印刷業界に革命を起こした起業家、ラクスルの松本恭攝(やすかね)氏

by Willis Wee Willis Wee on 2014.4.16

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2008年、松本恭攝(やすかね)氏は、AT Kearneyで企業向けにコスト削減策のアドバイスをするコンサルタントとして働いていた。業務上得た経験により、同氏は印刷代こそがコスト削減に必要な費用のひとつだと考えるようになった。日本の印刷会社は約3万社あるが、市場は大企業2社がおよそ半分のシェアを独占している。同氏はこの寡占状態こそが非効率の元凶だと気がついた。

「小規模印刷会社がもっと印刷注文を効率的にこなせないのだろうか」ーー松本氏は思案した。

彼はインターネットを活用することでこの問題を解決できると思いつき、2009年にコンサルタントとして働く傍ら時間をやりくりし、同氏は印刷会社の印刷代比較をユーザがおこなうことができる「印刷比較」というウェブサイトを開設する。

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リスクに挑んだ理由は私が24歳で若かったという理由だけではありません。若い時は失うものがありませんし、私自身、自力で何かをやってみたかったのです。なので起業したのは当然の成り行きです。あまりうまく説明できませんが(松本氏)。

松本氏は印刷比較の設立にあたり、印刷業者1社1社と個別に交渉し、彼のオンラインプラットフォームに参入してもらうよう働きかけた。2010年、同氏は自身のスタートアップに集中するため AT Kearney を去る決断をする。彼はすでにコンサルティングの仕事よりも、自分の中にアントレプレナーとしての気質を感じていたからだ。

2012年、松本氏のスタートアップはヤフージャパン、ニッセイキャピタル、そしてベンチャーキャピタルのANRIから230万米ドルの資金を調達した。この資金を元に同氏は印刷比較のデータベースを刷新し、2013年3月にラクスルのリニューアルを実施する。

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ラクスルの Facebook page から。

ラクスルは、単に印刷会社の料金比較をするサイトではない。印刷に特化したeコマースサイトだ。同社は利用者の所在地、印刷量、料金そして納期をもとに、自動的に最適な印刷会社を提案してくれる。

利用者は関連ファイルをアップロードし、印刷会社に原稿を送る前の最終段階では、ラクスルのスタッフがサイズやフォーマットの設定を実施してくれる。印刷会社は印刷をし、最終印刷物を利用者の玄関先まで配達してくれる。取引が成立した印刷案件ごとにラクスルは手数料をもらう仕組みになっている。

価格比較サイトとeコマースサイトを訪れるユーザは異なります。価格比較とコマースの2機能をもったサイトはユーザにとって分かりづらいものです。そこで私たちは Raksul.com と Insatsu-Hikaku.com、この2つのサイトに分けることにしたのです(松本氏)。

ラクスルの未来は有望だった。その高い将来性から、2014年1月には WiL や GMOベンチャーパートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、グローバルブレイン、ミクシィを含む他の投資家らから、1550万米ドルもの資金調達に成功する。ラクスルは2014年2月までに50万米ドルの売上を計上し、先月3月にはその売上は100万米ドルにまで倍増させた。現在同社は、日本国内で1700社以上もの印刷業者と提携しており、およそ40名の従業員を抱えている。

日本でのビジネス成長は上々ですし、私たちが今年目指すのは東南アジアへのビジネス展開です。東南アジアの印刷業者向け価格比較サイトを開設したいと思っています(松本氏)。

Vistaprint について耳にした人もいるだろう。しかしラクスルは同様のコンセプトを掲げていない。Vistaprint は自前の印刷機材を保有しているが、ラクスルは印刷機材を持っていない。

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