2023年にはノーコードで「市民」開発者がプロを4倍近く上回る(3/3)

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Webflowはまだまだこれから

(前回からのつづき)Webflowは今回1億4,000万ドルを調達し、新たに製品開発を進めていくことが可能となった。特に、エンタープライズ向けの製品をより充実させることができ、テクノロジー企業が用いるツールが増えている中、Webflowはその地位を揺るぎないものにするだろう。

同市場は、昨年だけでもAmazonのAWSがHoneycodeと呼ばれるノーコードツールを立ち上げ、Googleはエンタープライズ向けのAppSheetを買収した。 ガートナーの2019年のレポート「The Future of Apps Must Include Citizen Development]」によれば、2023年までにエンタープライズにおける「市民」開発者がプロの開発者を4倍近く上回ることになるだろうとの見解を示している。

しかし、よりフルファンクションにウェブサイトを構築するのであればサードバーティーの統合など、エンジニアが必要となることもWebflowでさえ発生するのは事実だ。同社はこうしたギャップを埋めることを目指し、資金の一部を使って単なるウェブ開発ツール以上の「より強力なウェブアプリケーション」に発展させるという。

現在、デザイナーが Webflow を使ってウェブサイトの機能を拡張するために使えるサードパーティ製のノーコードツールは、ログイン体験を作成して支払いを可能にするMemberStack、リアルタイム検索とフィルタリングを可能にするJetboost、ウェブサイトを多言語化するWeglotなど、数多く存在する。これは逆に言えば、Webflowが単体で完全な機能群をカバーするウェブアプリケーションとなるには、まだまだ先が長いことを意味している。

「確かに今現在は、多機能なサイトを構築するにはサードパーティー製のツール導入が必要です。しかし、ノーコードツールはまだまだ初期フェーズにあり、必要とされる機能を実際に実装するためにはまだエンジニアチームが必要なのは明らかです。Webflowを利用することで解決する場合もあるかと思いますが、より複雑な機能が必要であればまだまだWebflowとしても長い道のりがあることに間違いはありません。今回調達した資金は、ユースケースをさらに作っていくための製品開発とエコシステムへの投資に力を入れていきます」。

同氏はWebflowはネイティブログインの体験を簡単に構築できることに注力するという。これが達成されれば、サブスクサービスや企業のイントラネットなど幅広いユースケースに対応できることとなる。加えて、デザイナーのサイト構築を支援するため機械学習を導入する予定であることを明かしている。

「Webflowには既に多くの良質なサイトがあり、デザインの意思決定をするためのモデリングをすることが可能であると考えています」。

現時点で明らかなのは、ノーコード・ローコード市場は確実に勢いを増しているということだ。市場のレポートによれば、グローバルのローコード市場は100億ドル規模とされ、2030年までに1,870億ドルに達するとの見込みがされている。この成長の背景には、実質すべての企業がソフトウェア企業になっているということにある。もちろん程度の差はあるが。また、ソフトウェアエンジニアの人材は不足しているが、技術的に完璧でなくともウェブ開発へのプロセスを提示することに需要が高まるのも納得がいく。

「ウェブのビジネスには多くの可能性があります。新たにソフトウェアエンジニア教育を受けるより、ソフトウェアを通したエンジニアリングソリューションの需要の方がはるかに高い状況で、これがノーコードの火付け役となっているのです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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