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民泊市場と並行して広がる自宅のIoT化

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ピックアップ:The Guild Raises $25M For New Short-Term Travel Stay Option ニュースサマリー:トラベルスタートアップ「The Guild」は7日、シリーズBにて2500万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はMaveronが務めた。また、Convivialite Ventures、MarkVC、ATX Venture Partn…

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ピックアップThe Guild Raises $25M For New Short-Term Travel Stay Option

ニュースサマリー:トラベルスタートアップ「The Guild」は7日、シリーズBにて2500万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はMaveronが務めた。また、Convivialite Ventures、MarkVC、ATX Venture Partners、Corigin、Nicol Investment Group、不動産ファームRXR Realtyも同ラウンドに参加している。

同社は2016年創業。ビジネス旅行者向けに民泊事業を展開する。不動産デベロッパーとの提携に努め、設備投資に力を入れているのが特徴。現段階では米国のみの展開で、オースティン、シンシナティー、ダラス、デンバー、マイアミ、ナッシュビルに施設を所有している。米国中部から東海岸に焦点を当てている。

話題のポイント:「旅のストーリーが個人を強くする時代」でも触れたように、「〇〇版Airbnb」の需要は今年も続いていく傾向にありそうです。本記事では「ビジネス旅行版Airbnb」が当たります。

今回資金調達を実施したThe Guildは、Airbnbとの違いをビジネス旅行者向け施設のデザインと位置づけています。ホテルライクなアミニティ提供や、不動産を丸ごとThe Guildのブランド物件として提供しているのが特徴です。ただ、こうした特徴は他の〇〇版Airbnb企業にも数多くみられる差別化戦略です。たとえば「Lyric」も同じ戦略を採用してブランディングを始めています。

そのため、民泊事業は飽和状態にあり新興スタートアップが誕生したとしてもイノベーティブなものは生まれにくく、市場として盛り上がりに欠けます。一方、ここ数年大きく成長しているIoT市場は民泊と大きな親和性を見せ始めており、レッドオーシャン化している民泊市場にインパクトを与えつつあります。IoTを介した鍵の受け渡し自動化により、空き家の再活用を促すことに成功している事例はその際たる例です。

ビジネストラベル特化型では、チェックインからチェックアウトまでのシームレスな体験提供を売りにしている場合が多く、The Guildも例外ではありません。同社ではIoTを利用した鍵の受け渡し端末を開発・運営する「KeyCafe」とパートナシップを結び、ストレスを感じさせない民泊利用の体制を整えています。

バケーションレンタル・民泊市場の成長に並行して大きく伸びているのが、上述したようなIoT市場です。なかでもスマートロックが民泊と非常に相性の良い領域であるのは明らかでしょう。

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Image Credit: iProperty Management

スマートホームのコンサルティング事業を展開する「iPropertyManagement」によれば、2019年において260億のIoTデバイスが既に利用されているとしており、今後も順調な増加が見込まれているとしたデータを公開しています。そのうちの約15%がスマートホームへの利用だとされていることから、約39億のIoTデバイスが住宅物件へ導入済みということになります。

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米国において、セカンドハウス(第二の住居)を保有する世帯は900万とした統計が出されています。もちろん民泊として利用せず、賃貸契約されているケースもありますが、同統計によれば全体の約25%が賃貸として利用、残りは家族用の別荘としての利用がメインとなっているとされています

そこで、セカンドハウス市場がKeyCafeやその他IoTデバイスの導入を通じ、直接管理が不要になれば、さらに民泊化可能な物件数の増加が見込めます。IoTでなくとも「Leavy.co」のようなオンデマンド・ホストによる経済圏が出来れば、だれもが簡単に民泊経営することが可能となります。

日本においても、こうしたセカンドハウスや空き家の絶対数は今後も増加傾向とされており、新たな市場として注目を集めています。

<参考記事>

〇〇版Airbnbのビジネスモデルはどこも被り始めており、新規性を見出すことが難しくなりつつあります。しかし、関連サービスで成長を遂げているマーケットをうまく活用したモデリングを展開していくことで、市場の中でも一歩抜け出せる可能性が高くなるのではないでしょうか。

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ギリシャにみる、民泊が引き起こす経済格差とその実情

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ピックアップ:Flexible Apartment Rental Startup Blueground Raises $50M Series B ニュースサマリー:短中期アパートメント賃貸サービス「Blueground」は23日、シリーズBにて5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家としてWestCapとPrime Venturesが参加した。同社は2013年にギリシャ・ア…

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Photo by jimmy teoh on Pexels.com

ピックアップ:Flexible Apartment Rental Startup Blueground Raises $50M Series B

ニュースサマリー:短中期アパートメント賃貸サービス「Blueground」は23日、シリーズBにて5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家としてWestCapとPrime Venturesが参加した。同社は2013年にギリシャ・アテネで創業。1か月から最長5年までの短中期アパート滞在仲介サービスを提供している。8か月前に実施したシリーズAでは2,000万ドルを調達したばかりである。

過去3年間で売上を3倍に伸ばしており、現在は世界9都市(アテネ、ボストン、シカゴ、ドバイ、イスタンブール、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンD.C.)で1,700件以上の物件を掲載する。

話題のポイント:短期宿泊サービスといえば、今年ユニコーン入りを果たした「Sonder」やAirbnbが出資する「Lyric」が思い浮かびます。Bluegroundのコンセプトやサービス内容も、SonderやLyricと限りなく近いといっていいでしょう。

<参考記事>

一方、民泊が増えることで現地の人にマイナスな影響を与えるリスクがあることも理解しておく必要がありそうです。これは筆者のギリシャ出身の友人から聞いた話です。

肌感覚ですが、ギリシャでは昔とは比べ物にならないほど軽犯罪が増えていると感じています。Airbnbを筆頭に民泊が街中で目立ってくるのと比例して、軽犯罪率や家賃相場が上昇していたのを感じました。

ギリシャはご存知の通り、この10年近くを債務危機と隣合わせで過ごしている国です。

友人が指摘していた軽犯罪率推移は、実際は経済危機を乗り越えてから下降傾向にあるという結果もあるようなので、あくまで数字では読み取れない現地の人ならではの生活視点だといえます。ただ、家賃相場についてはインデックスを見ると、以下のように2017年を皮切りに上昇し続けていることが分かります。

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このグラフは実際の不動産価格を年間の家賃で割ったものです。そのため、上昇すればするほど家賃価格が高騰していることが表されています。国の経済が回復を遂げていれば、不動産価格が全体的に上昇することも頷けます。では実際のところ国民の生活水準は向上しているのでしょうか。ギリシャ国民の所得推移を見てみましょう。

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Image Credit: OECD

2009年から始まった経済危機以降、国民の年間収入は下降し続けており、2018年では2008年比で30%ほど減少しています。つまり家賃が上場するのと反比例して、収入が下落傾向にあることが分かりました。金銭的余裕がなくなっていることから生活水準が一段と厳しくなっていることが予想されます。

それではなぜ家賃だけが上昇を続けているのでしょうか。仮説の1つに民泊市場の成長が挙げられます。ギリシャは昔から観光地として人気を博してきた土地です。そのため、観光者は絶えず訪れており、BluegroundやAirbnbなどのサービス需要は着々と上昇してきたのです。こうした民泊市場の登場により、経済危機以降も継続して家賃が上がってきたと考えられます。

当たり前ですが、家主は家賃収入が高い方がよいわけです。

しかし、ここで問題となるのが現地の生活水準とのギャップです。

一見、観光客が多く訪れることは好経済循環をもたらす良いシグナルに見えますが、国民にとっては生活価格が観光客をベースとした設定になる懸念が出てきます。たとえば不動産オーナーが収入の低い国民を基準とするよりも、短期・中期の滞在者向けに価格設定をした方が圧倒的に儲かると考え、家賃相場を押し上げる傾向が挙げられます。これは先に紹介した家賃インデックスからも想像ができるでしょう。

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先のグラフにある通り、ギリシャの平均年間所得は2017年において約1万7000ユーロ(約200万円)程度です。一方、家賃市場平均をBluegroundのリスティングを参考に見てみると相場は1,400ユーロほど。同額で1年間住むとすると、年間1万6800ユーロを家賃に消費しなくてはならず、それだけで平均所得近くまで到達してしまいます。これでは現地の人は借りられません。

このように、観光地として認識されてしまった土地ではお金をたくさん落とす客が増えるのと比例して、家賃相場を代表とする生活水準にインフレが起こってしまい、いつまで経っても収束を見せない構図ができあがってしまっている点が指摘できます。

ギリシャ経済とAirbnbの関係性について取り上げたForbesの記事でも、Airbnbがギリシャにおいて職を作り出し、新たな収入源を生み出したことは明らかにポジティブな影響でしょう。

しかしこのポジティブな面、つまりサービス提供側からの声しか聞き入れず終わっている場合が多々あります。米国でSonderがユニコーン入りしたように、民泊の需要性が市場にあることも間違いありませんが、経済の悪循環の可能性も理解しておく必要もあるはずです。

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民泊は東京五輪の宿泊問題をどう解決するのか

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ピックアップ:Airbnb is sponsoring the Olympics until 2028 for a reported $500 million ニュースサマリー:宿泊予約プラットホーム「Airbnb」は11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と公式パートナー契約を結んだことを発表した。本パートナーシップ契約は、向こう9年間のオリンピックとパラリンピックにて有効。具体的には来年…

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Image Credit : Airbnb Japan

ピックアップAirbnb is sponsoring the Olympics until 2028 for a reported $500 million

ニュースサマリー:宿泊予約プラットホーム「Airbnb」は11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と公式パートナー契約を結んだことを発表した。本パートナーシップ契約は、向こう9年間のオリンピックとパラリンピックにて有効。具体的には来年の東京、2022年の北京(冬季)、2024年のパリ(夏季)、2026年のミラノ(冬季)、2028年のロサンゼルス大会において適用される。Financial Timesによれば、契約金は5億ドルに上り、Airbnbが2028年まで宿泊施設提供のサポートすることになるそうだ。

IOC会長のThomas Bach氏は今回の契約について以下のようにコメントしている。

本パートナーシップによって、Airbnbが選手村に取って代わるような大きな動きはありません。観光客やアスリートの家族、運営関係者の宿泊場所を提供することに終始します。開催都市が当イベントのためだけに一時的に宿泊施設を拡充するといった非効率な経費を削減するでしょう。

向こう9年間の開催都市にリストされている5つの都市は、Airbnbのプラットフォーム上で特に旅行者とホストの多いホットスポット。Airbnb共同創業者のJoe Gebbia氏は今回のパートナーシップに関し以下のようなコメントを残している。

これまでのオリンピックでAirbnbは宿泊場所を提供してきていました。しかし、公式にサポートを行うのは今回が初めてです。開催5都市には20万以上のAirbnbホストが存在していますが、今回のIOCスポンサーシップによって、この数はさらに大きく上昇していくと期待しています。

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Image Credit : Pexels

話題のポイント:東京では数年前からオリンピックの宿泊施設不足問題が叫ばれていました。みずほ総合研究所が16年に行った調査では、オリンピックが開催される2020年には4.1万を超える客室が不足するという予測もあったほどです。

そこでかねてから注目が集まっていたのが民泊です。

東京五輪におけるAirbnbの仕事は主に2つ。1つは企業提携やイベント民泊制度を駆使した宿泊場所の拡充。そしてもう一つは体験型プログラムを通した訪日客の満足度向上です。

2017年に2,700万人だった訪日客数は、2020年にはオリンピック需要も期待されて4,000万人に達するとされています。そのため東京都市部では建設ラッシュが続き、民泊やゲストハウスはもちろん、コンテナホテルや船をホテルにする「ホテルシップ」などの対策も検討されるほどの大急ぎの準備が続いています。

日本では2018年6月15日、民泊新法の施行により、民泊ホストになるためには政府への届け出が必要となりました。その影響で一時的に物件数が激減、一部報道によると8割以上の物件数がAirbnbのサイトから削除されたといいます。

しかしその後、Airbnbはソフトバンクとの提携を通し、企業へのホスト提供などのモデルを構築。方針転換が功を奏し、Business Insiderによれば、2019年6月に過去最高の室数を記録しているといいます。ラグビーW杯においては、自治体との提携により手続きを簡素化、一時的な無免許民泊提供を許可する「イベント民泊」制度を駆使することで利用客は前年の1.5倍の65万人に増加しています。

これらの実績を踏まえると、Airbnbは国内の企業や行政と上手に連携し、サービス拡大を図る実績・ノウハウを既に蓄積していることが分かります。東京五輪開催まで1年を切っているものの、本パートナシップにより、Airbnbのホスト数をさらに増加させることができれば、当問題の緩和に大きく貢献することでしょう。

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また、Airbnbによって検討されている施策の一つに、同社サービスを利用したアスリートらが訪日客らに直接パフォーマンスを見せる体験型プログラムの実施が挙げられます。Airbnbには既に体験サービスの提供機能も実装されていますが、そこにIOCのオリンピアン枠が追加されることになるそうです。

当プログラムで参加者は直接アスリートのパフォーマンスを観覧したり、指導を受けることができます。一方、アスリートはプログラムを通し収入を得られる設計になっています。訪問客が直接アスリートと触れ合うことでオリンピック競技を体験できます。体験者が高い満足度を得られる非常にクリエイティブな施策であることに加え、アスリートにきちんと対価が支払われる公正さを兼ね備えた取り組みです。

つまり、Airbnbは単なる宿泊サービスとしてだけでなく、スポーツエンターテイメント・教育サービスのプラットホームとしても東京五輪をサポートするということです。提携後初の本番である東京五輪から既にこのような施策を用意している点から、Airbnbの積極的な姿勢が伺えます。サービス自体は2020年夏から開始する予定だとされています。

今回の東京五輪の客室・体験プログラムの提供が好評であれば、2028年までのオリンピックにも良い影響を及ぼすことができるかもしれませんね。

<関連情報>

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なぜAirbnbは強く、Uberは弱いのか?ーー起業家が知っておくべき4つのネットワークエフェクト

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ピックアップ記事: Why Some Platforms Thrive and Others Don’t 最近、SNSで「起業家が投資家へ事業戦略をピッチする際、答えるべき型がある」というやり取りをしばしば目にするようになりました。結論から言うと「ネットワークエフェクト」「規模のメリット」「ブランド」「高いスイッチコスト」の4つが答えになります。サービスが成長するために、何を武器に戦っていくかはこ…

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Image Credit: NFX

ピックアップ記事: Why Some Platforms Thrive and Others Don’t

最近、SNSで「起業家が投資家へ事業戦略をピッチする際、答えるべき型がある」というやり取りをしばしば目にするようになりました。結論から言うと「ネットワークエフェクト」「規模のメリット」「ブランド」「高いスイッチコスト」の4つが答えになります。サービスが成長するために、何を武器に戦っていくかはこのどれかを説明すれば片付くというものです。

しかしリサーチをしているなか、強固な「ネットワークエフェクト」を作り上げる4つの公式を押さえておけば、先ほどの全ての回答モデルを満たす筋道が見えると感じました。言い換えればネットワークエフェクト構築戦略さえ誤らなければ、あらゆる競合シチュエーションにおいても他社を負かせる“ディフェンス力”を獲得できると考えます。

そもそもネットワークエフェクトとは何でしょうか?最も簡単な答えとして挙げられるのが「使えば使うほど価値が増すシステム」です。

たとえばFacebookは友人同士のやり取りを活発化させることでネットワークを構築。現在は大問題になっていますが、個人データを膨大に集めて広告収益事業を成長させました。同様にAmazonもレビュー機能を通じて買い手と売り手を繋ぐマーケットプレイスを初期に構築。購買データからレコメンド機能の精度を上げて、さらにマーケットプレイスの価値を高めました。

それではGAFAに代表されるような巨大なネットワークを構築するにはどうすればよいのか。2つほど考えがあります。1つは強固なネットワークを構築できる領域から選択することです。

下記に記した13の領域は番号順にネットワーク効果の高い事業領域といわれています。事業アイデアを0から考えている起業家予備軍の方は高いランクのものから事業選定すれば強固なネットワークエフェクト構築の確率を上げられるかもしれません。本記事では2つ目の考えを中心に説明していくため、詳細説明は元記事『The Network Effects Manual: 13 Different Network Effects (and counting)』に譲ります。

  1. フィジカル(道路・電話・鉄道)
  2. プロトコル(Bitcoin・Ethereum)
  3. パーソナル・ユーティリティ(Facebook Messenger・Slack・Skype)
  4. パーソナル(Facebook・Instagram・Twitter)
  5. マーケット(AngelList・Houzz・TravelJoy)
  6. 2サイド・マーケットプレイス(eBay・Albibaba・Amazon)
  7. プラットフォーム(Microsoft OS・iOS・Android)
  8. アシンプトニック・プラットフォーム(Uber・Lyft)
  9. データネットワーク(Google・Yelp・Waze)
  10. テックパフォーマンス(VPN・BitTorrent)
  11. 言語(Google・若者言葉)
  12. 信念(宗教・イデオロギー)
  13. バンドワゴン – 人気や熱狂(Apple・Google・Stripe)
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さて、2つ目の考えは本題にもある、4つのネットワークエフェクト戦略を考察し、過去の事例から踏襲することです。前述したように次の4つの戦略を事業に取り入れることは「規模のメリット」「ブランド」「高いスイッチコスト」を含む全てのディフェンス力に繋がると考えています。

1. ネットワーク・クラスター

長期的に見て、単にユーザーを集めるだけでは強いネットワークエフェクトは誕生しません。なかでもローカルネットワークを積み重なって作る構築方法は注意が必要です。

たとえばUberのユーザー体験を考えてみましょう。東京に住むユーザーがニューヨークやサンフランシスコの配車状況を見ることはありません。つまり、ユーザーが利用するサービス都市毎にネットワーク構築がなされ、サービス展開都市数を増加させることで巨大なネットワーク網を作り上げているのがUberというわけです。

巨大なUberネットワークを因数分解するとバラバラのネットワークの積み重なりによって構成されている点を指して「クラスター」と呼びます。

他方、Airbnbは全く違うネットワークを保有します。ユーザーが最初に行うのは旅行先選択。東京に住んでいるユーザーが東京へ民泊するローカルな体験は想定していません。つまり旅行先に該当する都市数が多くなければそもそも成り立たないのがAirbnb。言い換えれば展開数が多いからこそ民泊市場を牽引できているのです。

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Photo by Skitterphoto on Pexels.com

2つの事例を比較すると、タイトルにある通りAirbnbにはUberにはない強みがあります。それは参入障壁の高さです。

Uberは都市ベースで勝負をしているため、たとえば日本市場へ参入した場合、「日本交通」などのローカル企業と競合する形になります。ユーザー体験をベースにするとUberの競合数は数え切れないほど世界中に点在する構図ができあがってしまいます。

一方、Airbnbはグローバル規模でネットワークを広げて初めて成り立つモデルを採用。中小規模の競合他社を持つことはありません。いかに世界中にネットワークを持つかが競合力を測る物差しになるため、一度ネットワーク構築してしまえば後追いされる危険性が減るのです。

このように、仮に巨大なネットワーク構築ができた場合、どのような競合を迎え討たなければならないのかをユーザー体験視点で考える必要があるでしょう。「ローカル」vs「グローバル」ネットワークの視点から、後者の考えの方が長期戦略を語る際には説得力があるように思えます。

しかし、Uberのようにローカル都市ベースでネットワーク構築をしていく方向性の方が成長スピードが早い場合もあります。こうしたPro/Con比較をしっかりとした上で、最終的にどちらのネットワーク傾向を目指すのかを説明できるようになるとよいでしょう。

woman in the kitchen preparing to cook
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2. 仲介業者の排除と引き抜き

UberやLyft、TaskRabbitの台頭により、一時期ギグワーカー向けサービスが多数登場した時期がありました。そのなかでも注目されたのが家事手伝いサービス「Homejoy」。2010年にサンフランシスコで創業し、2015年に倒産にまで追いやられました。累計調達額が6,500万ドルにも及ぶ大型スタートアップです。

当初、家事手伝いサービス提供者にホームレスを雇用していたり、ちゃんとした契約書(W-2フォーム)を結んでいないなどの雇用形態が問題視されていたことでブランド低下を招いたことが倒産の原因だと叫ばれていました。しかしネットワークエフェクトの側面から見ると違った見方が浮かび上がってきます。それが「引き抜き」です。

Homejoyは家事手伝いマッチングが成立した時点で手数料を徴収するマーケットプレイスモデル。しかしサービス提供者がユーザーから直接「毎週同じ値段で家事手伝いに来てくれないか」と誘われてしまえばマーケットプレイスから引き抜かれてしまう危険性があります。手数料を徴収されないため、ユーザーからしたら損はなく、サービス提供者から見れば通常より15-20%多く稼ぐことができます。仲介業者に該当するサービスプラットフォームを排除し、引き抜く具合です。

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上記の事例は個人が引き抜く想定事例ですが、企業レベルで行われてしまっては後発企業がユーザー獲得コストを削減することでき有利に立つことができます。実際、Uberと競合のLyft間ではこうした引き抜き合いが行われたことが容易に想像できます。手数料キャンペーンを張り続けた方が引き抜きの勝者になるため、共倒れリスクも考えられるでしょう。

この点、Airbnbのディフェンス思考は一歩先に行っています。サービスを実際に使われた方であればわかる通り、予約が完了するまで民泊先の連絡先・住所は公開されません。ユーザー視点から考えるとプライバシーを守るための導線であるように思えますが、実は引き抜き予防線になっているのです。

Airbnbでは一泊少なくとも50-100ドル以上を支払わないとサービス提供者へリーチすることができません。競合他社からすればそこまでの費用を払って連絡先を入手できたとしても、必ずしも自社民泊プラットフォームへ引き抜けるわけではないため断念せざるを得ません。

一方、HomejoyやUberなどの単価の安いサービスや、引き抜き策を講じていないサービスはどんどんネットワークを奪われてしまう可能性があります。いまでは規約に「ユーザー間の個人情報のやり取りを禁止する」と明言することで法的に守る手法が一般的ですが、あくまでも性善説に基づくため限界があるのです。

ちなみに初期のAirbnbは類似サービス「Craigslist」に掲載されている物件情報をさらいながらマーケットプレイス拡大を狙いました。今では徹底的に自社ネットワークを守っているAirbnbが、初期にはその逆手を突いた戦略を採用していた点は頭が切れるといえます。

引き抜きをする戦略は評価されますが、成長すれば引き抜かれるリスクを背負うことを意味します。最も優秀なプランはAirbnbのように“引き抜きはするが、成長フェーズでは引き抜きはさせない”ことを、取引額の高さやユーザー導線に組み込んだディフェンシビリティーの観点からを胸を張って言えるようなサービスでしょう。

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3. マルチホーミング

シリコンバレーでは複数のアプリを同時に立ち上げながら仕事をする人を頻繁に見かけます。

たとえばUberとLyftを立ち上げたスマホ2台を運転席に立て替えておいて、リクエストが入ってきた順、もしくは高い運賃を稼げるほうを承認するという使い方をするユーザーです。買い物代行サービス市場において同様の現象が起きており、「Instacart」「Postmates」の両方をうまく駆使しながら隙間時間を作らずにお金を稼ぐわけです。

このように競合サービスをリアルタイムで同時に使う現象を「マルチホーミング」と呼びます。先述した引き抜きにも似ていますが、文脈上では「共存」というのが適切でしょう。

日本でもキャッシュレスブームが起きてから「Paypay」「メルペイ」「LINE Pay」のどれを使うか迷い、とりあえず全てインストールして持っている方は少なくないのではないでしょうか?フリマアプリにおいても「メルカリ」と「ラクマ」の併用が想定できます。

このようなアプリ複数持ちの現象が続くと、競合優位性を高く保てないネットワーク構築に終始してしまいます。実際にサービス利用されるまで選択肢が残り続けるため、ネットワークに長く留まってくれるコアファンの獲得に繋がらず、安定的な収益化に走ることが困難になります。まさにレッドオーシャン市場の様相で、最終的に競合から逃げ切るには、マーケティングコストをかけてユーザーを多く獲得して逃げるという手法が最有力になるかもしれません。

長期的に見て、ユーザーに選択肢を与えないようなサービス像を描くことができれば競合と戦う必要がなくなり、こうした説明を投資家に向かってできれば非常に魅力的で考えられた事業プランと呼べるはずです。著名投資家Peter Thiel氏が述べる「競争せずに市場を独占しろ」という名言にも繋がる考えでしょう。

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4. ネットワークブリッジ

多角化戦略をしながら他市場でもネットワークを構築、ユーザーとの接点を増やすことで様々なデータを獲得してネットワークエフェクトを最大化するのが「ネットワークブリッジ」です。

中国のEコマース企業「Alibaba」が好例です。自社傘下Eコマース事業「Taobao」「Tmall」と決済サービス「Alipay」を連携させることで相乗効果的にデータ獲得。取引データから信用情報を弾き出して金融事業にも攻勢をかけることを可能とし、「Ant Financial」の立ち上げを通じてデフォルト率の低いローンサービスを始めました。競合「Tencent」が「WeChat Pay」を通じた決済サービスの提供を始めたとしても、Eコマースを軸にした巨大な経済圏ネットワークを武器に独自のポジションを築き続けられています。

このように複数のネットワーク環境を構築することでプラットフォーム・オーナーであるAlibabaに大量のデータ資産が収集されます。ビックデータを活かすことでどのサービスチャネルにおいてもパーソナライズ・ユーザー体験を提供できるようになる、というわけです。

ネットワークブリッジの考えを起業初期から話したとしても絵に描いた餅の感じを持たれてしまうかもしれませんが、バーティカル特化で他市場へ参入できるポテンシャルを示せれば非常に良い説得力を与えられるでしょう。

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最後に簡単に内容をまとめます。

ネットワーク要素が大きく絡む事業を考える場合、起業家は自社ネットワークの特徴を長期戦略の視点から分析し、ネットワークエフェクトを強化する手法を検討、投資家へ説明する必要があります。

具体的には「グローバルネットワークの構築」「引き抜き戦略対策」「脱マルチホーミング」「ネットワークブリッジによる規模拡大」の4つを提示する公式が浮かび上がります。そして冒頭に説明した残り3つのディフェンビリティーもこの公式に紐づきます。

「ネットワークブリッジ」と「規模のメリット」は同意、「グローバルネットワーク構築」と「脱マルチホーミング」を成すためには「ブランド力」が鍵となってくるため、必然的に検討すべき条件に上がってきます。そして「グローバルネットワーク構築」ができる事業であれば「スイッチコスト」は自ずと高くなるでしょう。こうして、ネットワークエフェクトに関する4つの公式を考えることで、投資家が起業家に求めるディフェンビリティーの説明を一挙に行うことができます。

タイトルに記したAirbnbの強さは、この4つの公式をほぼ全て満たせていることが要因と推測できます。唯一ネットワークブリッジが弱いように思えますが、最近ではビジネス旅行市場へ積極的に攻勢をかけていたり、P2Pクラウドファンディングサービスを買収していることから多角化戦略に舵を切るタイミングはじきに来るでしょう。

一方、Uberはネットワークブリッジを除く3つの点において決定的な弱点を抱えています。せっかく成長させたネットワークが縮小するリスクを多々含んでおり、競合他社の動向を気にしながらネットワークエフェクトを維持できるか常に気を配る必要があります。

みなさんの事業では今回紹介した4つのネットワークエフェクトの特徴を何個抑えられていたでしょうか?仮にいくつか考えの抜けている点があれば、しっかりと公式に沿ってテンプレート回答を用意しておくと無駄な説明準備コストをかけずに済むため、実際にチーム内で議論してみるとよいかもしれません。

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【Airbnbハック】 ECブランドが仕掛ける“体験する宿泊事業”ーー 新コンセプト「Airbnb as a Service」とは?

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ピックアップ記事: Why your eCommerce store should open an Airbnb ECブランドによるチャネルハックが起きています。顧客へ商品・サービスを届ける媒体の費用対効果を圧倒的に効率化させる手法が一般化し始めている印象です。 小売ブランドが大きなメリットを受けるチャネルハックの分野は往々にして不動産。たとえば2015年にサンフランシスコで創業した「b8ta」の…

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ピックアップ記事: Why your eCommerce store should open an Airbnb

ECブランドによるチャネルハックが起きています。顧客へ商品・サービスを届ける媒体の費用対効果を圧倒的に効率化させる手法が一般化し始めている印象です。

小売ブランドが大きなメリットを受けるチャネルハックの分野は往々にして不動産。たとえば2015年にサンフランシスコで創業した「b8ta」の例が挙げられるでしょう。累計調達額は3,850万ドルに及ぶ大型スタートアップです。

b8taは月額2,000〜3,000ドルで店舗の一画を各ブランドの販売商品の展示スペースとして割り当てる不動産事業を展開しています。自社で不動産を購入することはないため、いわゆる又貸しのビジネスモデル。EC事業者が手軽に一等地店舗に商品を並べる機会提供をおこなっています。

月額サブスクリプションモデルのためb8ta側は一定売上が担保されます。従来、店舗ビジネスを展開する事業者が収益をあげるには商品を売りさばく必要がありました。しかし、販売売上に左右されずに一定の売上予測が可能になったのです。出店ブランド側も多額の出店費用リスクを負う必要がなくなるWin-Winの関係構築ができました。

さて、b8taの事例は「店舗チャネル」のハッキングです。店舗を持てなかったECブランドが柔軟な料金体制と出退店契約を通じて手軽に顧客へ商品体験を届けられるようになりました。

そして昨今、ECブランドがAirbnbを通じた「宿泊チャネル」のハッキングを行なっている傾向にあります。

ホスピタリティをマーケティング戦略の武器にする

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Airbnbに「出店」するECブランドたちが徐々に登場してきました。ここから簡単に4社ほど事例をピックアップ記事から引用する形で挙げたいと思います。

  • Casa Mami: デザイナーズECブランド「Casa Mami」はAirbnb宿泊事業を戦略の主軸に据えている企業。特別にリノベーションされたデザイナーズハウスにAirbnb経由で宿泊ができます。ハウス内に置かれている全ての家具や日用品はECサイト上で購入できる導線ができています。
  • Utility Canvas: 日用品ECブランド「Utility Canvas」は都市部で宿泊場所を探している人ではなく、バケーション客をターゲットに宿泊箇所を提供。1泊85ドルから滞在が可能。最大6人が宿泊でき、ビーチすぐ側でゆったりと過ごせるそう。部屋には同ブランド商品が置かれており、滞在中に自由に使えるとのこと。
  • Floyd: Eコマース事業者である家具ブランド「Floyd」。 本記事執筆時には14拠点の宿泊部屋を展開。ピックアップ記事によると、Airbnbを利用している旨を前面に推し出しているとのこと。
  • Marine Layer: 衣料品ブランド「Marine Layer」はAirbnbに3つのアパートルームを展開。実店舗を持っており、宿泊部屋は全て同ブランドが主要都市で展開する小売店の上階にあります。 部屋の内装や雰囲気はMarine Layerが展開する服のラインアップに合うように調整されています。 また、Airbnbsに滞在する人は、店舗で15%の割引を受けられる特典付き。 Marine LayerはAirbnbと公式のパートナーシップを結んでいませんが、サイト上ではまるで自社運営の宿泊事業のようにサービスを展開しているのが特徴です。
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ここまで紹介した4つのブランド達は「ホスピタリティ・ブランディング」を戦略軸に置いている企業です。

ホスピタリティマーケティングの利点は、単に製品だけを売るのではなく、“ライフスタイル全体を売る”ことに重きを置いています。配置する全ての生活用品のキュレーンレベルを高め、ブランド商品を通じてどのような生活を送れるのかを体験させます。

なぜホスピタリティ・ブランディングを重視しているのかという理由に次のデータが挙げられます。冒頭に紹介した記事よると、ミレニアル世代の84%が一般に認知されているブランディング手法を好まない/信用しないと回答しているそうです。一方、自分たちの価値観と一致し、個々のアイデンティティに適合する「本物のブランド」に魅了される傾向にあるとのこと。

単調な商品機能の説明ではなく、「体験」を求める時代になってきたことが上記のデータから伺い知れます。こうした時代のソリューションの1つが「店舗」であり、最近登場したのがECブランドによる宿泊事業といえるでしょう(Marine Layerのみ実店舗所有)。

ソフトウェア化するAirbnb

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Image Credit : © Airbnb, Inc.

ブランドがAirbnbを活用する強みは「ハコ」がすでに用意されている点でしょう。不動産を購入することなく、ホスト宅を一度内装を加えて、生活環境を整えるだけで宿泊事業として展開が可能となります。

こうした既存ハードウェア(ここではホストが持つ不動産)にSaaSの概念を持ち込み、宿泊 × ブランドの流れに最適化した業態を「Airbnb as a Service」と筆者は呼んでいます。

ビジネスモデルの観点からでもWin-Win-Winの3方良しの関係を築けます。

ホスト側からすれば、信頼できるブランドが部屋をデザインしてくれるため、高品質な滞在環境を実現できるでしょう。滞在客からの評価も高くなる傾向になるでしょうから、必然的に検索結果上位に選ばれ、平均流入客も比較的高くなると予想されます。

Airbnb側にとっては、ブランドが出店してくれることから、さらなるサービス認知度の向上、先述したホスト側のメリット増大が見込めます。また、ブランド監修の滞在体験は単価を多少高く設定することで、収益増加が狙えるかもしれません。

white fabric sofa set with coffee table
Photo by Milly Eaton on Pexels.com

ブランド側からすれば、初期投資に当たる部屋のデザイン費用さえ負担すれば世界中のあらゆるAirbnbネットワーク上に商品体験できる拠点を構えることができます。なお、初めから自社ブランドと雰囲気の合う部屋を持つホストにリーチすれば、内装コストも省き、宿泊施設に置く商品コストのみでで宿泊事業へと進出できるでしょう。

ちなみに先述したデザイナーブランド「Casa Mami」のように家を丸ごとリノベーションすることを除き、部屋の内装変更は中堅ブランドにとってみれば巨額の支出にはならないでしょうし、事実上ブランド商品を適切に配置するだけで事業展開できそうです。

また、Walmartに買収された小売ブランド「Bobonos」が展開するガイドショップ機能を持つような拠点として働くことも考えられます。Bonobosは店舗にほとんど在庫を持たず、顧客が店舗で商品を体験・購入の決定をしたあとはECサイト経由で購入プロセスを踏んでもらい、購入品は後日の自宅配送される仕組みを採用。

こうした店舗戦略を模倣し、在庫スペースを確保しなくてはならない店舗の代わりにAirbnbを使う活用法が確立されているのです。ミレニアル世代が望まないマーケティングへ莫大な費用をかけるのではなく、1ライン1商品を各滞在拠点に設置するだけでマーケティングチャネルを確立できます。

加えて、暮らしの中で商品体験をおこなうため、定量データでは測れない多大なインプレッション率を弾き出せるのも魅力です。どのような商品に興味を持ち、どのような生活をしているのかを定性的な視点から測ることができるはずです。

このように、宿泊施設の流動性はAirbnbの登場以来、世界中で高まっています。日本参入を果たしたOYOなども、こうした文脈のなかでECブランドの宿泊事業として利用される可能性は高いかもしれません。Yahoo!や楽天、BASE、ZOZOに出店するオーナーさん達が手軽に自社ブランド商品を生活体験できる場所として、様々な宿泊事業者と提携する未来はちょっと楽しそうです。

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Airbnbが出張滞在特化の「Urbandoor」買収ーー法人需要と不動産事業者でエコシステムづくり狙う

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ピックアップ:How Can Airbnb Guests Live Like Locals if Hosts Are, Well, Corporations? ニュースサマリー:Airbnbは6日、ビジネストラベラー向けに滞在場所を提供する「Urbandoor」を買収したと発表した。金額は公表されていない。同社は2015年創業で、60以上の国、1500以上の街で法人出張者を対象に長期・家具付きのア…

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ピックアップHow Can Airbnb Guests Live Like Locals if Hosts Are, Well, Corporations?

ニュースサマリー:Airbnbは6日、ビジネストラベラー向けに滞在場所を提供する「Urbandoor」を買収したと発表した。金額は公表されていない。同社は2015年創業で、60以上の国、1500以上の街で法人出張者を対象に長期・家具付きのアパートメントを運営するホスピタリティースタートアップ。

Airbnbのプレスリリースによれば、Urbandoorの特徴にはその契約形態にある。同社は部屋の貸主ではなく、それを保有する不動産屋や集合住宅の地主、ビルオーナーと直接交渉し、法人向け長期滞在スペースの魅力や金銭的リターンを伝えていた。

話題のポイント:Urbandoor買収の背景には「Airbnb for Real Estate(Airbnb-friendly building)」というプログラムが大きくかかわっていそうです。同プログラムは、不動産会社や土地所有者と協創を目指すもの。実は2016年から始まっている同社のプログラムの中ではかなり早い段階のものです。

参加する不動産会社や土地所有者、ビルオーナーは住居のマネジメントに関わるサービスを受けることが可能になります。以下はサービスの一例。Airbnbを通して部屋を貸し出すことを許可制にすることで、「いつの間にか貸し出されている」という状況を避けることが可能となります。また、全ての住居の内幾つの部屋が貸し出し中かなどの分析ツールも提供され、リアルタイムで管理することが可能。

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加えて、オーナーには固定のサポートチームが付くことで毎度同じ説明をすることなくハイレベルな援助を受けることができるため、「マネジメント」という観点でコンサルティングサービスに近いともいえるでしょう。今回買収したUrbandoorは、Airbnb Friendly Buildingsがターゲットとしている層とのコミュニケーションに優れている、いわばコネクションが強い企業であるといえます。

民泊と不動産保有者はしばしば対立関係で表されますが、Airbnbは当然仲良くするのが得策です。2者間の関係性に、さらに透明性が増していけば市場として新たな動きが起こっていくのだと思います。

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スタンフォード大のチーム、AIでAirbnbの価格を69%の精度で予測するシステムを発表

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Airbnb の価格予測を人間がやる必要はない — ユーザレビューやレンタル機能などの情報がインプットされた人工知能が予測してくれる。それがスタンフォード大学の院生からなるチームが出した結論だ。彼らは Arxiv.org 上で、機械学習と自然言語処理を活用して将来の Airbnb での価格を予測するシステム「機械学習とセンチメント分析を使った Airbnb の価格予測」に関する論文を発表した。 今…

Image credit: baloon111 / 123RF

Airbnb の価格予測を人間がやる必要はない — ユーザレビューやレンタル機能などの情報がインプットされた人工知能が予測してくれる。それがスタンフォード大学の院生からなるチームが出した結論だ。彼らは Arxiv.org 上で、機械学習と自然言語処理を活用して将来の Airbnb での価格を予測するシステム「機械学習とセンチメント分析を使った Airbnb の価格予測」に関する論文を発表した。

今回の論文と並行して、研究者たちは最適化したモデルを GitHub にも公開している。

共同執筆者らは以下のように述べている。

来客数にも影響するため、物件のオーナーが Airbnb の宿泊価格を設定するのは簡単ではありません。一方で、利用者側は物件の最適値に関して最小限の知識しかないまま価格が適正なのか判断しなければなりません。

今回の論文の目的は、機械学習やディープラーニング、自然言語処理といった技術を使って、信頼性の高い価格予測モデルを開発することです。そうすることで物件のオーナーと利用者の双方が、物件に関して最小限の情報しかなくても適切な価格判断ができるようになるのです。

価格予測システムをトレーニングするために、研究者たちは公開されているニューヨーク市の Airbnb のデータセットを利用した。これは、それぞれ96の特徴をもつ50,221の物件からなるものだ。彼らは特徴をひとつずつ調べ上げて、頻出する回復不可能な破損フィールドを取り除き、ブール値をバイナリに変換した。さらに、重複を取り除いて、ホスト画像の URL などの役に立たない特徴を削除した(これによって特徴は22まで減った)。チームは元データの90%(39,980のサンプル)をトレーニングに使い、5%(9,996のサンプル)を検証とテスト用に残した。

トレーニングの前に、チームはオープンソースの TextBlob コーパスを使ってユーザレビューのセンチメントを解析し、それぞれに-1(非常にネガティブなセンチメント)から1(非常にポジティブなセンチメント)のスコアを付けた。リスティングごとに関連するすべてのレビューのスコアの平均値を求め、それをトレーニングデータセットに特徴の1つとして追加した。

このチームは線形回帰やツリーモデル、サポートベクター回帰、ニューラルネットワークなどの複数の価格予測用機械学習技術をテストした。しかし、彼らのレポートによると、最も成績が良かったのはサポートベクター回帰で、テストデータに対して69%の R2スコア(現実のデータポイントをどれくらい正確に近似できるかを示す指標)を達成した。

彼らは次のように述べている。

データセットが不均一で、考慮するのが不可能な物件所有者の性格などといった隠れた要因や相互作用があることを考えると、これくらいのレベルの精度は今後に期待が持てると言えます。

彼らは、トレーニングサンプルのさらなる収集や、新たなニューラルネットワークアーキテクチャの実験は将来の研究に委ねるとしている。

<関連記事>

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Airbnbがホテルでもエアビーでもない「Lyric」に1億6000万ドル出資、その提携の背景を考察する

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ピックアップ:Airbnb Leads New $160 Million Funding for Short-Term Rental Brand Lyric ニュースサマリー:サンフランシスコ発の不動産・ホスピタリティー系スタートアップ「Lyric」は4月17日、1億6000万ドルの資金調達を公表している。出資したのはAirbnbで調達ラウンドはシリーズB。 賃貸経営者がラグジュアリーアパートメン…

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ピックアップAirbnb Leads New $160 Million Funding for Short-Term Rental Brand Lyric

ニュースサマリー:サンフランシスコ発の不動産・ホスピタリティー系スタートアップ「Lyric」は4月17日、1億6000万ドルの資金調達を公表している。出資したのはAirbnbで調達ラウンドはシリーズB。

賃貸経営者がラグジュアリーアパートメントの貸し出し可能なプラットフォームを運営。特にビジネストラベラー向けに一室丸ごと貸し出すのが特徴で、出張時の生産性向上やホスピタリティーの面を売りにしている。

話題のポイント:Airbnbにも「一室丸ごと貸し出し」な物件はありますが、Lyricはそのエリアのみに特化したサービス。競合には、以前「ユニコーン企業」にてお伝えしたSonderなどが類似サービスとなっています。

Lyricの特徴に関して、同社共同創業者のJoe Fraiman氏はSkiftにて以下のようにコメントしています。

「We’re not a hotel. We’re not an Airbnb. We basically design and operate what we call ‘creative suites,’」(Lyricはホテルでも、Airbnbでもありません。’クリエイティブスイート’と私たちは呼んでいますが、そんな空間をデザインして、作り出しているんです)。

アメニティーは高級で使い心地の良いものを用意し、現代的なビジネストラベラーが必要とする高速Wi-Fiなどを揃えた「クリエイティブスイート」という環境を作り出しています。

では、なぜ今回AirbnbがLyricへの出資を決めたのでしょうか。CB Insightが公開したデータによれば、現在Airbnbは500万件以上もの物件が掲載されています。その反面、Sonderは2万件ほど、そしてLyricも1000件ほどと公表しています。

Credit: CB Insights

ただ、Airbnbの物件は基本的に家主がそのままリスティングするためLyricやSonderのようなこだわり抜いたデザイン設計がされているわけではありません。

Lyricのサイトには企業パッションである3つのコアが掲載されています。これによると、Lyricという会社は「Design」,「Community」,「Technology」を組み合わせたコンセプトを持っています。

同社はインハウスで、部屋のデザインを担当しており現代的かつ目的に合わせることを心掛けているとしています。またデザインと同じく、インハウスのデータサイエンティストやエンジニアが「シームレスな経験」をキーワードにサービス設計を施します。ここに最後のパーツであるコミュニティーを組み合わせ、街のスペシャリティーを理解したうえで、Lyricの物件が一緒に成長していけるようなコミュニティー形成を心掛けているとしています。

つまり、AirbnbのLyricへの出資は「こだわりのある」部屋のリスティングを差別化して増やす目的意識があるのでしょう。

Airbnbがディスラプトしているホテル業界ですが、伝統的なホテルも対抗策を講じてきています。例えば、「Marriott(マリオット)」は高級ホテルとして有名ですが、Washington Postによれば、「Homes & Villas by Marriott International」と呼ばれるAirbnbライクな取り組みを開始しているようです。今のところ、米国、ヨーロッパ、カリビアン、ラテンアメリカのマリオット系列において、住居としての利用が可能としています。

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乱立する「○○版Airbnb」モデルーー出張向けの「Mint House」が150万ドル調達、勝負ポイントは”テックフレンドリー”さ

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ピックアップ:Mint House Gets $15M To Enhance Your Business Travel Experience  ニュースサマリー:ビジネス旅行者向けホスピタリティーサービスを提供する「Mint House」は9日、シリーズAにて150万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はRevolution Ventures。また、NextView Ventures、Nel…

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ピックアップMint House Gets $15M To Enhance Your Business Travel Experience 

ニュースサマリー:ビジネス旅行者向けホスピタリティーサービスを提供する「Mint House」は9日、シリーズAにて150万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はRevolution Ventures。また、NextView Ventures、Nelstone Ventures、Ingleside Investors前Starwood Hotels CEOのTom Mangas氏も同ラウンドに参加している。

同社はビジネストラベラー向けにハイエンドな宿泊施設を提供しているスタートアップ。米国内のみの運営で、主にデトロイト、ナッシュビル、インディアナポリス、デンバー、マイアミなどを中心に計200の施設を提供し、今夏までに新たに200施設を追加するとしている。

アプリ一つでチェックイン・チェックアウトなどの諸手続き、またコンシェルジュサービスをシームレスに実行できるのが特徴。テクノロジーに順応させ、ストレスフリーな旅を実現できる。

話題のポイント:以前ご紹介したように、「○○版Airbnb」のビジネスモデルが乱立している状態です。

<参考記事>

今回ご紹介するMint Houseも、ある意味ではこの枠組みに入るものです。Airbnbでは、多くのケースでホスト側とやり取りを行い、入居時間や退去時間、鍵の場所などコミュニケーションを取らなければなりません。同社のサービスではそれらを一切排除し、シームレスな宿泊体験を提供しています。

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Nashvilleの家。1泊225ドル

特に、時間的制限の多いビジネストラベラーをターゲットとすることで特定の市場確保を目指している印象を受けます。ビジネストラベラーに関わる市場はグロース段階で、今後も大きく成長が見込まれる分野です。

Allied Market Researchのレポートによると、2023年までにビジネストラベルの市場規模は約165億ドルにまで膨れ上がると予想しています。特にアジア太平洋地域における2017年から2023年までの年平均成長率は5.5%とエリア別で最も高くなっているんです。

Business travel market by geography
Credit:Allied Market Report

とはいえ、Airbnbとの差が「テックフレンドリー」や「シームレス」のみだと今後淘汰されてしまう可能性は多く残されています。また、Airbnbは「Airbnb for Work」といった取り組みも積極的に始めており、法人利用の加速を進めているのは明らかです。

では、どう差別化を図ればいいか。逆に言えば、Airbnbには存在しない何に対して今後の需要を予測し、同市場周りの新サービスを打ち出せるかがカギになってきそうです。また、Selinaの際も書きましたが、ローカルにブランディングを進めていく戦略もAirbnbに打ち勝てる大きな一歩になるのではと考えています。

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ノマドワーカー版Airbnbの「Selina」が1億ドル調達、南米で目指すノマド民の聖地

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ピックアップ:Airbnb Competitor Selina Secures $100M In Series C, Relying On Real Estate As Part Of Business Model ニュースサマリー:トラベルスタートアップの「Selina」が4月26日、シリーズCにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。Accel Industriesがこのラウンドをリードし、…

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ピックアップAirbnb Competitor Selina Secures $100M In Series C, Relying On Real Estate As Part Of Business Model

ニュースサマリー:トラベルスタートアップの「Selina」が4月26日、シリーズCにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。Accel Industriesがこのラウンドをリードし、Colony Latam PartnersとGrupo Wieseも参加している。

同社はノマドワーカー向けに短期宿泊兼コワーキングスペースを提供している。プラットフォーム自体はAirbnbと似ている設計だが、ノマドワーカーが快適に過ごせるような施設やローケーションが多いのが特徴。

話題のポイント:「○○版Airbnb」といったビジネス形態が増えつつある印象です。例えば、つい先日Airbnbが1億6000万ドルを出資した「ビジネストラベラー版Airbnb」のLyric。正直、ビジネストラベラーもノマドワーカーもほぼ変化はありませんが、確かに部屋の特徴を見ていくと多少の違いはあるのかな、といった印象です。

Lyricの部屋が、都市部のラグジュアリーアパートメントの一室ならば、Selinaは「避暑地のリゾート地」の一室のようなイメージです。彼らが多く拠点を保有する南米という特徴からか、提供サービスの中にはサーフィンのオプションもあり、比較的自由度の高いフリーランスノマドワーカーに特化しているように思えます。

また同社は、プログラミングのブートキャンピングも自社にて主催。南米という地の利を生かし、まさに「健康」な日々を過ごせるプランなども提供しています。

まだ空いてるスペースがありそうな「○○版Airbnb」ですが、当然のことながらAirbnb自体もサービスの拡大をしてくるはずです。そう考えると、各社にとってどれだけローカルにブランドとして根付けるかも大きな生き残り要素となってくるかもしれません。

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