米Kodak社が、ストーリーテリングに特化した写真SNS「Kodak Moments」をiOSアプリとしてリリース

Kodak-photo-sharing-app

<Pick Up> Kodak’s new beautiful photo sharing app is like Medium for your memories

写真用品メーカーのKodakは、写真共有SNSアプリ「Kodak Moments」を発表した。

「Kodak Moments」は、InstagramをはじめとしたSNSと同様に写真を保存・共有するSNSアプリだ。その中で本アプリの特徴はビジュアルでのストーリーテリングに特化しているという点だろう。

その写真に込められた思いや、撮影の背景となるストーリーを、キャプションのように写真に添えることができる。Instagramが、写真に特化し言語の壁を超えたコミュニケーションを可能にする一方、「Kodak Moments」は、写真を中心としながらもそのバックグラウンドをセットにすることで、その情景を含めた1つの物語をシェアするというわけだ。

この「Kodak Moments」の語源となっている “Kodak Moment”という言葉は、kodakにとって非常に大事なフレーズである。この”Kodak Moment”はフィルム全盛期に同社の広告キャンペーンで使われた言葉で、海外ではシャッターチャンスとほぼ同義として使われるほど、その単語自体に知名度と大きな意味がある。つまりこの「Kodak Moments」は、シャッターチャンスをシェアするSNSということなのである。

モバイル部門VPのDavid Newhoff氏がThe Next Webに語ったところによると、同社は1000人近いSNSユーザーへの調査を行った。その中で、65%のユーザーにとってウェブ上でのやりとりは表層的なもので、50%がSNSをコミュニケーションを減らす要因として考えていることが明らかに。日々のさまざまなシーンをシェアするためのものではなく、現実の体験に寄り添い、保管するものとしての機能を目指している。

デザイン的にもこの目的に特化しており、シンプルで洗練されたUIにより、写真、そして文章に集中するのに最適化されている。広告を排しているという点なども考慮すると、まさにTwitterの共同創業者エヴァン・ウィリアムズが創業したブログプラットフォーム 「Medium」に非常に近いものがあるといえるだろう。

Kodakはフィルム写真の時代においては一斉を風靡した写真メーカーであった。しかし、それも今は昔の話。フィルム全盛の時代は終わりを告げ、日本を代表するフィルムメーカーの富士フイルムとは対照的に、フィルムからデジタルへの移行、およびビジネスモデルの転換に大幅な遅れをとり2012年には破産を経験している。

「Kodak Moments」は、3月よりiOSアプリを米国内で提供している。Android版も今春にはローンチ予定で、ヨーロッパでの展開も今年後半を目処にすすめているという。日本での展開予定は現状発表されていない。

via The Next Web

(執筆:小山和之)

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