12月1日から3日まで、アメリカのニューヨークで主要ビジネス系メディアの1つであるBusiness Indisderがカンファレンスを開催しました。スピーカーとしてアマゾンCEOのJeff Bezos氏などが登場。今回はコンファレンスの中から、「Fire Phoneの失敗」、「投資家との付き合い」そして「後継者問題」の3つのトピックに関してご紹介しようと思います。
まず最初にFire Phoneの売上不調に関しての質問がされています。それに対してBezos氏は開口一番「とにかくFire Phoneのローンチが早かった」と説明し、続けて「アマゾンはこれまでと同様に数多くの端末開発に取り組んでいます。Kindleなど多くの成功事例もあります。ですがFire Phoneに関しては長い目で様子を見ていただきたい」と回答していました。
直接的なことは言ってないとはいえ、暗にFire Phone案件が頓挫していることを認めたと上記の内容から汲み取っていいのではないでしょうか。確かに、10月にはアマゾンがFire Phoneの売上不振により、1億7000万ドルの償却を強いられたというニュースがありました。
また、同記事にもある通り、当初は199ドルで販売されていたFire Phoneが、2年縛りといえども99セントに値下げされている点からも、アマゾンの苦戦を伺うことができます。
ちなみに今回のBezos氏のローンチが早かったというのはレビューにも現れており、現在のFire Phone 32GB、AT&T端末のレビューは5つ星中2.5です。一方でAT&Tで売られている32GBのiPhone 4、4S、5いずれもレビューは3.5を超えています。このレビューが今後の開発によってどこまで改善されるのか注目されるでしょう。
次に質問者が、Bezos氏が年間でIR(Investor Relations)に6時間しか時間を割かないことに対しての考えを聞いています。
これに対しBezos氏は「私は、例えば年間に数多くの企業に出資し、自分のポートフォリオ企業からのリターンを活動の要としている投資家とは会いません。なぜなら私は彼らを投資家ではなく、ただのトレーダーとしか見ていないからです。そのため、数少ないポートフォリオに出資し、ほんとに長い間支援してくれる投資家としか向き合わないのです」と発言しています。
アマゾンが収益の多くを投資につぎ込む経営手法は有名です。その点でBezos氏がリターンだけを求める投資家とは接したくないという考えには一貫性があると言えるでしょう。しかし投資家サイドから見れば、リターンがないのは不満の種。こちらの記事にありますが、2014年7月から9月期の決算で、4億3700万ドルの赤字を計上。これは実に前年同期に計上した4100万ドルの赤字の10倍。これを受けて株価は313ドルから279ドルまでの低下を記録しました。
このような赤字決算後に上記のような投資家との付き合い方を語られると、彼の経営理念がほんとうに確固たるもので、それがアマゾンの強みであるとも不思議と納得させられてしまいます。
また、話題は後継者の話に。質問者が「後継者に関して何かしら考えはありますか」と尋ねると、Bezos氏は「もちろん」と回答。しかし具体的な名前は秘密のままでした。
このやりとりから、来年か、再来年かわかりませんが、近い将来アマゾンを継ぐ人材が紹介されるかもしれません。ちなみにピックアップ記事では、Bezos氏の生まれてからの経歴もまとまって載っているので、ぜひご一読してみてください。また、カンファレンスでの50分に及ぶBezos氏の動画は示唆に富む内容で、合わせて視聴してみることをおすすめします。
Via Business Insider
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