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デザインの質を求める姿勢が競争優位を生むーーハンドメイドマーケット iichi とアジア最大級のデザイナーズマーケット Pinkoi が資本業務提携

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一般社団法人日本ホビー協会「ホビー白書2014年版」が発表している資料によれば、ハンドメイドにあたる手芸や趣味工芸などの国内クラフト市場規模は、2013年時点で8,673億円だとされている。 その中でも、インターネット上のCtoCハンドメイドマーケットの市場規模は698億円となっている。日本では「minne」、「tetote」、「creema」など、複数のプレイヤーがしのぎを削っている。 日本のハ…

左:iichi 代表取締役の飯沼健太郎氏 右:Pinkoi CEO Peter Yen氏
左:iichi 代表取締役の飯沼健太郎氏
右:Pinkoi CEO Peter Yen氏

一般社団法人日本ホビー協会「ホビー白書2014年版」が発表している資料によれば、ハンドメイドにあたる手芸や趣味工芸などの国内クラフト市場規模は、2013年時点で8,673億円だとされている。

その中でも、インターネット上のCtoCハンドメイドマーケットの市場規模は698億円となっている。日本では「minne」、「tetote」、「creema」など、複数のプレイヤーがしのぎを削っている。

日本のハンドメイドマーケットの「iichi」と、台湾発アジア最大級のデザイナーズマーケットを運営する「Pinkoi」が、こうした状況に変化をもたらした。両社は2016年3月16日、資本業務提携を発表したのだ。

iichi

今回の提携により、iichi は Pinkoi を引受先とする第三者割当増資を実施。Pinkoi は iichi の筆頭株主となり、iichi 代表取締役の飯沼健太郎氏が Pinkoi の取締役に新たに就任、 Pinkoi Japan の代表となる。

iichiは、博報堂DYグループ横断社内公募型ビジネス育成プログラムを経て、サービスがスタート。2011年に、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズ、村式、カヤックの4社が出資して創業した。

今回の提携により、今後は Pinkoi と博報堂グループのジョイントベンチャーとして、グローバルにハンドメイドマーケットプレイス事業を展開。今後、iichiはハンドメイドマーケット「iichi」と「Pinkoi」日本版の両サービスの運営に関わることになる。

pinkoi

Pinkoiは、2011年末に設立された台湾発のスタートアップ。アジア各国を中心に世界中のデザイナーと購入者を繋ぎ、月間利用者数 200 万人を超えるアジア最大級のデザインプロダクトのマーケットプレイスとして成長している。

Pinkoi は 台湾・香港・米国・中国・日本・タイを含む全世界 77 カ国で商品が販売されており、5 言語・12 通貨でサービスを展開。これまでに、大手ベンチャーキャピタルのセコイアキャピタル、インフィニティ・ベンチャー・パートナーズから 1110 万ドルの資金調達を実施している。

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両社は、一体どういったきっかけで提携に至ったのだろうか。

飯沼氏「グローバルには最初から展開していきたいと考えていて、最初に英語版も作っていたんです。ただ、海外現地でのマーケティングが難しかった。難しさは実感しながらも、日本の商品力は価値が高いと感じていたので、アジアに展開できれば売れるはず、越境ECが成立するのではと考えていました。昨年の10月にPeterと2日間くらいかけてこういう話をしたんです。」

一方で、Pinkoiもなんとか日本に参入できないかと考えていたという。

Peter氏「2014年頃から、少しずつ日本での活動を始めました。チームを作り、日本のデザイナーに会って、彼らの課題はなんなのか、私たちには何ができるかを考え始めていたんです。その過程で飯沼さんと話をするようになり、より大きなビジョンに向けて共同することにしました。日本のデザイナーが国内に留まらず、世界で活躍するように支援していきたいと考えています」

飯沼氏「Pinkoiのチームのサービスを作りこむ力、グローバルに展開する力は iichi が必要としていた部分。そして、Pinkoiも日本のモノづくりにアクセスしたいと考えていたものの、海外から日本の作家にアクセスすることは難しい。ここを iichi が担うことで、良い補完関係になるのではと考えています」

今回の提携により、iichi社は「iichi」と「Pinkoi」の運営を両方手掛ける。両サービスは利用者の属性が異なるため、それぞれのカテゴリで成長させていくことになる。日本におけるマーケティングには、博報堂も関わり認知を広げていく。

両社が手をとりあってサービスを運営していくとなると、ビジネスだけではなく、カルチャー面でのシナジーも重要になる。両社はビジネス的にシナジーが合ったことはもちろん、会社のカルチャーもフィットするところがあったという。

Peter氏「私たちには、2つの文化があります。一つは「ピープルファーストなコミュニティ」であること。良いデザインの商品を求めているデザインコンシャスな人たちに価値を提供しています。

そして、もう一つが「デザインのクオリティ」です。Pinkoiには誰でも出品できるわけではありません。オープンではなく、キュレーションをしています。割合としては、10人に1人しか作家として登録できません。

デザイナーをしっかりとキュレーションしていることで、Pinkoiはデザインコンシャスな人々が求めるプロダクトが集まる場所になっています」

良いデザイナーと彼らが作り出す商品を求めている人たちが集まるコミュニティが Pinkoi の価値につながっている。Peter氏がそのために何より重要だと語っていたのが、「デザイナーを助ける」というパッションを持つこと。

こうした、作家を大切にするマインドやデザインの質を求める姿勢、チームが持つ情熱などのカルチャーが近かったことから、iichi と Pinkoi は提携へと至った。

両社が持つコミュニティを重視し、デザインの質を重視する姿勢は、そのままサービスの競争優位性へとつながる。

Peter氏「Pinkoiではトップデザイナーにコミュニティに入ってもらっています。そして、各地のハイレベルなデザイナーが参加しているコミュニティが求心力を生み、さらにデザイナーが集まります。

そして、そういったデザイナーの商品を買いたいというデザインコンシャスなユーザが集まっている。デザインコンシャスな人たちは審美眼が優れていて、優秀なデザイナーは見る目を持つ人たちに商品を売りたいと考えます。

トップデザイナーとデザインコンシャスなユーザ、この両方を集めていることが、私たちの強みです。」

飯沼氏「日本の作家やデザイナーの力は優れています。その人たちがPinkoiのコミュニティへと入っていくことは、さらにPinkoiコミュニティの求心力を高めていくことにつながっていくはずです」

台湾や香港、タイなど、アジア各地でもハンドメイドやデザイン商品への注目は増している。Pinkoi と iichi は、日本のデザイナーをエンパワーし、マーケットが成長するアジアへの進出を支援する。

両社が目指すのは、アジアのデザインがグローバルで存在感を発揮すること。そのために、クオリティを重視し、質の高いデザインコミュニティを構築していく。

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作り手の創作活動を包括支援、シェア工房スペース「Makers’ Base」とハンドクラフトマーケット「iichi」が業務提携

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日本最大級のシェア工房スペース「Makers’ Base」を運営するMakers’と、博報堂グループでCtoCのハンドクラフトマーケットプレイス「iichi」を運営するiichiは、日本の手仕事文化を担っている個人作家の創作活動を支援し、市場を広げていくことを目的とした包括的な業務提携に合意した。 iichiが運営する手作り工芸の通販サイト「iichi(いいち)」には、現在約12,00…

iichi

日本最大級のシェア工房スペース「Makers’ Base」を運営するMakers’と、博報堂グループでCtoCのハンドクラフトマーケットプレイス「iichi」を運営するiichiは、日本の手仕事文化を担っている個人作家の創作活動を支援し、市場を広げていくことを目的とした包括的な業務提携に合意した。

iichiが運営する手作り工芸の通販サイト「iichi(いいち)」には、現在約12,000名もの個人作家が登録している。オンライン上での作品展示、販売をサポートしている。

ハンドクラフトマーケット「iichi」

ハンドクラフトマーケットプレイスは、「Creema」,「tetote」、「minne」など、日本にもいくつかのサービスが存在している。「iichi」に出品するクリエイターは、4割はフルタイムで作家活動をしている人たちで、「iichi」に出品されるプロダクトは、出品単価の平均が比較的高く、高品質、高単価となっている。

iichiは鎌倉を拠点に活動しており、Fablab鎌倉とスツールやカトラリー等モノづくり関連のイベントを開催している他、ハンドメイドビジネス誌「Crafter」の編集協力や販売支援を行うなど、サービス提供のみならず、いくつかの活動を実施している。

iichiは鎌倉と浅草で店舗を運営しており、百貨店各社と組んで展示会も開催している。これは、彼らが作家の「オフラインの活動を一番サポートしないといけない」という考えを持っているためだ。今回のMakers’ Baseの提携もその一環だ。

スペースとマーケットプレイスの連携

そんなiichiが今回提携したのが、東京都目黒区で運営される日本最大級のシェア工房スペース「Makers’ Base」。同スペースは、陶芸、木工、彫金、染織はじめ多くのジャンルの創作活動を可能にする機材設備が用意され、述べ1,400名以上の利用者の方に創作活動のための場所とツールを提供している。

Makers’ Base

包括業務提携の第1弾として、両社のサービスをタイアップした「サービス体験プログラム」の提供を開始する。これはiichiに作家登録した上でMakers’ Baseを利用することで、工房利用料が最大50%割引となるものだ。

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第2弾には、2014年11月1日~3日の3日間、Makers’ Baseの利用作家、iichiの作家100名によるWorkshopイベント「100 Makers’ Open Base!」をMakers’ Baseで開催する予定となっているという。

「iichi」ではユーザから作家への問い合わせが可能となっており、プロダクトに名前を入れてもらったりすることも可能となっており、iichi 取締役の佐藤敏正氏はその状態を「オーダーメイドに近い」と表現している。

佐藤氏「ただ、完成されたものを購入するだけではなく、ユーザが自身の希望を伝えることで、買い手も物を作るプロセスに巻き込まれることになります。これはDIYの一歩手前の段階で、作ってもらったユーザも愛着がわきやすくなり、作家の支援者になる可能性が高くなります。

作家一人に対して100〜300人の支援者がつけば、作家は創作活動をすることで生きていけるようになります。iichiはそれをサポートしていきたいと思います。」

現在、iichiは10人ほどの規模となっている。今後、iichiはスタッフを現在の倍以上の規模にする予定だという。スタッフの中には自身も作家として活動しながら仕事をしている人もいるそうで、「作家は作り出すものに自身の価値観が現れる」という考え方のもと、仕事と生活の双方の充実を目指しているという。

ハンドクラフトとデジタル領域の組み合わせ、マーケットプレイスとオフラインの工房スペースとの組み合わせなど、個人作家の活動を支援していく方法として非常に興味深いアプローチをとっている彼らが、仕事と生活の両立という面でもどのような結果を見せてくれるのか、楽しみだ。

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