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Amazon傘下のご近所SNSアプリが好調!ーーIoT軸の多角化戦略で警察とも提携

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ピックアップ: The rise of fear-based social media like Nextdoor, Citizen, and now Amazon’s Neighbors ニュースサマリー:Ringが提供するコミュニティアプリ「Neighbors」が米国アプリ市場で好調のようだ。米メディアVOXが伝えているもので、Amazonはこのスマート・ドアベル「Ring」を2018年2月に…

ピックアップ: The rise of fear-based social media like Nextdoor, Citizen, and now Amazon’s Neighbors

ニュースサマリー:Ringが提供するコミュニティアプリ「Neighbors」が米国アプリ市場で好調のようだ。米メディアVOXが伝えているもので、Amazonはこのスマート・ドアベル「Ring」を2018年2月に10億ドルで買収している。

Ringは自宅に手軽に取り付けられるドアベルIoT。モーションセンサーと動画ストリーミング機能を備えている。玄関近くに誰かが来るとスマホへ通知が飛び、不在時でもアプリを通じて直接応対ができる。

米国において、Amazonの配達手法は日本とは全く異なる。不在の有無に関わらず玄関前に荷物を置き配して完了するのが通例。そのため置き引き被害が相次いでいる。そこでRingは不審者が来ても対応できるように玄関前を監視するソリューションとして登場した。

今回報じられたNeighborsはRingで撮影された不審者情報を近所間でシェアする防犯特化のアプリだ。2018年5月にリリースされ、2019年9月時点で米国SNSアプリ市場で25位前後、総合450位に食い込む人気度合い。

競合には「Nextdoor」と「Citizen」が挙げられる。Nextdoorは910日に1.7億ドルの調達ラウンドを完了させ、毎年『Internet Trend』レポートを発表するMary Meekerを取締役に迎えたご近所アプリの最大手。累計調達額は4.5億ドル。Citizenは5,300万ドルの調達をしている近所の犯罪情報をリアルタイムで知らせるアプリ。

2018年12月、NeighborsはNextdoorとCitizenを一時期追い抜くほどまでに急成長。たった6カ月ほどで世界最大のご近所アプリを謳うNextdoorにまで追いついた。

現在、Nextdoorの総合順位(9月時点で130位前後)には及んでいないが、Citizenの順位(9月時800位前後)は優に越している。

IoT基軸の物流効率化サービス展開

話題のポイント: AmazonがついにSNSアプリ市場にまで参入を図りました。Ringの買収額10億ドルの価値が徐々に成果を出し始めている証拠かもしれません。

なぜSNSアプリを開発したかの理由に関して、Amazonの本業が抱える市場課題に配達フローの劣悪さが挙げられます。Ringはこの点をIoTを軸にした関連サービスによって解決しようとしています。それが今回紹介したNeighborsです。

犯罪者情報はFacebookやTwitterで投稿されるコンテンツとは異なり非常に情報価値が高いもの。安全を脅かす情報の共有は強力なコンテンツ力を持ち、ユーザー同士の繋がりを強固にします。こうした情報を頻繁にやり取りさせることでユーザー各自に配達物受け取りの際の注意喚起を起こします。

一方、SNSアプリを成長させたとしても配達フローの大幅な改善には直接繋がりません。各自が防犯するだけでは配達物の盗難の撲滅には繋がりません。そこで8月末、全米400の警察署と提携してRingサービスの連携が発表されました

未だ具体的なユースケースは明らかになっていませんが、Ring上で不審者情報を感知した際、911で迅速に警察を呼びさせるサービスになると考えられます。さらに言えば、Neighbors上のやり取りを分析し、特に盗難率が高いエリアに防犯パトロールを増やす提案を警察署側に提案するような流れが想定されます。

Ringでやり取りされる情報からご近所コミュニティを作り、警察署までをステークホルダーに巻き込むことでAmazonマーケットプレイスから販売される商品配達体験を向上させる長期戦略であることが考えられるのです。

日本市場では直接配達が通例ではありますが、多大なリソースを食うこともあり物流企業から悲鳴が上がっていることは一時期話題になりました。こうした日本独自の課題もIoTによる解決手法が想像できます。

たとえばYahoo!や楽天が日本版Ringのような企業を買収したのち、Amazon同様に配達事情を根本から改善するIoT軸の多角化戦略に挑戦するような施策が考えられます。

こうした市場動向を睨みながらIoT市場を俯瞰すると、大手EC事業者もしくはIoTスタートアップが長期ロードマップを描けるヒントが浮かび上がるかもしれません。今後もAmazon + Ringのニュースには注目でしょう。

Image Credit: Christian Wiediger

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