学業の状態などからローンを審査する「Stilt」、与信の多様性に向け1億ドル調達

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ニュースサマリー:米国の移民や特定のビザ向けにローン型フィナンシャルサービスを提供するStiltは27日、Silicon Valley Bankからのデッドファイナンスによる1億ドルの資金調達を実施したことを発表している。

話題のポイント:アメリカで生活する際、SSN(Social Security Number)ほど客観的に信頼度を提供することができるツールはありません。ただ、アメリカでVISAをきちんと取得し、移民や留学生として正式な形で来ているからといって、無条件で得られるものでもないのも実情です。

むしろ、ほとんどの留学生はSSNを持っていません。留学生が取得することの多いF-1ビザは、そもそも所得を得ることが前提にないため、SSNの取得が必要ないと考えられているからです。

そのため、例えばアパートメントの契約をしようとしても、大げさに言えば銀行口座に100万ドルあることが証明できようが、SSNの提出が規約に入っていると契約を断られてもおかしくありません。つまり、SSNを理由にフィナンシャルサービスを受けられないため、クレジットスコアを持てないという悪循環に陥るのです。

そうした現状を変えることを目指すのがStiltです。Stiltでは、SSNではなく学業の状態(GPAなど)、銀行口座の出費傾向などから総合的に個人の信頼性を分析し、ローンが可能かどうかを決定します。至って普通のフローのように思えますが、SSNが前提のアメリカではこうしたサービスは、特にデジタル上では存在しなかったのです。

例えば後払い市場をリードするスタートアップとして有名なAffirmなども、利用の際にはSSNが前提にされており、それ以外での信頼性担保を証明する手段は考慮されていません。現段階でStiltは、ローンとオリジナルの銀行口座のみのサービス提供ですが、将来的には後払い市場など包括的な金融サービスへの拡張も考えられます。

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