:31 questions and answers about COVID-19

ニュースサマリー:3月18日、マイクロソフト共同創業者で現在はBill & Melinda Gates Foundation (ビル&メリンダ・ゲイツ財団)にて慈善活動に力を入れるビル・ゲイツ氏は、Reddit上にて新型コロナウィルス(COVID-19)に関する「Ask Me Anything (AMA) 」を実施した。AMAでは、同財団を通した活動方針を交えながら、パンデミックに対していかに向き合い、収束へ導くべきかを中心に回答している。

話題のポイント:2015年、ビル・ゲイツ氏がTED TALKにて講演した「The next outbreak? We’re not ready(もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない)」がまさに現在世界を股にかけたパンデミックと重なっていると話題になっています。

同講演では、私たちの世代が最も恐れ準備を進めるべきなのは「戦争による核爆弾」ではなく「空気感染するウイルス」であることが論じられています。

エボラウイルスがアフリカ大陸で蔓延した事例を基に、いずれ近い未来に起こり得る世界的パンデミックへの対抗策を今すぐに始めなければならない、また、エボラウイルスは空気感染しないかったのは偶然的なだけで、いつ空気感染するウイルスがアウトブレイクするかは未知なことを理解しなければならないと強調しています。

以下は、今回のReddit上でのAMAを一部抜粋したものです。パンデミックで最も恐れること、最大の解決先はどこにあるのか?という問いですが、この質問に対する答えは、5年前となる上記TED TALKでも明確に語られていました。

Q : 私たちが今起きているパンデミックで最も恐れるべきことは何なのでしょうか?また、これら悪循環を抜け出す希望はあるのでしょうか?

A : 今、最もパンデミックが進んでいるのは先進国(裕福国)がほとんどです。そのため、きちんと統制のとれた感染確認フローやソーシャル・ディスタンシング(シャットダウン)を実行に移せれば2〜3か月で最小限に抑えられるはずです。もちろん、それに伴う経済損失も大きいですが、私が最も恐れているのは、貧困国におけるパンデミックの収束手段です。彼らにとって、ソーシャル・ディスタンシングは容易ではないですし、医療施設も充実していません。

政府機関がある程度の統制を取れ、医療機関が充実した先進国であればパンデミックにおける最大の対策である「ソーシャル・ディスタンシング」を選択できるため、大きな心配はないとしています。TED TALKにおいても同様の回答を残しており、同氏はその際も「Poor Countries (貧困国)」への医療環境を整えることが、最大の対策であると当時から触れていました。さらに同氏は講演にて、世界規模のヘルスケアシステムを整えなければならないと触れており、その理由に関しても今回のAMAにて回答しています。

Q: いつ、COVID-19は終わりを迎えるのですか?

A: グローバルに絶対数をゼロに近づけるためにはワクチンの存在が欠かせません。裕福国は適切な太陽によって感染の絶対数を減らすことが可能です。しかし、貧困国にとってそれは容易くありません。そのため、ワクチンは絶対不可欠なのです。そうした国々へワクチンを必要数届けるため活動するGAVIという団体が、重要な役割となるでしょう。

同氏はTED TALKにて、現代社会がスペイン風邪が起きたような1910年代とは比較にならないほど情報伝達性や医療発展に恵まれていると述べています。しかし、最も重要なワクチンについては、これを貧困国へ届け、診断・研究開発が実施できるシステム構造が整備されているとは言い難いとしています。これがまさに現段階における問題点の核心であるというのがゲイツ氏の指摘なのです。

さて、ビル&メリンダ・ゲイツ財団も今回のCOVID-19対策には積極的なかかわりを見せており、新型コロナウイル感染の是非を自宅で検査可能なキットの配布も近日中に実施することを明らかにしています。

マイクロソフトにおける取締役を正式に退いた同氏が、現在進行形で進むCOVID-19に如何に関わりを見せ、「The next outbreak? We’re not ready」にて述べた世界的ヘルスケアシステムを構築していくのか非常に興味深いです。

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パッションエコノミーから考える「旅」の価値とスタートアップチャンスについて

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  旅の経験をもっと可視化することはできないでしょうか。 というのも、旅から得られる経験はオリジナリティー性が強く、個人に依存するため、旅人一人ひとりが価値を創出できる可能性を秘めていると感じているからです。また「旅のストーリーが個人を強くする時代」でも触れたように、パッションエコノミーの機運が高まるにつれその傾向はさらに強まると考えてます。 旅に出ることのハードルが低くなっていることも…

 

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旅の経験をもっと可視化することはできないでしょうか。

というのも、旅から得られる経験はオリジナリティー性が強く、個人に依存するため、旅人一人ひとりが価値を創出できる可能性を秘めていると感じているからです。また「旅のストーリーが個人を強くする時代」でも触れたように、パッションエコノミーの機運が高まるにつれその傾向はさらに強まると考えてます。

旅に出ることのハードルが低くなっていることも要因のひとつです。(時期的には難しいですが)Airbnb・LCCの浸透で、金銭的にも思い立った時にどこか異国の地へ旅立つことが容易となりました。また世界300都市で利用可能なスーツケースの民泊「BagBnb」や、旅先にレンタル形式で必要な服を配達してくれる「TRVL Porter」が台頭してきています。これらにより、旅に出るための物理的な事前準備さえも必要なくなる未来が見えてきています。

<参考記事>

旅のアウトプットといえばYouTubeでVlogを残したり、記事ブログを書いたりすることが一般的です。もちろんそういった活動も、旅を通した価値の可視化であることに間違いありません。ただ、こういった手法では旅をした人の価値を社会に還元させる、とまではいかなさそうです。何らかの新たなアウトプット手法はないものでしょうか。

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Image Credit:PokemonGo

答えの一つとして、一世を風靡(び)した位置情報スタートアップ「Foursquare」の存在が挙げられます。同社は位置情報 × SNSの事業領域にゲーム性を付け加えることで、リアルRPGのような感覚を世界へ普及させました。ユーザーの位置情報を移動した後も所有し続ける環境をSNS上で整えたのです。今ではインスタのストーリーが彼らと同じ価値提供者になっていたり、NianticのPokemonGoもその延長線上と言えるでしょう

また、P2P型の旅人マーケットプレイスを提供する「TRVL」では「Together we’ve been everywhere」をビジョンに、旅のエキスパートが集まる市場となることを目指しています。同マーケットプレイスでは、旅のエキスパート(旅先に関しての知識が豊富)が個人のエージェントとなれ、旅へのアドバイス・予約までを担当しコミッションフィーを稼げる仕組みとなっています。今まで旅人を自称しTripAdvisorなどでコメントをたくさん書いていた層と考えると分かりやすいでしょう。

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もうひとつの答えとして旅を通じた人材を育成しようという動きもあります。日本のトラベルスタートアップ「TABIPPO」はちょっと変わったキャリア育成プログラムをスタートさせました。TABIPPOが昨年より実施する人材育成プログラム「POOLO」の定義は、「旅をした経験を社会に還元する、次世代を創るアンバサダーコミュニティー」です。まさに「旅 × パッションエコノミー」を体現したものと言えます。

具体的には、旅の経験が豊富な参加者が集まり、議論する場を通してグローバルで活躍すために本当に必要なマインドセット・スキルを共有していくプログラムとなっています。世界中を旅した個人だからこそ得られる価値観や視点ではないでしょうか。

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POOLOが考える旅を通じたグローバル人材の定義

さて、旅人がその場その時で感じたある場所での経験は、表現の仕方によっては身分証明書と同じような「信頼」になるのではと感じています。

いくつかのトラベル・スタートアップたちは旅人である価値を表現し始めています。パッション・エコノミーがこれからさらに注目されることになれば、その市場には魅力的なチャンスが生まれることになるのは確実でしょう。

しかしこの市場に特化したスタートアップは多くありません。先日a16zから発表のあった「The a16z Marketplace 100」におけるトラベル領域もそのほとんどが、OTAと民泊でした

とはいえ、私たちがAirbnbを既に珍しがらなくなったように、市場は既に新しい価値提供ができるサービスを求めています。この点において、パッションエコノミー文脈とつながりの強い、「旅の価値表現」は注目され始めるのではないでしょうか。

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MSやAmazon、Starbucksなどが共同でコロナ対策ファンド設立、ゲイツ財団は自宅検査キット配布へ

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ピックアップ:Puget Sound-area philanthropy, government, and business come together to establish COVID-19 Response Fund ニュースサマリー:米シアトルのコミュニティーファンドSeattle Foundationは9日、同市にて急増する新型コロナウイルス対策に特化したファンド「COVID-19 R…

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ピックアップ:Puget Sound-area philanthropy, government, and business come together to establish COVID-19 Response Fund

ニュースサマリー:米シアトルのコミュニティーファンドSeattle Foundationは9日、同市にて急増する新型コロナウイルス対策に特化したファンド「COVID-19 Response Fund」の設立を発表した。設立時における規模は250万ドルほどで、随時寄付金を受け付けている。

同ファンドにはシアトルにHQを置く企業、マイクロソフト、アマゾン、スターバックス、アラスカ航空などがパートナシップを組んだうえで設立されている。

資金はコロナウイルによる失業者へのグラント、医療に関わる情報提示やサポートなど、同州で広がりを見せるウイルスによって大きく影響を受けている層へ向けたものとなる。なお、グラント開始は数週間以内を予定している。

話題のポイント:今回発表のあったファンドでは、特に新型コロナウイルスで経済的に大きな影響を受けるリスクの高い実業者や健康保険を持たない層、またヘルスケア従事者を対象とした救済措置となっています。

執筆時点でシアトルの位置するワシントン州では、最低でも162人の感染者が報告されており、22人の死者が伴っていると報じられています。

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Bill & Melinda Gates Foundation

そうした中、ビル&メリンダ・ゲイツ財団 (Bill & Melinda Gates Foundation) が数週間以内をめどに、新型コロナウイル感染の是非を自宅で検査可能なキットの配布を発表しました。これにより医療機関の負担緩和が見込まれています。

ITエンタープライズの街と言われるシアトルですが、各企業が枠国を超えシアトルの危機へと立ち向かう姿勢を見せていることが伝わってきます。なお、同州ではMicrosoft, Amazon, Google, Facebook, Nintendoなどは従業員に対しWFH (Work From Home)を基本姿勢として提示しており、事態がどこまで長続きすることになるのか社会全体として注目が集まることになるでしょう。

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会場はオンライン、コロナ対策ハッカソン開催もーーa16zが出資するイベントソリューション「Run The World」

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ピックアップ:Investing in Run The World ニュースサマリー:オンラインイベントのプラットフォームを運営する「Run The World」は27日、シードラウンドにて430万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はAndreessen Horowitz(a16z)が担当している。また、GSR Ventures, Pear Ventures、122 West Ven…

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ピックアップ:Investing in Run The World

ニュースサマリー:オンラインイベントのプラットフォームを運営する「Run The World」は27日、シードラウンドにて430万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はAndreessen Horowitz(a16z)が担当している。また、GSR Ventures, Pear Ventures、122 West Ventures、Unanimous Capitalやエンジェル投資家であるKevin Weil氏なども同ラウンドに参加している。同氏Facebookのブロックチェーン事業「Calibra」にてVP of Productを務める人物だ。

同社は完全オンライン型でイベントを企画から開催まで実施できるプラットフォームを運営するスタートアップ。イベントの企画からライブ中継でユーザー参加型のイベントの実施、またイベント後のコミュニティー運営も効率的に行うことが可能だ。

イベントの大きさは小規模から、「カンファレンス」といえる大きさのものまで様々で複数日に渡って開催されるものも取り扱っている。

話題のポイント:コロナウイルスの影響でアニュアル・カンファレンスとして注目度の高い世界最大級のテック系展示会「Mobile World Congress」やFacebookのデベロッパーカンファレンス「F8」などの中止が決定されています。

日本においても小中高への休校要請に始まり、アーティストのコンサート中止判断などあらゆる業界・業種で混乱を招いている状況です。また、国内にてクラウドファンディングを手掛ける「READYFOR」並びに「CAMPFIRE」は、イベント・カンファレンス開催自粛に伴う事業者を対象としたサポートプログラムを開始しました。

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中止などの事業影響に対し、経産相が公表している支援策

こうした流れの中、オフライン参加者の来場を自粛したうえでオフラインにてイベント内容の配信を実施するケースが増えてきました。一方、小規模のイベントであればそうした対応ができたものの、大規模なカンファレンスとなるとやや事情が異なります。

ステージの配信はもちろんですが、通常、会場に集まるブースでの商談や、関係者パーティーでのミートアップなどなど、コンベンションは複合的な要素を含むからです。

a16zが出資した「Run The World」はそういう意味で単なるカンファレンスのオンライン化だけでなく、近未来的なイベント・カンファレンスの形を追い求めている点が特徴的です。詳しく見ていきましょう。

オフライン特有の体験をどうオンライン化するか

a16zは同社の最大の魅力を「better monetization tools for conference organizers(カンファレンス主催者にとってベターなマネタイズツール)」と表現しています。

前述の通りオフラインだからこそ、Face to Faceから得られるメリットも多々あるのは事実です。こういったオフライン特有のメリットもRun the Worldではカバーしようと試みています。例えば、同社アプリの機能の一部には、下図のような「ライトニングトーク」(参加者が数分の時間を使って発表を行うピッチスタイル)をUXよく実施できる機能が備えられています。

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ライトニングトークではチャット形式のタイムラインが備えられる

また、Face to Faceの最大の利点と考えられていた「信頼のある繋がりづくり」に関しても「Happy Hour」と呼ばれる機能を用いてTinder的マッチング性を持たせたコミュニティー形成ツールを提供しています。ただ、実際この手のツールはイベント管理サービスで増えていますが、男女の出会いではなくビジネスですから、例えばあまり会っても意味のない人をどう排除するのかなど、どういった設計にしているのかは気になるところです。

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カンファレンスのミートアップ機能はTinder的なUXで再現

同社は既に数十のイベント・カンファレンスを開催済みで、世界30カ国からの参加者があったと公開しており、今後一気にユーザー数が増える段階なのではと感じます。

また、来週にはハッカソンイベント「Hack for Wuhan」を同社がホストすることが決まっています。このハッカソンはコロナウイルスへのソリューションをテーマとしたもので、会場は設けられておらず、期間もアウトブレイクが終わるまでとされています。

つまり、オンラインで出会うハッカーたちがそれぞれの国・場所を越えて社会問題に取り組むという意味で、Run The Worldにとっては格好の事例となりそうです。ハッカソンへの申し込みはこちらから可能となっています。

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2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(トラベル編まとめ)

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ピックアップ:The a16z Marketplace 100 前編からの続きです。Airbnbが公開した資料によれば、半数以上となる57%のアメリカ人が既に「モノより体験」重視へと変化を遂げており、そのうち37%は2020以降「経験」へ支出する割合を増加させることに意欲的だとしたデータを公開しています。 特に、ジェネレーションZ世代・ミレニアル世代の価値観は「体験重視」が一般化してきており、収入…

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Airbnb Pitch Deck

ピックアップ:The a16z Marketplace 100

前編からの続きです。Airbnbが公開した資料によれば、半数以上となる57%のアメリカ人が既に「モノより体験」重視へと変化を遂げており、そのうち37%は2020以降「経験」へ支出する割合を増加させることに意欲的だとしたデータを公開しています。

特に、ジェネレーションZ世代・ミレニアル世代の価値観は「体験重視」が一般化してきており、収入のほとんどを「体験」へ利用する傾向にあるといいます。同社内部データによれば、そのようなジェネレーションZ世代はYoYで190%増、ミレニアル世代はYoYで102%増の成長率だったそうです。

ところでこのような「体験」の代表格が旅行です。

Airbnbを筆頭としたP2P型のマーケットプレイスの登場で価格破壊が生じ、金銭理由で制限される要素は少なくなりました。また、ただ観光地を訪れるだけでなく、若者世代特有のオリジナリティー性に対する需要へ対応できるマーケットプレイスがこれからのトラベル市場へ求められることになりそうです。

そこで以下に、a16z marketplace100にて、トラベルカテゴリーとしてランクインしたスタートアップをGMV上位順に並べてみました。上述したオリジナリティー性を満たすような企業はランクインしているでしょうか。

Airbnb(創業:2008, ラウンド:上場)

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主な投資家Andreessen Horowitz, Y Combinator
これからの競合:Leavy.co, Globe

概要:言わずと知れたホスピタリティー・トラベル業界をリードするスタートアップ。今回のa16 z Marketplaceにおいてもオンライントランザクションデータ(GMV:流通取引総額)において堂々の1位を獲得し、トラベル・マーケットプレイスの代表格であることが分かる。

a16zが「成長するマーケットプレイスとは何か」を語るうえで必ず登場するのがAirbnbのストーリーでもある。まさに、サービスのエバンジェリストを生み出すプラットフォーム設計としてロールモデルとなっている。

近年では、競合他社の買収を試みており、HotelTonightやUrbandoorの買収に昨年成功している。

Vacasa(創業:2009年, ラウンド:シリーズC)

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主な投資家:New Spring Capital, Riverwood Capital
これからの競合:Sonder, Airbnb

概要:Airbnbと同時期に創業したオレゴン州ポートランドをベースとするバケーションレンタルスタートアップ。北米・中南米、ヨーロッパでの事業展開のため、アジア方面での認知度は低い印象を受ける。

民泊のプラットフォームとしてAirbnbと差はないが、家主に変わりリスティングや自宅管理等の代行サービスがある点が特徴となる。

Outdoorsy (創業:2014年, ラウンド:シリーズC)

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主な投資家:Berlin Ventures, Altos Ventures
これからの競合:RVShare, Turo

概要:RV(キャンピングカー)を貸し借りできるP2P型マーケットプレイス。車中泊を楽しむバンライフという言葉も一般的になり、短・中期でのレンタルが主流。車の個人間シェアの観点で競合にTuroを挙げたが、利用ユーザー層は大きく違う印象。

例えばAirbnb上でもRVを家としてリスティングするケースも増えてきているように、RVを市場が「空間」として捉え始めていることが分かる。バンライフはまさに、若者が求める自然とのタッチポイントとしての経験に相応しいといえ、レジャーに欠かせないマーケットプレイスとなりそうだ。

RVShare(創業:2013年, ラウンド:不明)

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主な投資家:Tritium Partners
これからの競合:Outdoorsy

概要:Outdoorsyと同じく、RVシェアリングのマーケットプレイスを運営。HomeAwayへ投資も手掛けるTritium Partnersから5000万ドルの資金調達を実施している。米国における、RVマーケットプレイスとしてはOutdoorsyとRVShareが二台巨頭となっている。

TourRadar(創業:2010年, ラウンド:シリーズC)

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主な投資家:TCV, Speedinvest
これからの競合:GetYourGuide, Klook

概要:マルチデー(2日以上)の現地ツアーに特化したマーケットプレイスを運営するスタートアップ。競合他社は1日から長くても4日程度のローカルツアーなのに比べ、同社では2週間などの長期にわたるツアーを中心としているのが特徴。

ソロトラベラー、ゲイに特化したツアーや。ボランティア活動を中心とするコンテンツのツアーなどの枠組みも用意されており長期間のツアー予約サイトとしてブランド化されている。

FlightHub(創業:2012年, ラウンド:不明)

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主な投資家:不明
これからの競合:Skyscanner, Student Universe

概要:カナダ・ケベックをベースとするOTAマーケットプレイス。Skyscannerと同様に、格安航空券をひとまとめに検索することが出来る。特にカナダ発北米・ヨーロッパ・アフリカのフライトディールが多いのが特徴。

競合と言えるSkyscanner Canadaとはパートナーシップを組んでおり、Skyscanner上でFlight Hubのチケットを見つけることが可能となっている。

HipCamp(創業:2013年, ラウンド:シリーズB)

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主な投資家:Andreessen Horowitz, August Capital
これからの競合:Outdoorsy, RVShare

概要:キャンプ場版Airbnbの名を持つHipcampは、個人所有の土地をキャンプ地として貸し出すことが可能なマーケットプレイスを展開。米国における土地はその60%が私有地となっており、何も利用されていないことも多々ある状況だった。

既に同社プラットフォームには9217件の国立公園、1万8030件のテント専用キャンプ場、36万3067件のキャンピングカー用キャンプ場がリスティングされている。大きな敷地でなくとも、RV専用のぱーきんスペースをシェアできるというのはイノベーティブであるといえ、小規模から大規模まで「ランド・シェアリング」という新たな概念を持ち込んだ。

Boatsetter(創業:2013年, シリーズA)

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主な投資家:Nordic Eye Venture Capital, Global Founders Capital
これからの競合:GetMyBoat

概要:ボートに特化したシェアリングマーケットプレイスを展開。Airbnb for Boatsと表現されることが多い。特徴には、ボートオーナーをキャプテンとして「シェアリング」することも可能な点。そのため、船舶免許や少人数であっても運転への不安なくボートという「空間」を気軽に利用することが出来る。

Vacatia(創業:2013年, ラウンド:シリーズA)

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主な投資家:Peterson Ventures, Bee Partners
これからの競合:Airbnb Luxe, Sonder

概要:家族層に特化したバケーションレンタルマーケットプレイスを展開。滞在の際にはホテルライクなサービスを受けれることから、SonderやLyricに近いモデルと言える。また、高級バケーションレンタル地としてのコンセプトとしてはAirbnbが手掛けるAirbnb Luxeと被りそうだ。

ということでランキングには、やはり民泊系とOTA系が目立つ結果となりました。GMVという観点でいえば納得だが、上位にアウトドアをベースとした事業があることも着目すべき観点です。これからのトラベル市場には若者世代特有のオリジナリティー性に対する需要を満たす必要性があります。a16zが述べるように、マーケットプレイスを成長させるうえで欠かせない「エバンジェリスト」の育成への相乗効果も見込めるからです。

その意味で、同ランキングの中でもOudoorsyやRVShare、Hipcamp、Boatsetterは今後GMVという観点でも認知度という観点でも一気に成長をしていく可能性が高いと考えています。

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2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(概要編)

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ピックアップ:The a16z Marketplace 100 ニュースサマリー:著名VCのAndreessen Horowitz (a16z) は2月18日、急速に成長を遂げるコンシューマー向けサービスプラットフォームをランキング化した「The a16z Marketplace 100」を公開した。同社が定めるマーケットプレイスは、買い手と売り手が商品・サービスによって繋がりを持つプラットフォー…

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ピックアップ:The a16z Marketplace 100

ニュースサマリー:著名VCのAndreessen Horowitz (a16z) は2月18日、急速に成長を遂げるコンシューマー向けサービスプラットフォームをランキング化した「The a16z Marketplace 100」を公開した。同社が定めるマーケットプレイスは、買い手と売り手が商品・サービスによって繋がりを持つプラットフォームと定義されている。

データソースには、クレジット・デビットカードなどのオンライントランザクションデータ(GMV:流通取引総額)から消費者行動を分析可能なサービス「Second Measure」が採用された。また、各社における売り上げ規模は2018年12月から2019年11月を観測期間とし、YoYは2017〜2018と2018〜2019を比較材料としている。なお、データの範囲は米国のみに限るためリスト化された企業は基本米国ベースとなっている。

話題のポイント:今回Andreessen Horowitz によって公開された「The a16z Marketplace 100」のランキングの最大の特徴であり驚きは、「あまり知らない」スタートアップ達が名を連ねていることかもしれません。もちろん、ランキング上位を見ればAirbnbやinstacartなど著名企業も見受けられますが、普段は表舞台に登場しないような企業が数多くありまさにこれから新しい概念を市場にて作るスタートアップたちと言えるでしょう。

また、全ての企業がオンライントランザクション量の確固たるデータに支えられているため、同ランキングが調達額や名声のみでなく着実にユーザー数を抱えている企業であることを意味しています。

さて、ブログでは同ランキングをもとに、以下3つにフォーカスした分析を実施しています。

  • 数年後に業界の新トレンドを定義する
  • どの業界・市場が変革をもたらすか
  • どの業界に集中し、独占市場と化しているのか

まずランキング分析の大前提として、全体GMVの76%が上位4社に占められていることが示されています。最も多くを占めるのがAirbnbの38%、次いでDOORDASHが17%、instacartが15%、Postmatesが6%という結果です。つまり、残りの24%を96社がシェアしているということになります。

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もちろんこれも興味深いデータですが、現段階において誰が独占市場を得ているかはあまり重要ではなく、その他24%の企業が急速な発展を遂げている背景こそ、未来のマーケットプレイスを考えるうえで重要となりそうです。

そこで、a16zのブログでは、同ランキングをYoYと業界カテゴリーごとに分解することで残り24%を占める企業の特異性を導き出していました。

下図がそれをグラフ化したものです。

縦軸がYoYを示しているため、グラフでは左のカテゴリーに行けば行くほど年ベースでの成長率が高いことを示しています。最もYoY高水準となった「Wholesale」のカテゴリーには、2017年創業のセレクトショップ向けマーケットプレイス「Faire」が1社のみ示されています。つまり、同カテゴリ-はFaireのみのYoYを示していることになります。ちなみに、同社Mediumによれば2018年の売上高1億ドルでYoYは3140%を記録したと公開しています

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同社は、セレクトショップ向けに商品の仕入が可能なマーケットプレイスを展開。プラットフォームで販売される商品は、大量生産品でなく一つ一つが個人によって手掛けられているものが多いため、オリジナル商品を取り扱うセレクトショップと相性が抜群というわけです。また、無料返品にも対応していることが大きな特徴として知られています。

次いでYoY成長率の高い「Celebrity Engagement」カテゴリーには2017年創業の「Cameo」がほぼFaireと同様の数値を示し、1社のみで同カテゴリーを占有しています。同社は、著名人によるビデオメッセージのマーケットプレイスとして知られてます。著名人の時間を売買するという面では、人の価値をベースとしてデジタルマーケットプレイスの代表格と言えるでしょう。

Food & Berverges」カテゴリーには11社がノミネート。全体でも2位のDoorDashや4位のPostmatesがカテゴライズされています。もちろん彼らのGMVには劣るものの、同カテゴリー内でYoY率を大きく引き上げているのは新興スタートアップである「Ritual」や「Snackpass」が挙げられています。

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Ritual」は2014年創業で、「Make friends with Food」と称しソーシャル機能を持ち合わせたオーダーピックアップサービスを展開。同機能はPiggybackと呼ばれ、例えば急なミーティングでどうしても外出できない際などに同僚へピックアップを依頼することが出来るサービスとなっています。

Snackpass」は2017年創業で、こちらも事前オーダーのピックアップサービスを展開。特徴的なのは、大学との連携をフォーカスして進めておりキャンパス付近の学生街を中心としユーザー体験が増え続けています。

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さて、これらYoY成長率を比較すると、そのどれもが「ミレニアル世代」・「ジェネレーションZ世代」をターゲットとしている点で共通点が見出せます。「Faire」はターゲットがB向けですが、最終的に商品が行きつくのはオリジナリティー性を求める意欲が比較的強い同世代という点で結びつけていいでしょう。

YoY成長率4位のカテゴリー「Streetwear」には、この共通点を象徴する「StockX」がカテゴライズされています。同社は「モノの株式市場」と称し、実際の株式と同様に洋服やスニーカーを売買できるマーケットプレイスを運営していることで著名です。オリジナリティー性を求め、希少性の高いものに価値を表現していった結果、モノの株式が成り立つようになったというわけです。

冒頭に述べた3つの分析観点に一度視点を戻してみます。

1つ目と2つ目の疑問は「数年後に、マーケットプレイスを通して新トレンドが勃発する業界・市場はなにか?」でした。この点に関しては、上述したようにミレニアル世代などの若者が中心ユーザーとなるマーケットプレイス市場ということが言えるでしょう。

例えばRitualやSnackpassに共通して見られた、マーケットプレイス内におけるコミュニティー形成は若者世代を起点にあらゆる世代へと拡散していくことが想像できます。また、StockXのようにマーケットプレイスにて新しい概念を作り出すスタートアップも同様の流れでユーザー層が広がりを見せていくでしょう。

下図は、各カテゴリーを横軸にGMVを縦軸にYoY成長率を置いて比較したものです。ここから、やはり現状若者が中心ユーザーとなっているカテゴリーはGMVの伸びが非常に低く、YoYが高いという傾向が分かります。

こうした若者を中心ユーザーにおくスタートアップは上記で見てきたように、2015年以降に創業されたものがほとんどで、まさにこれからユーザー層拡大のフェーズに入る時期なのではと思います。

GMV最大に入るAirbnbに関して言えば、初期は旅のコアユーザーによる利用が中心だったのではと思います。マーケットにYoYを保ちつつ、継続運営することで時間と共に全世代へユーザーが浸透していく流れはいずれのカテゴリーにも当てはまるでしょう。

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「Food & Berverge」カテゴリーは、グラフで中心に位置していますが、まさにYoY急増からGMV増への過渡期を表わしているといえます。そのため、WholesaleとCelebrity Engagement分野はこの数年でFood & Bervergesと同じ変化を遂げていくことが想像できます。逆に、StreetwearなどはさらにYoYを増の。グラフでいえば左上へ移動する流れとなるでしょう。

もちろん、この企業成長のフローはどのスタートアップにも言えることかもしれません。しかし、ある一定層のGMVを既に獲得しつつ、一気にYoYを伸ばし、さらにGMVを伸ばす流れを持てるのはマーケットプレイス型の特徴だと思います。

さて、最後の観点は「マーケットプレイスは既にモノポリ市場なのか?」でした。これに関しては、業界によるともいえますが、やはりGMVが全体に低いカテゴリーであれば参入余地はまだ大いにあるといえます。

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未だYoYが伸びきっていないが、同ランキングにノミネートされている企業が取り組んでいる事業は、知っている人だけが利用しているような隠れたマーケットプレイスな性質であると言えます。グラフでいえば左下のスタートアップ達ですが、少なくとも彼らは既にオンライン上での確かな売り上げソースを得ており、これからグロースへと入る段階です。

面白い点は、そのような企業達はカテゴリー分けをすると母体数が比較的少ないことが分かります。つまり、同じカテゴリー内にて大きく差別化をしたマーケットプレイスを打ち出すことで今後のYoY急増が見込める市場へ切り込む指標となりえると感じます。

今回は、a16z Marketplaceをもとに分析されていた同ランキングをカテゴリー別でマクロ的に分析してみました。次回以降は、各カテゴリーの中で、特にYoY急増前の企業達がどの様な課題に対しどういったマーケットプレイスを通したソリューションを考えているのか調べていきたいと思います。

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