不動産テックブランド「RENOSY(リノシー)」などを運営する GA technologies(東証:3491)は17日、PropTech 特化VCのデジタルベースキャピタルに出資したことを明らかにした。7月にローンチしたデジタルベースキャピタルのファンドは10億円規模を目指すとしており、LP としてはこれまでに、イタンジ創業者の伊藤嘉盛氏や平和不動産(東証:8803)らの名前が明らかになっている…
左から:GA technologies 創業者 兼 代表取締役社⻑ CEO の樋口龍氏、 Digital Base Capital 代表の桜井駿氏
不動産テックブランド「RENOSY(リノシー)」などを運営する GA technologies(東証:3491)は17日、PropTech 特化VCのデジタルベースキャピタルに出資したことを明らかにした。7月にローンチしたデジタルベースキャピタルのファンドは10億円規模を目指すとしており、LP としてはこれまでに、イタンジ創業者の伊藤嘉盛氏や平和不動産(東証:8803)らの名前が明らかになっている。今回の出資参加で、デジタルベースキャピタルにとって、現時点では GA technologies が最大額出資の LP となる。
GA technologies の出資額やファンドへの出資比率は明らかになっていない。なお、GA technologies は、同じくデジタルベースキャピタルの LP である伊藤嘉盛氏が創業したイタンジを昨年10月に買収している。
GA technologies は不動産情報ポータルの運営をはじめ、不動産の検索、仲介、管理を一貫して依頼できるサービスを提供している。一般的に、不動産に関わるこれらのサービスは異なる事業者に依頼することが一般的だが、GA technologies はこれらをワンストップで提供することで、顧客にとっての煩わしさを解消し LTV 向上を目指している。不動産売買への顧客流入チャネルとして、賃貸特化の不動産テックを展開するイタンジを買収したほか、リノベーション会社も複数買収している。
THE BRIDGE の取材に対し、GA technologies の創業者で代表取締役社⻑ CEO の樋口龍氏は、今回の出資について、日本の PropTech スタートアップ界を盛り上げていくこと、また、買収先となり得るスタートアップを見つける手段としても活用していきたいと語った。また、PropTech スタートアップとしてのエグジット経験(昨年、東証マザーズに上場)を後進に役立てるべく、樋口氏はデジタルベースキャピタルのメンタリングやハンズオン支援にも協力するという。
桜井氏によれば、世界中で PropTech や不動産テック(RealTech)から派生する形で、不動産業や宅地建物業などから外れたサービスが生まれており、それらはまとめて、LaaS(Life as a Service)というカテゴリで整理されはじめているのだとか。いずれは、不動産関係の取引に付随して、スタートアップを中心にさまざまなサービスが提供されるようになっていく。WeWork や Airbnb に代表されるような場所にとらわれない職場環境や宿泊環境を、ワンクリックで住まいの世界にも実現できる世界観は、そう遠くない将来にまでやってきているという。
(FinTech のときと比べ)PropTech が大きく違うのは、WeWork がいるのと、Softbank Vision Fund の資金が流れ込んでいる点。これが FinTech のときとは違う状況を作り出している。(桜井氏)
PropTech JAPAN は、スタートアップや大企業の関係者を中心に850名ほどからなるコミュニティを形成しているが、今回のデジタルベースキャピタルとファンド組成を記念して、PropTech に特化したカンファレンスを開催する計画だ。このイベントでは、PropTech 分野の新進気鋭スタートアップ20社ほどがピッチ登壇し、うち半数から3分の1程度は海外から招聘される予定。詳細については、デジタルベースキャピタルか PropTech JAPAN のウェブサイトやソーシャルメディアアカウントを参照されたい。