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2滴の血液からAIが血液分析「Sight Diagnostics」が7100万ドル調達

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AI搭載の血液分析装置を開発するSight Diagnosticsは今週(※原文掲載日は8月5日)、これまでに調達した総額の倍以上となる7,100万米ドルを調達したことを公表している。同社の広報によると、Sight Diagnosticsは米国に注力しつつ事業のグローバル化を加速させ、敗血症や癌の状態および新型コロナウイルスに影響する要因を検出する研究開発を進めるために今回の資金を役立てるという。…

Image Credit: Sight Diagnostics

AI搭載の血液分析装置を開発するSight Diagnosticsは今週(※原文掲載日は8月5日)、これまでに調達した総額の倍以上となる7,100万米ドルを調達したことを公表している。同社の広報によると、Sight Diagnosticsは米国に注力しつつ事業のグローバル化を加速させ、敗血症や癌の状態および新型コロナウイルスに影響する要因を検出する研究開発を進めるために今回の資金を役立てるという。

米国では保険加入していない患者の場合血液検査に100米ドルから1,500米ドルもの費用がかかる。設備がすぐに利用できるとはかぎらない発展途上国では、さらに付随的なコストがかかり費用が大幅に上昇する恐れがある。

Intelの子会社のMobileyeに所属していたYossi Pollak氏とHarvard’s Wyss Institute for Biologically Inspired Engineeringの研究者だったDaniel Levner氏は、こうした理由からSight Diagnosticsを2011年に設立した。彼らの開発したOloというシステムでは、たった2滴の血液でラボ並の全血球計算(CBC:Complete blood count)を10分以内に行うことができるという。

Oloは現在、同社が認可を得ているEUと米国のほぼ全地域において利用可能だ。2019年後半、連邦食品医薬品局(FDA)は同社の510(k)を承認した。これによりCLIA認定クリニック(ポイントオブケアプロバイダーを除く)がOloを配備することができるようになった。

Oloはオーブントースターと同じくらいの大きさだ。AIと機械学習を利用して血液をスキャンする。血液はまず、分解能が1,000超の高解像度カラー顕微鏡画像として「デジタル化」される。次に、4年間の臨床研究から得られた0.5ペタバイトもの匿名データでトレーニングされたコンピュータービジョンアルゴリズムを実行し、細胞の種類を特定・カウントする。

Image Credit: Sight Diagnostics

Sight Diagnosticsの主張によると、従来の検査では専門家が数日かけて処理する必要があったが、Oloは対照的に、一般の人でも十分操作できるほど簡単だという。

診断スタートアップといえばTheranosが悪名高い。Theranosは1滴の血液から多数の検査を行うことができる装置を開発したとして投資家を騙したことが判明し、設立者は証券取引委員会によって詐欺罪で起訴された。

Sight Diagnosticsは慎重に、そして透明性をもって前に進んでいる。2018年前半、同社のOloシステムはイスラエルのShaare Zedek Medical Centerで287人に対し臨床試験を完了し、EUからCEマークを取得した。ラボ用血液分析装置のSysmex XN-SeriesとOloは、19のCBCパラメータおよび多数の診断フラグにおいて同等と認められた。Sight DiagnosticsによるとOloの大部分の基盤となる技術の「Parasight」は24カ国で100万件以上のマラリア検査に使用されているという。

これまでにSight DiagnosticsはPfizerを含む製薬会社や医療提供者と契約を結んでおり、来年にかけて1,000台の分析装置を配備すると述べている。Oxford University Hospital Trustは救急外科および腫瘍科でOloの評価を行っている。

最近Sight DiagnosticsはイタリアでのOloの提供を契約し、英国でSuperdrugを基盤としてクリニックに検査を提供するためのパイロット試験も始める予定だ。パンデミック対応として、同社はロンドンにポップアップ検査サービスを配備し、全血球数検査とCOVID-19抗体検査を提供したいと述べている。

Sight Diagnosticsはイスラエルでの試験結果と米国のColumbia University Irving Medical Center、Tricore Labs、Boston Children’s Hospitalでの試験結果を組み合わせた論文発表に注力し、FDAからのCLIA免除および米国の小規模医療機関や薬局でのOloの使用許可を得たいとしている。

Sight Diagnosticsは数年以内にリモートスキャンを容易にするクラウドサービスの試験を行う。また、Oloをさまざまな血液検査を行えるプラットフォームに発展させることも考えている。

シリーズDラウンドはKoch Disruptive Technologies、Longliv Ventures、OurCrowdが主導し、同社の資本金は1億2,400万米ドル以上となった。同社は英国、米国、イスラエルにオフィスを構えている。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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