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世界70ヶ国以上、7万人以上の生徒が学び合うオンライン文通プログラム「Penpal Schools」

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少し前にテキサス州オースチンに行く機会がありました。そこでお邪魔した「Capital Factory」というインキュベーターをきっかけに出会ったのが、「PenPal Schools」というスタートアップ。Penpal(ペンパル)と言えば、文通相手のこと。この昔からある文通をオンラインに持ち込み、世界中の生徒と生徒を繋げるプラットフォームです。 時事ニュースを話題にやり取りする「World News…

世界中の生徒を繋げる「Penpal Schools」
世界中の生徒を繋げる「Penpal Schools」

少し前にテキサス州オースチンに行く機会がありました。そこでお邪魔した「Capital Factory」というインキュベーターをきっかけに出会ったのが、「PenPal Schools」というスタートアップ。Penpal(ペンパル)と言えば、文通相手のこと。この昔からある文通をオンラインに持ち込み、世界中の生徒と生徒を繋げるプラットフォームです。

時事ニュースを話題にやり取りする「World News」

PenPal-Schools-how-it-works

2012年にサービスを開始した当時は、米国の生徒と生徒を繋げることで始まりました。現在では70ヶ国以上の7万人以上の生徒によって利用されているとのこと。国別で見ると、全体の6割が米国から、残り4割を他国が占めています。日本では特にマーケティングを実施していませんが、特に大学生などにユーザーが多いと言います。

コースには、英語、中国語、フランス語、スペイン語の4カ国語の語学学習に加えて、「World News」と「World Explorer」があります。9歳以上の子どもを対象とするWorld Newsは中でも一番人気。英語を使って、環境や貧困、テクノロジーなどさまざまな時事問題について学び合い、話し合うもの。マッチングされた2人のペンパルは、一本の動画を視聴し、関連した記事を読みます。それをもとに、会話を促進するために提示される質問に回答し議論をする流れ。交換期間は6週間で、所要時間は1週間に45分ほど。

また「World Explorer」コースでは、同様に用意されたコンテンツをつかって、国ごとの文化や習慣について学びます。お互いの考え方や意見の違いなどから、個々人の交流だけでなく国ごとの文化的な違いなども知ることができます。PenPal Schoolを使うことで、生徒の学習は自分が通う学校の「教室」の枠を越えて世界に広がるのです。

ユーザー各々が利用料を決めるモデル

PenPal Schoolsの魅力は、交換プログラムがきちんとデザインされていることです。生まれ育った場所も環境も違う相手といきなり会話をしろと言われても戸惑ってしまいますが、PenPal Schoolsには適切な手引きが用意されています。カリキュラム担当者がコース内容を考え、きちんとガイドしてくれる。今後は、音楽や宗教など他分野にわたるコースを追加していく予定です。

東アジアを旅している最中に、PenPal Schoolsの構想を得たというファウンターのJoe Troyenさん。英語を学びたいからと片言の英語で話しかけて来たり、また自分たちの国の文化について熱心に伝えようとする現地の人々に触れたことで、同じ需要が世界中であるだろうと考えました。その予想は見事に的中し、今では世界70ヶ国で利用されるまでになりました。

立ち上げ当初、PenPal Schoolsでは生徒ひとり当たり1.99ドルという料金モデルをとっていました。ところが、世界にはこの価格も高く、手が出ない先生や生徒がいることが発覚。現在では、ユーザー自らが決めた価格を支払う「pay-what-you-want」モデルに変更しています。より豊かな国の利用者が、厳しい経済状況にある生徒たちを支える形です。

孤独だった学習をコラボレーションに

PenPal Schoolsは、米国の教育省や国務省などアメリカ政府、また企業からも注目を集めています。Dell主催の「Dell World 2014 Pitch Slam」に選ばれ、また社会的意義のあるスタートアップだけを支援するインキュベーター1776が主催する「1776 Challenge Cup for Education」でも優勝しています。

PenPal Schoolsは、現在4人のチーム。近日中にアプリをリリースし、またコースの拡充に力を入れていく予定です。今回、取材に答えてくれた教員サポートを担当するMike Monroeさんはこう話します。

「2012年からサービスを提供してきて、大勢の先生や生徒と共にサービスを作ってきました。そこで学んだのは、これまで「学ぶ」という行為がすごく孤独なものだったことです。学校に行ったり先生と話したりするのにも関わらず、一人で学習に向かう感覚が強かった。PenPal Schoolsは、世界中の生徒がコラボレーションできることで、学びを楽しくしていきます」