xR時代に必要な“アイトラッキング”問題を解決する台湾スタートアップ「Ganzin Technology」

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Image Credit:Ganzin Technology

国立台湾大学(NTU)の教授であったShao-Yi Chien氏が始めたGanzin TechnologyはxRデバイスに搭載する視線追跡モジュールAuroraを開発した台湾のスタートアップです。

ARディスプレイによる目の動きの記録は、現実世界に対して有用な情報を適切に表示するのに欠かせない要素です。というのも、その人が何をどのような意図で見ているのか分からなければ情報過多で体験が損なわれてしまうからです。ユーザーが見るものを理解するように、ユーザーの状態も抽出しなければいけません。

しかもこれはARグラスに求められる要求の一つです。目の状態を把握するためとはいえ、限られたスペースを圧迫し、演算量と電力消費が多いハードウェア・ソフトウェアを採用することはできません。ここに課題があります。

Image Credit:Ganzin Technology

市場に出回っている他の視線追跡ソリューションとは異なり、軽量で小型、デバイス統合が簡単であることがAuroraの特徴です。Auroraは4つのユニットで構成されています。ユーザーの目の動きを追跡する2つのアイカメラと目が見ている景色を撮影するカメラ。そして視線座標を処理する中央のアイトラッキングICです。

構成要素だけを見れば他社のソリューションと大差はありませんが、Auroraのコアは画像処理アルゴリズムです。よりスペックの低いチップで動作できるからこそフォームファクタの小型化と省電力化に成功しました。1回の充電で終日動作できるということなので、ハードウェア・ソフトウェアの両面から最適化が図れるのは強力な武器と言えます。これらの性能と使いやすさが評価され、昨年の2020年CESではCES2020 InnovationAwardを受賞しています。

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