BRIDGE

タグ EU

金利で自由にEUの銀行を選べるRaisinに「ワンストップ口座管理」の可能性をみる

SHARE:

ピックアップ:Raisin raises $114M for its pan-European marketplace for savings and investment products ニュースサマリー:ベルリン発のフィンテック・スタートアップ「Raisin(レーズン)」は6日、シリーズDの調達ラウンドにて約1億1400万ドルを調達したと発表している。ラウンドに参加したのは既存投資家のInd…

Capture

ピックアップRaisin raises $114M for its pan-European marketplace for savings and investment products

ニュースサマリー:ベルリン発のフィンテック・スタートアップ「Raisin(レーズン)」は6日、シリーズDの調達ラウンドにて約1億1400万ドルを調達したと発表している。ラウンドに参加したのは既存投資家のIndex Ventures、PayPal、Ribbit Capital、Thrive Capital。TechCrunchなどが報じた。

2013年創業のRaisinは、EU各国に存在する銀行の定期預金金利を比較できるほか、複数銀行の口座管理や預け入れができるプラットフォームを提供。ユーザーは銀行の選択肢の幅を広げられ、銀行側はその規模に関わらずあらゆる国のユーザーにリーチすることが可能になる。

Raisinによると既に30カ国以上、62の銀行とパートナシップを結んでおり、合計110億ドルの預金を仲介しているという。今回の調達で集めた資金は、戦略的買収やサービスの国際化へ向けた費用に充てる予定。

話題のポイント:Raisinは日本的なサービスで言えばマネーフォワードが少し近いかもしれません。口座管理だけでなく、預金の預け入れもここ経由でワンストップ管理が可能っぽいので、提携銀行であれば、金利を見ながら気軽に銀行の変更が可能なのは確かに便利です。

例えば日本では、どの銀行であろうが預金金利に大きな差がないため、個人口座については家族が使っている銀行をそのまま使ったり、近所の銀行でいいやとなるケースが多いかと思います。

それに比べるとEUは加盟国だけでも28カ国(英国含めて)ありますから選択肢は豊富です。小さな国家の銀行であっても、金利などの面で優遇措置を図れば同経済圏に住むユーザーのアテンションを取ることが可能になります。

同じくユーロという通貨を採用している地域で営業する銀行を比較することで、ユーザーの流動性を持たせることに成功しているのがRaisinと言えるでしょう。

国内も金利による比較は難しいかもしれませんが、別のサービスなどで預金先の選択肢が増えることがあればこういった複数銀行を選択できるマーケットプレース的なプラットフォームの可能性も出てくるかもしれません。

英EU離脱に対する地元のテック・スタートアップ業界の反応は?

SHARE:

<ピックアップ>U.K. entrepreneurs react to Brexit vote 英国の国民投票でEU離脱派が勝利したという結果は、地元英国、そして世界のスタートアップやテック企業にも大きな衝撃を与えている。 VentureBeatで紹介されていた英国のテック・スタートアップコミュニティの人々の反応を一部紹介したい。 「競争力を失うリスクがある」 ロンドンのスタートアップ Saber…

ロンドン(著者撮影)
ロンドン(著者撮影)

<ピックアップ>U.K. entrepreneurs react to Brexit vote

英国の国民投票でEU離脱派が勝利したという結果は、地元英国、そして世界のスタートアップやテック企業にも大きな衝撃を与えている。

VentureBeatで紹介されていた英国のテック・スタートアップコミュニティの人々の反応を一部紹介したい。

「競争力を失うリスクがある」

ロンドンのスタートアップ SaberrのCEO、Tom Marsden氏は次の様にコメント。

テック業界の専門職の人材の多くが欧州から来ていますし、そうした人材を惹きつけるのはより難しくなりつつあります。世界最高レベルのスタートアップエコシステムをもつ国として、私たちの競争力の強みを失うリスクがあります。

彼は英国のEU離脱がもたらす科学的研究への影響についても心配するコメントをしており、彼自身EUからの出資に助けられたことを付け加えている。

「多くの企業が他国に移るだろう」

AzimoのCEO、Michael Kent氏もまた今回の結果には失望したとコメントしている。

これはロンドンの金融サービス業界にとってショックな結果です。ここの多くの企業が、EUの市場へのアクセスがあること、欧州にサービスを届けられる法的な権利を有することに支えられているからです。

彼は、地元の多くの企業が英国を出て欧州の他国に移るだろうと予測している。「フランクフルト、アムステルダム、ダブリンといった街は当然、候補地になります」と付け加えている。

投資家からの資金調達への影響も

e.venturesの共同創業者・パートナーのAndreas Haug氏は次の様にコメント。

ベンチャーキャピタルファンドのような我々にとって、英国での事業は投資という点の魅力が損なわれます。英国の起業家が我々の元にアイデアを持ってくるとき、我々は英国市場よりもむしろ欧州の市場にとってそのアイデアが魅力的かを測ります。5億人の消費者をもつ場か、その10分の1の市場かで、事業の可能性の評価は大きく変化します。

最近1億5000万ドルの欧州のスタートアップ向けアーリーステージのファンドをクローズしましたが、EU離脱は、私たち、また欧州に拠点を置く投資家からの資本を得る英国企業が少なくなることを意味します。

ロンドンのTech London Advocatesのファウンダー Russ Shaw氏は、今回の結果が地元のテック業界に与える影響について次のようにコメント。

今日の結果は、ロンドンのテック業界が見たかったものではありません。ですが、私たちはロンドンのテックを築くための努力を継続しますし、ロンドンを世界トップレベルのテックハブにするべく挑戦を続けます。

私自身の拠点であるベルリンのスタートアップコミュニティにも、今回のEU離脱に対するショックが広がっている。ベルリンのような欧州各地から人材が集まる都市は、人材の獲得、多様でオープンなカルチャーなど多くの点で、EUという仕組みの恩恵を受けてきたからだ。

関連記事:ロンドンを越えつつあるベルリンのスタートアップシーン:若者の移住が増え、物価も上昇中

ロンドンの物価の高さやライフスタイルに疲弊した若者がベルリンに移住するという傾向も見られていたが、ロンドンのEU離脱が正式に実行されるまでにこの傾向が加速する可能性もあると思っている。

今回の結果は、様々な形で欧州のスタートアップシーンに影響を与えることになりそうだ。

via VentureBeat