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シンガポールで開催中の「ECHELON Asia Summit」1日目——ディープテック、イシュードリブンなスタートアップに光を当てる動きが顕著に

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本稿は、シンガポールで開催中の ECHELON Asia Summit 2017 の取材の一部である。 6月28日〜30日の3日間、シンガポール・チャンギ空港に程近い Singapore Expo を会場に、年次のスタートアップ・カンファレンス ECHELON Asia Summit がスタートした。会場の中央部には、東南アジア各国での地域予選で選ばれた「ECHELON HOT 100」参加のスタ…

本稿は、シンガポールで開催中の ECHELON Asia Summit 2017 の取材の一部である。

6月28日〜30日の3日間、シンガポール・チャンギ空港に程近い Singapore Expo を会場に、年次のスタートアップ・カンファレンス ECHELON Asia Summit がスタートした。会場の中央部には、東南アジア各国での地域予選で選ばれた「ECHELON HOT 100」参加のスタートアップらが所狭しとブースを並べている。

中央部のブースを挟む形で、Creative と Future という2つのステージが設けられ、Creative ステージでは主に、2日目に最優秀者が決まる「HOT 100」ピッチコンペティションのバーティカル別予選(総参加数118社)が、Future ステージでは主に基調講演やファイヤーサイドチャットが展開される。

SGInnovate CEO Steve Leonard 氏(右)

1日目の登壇者のトップバッターを務めたのは、シンガポールの政府ファンド系スタートアップ支援組織 SGInnovate の CEO Steve Leonard 氏だ。彼は昨年まで、やはりシンガポールの政府系投資組織である IDA(Infocomm Development Authority)の会長上級代理(Executive Deputy Chairman)を務めていた人物だ。

ソーシャル系、e コマースなど、東南アジアではここ数年にわたり、コミュニケーションをベースに発展したスタートアップが脚光を浴びる傾向にあったが、今後、SGInnovate ではディープテックに特化したスタートアップや起業家を応援していくという。シンガポールでは、シンガポール大学がマサチューセッツ工科大学と連携して進める研究イニシアティブ「SMART(Singapore-MIT Alliance for Research and Technology)」など、アカデミアからのアプローチも、ディープテック・スタートアップの創出に一役買うだろう述べた。

毎年のファッションの流行色が、消費者の気分で決まるのではなく専門家集団が恣意的に決めているように、実はスタートアップのトレンドも Leonard 氏のようなオーソリティの発言によって多分に左右されている。今年も残すところ半分、とうなんのディープテック・スタートアップの動きに注目してみたい。

Mistletoe 代表取締役 兼 CSO 大蘿淳司氏(右)

続いては、Mistletoe の代表取締役兼CSO(チーフグロースオフィサー)を務める大蘿淳司氏が登壇。先日の Funderbeam への出資表明以降、5月にシンガポールで開催された InnovFest Unbound での孫泰蔵氏の基調講演に始まり、Mistletoe の東南アジアでの活動露出が顕著だ。

Mistletoe は、Funderbeam のアジア太平洋地域でのサービス展開の役割も担っている。Funderbeam はすでにエストニアや EU では営業活動を承認されているが、アジアでは各国政府の金融当局を口説いていく段階。スタートアップにとってのこの新しい資金調達プラットフォームをテコに、孫氏らがかねてから主張する「シリコンバレーに匹敵するスタートアップ・エコシステムをアジアに」という展望は、日に日に現実味を帯びつつある。最近、話題になっている ICO の一連の動きも、プラットフォーム形成に追い風となるだろう。

大蘿氏は、Mistletoe が投資の対象となるスタートアップを見つける上で、典型的な VC とは全く異なるアプローチを取っているとも語った。ディールソースにおいてもピッチコンペティションのようなものは行わず、孫氏や大蘿氏に起業家からもたらされた情報を元に判断。10年とか、20年とか時間はかかるかもしれないが、世の中の問題を解決するしくみに取り組んでいるクレージーなアイデアに投資していきたいと語る。

起業家は技術に固執しがちになる。例えば、素晴らしいセンサーを開発した。でも、この素晴らしいセンサーをどこに使っていいでしょう、と聞いてくる。(中略)起業家も、最初は何かを解決しようと取り組み始める。しかし、技術が出来上がってくると、そこに固執しがち。

フィンテック、IoT、人工知能、ヘルスケアなど、バーティカルで整理されて語られることの多いスタートアップ業界だが、社会構造を変革させるという観点においては、すべてのバーティカルはつながっているのだ。バーティカルは物事を整理する上では都合よいが、それが災いして機会を制限してしまうことになればナンセンスである。

THE BRIDGE でも、THE BRIDGE Lab.では社会問題を軸にスタートアップを取り上げているが、バーティカル特化型の VC、インキュベータやアクセラレータなども、今後、同じような動きを見せるところが出てくるかもしれない。

e27 、オープンイノベーション支援プログラム「FORGE」を発表

e27 共同創業者 兼 CEO の Mohan Belani 氏

一方、この日、ECHELON の主催者で、THE BRIDGE のメディアパートナーでもあるスタートアップ・ニュースメディア e27 は、コンサル大手の PwC と協業し、オープンイノベーション支援プログラム「FORGE」をローンチすると発表した

昨年には同じくスタートアップ・ニュースメディアの Tech in Asia が、コンサル大手の KPMG と共同でオープンイノベーションを牽引するプログラムを打ち出している。まだ記事にはしていないのだが、先日訪れたパリの有名スタートアップ・アクセラレータ NUMA でも、イベント運営や投資と並んで、大企業のデジタルトランスフォーメーション支援(要するに、オープンイノベーションの運営受託)が収入の大きな柱になっていることを明らかにしていた。

スタートアップ・メディアやアクセラレータが、オープンイノベーションに活路を見出そうとする傾向は、これからしばらく顕著になるかもしれない。

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