OpenAI、「GPT-4 Turbo」と「Assistants API」を発表〜OpenAI DevDay 2023から

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OpenAI DevDay 2023 に登壇した、OpenAI CEO Sam Altman 氏と Microsoft CEO Satya Nadella 氏
Image credit: OpenAI

AI スタートアップの OpenAI は、年次イベント「DevDay」で、AI プラットフォームの新機能と価格変更を発表した。これらの機能強化により、OpenAI のテクノロジーは、より強力で柔軟性があり、実世界のアプリケーションを構築する開発者にとって手頃な価格になることが期待される。

イベントの主役は「GPT-4 Turbo」で、これは、人間のようなテキストを理解し生成できる OpenAI の大規模言語モデル(LLM)のアップグレード版である。GPT-4 Turbo は128,000トークンと2倍のコンテキストウィンドウを持ち、一度に300ページ分のテキストを取り込むことができる。この拡張されたメモリと推論により、よりニュアンスの異なる会話や複雑な指示が可能になる。

OpenAI によると、GPT-4 Turbo は、従来の GPT-4 と比較して、トークンあたりの入力で3倍、出力で2倍安くなっている。企業ユーザにとって、低価格化は AI 投資の回収の早さを意味する。また、スタートアップや小規模チームが高度なジェネレーティブ AI を活用する際の障壁も低くなる。

Image credit: OpenAI

「Assistants API」がカスタム AI エージェントを解放

「Assistants API」のローンチは、もう一つの重要な発表だった。このツールセットにより、開発者はコーディングアシスタントからバケーションプランナー、音声制御 DJ まで、特定のユースケース向けにカスタマイズされた AI エージェントを構築することができる。

アシスタントは、自然言語による会話、関数の実行、コードの実行、外部知識の検索などの機能を活用できる。今回の発表の目的は、アプリのインテリジェンスをまったく新しいレベルに引き上げることだ。アシスタントはユーザの目標を学習し、それを達成するために自動的に行動を起こすことができる。

注目すべきアップグレード——コンピュータビジョン(映像解析)、音声合成、著作権保護

その他の注目すべきアップデートは、コンピュータビジョン(映像解析)と音声合成をプラットフォームに連携することだ。OpenAI のフォトリアリスティック画像ジェネレータ「DALL-E 3」は、API を通して直接アクセスできるようになった。OpenAI はまた、「Copyright Shield」と呼ばれる著作権保護プログラムを展開し、一般的なプラットフォーム機能を使用する際に、侵害の申し立てから顧客を保護する。

これらの改善により、OpenAI は開発者向けプラットフォームを急速に改良し続けている。また、価格の低下により、次世代 AI の連携合を目指すより多くの企業がこの技術を利用できるようになった。

企業への影響

新しいモデルと開発者ツールは、業界を問わずビジネスに広範囲な影響を与える可能性がある。AIをより手頃な価格で簡単に実装できるようにすることで、OpenAI は AI市場を破壊し、企業がAIを活用する方法を変える可能性がある。

GPT-4 Turbo のような、新しい、より高性能なモデルによって、企業はより洗練された AI アプリケーションやサービスを作成できるようになるかもしれない。一方、Assistants APIと マルチモーダル機能によって、企業はより魅力的で直感的なユーザ体験を生み出すことができる。

しかし、これらの新しいサービスは、特にデータのプライバシーとセキュリティの面で、企業に課題をもたらす可能性もある。企業は、ユーザデータを保護し、データ保護規制を遵守するために、強固なデータガバナンスポリシーを確実に導入する必要がある。

全体として、OpenAI の新しいサービスは AI 業界にとってエキサイティングな一歩であり、今後数年間、企業がどのようにこれらのツールを活用してイノベーションを起こし、価値を創造していくかが注目される。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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