富山のバイオマスが食糧・環境問題を解決する:TOWING/北陸富山・日本海ガス絆HDと共創模索の6社 #NGAS2023

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本稿は01Boosterが運営するサイト「01Channel」に掲載された記事からの転載。10月31日に開催されたNGAS-Accelerator Program 2023のデモデイのレポートの一部として採択された各社の共創活動をご紹介します。

名古屋大学発のグリーン&アグリテックベンチャー企業が「TOWING(トーイング)」だ。未利用バイオマスを高温で加工して作られた高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を開発・販売する。宙炭は、温室効果ガス排出削減と、減化学肥料・有機転換を同時に実現する土壌改良材で、宙炭を農地に散布することで、土壌の肥沃度や水分保持力が向上し、さらに作物の生産性や品質が改善される効果が期待できる。また、宙炭の炭素を固定化することで、CO2の吸収・削減にも貢献できることからカーボンクレジットの販売も手掛ける。

同社の創業は2020年2月。今年5月にはBeyond Next Ventures、epiST Ventures、NOBUNAGAキャピタルビレッジ、三菱UFJキャピタルなどへの第三者割当増資と融資で8億4,000万円の資金調達を実施しており、創業からこれまでの累計調達額は10億円を超える。

2023年に実施された省エネ法の改正やG7札幌で示された未来、それは「化石燃料を段階的に廃止する」という明確なメッセージだ——。こう語るのはプロジェクトを一緒に伴走したカタリストの杉田広樹氏。2023年の猛暑は明らかな気候変動を身近にしたし、それを語らずしても全国・全世界で発生する自然災害の数々は、私たちに明確な行動を期待しているようにも感じる。TOWINGのバイオ炭技術はそれを支援する可能性が大いにある。TOWINGの木村俊介氏はまず解くべき課題を次のように語る。

「土壌微生物を活用して世界の食料問題のみならず、環境問題もあわせて解決していくということを考えています。世界共通の環境課題、食糧課題というのは主に3つあります。1つ目は処理の課題。2つ目は化学肥料の問題、最後に温室効果ガスの問題。農業分野は非常にクリーンなイメージがありますが、実は全世界の温室効果ガスの25%は農業分野が出している」(木村氏)。

木村氏はこれらの課題を解決する方法として有機農法を挙げるがこれがまた難しい。というのも、化学肥料を使ってきた農地に有機肥料をそのまま入れても栄養が足りず収穫量が減ってしまう。さらに農地を改良しようとすれば5年もかかってしまう。これでは有機農法は進まない。

TOWINGのバイオ炭(DemoDayプレゼン資料より)

これを解決するのがTOWINGの開発する宙炭、というわけだ。

「私たちのキープロダクトがまさに高機能バイオ炭という商材です。独自の微生物ライブラリを使い、各地で余っているバイオマス資源を炭化して微生物を定着させ、さらに培養するために有機肥料を活用していきます。これを農地に入れることで、5年かかっていた土地作りがわずか1カ月で済ませられるようになりました」(木村氏)。

一方、彼らにも切実な問題がある。それがこのバイオ炭、宙炭の量産だ。木村氏は今回のプロジェクト参加の理由を次のように語った。

「最近(需要に対して)なかなかバイオ炭の供給ができないという問題があります。そこで、ガスプラントの運用のご知見のある日本海ガス様とのプラント製造プロジェクトを提案いたしました。生産プラントを保有いただき、そこで作っていただいたバイオ炭を全量買わせていただくというモデルです。日本海ガスのプラント運用ノウハウそしてカーボンニュートラルに資する技術サービスというところを融合して、事業の実現を目指したい」(木村氏)。

今回の4カ月という期間でプラントの製造は無理だが、そこに至るニーズ検証などの情報収集は順調に進んだようだ。例えば富山県に多数廃棄されているバイオマスの処理については、具体的に材料の選定とバイオ炭化に成功したほか、富山の農林中央金庫とは販路拡大に関する業務提携も実施した。

ちなみに、今回の協業検証中には別途、農林中央金庫との販路拡大に関する業務提携契約も実施した。農林中央金庫は投融資先等のGHG排出量削減において「2050年ネットゼロ」を目標としており、この業務提携でTOWINGの宙炭の展開やカーボンクレジットの販売先の仲介などを検討するとしている。

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