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スコアリングと可視化で不動産投資を最適化「StockFormer」運営、デジタルベースCとトグルHDから5,000万円を調達

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  不動産投資スコアリングサービス「StockFormer(ストックフォーマー)」を開発・運営する ZIRITZ(ジリッツ)は26日、シードラウンドで5,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、PropTech 特化 ファンドのデジタルベースキャピタルとトグルホールディングス。トグルホールディングスは、イタンジ創業者の伊藤嘉盛氏率いるトグルなどを傘下に置く持株会社。 …

「StockFormer」
Image credit: Ziritz

 

不動産投資スコアリングサービス「StockFormer(ストックフォーマー)」を開発・運営する ZIRITZ(ジリッツ)は26日、シードラウンドで5,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、PropTech 特化 ファンドのデジタルベースキャピタルとトグルホールディングス。トグルホールディングスは、イタンジ創業者の伊藤嘉盛氏率いるトグルなどを傘下に置く持株会社。

ZIRITZ は、大和総研、大和証券グループ本社、ベイカレント・コンサルティング出身の島﨑怜平氏により2019年設立。島崎氏は投資家の資産形成支援に携わる一方で自らも不動産の投資や運用を行ってきた経験から、投資家と不動産仲介業者の間の情報の非対称性という課題を認識するようになったという。そこで生まれたのが StockFormer だ。

StockFormer を使えば、ユーザである投資家は投資家同士で不動産の売買や融資の経験をシェアすることで(誰の取引かは匿名化されている)、資産レベルの近い投資家の経験を指標に、高度で正確な投資判断が可能になる。また、資産スコアで個人の信用度・信頼度が可視化されるため、不動産仲介業者から、より有益でパーソナライズされた物件提案を受けることができるようになる。

StockFormer ではハイクラス投資家向けのデータバンクを作っている。投資家は、自分と同じような投資家がどういった物件をどのように買っているか知る由もなかったが、似たスコアの投資家の情報が匿名化された状態でシェアされるため、取引の参考にすることができる。

また、公開されていない物件情報も多く、そのような物件に接するには、投資家は物件を紹介してくれる業者と知り合う必要がある。これまでそういった不動産事業者に知り合うのは完全クチコミベースだったが、それがデジタル化できるのも StockFormer の強み。(島﨑氏)

StockFormer「不動産事業者プロフィール」の画面
Image credit: Ziritz

不動産仲介業者の担当者も、どのような投資家から支持されているかも ZIRITZ 上で可視化されている。これらの徹底的な情報可視化というメリットに加え、投資家には StockFormer を通じて不動産を購入した場合に仲介手数料の10%をキャッシュバックし、中抜き取引されることを防いでいる。銀行や税理士などが顧客を紹介してくれたとき、不動産仲介業者が支払う紹介料の商慣習を応用したものだ。

StockFormer のマネタイズポイントは大きく2つ。StockFormer は投資家にフリーミアムでサービス提供されるが、有料会員にならないと前述の他の投資家との売買や融資の経験を共有できない。月額5,000円なので StockFormer 経由で契約が一件でも成約すれば、キャッシュバックで回収できてしまう。

もう一つは不動産業者からの成果報酬型手数料だ。ZIRITZ では商慣習にならってこの手数料を取引価格の3%と定めており、こうして受け取った手数料の10%を投資家へのキャッシュバックに充当している。すなわち、取引価格全体の2.7%が ZIRITZ の純利益となる計算だ。

StockFormer「ローン投資動向」の画面
Image credit: Ziritz

StockFormer には現在1,800人ほどのユーザがいて、彼らの平均年収は1,900万円、平均純資産は5,400万円。サラリーマンの税金対策をターゲットにしたワンルームマンションの投資などとは客層が異なり、一定以上の可処分所得があって、投資物件もワンルームなどではなく一棟ものを流通させている人が多いという。他方、不動産仲介業者は120〜130社ほどが利用しているそうだ。

この種のサービスを提供する競合を国内で見つけることは難しいが、今週ファンド組成を公にした DRG Fund の投資先である Propally は、オーナー向け投資用不動産管理プラットフォーム「Propally for Owners」を今春ローンチすることを明らかにしている。StockFormer も Propally も、不動産に投資してきた起業家自身が身近なところにサービスのニーズを見出している点は興味深い。

<参考文献>