OpenAI、ノーコードで「ChatGPT」のカスタム版を作れる「GPTs」を発表〜OpenAI DevDay 2023から

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OpenAI DevDay 2023 の冒頭で基調講演する共同創業者で CEO の Sam Altman 氏
Image credit: OpenAI

バイラルチャットボット「ChatGPT」を開発した OpenAI は、カスタマイズ可能な AI エージェント「GPTs」を発表した。これらの新しいツールは、誰でもコードを書くことなく、特定の目的のためにカスタマイズされたバージョンの ChatGPT を作成することができる。

この動きは、OpenAI のエンタープライズ AI への継続的な推進と、その人気ある技術をマネタイズするための努力を示唆している。ChatGPT 自体は無料だが、GPTs は「ChatGPT Plus」と「ChatGPT Enterprise」の有料会員のみが利用できる。

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GPTs で、ユーザは特定のニーズに合わせ「ChatGPT」をカスタマイズ可能に

同社によると、GPT は、よりカスタマイズされた対話のために、ユーザが指示、追加知識、スキルを組み合わせることを可能にする。企業にとって、GPT は個々の部署、独自のデータセット、マーケティング、リサーチ、新入社員の受け入れのような特殊なユースケースのために設計することができる。

OpenAI は、VentureBeat にメールで送られた声明で次のように述べている。

GPTs は、特定のユースケース、部門、または独自のデータセットのための ChatGPT バージョンを作成できるようにすることによって、この要望に応える。Amgen、Bain、Square のような初期の顧客は、すでに社内用 GPTs を活用している。

このイベントは、11月に ChatGPT がバイラルデビューを果たしたことで、ジェネレーティブ AI への関心が高まっている中で開催された。しかし、専門家によると、企業はデータプライバシーやセキュリティリスク、実証されていないメリットに対する懸念から、この技術の導入に慎重になっているという。

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GPTs の導入で、AIを企業にとって、より実用的なものに

GPTs は、AI を企業にとって実用的なものにする上で大きな前進となる。特定のユースケース向けにモデルをカスタマイズできることで、価値提案がより明確になる。

しかし、ジェネレーティブ AI が広くビジネスで採用されるには、まだハードルがある。既存のシステムとの統合方法や ROI の測定方法など、未解決の問題がある。しかし、GPTs のようなツールは実験を加速させるだろう。

GPTs は個人消費者にも利用可能

GPTs は、OpenAI の個人消費者向けサービスも拡大する。ユーザは自分で GPTs を構築することもできるし、近々オープン予定の「GPT Store」を通じて既成の GPTs にアクセスすることもできる。OpenAI によると、GPTs はボードゲームのルールを学んだり、子供に算数を教えたり、ステッカーをデザインしたりといった特定のタスクを支援することができる。

AI の安全性と倫理をめぐる監視が強化される中、今回の発表が行われた。OpenAI は、GPTs はプライバシー保護のために構築されたと述べたが、一部の専門家は、潜在的な技術の悪用を懸念している。

GPTs の導入は、AI 技術のパーソナライゼーションと民主化における大きな前進を意味する。GPTs の導入により、ユーザは AI チャットボットを特定のニーズに合わせてカスタマイズできるようになり、個人と仕事の両分野における AI 応用の新たな可能性が開かれる。AI が日常生活に溶け込み続けるにつれ、GPTs のようなカスタマイズ可能な AI ツールはますます重要な役割を果たすことになるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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