YCの2024年冬バッチから輩出、〝創薬版ChatGPT〟のYoneda Labsが400万米ドルをシード調達——Khosla Venturesがリード

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Y Combinator のオフィスの外に立つ Yoneda Labs 創業者の皆さん。左から、Jan Oboril 氏、Michal Mgeladze-Arciuch 氏、Daniel Vlasits 氏。 Image credit: Yoneda Lab

Y Combinator(YC)が支援する Yoneda Labs は、AI を使って創薬を支援するスタートアップで、400万米ドルのシード資金を調達したと発表した。このラウンドは Khosla Ventures がリードし、500 Emerging Europe、468 Capital、YC が参加した。この資金は、Yoneda のラボ内で化学反応を実行するために必要なロボット自動化装置を取得するために使用される。

Michal Mgeladze-Arciuch 氏、Daniel Vlasits 氏、Jan Oboril 氏によって設立された Yoneda Labs は、化学製造のための基礎モデルの開発を目指している。

Mgeladze-Arciuch 氏は VentureBeat に次のように説明した。

化学者が新薬を作る必要があるときはいつでも、我々は AIを 使ってその方法を伝えます。これによって新薬創出が可能になり、化学薬品製造がより速く、より安くなります。

機械学習と生成 AI モデルは、すでに航空宇宙工学のような物理学指向の分野を加速し始めています。Yoneda Labs のチームは、化学の基礎モデルを構築する斬新なアプローチを持っており、化学物質の製造方法を変え、創薬プロセスを改善する可能性があります。

創薬プロセスの合理化

当然のことながら、創薬は簡単なプロセスではない。特に、2つの分子を組み合わせて化合物を組み立てようとする場合はそうだ。このプロセスが難しいのは、「この反応を起こす方法、分子を実際に結合させる方法を考えなければならないからです」と Mgeladze-Arciuch 氏は言う。

適切な温度、溶媒、塩基、反応を起こすためのさまざまな条件が必要なのです。

化学者は、分子のペアリングに試行錯誤を繰り返すだけで、法外な時間を費やしている。Yoneda Labs は、それをスピードアップできる AI モデルがあると信じている。

このスタートアップは、化合物の合成に携わる化学者が、自動化、シミュレーションツール、計算機によるサポートなしにウェットラボで試験を行っていることを指摘した。最先端のウェットラボを運営することで、Yoneda Labs は薬理学プロセスの主要な側面を排除し、医薬品メーカーの時間とリソースを節約する AI を開発したいと考えている。

主なライバルは、科学文献に記載されているものだ。化学者は、過去に行われた類似の反応を見つけるために本を読みあさり、その情報を使って、起こそうとしている反応への取り組み方に影響を与えるのだ。

実験2万回への競争

しかし、まだそこまでには至っていない。まずはトレーニングデータを確立する必要があり、そのためには実験を重ねる必要がある。Yoneda labs は、科学や医学の分野で働く際に重要な、悪いデータを避けるためのモデルを教育するために外部データを避けている。Mgeladze-Arciuch 氏は、量より質だと述べている。そのため、彼の会社では、ロボットによる自動化を用いて必要なデータをウェブ・ラボで作成する。

我々は、毎日200の実験を行うことができるでしょう。これは、20人の化学者が行えることとほぼ同じです。そうやって独自のデータセットを構築し、その上でモデルを訓練するのです。

道のりは長い。同社は、このモデルを実用化するためには約2万回の実験が必要だと見積もっている。同社は、年内にこれを完了し、Yoneda Labs がそのモデルをリリースすることができると予測している。

低分子を狙う

このように幅広い業界において、同社は低分子化合物の創製に注力している。

私たちは、作成可能なすべての低分子化合物を一般化できるモデルを作ろうとしています。これまでのところ、私たちは実験の選択方法をテストしてきました。つまり、このモデルをトレーニングするパイプラインの重要な部分のひとつは、どのような実験をロボットに実行させるかということです。私たちは、化学で非常に人気のある2つの反応クラスから得られたいくつかの反応について検証しました。これらの反応クラスは、特に医薬品化学において非常に人気があります。つまり、新薬を発見しようとする時点で、です。

低分子とは何か?低分子化合物は、現在市販されている医薬品の「かなりの部分」を占めている。一方、高分子はタンパク質型の薬に使われる。

Yoneda Labs は、化学者が起こしたい有機反応と必要な理想的条件を特定するのに役立つモデルを1つだけ用意する予定だ。最終的には、「ユニバーサルモデル」となることを目指している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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