作り手の創作活動を包括支援、シェア工房スペース「Makers’ Base」とハンドクラフトマーケット「iichi」が業務提携

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iichi

日本最大級のシェア工房スペース「Makers’ Base」を運営するMakers’と、博報堂グループでCtoCのハンドクラフトマーケットプレイス「iichi」を運営するiichiは、日本の手仕事文化を担っている個人作家の創作活動を支援し、市場を広げていくことを目的とした包括的な業務提携に合意した。

iichiが運営する手作り工芸の通販サイト「iichi(いいち)」には、現在約12,000名もの個人作家が登録している。オンライン上での作品展示、販売をサポートしている。

ハンドクラフトマーケット「iichi」

ハンドクラフトマーケットプレイスは、「Creema」,「tetote」、「minne」など、日本にもいくつかのサービスが存在している。「iichi」に出品するクリエイターは、4割はフルタイムで作家活動をしている人たちで、「iichi」に出品されるプロダクトは、出品単価の平均が比較的高く、高品質、高単価となっている。

iichiは鎌倉を拠点に活動しており、Fablab鎌倉とスツールやカトラリー等モノづくり関連のイベントを開催している他、ハンドメイドビジネス誌「Crafter」の編集協力や販売支援を行うなど、サービス提供のみならず、いくつかの活動を実施している。

iichiは鎌倉と浅草で店舗を運営しており、百貨店各社と組んで展示会も開催している。これは、彼らが作家の「オフラインの活動を一番サポートしないといけない」という考えを持っているためだ。今回のMakers’ Baseの提携もその一環だ。

スペースとマーケットプレイスの連携

そんなiichiが今回提携したのが、東京都目黒区で運営される日本最大級のシェア工房スペース「Makers’ Base」。同スペースは、陶芸、木工、彫金、染織はじめ多くのジャンルの創作活動を可能にする機材設備が用意され、述べ1,400名以上の利用者の方に創作活動のための場所とツールを提供している。

Makers’ Base

包括業務提携の第1弾として、両社のサービスをタイアップした「サービス体験プログラム」の提供を開始する。これはiichiに作家登録した上でMakers’ Baseを利用することで、工房利用料が最大50%割引となるものだ。

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第2弾には、2014年11月1日~3日の3日間、Makers’ Baseの利用作家、iichiの作家100名によるWorkshopイベント「100 Makers’ Open Base!」をMakers’ Baseで開催する予定となっているという。

「iichi」ではユーザから作家への問い合わせが可能となっており、プロダクトに名前を入れてもらったりすることも可能となっており、iichi 取締役の佐藤敏正氏はその状態を「オーダーメイドに近い」と表現している。

佐藤氏「ただ、完成されたものを購入するだけではなく、ユーザが自身の希望を伝えることで、買い手も物を作るプロセスに巻き込まれることになります。これはDIYの一歩手前の段階で、作ってもらったユーザも愛着がわきやすくなり、作家の支援者になる可能性が高くなります。

作家一人に対して100〜300人の支援者がつけば、作家は創作活動をすることで生きていけるようになります。iichiはそれをサポートしていきたいと思います。」

現在、iichiは10人ほどの規模となっている。今後、iichiはスタッフを現在の倍以上の規模にする予定だという。スタッフの中には自身も作家として活動しながら仕事をしている人もいるそうで、「作家は作り出すものに自身の価値観が現れる」という考え方のもと、仕事と生活の双方の充実を目指しているという。

ハンドクラフトとデジタル領域の組み合わせ、マーケットプレイスとオフラインの工房スペースとの組み合わせなど、個人作家の活動を支援していく方法として非常に興味深いアプローチをとっている彼らが、仕事と生活の両立という面でもどのような結果を見せてくれるのか、楽しみだ。

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