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機械学習は次のステージへーーMIT研究者が発明、“No-Hardware AI”「Neural Magic」のインパクト

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ピックアップ:Neural Magic gets $15M seed to run machine learning models on commodity CPUs ニュースサマリ:“No-Hardware AI” 企業を謳う「Neural Magic」は、11月6日、シードラウンドにて1,500万ドルの資金調達を実施したと発表した。出資者にはComcast Ventures NEA、Andre…

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Image Credit : Neural Magic HP

ピックアップ:Neural Magic gets $15M seed to run machine learning models on commodity CPUs

ニュースサマリ:“No-Hardware AI” 企業を謳う「Neural Magic」は、11月6日、シードラウンドにて1,500万ドルの資金調達を実施したと発表した。出資者にはComcast Ventures NEA、Andreessen Horowitz、Pillar VC、Amdocsが名を連ねる。

同社は、MITでマルチコア処理と機械学習を長年研究してきた2人の研究者によって2018年に設立された。ディープラーニングモデルを処理する高コストなGPUやTPUなどの専用AIハードウェアを使うことなく、汎用CPUでより大きなモデルをより速く、より高い精度で処理するソフトウェアを開発する。

調達した資金は機械学習エンジニア、ソフトウェアエンジニア、セールスおよびマーケティングの採用に使われる。

話題のポイント:現在、AIの躍進を支えるのはムーアの法則(1965年にインテル共同創業者のGordon E. Moore氏が唱えた「集積回路の実装密度は18カ月ごとに2倍になる」)をなぞるように発達したコンピュータの計算能力であることは周知だと思います。

しかし、見方を変えれば2012年以降、常にAIのあしかせになっているのがハードウェアでしょう。画像処理でよく用いられる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練する場合、GPUのメモリ制限内に収まるように画像サイズやデータセットを縮小する必要があります。こういった精度を犠牲にするやり方は、大規模な医療画像データセットを使用する場合、好ましいとはいえません。

実際、AI専用のチップセットを作る大手NvidiaのチーフサイエンティストのBill Dallyは「ディープラーニングはハードウェアによって完全に制限されている」と述べています。

機械学習が実用的かどうかは予測の速度、効率、精度が判断基準となります。高いレベルで実行されれば適用事例は格段に増えるはずです。

さて、ここまで書いたことがよく知られている一般的な話です。

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Image Credit : Neural Magic HP

今回取り上げた「Neural Magic」は“No-Hardwawre AI”を謳う企業です。高価なAI専用GPUやTPUを使わずに、誰でも持っているPCに入っている汎用CPUで大きなディープラーニングの高性能実行するためのソフトウェアを開発しています。

Neural Magicがユニークなのは「ハードウェアはボトルネックだが、ソフトウェアでもっとできることはないのか?」というニーズに応えている点です。

同社はコネクトミクスの研究を起点に以下を提供すると発表しています。

  • 汎用CPUで大規模なディープラーニングモデルを実行した場合、条件によっては最大10倍のコスト削減
  • 精度を犠牲にすることなくGPUと同等のパフォーマンスを実現
  • 既存のツールと連携し、必要な場所(オンプレミス、クラウド、またはエッジ)に展開できる柔軟性

CNNが適用できる領域に限られますが、ハードウェアの発展に頼らず低コスト化とハイパフォーマンスを実現できる衝撃は大きいです。仮にGPUと併用できるならハイスペックマシーンを社内で取り合うことは間違いなくなくなるでしょう。

ちなみに、CNNが適用できる領域を少し紹介すると、衛生画像や医療画像の分析、音声認識、感情分析、SpotifyやTikTokのレコメンデーションなどが挙げられます。ディープラーニングが得意とする画像分析に含まれているので十分な適用範囲といえます。

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Image Credit : Neural Magic HP

たとえハードウェアの効率化をしたとしても、導入企業からすればスイッチコストが非常に高くなります。一方、ソフトウェアは入力と出力の型を統一しておけば、新しいコンセプトのソフトウェアが登場したとしても柔軟に対応できます。

また、ビッグデータの取り扱い需要の高騰に伴い、これまで表計算程度の処理で済んでいたシステムに限界が押し寄せるでしょう。そのため、リレーショナルデータベースや基幹系システムに代わる新たな仕組みに期待が集まります。

そこで最小限の処理機能しか想定されていなかった従来型ソフトウェアの大幅アップデートがAI市場で起こると感じています。この再発明はスタートアップにとって大きなチャンスが眠っており、Neural Magicはまさにそこを突きました。

Neural Magicは資金調達の翌日、最初の製品となるNeural Magic Inference Engineを発表しました。現在、アーリーアクセスができる状態です。Pytorch、Tensorflow、Caffeなどの主要な機械学習フレームワークからONNXファイル出力で動作します。気になった方は是非試してみてください。

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今後5年間で機械学習が大きなイノベーションをもたらす4つの分野

本稿は、Mehrdad Fatourechi氏による VentureBeat への寄稿だ。 Mehrdad は、コンテンツ制作に携わる人の成長をサポートするツールを制作するメディア技術企業、BroadbandTV Corp(BBTV)のCTOを務めている。彼はデジタル信号処理、機械学習、パターン認識アルゴリズムに精通しており、パターン認識、機械学習、そして知的アルゴリズムに焦点を当てたジャーナルや…

本稿は、Mehrdad Fatourechi氏による VentureBeat への寄稿だ。

Mehrdad は、コンテンツ制作に携わる人の成長をサポートするツールを制作するメディア技術企業、BroadbandTV Corp(BBTV)のCTOを務めている。彼はデジタル信号処理、機械学習、パターン認識アルゴリズムに精通しており、パターン認識、機械学習、そして知的アルゴリズムに焦点を当てたジャーナルや学会論文をいくつか執筆している。以前彼は、技術・教育分野に身を置き、研究員やカナダのブリティッシュコロンビア大学の非常勤講師を務めており、IEEE Signal Processingのバンクーバー支部の共同委員長の座にも就いていた。


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via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

機械学習は黄金時代に入りつつあり、かつてはSFの世界の話であったようなことが、実現しつつある。

機械学習(ML)は、コンピューターが実例をもとに学習する方法で、人工知能(AI)を構築する上で最も有用な手段の1つだ。収集されたデータから学習するアルゴリズムの設計に始まり、多くの場合、データ量が増えるに従って賢くなる機械ができあがる。

過去5年間でML分野は飛躍的な進歩を遂げたが、その一因となるのは高速インターネット、クラウドコンピューティング、そしてスマートフォンの普及によって流通された近年のビッグデータであり、現在注目を集めている「深層学習」アルゴリズムの誕生につながった。MLの根本的な部分から派生した非常によく使われている応用の中には、NetflixやAmazonのおすすめシステム、Facebookにみられる顔認識技術、GoogleやMicrosoftなどによるEメール用スパムフィルター、そしてSiriなどの音声認識システムがある。

<関連記事>

どれくらい進歩するかは分からないが、確実に言えることは、この分野における過去5年間の成果は、今後5年間で目の当たりにする進歩とは比べものにならないということである。機械学習の現状を踏まえて、近い将来実現するかもしれない4つの予想を示そう。

画像認識:

画像と動画に基づいた認識テクノロジーの実現化は目前で、ユーザにとって全く新しい体験となる。深層学習のおかげで、私たちは今、コンピューターが画像もしくは最小限の外部データのみで、画像や画像内の人々・行動を高い精度で認識できるという時代にいる。さらに認識されるのは新しい写真のみではなく、デジタル化された画像や動画の履歴の一切が認識される。このテクノロジーによってこれら資産のオンライン上での保存や共有のあり方が大きく変わっていくだろう。例えばYouTubeでは、あなたが観て好感を持った部分に関連するコンテンツを、その動画の視覚的情報のみから知的に探し出してくれるようになるかもしれない。これにより私たちの手間と時間が大幅に短縮される。

ヘルスケア:

膨大な量のデータを分析・蓄積できるという機械学習の能力は、医者にとってかなりの場合必要とされるセカンドオピニオンを提供し、また病気の発見と治療に大いに導いてくれる。さらに、アクティビティトラッカーFitbitと同様、スマートウェアラブルコンピューティングデバイスと称される様々な症状を探知するパーソナル健康モニターが今後5年で普及するだろう。これらの進歩は、人間の長生きしたいという欲求を著しく加速させ、医療業界の運営が大きく前進していくことになるだろう。

旅行とコミュニケーション:

2020年までには、リアルタイム翻訳技術が本当に身近になっているかもしれない。外国の標識や文章を即時に翻訳してくれるスマホのアプリから、話す内容を会話相手の母国語に即時翻訳し、しかも話し手にはその違いがわからないような電話までが出てくるだろう。グローバル化が広がるとともに、言語の壁は近いうちに越えられるだろう。特にビジネスの場は、こうした進歩による膨大な恩恵を受けられる。GoogleやMicrosoftといった大手テクノロジー企業はすでにそのようなツールを作るために必要な作業を行っており、高価なマルチリンガル労働者の必要性を過去のものにするだろう。

広告:

MLの近年の進歩によって、数年のうちに拡張現実技術は企業の統合型ブランド戦略において当たり前の手法になるだろう。この技術を活用し、奥行き・相対的サイズ・照明・影の入れ方を的確に識別することで、広告主はシームレスに既存のコンテンツに自社の製品を配置することができるようになる。基本的に、どのような過去の動画も統合化に利用できるようになる。コンピュータービジョンテクノロジー企業のMirriadではすでにこの分野の発展で称賛を受けている(オスカーも受賞)。さまざまなオンライン動画を見ると、各企業が絶大な人気のアマチュア動画に入り込もうと努力を続けているが、この技術で可能性は革命的に広がる。

こうした分野における最近の急成長を私たちはすでに目にしているが、機械学習技術の商業化が全貌を現すのは2020年頃ではないかと思われる。私がここに挙げた予測はほんの数点に過ぎないが、機械学習新時代の到来によって、ほぼすべての分野が得られるであろう経済的恩恵は計り知れない。すでにコアの部分でMLを必要とする消費者需要は増大しており、先に述べた例はMLがもたらす可能性の氷山の一角にすぎないのだ。もし私たちの期待通りに事が進めば、機械学習の黄金期により、技術分野におけるこれからの5年は最もエキサイティングなものとなるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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