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元Googleのエンジニアらが作る、場所にとらわれない少し未来の働き方「Continuum(コンティニュアム)」——クラウドファンディングも快調

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WeWork が生まれ、Airbnb が重宝する世の中になった今、「まだ、東京で消耗しているの?」と自分自身に言いたい(笑)。もっとも、筆者の場合は、どこかへ移住するというよりは、世界を飛び回っている方が性に合っているのだが、しかし、WeWork や Airbnb をもってしてもまだ乗り越えられない壁はある。 一つは言葉の壁だが、これは Google の翻訳イヤフォン「Pixel Buds」や、翻…

From the concept movie of Continuum
Image credit: WorkAnywhere

WeWork が生まれ、Airbnb が重宝する世の中になった今、「まだ、東京で消耗しているの?」と自分自身に言いたい(笑)。もっとも、筆者の場合は、どこかへ移住するというよりは、世界を飛び回っている方が性に合っているのだが、しかし、WeWork や Airbnb をもってしてもまだ乗り越えられない壁はある。

一つは言葉の壁だが、これは Google の翻訳イヤフォン「Pixel Buds」や、翻訳デバイス「Onyx」、Skype の翻訳サービスの発展などに期待してみよう。もう一つは時差と距離感だ。この2つ目の壁は、Skype が大きく貢献してギャップを解消しつつあるものの、それだけでは乗り越えられない課題は残る。

グローバル化が進めば、スタートアップとて、国内外のさまざまな場所にオフィスを複数持つことは、もっと普通になるに違いない。ちょっと仕事で相談したい同僚がいたとして、相手が同じオフィスにいれば、手が空いていそうな隙に肩を叩いて声をかける、ということもできるだろう。しかし、既存のコミュニケーションツールは、こういう芸当が苦手だ。電話をかけると往々にして相手の思考を中断させることになるし、チャットツールを使った場合は、対話がリアルタイムでない場合、そのメッセージのスレッドが追えなくなる。

Continuum(コンティニュアム)は、ひょっとしたら、この種の問題を解決してくれるかもしれない。このプロジェクトに取り組むメンバーは元グーグルのエンジニアやデザイナーなどで構成され、現在、東京・代々木八幡にある共同作業スペースで準備に勤しんでいる。当面の計画では、この代々木八幡のスペースと、鎌倉にある日本家屋のスペースを結び、どちらの環境にいても違和感を極小化した状態でメンバーが共同作業できることが目標。双方の環境に「ポータル」と名付けられた大画面を壁面に備え付け、相手の声もその周辺から聞こえるようにする。将来的には、時差がある環境同士でも共同作業ができるよう、話したことをポータルが自動的にノートテイクしてくれるようなソフトウェアも開発したいという。

この種のコンセプトは Continuum が初めてというわけではなく、gengo にもアメリカと渋谷のオフィスを結ぶ〝ワームホール〟が備わっていたし、バリ島に住む尾原和啓氏が Fringe81 のオフィスとバリ島をつなぎっぱなしにして経営に参画している事例を取り上げたことがある。私も時々実践してみて思うのだが、空間と時間を超越して仕事するのは、インターネットで仕事する者にとって、ちょっとした挑戦かもしれない。それは自分に対する挑戦でもあり(体力的にも知力的にも)、それを叶える技術を生み出す挑戦でもある。

Continuum のチームは Readyfor 上でクラウドファンディングを実施していて、キャンペーン期間を1ヶ月ほど残して目標額の6割ほどを達成している。このまま行けば、おそらくクラウドファンディングは成功裏に終了するだろうが、それは彼らにとってスタート地点に過ぎない。Continuum のチームは、日本財団が運営するソーシャルイノベーター支援制度で、228件の中から7人のファイナリストの1人(チーム)に選ばれた。11月19日に都内で開催される「日本財団 ソーシャルイノベーションフォーラム 2017」の3日目、ソーシャルイノベータープレゼンテーションのセッションを経て、晴れて高い評価が得られれば PoC へとプロジェクトを進める計画だ。

Continuum のチームではコワーキングスペース、公民館、学校などにポータルを導入する計画を持っていて、ソーシャル企業であると同時にサステイナブルなビジネスを展開するため、エンタープライズ向けにもシステムを販売したい考え。コンセプトムービーからは、既存のテレカンシステムやコミュニケーションツールを超越したものが生み出されそうな心意気が伝わってくる。

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