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ポスト・アプリストアの刺客「Playco」:新たなインスタントゲームの時代の幕開け(4/4)

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なぜ今なのか (前回からのつづき)過去、インスタントゲームは幅広いユーザー・リーチの面では大成功を収めたが、収益の面ではそうでもなかった。現在、関係する企業はよりよいビジネスモデルを模索中と言えるだろう。Carter氏は「あるしきい値がやってきたタイミングで、年間700億ドルものモバイルゲーム業界がこれに移行することになるでしょう」と見通しを語る。 一方、前のスタートアップGame Closure…

Facebookはインスタントゲームに取り組む企業のひとつ/Image  Credit:Facebook

なぜ今なのか

(前回からのつづき)過去、インスタントゲームは幅広いユーザー・リーチの面では大成功を収めたが、収益の面ではそうでもなかった。現在、関係する企業はよりよいビジネスモデルを模索中と言えるだろう。Carter氏は「あるしきい値がやってきたタイミングで、年間700億ドルものモバイルゲーム業界がこれに移行することになるでしょう」と見通しを語る。

一方、前のスタートアップGame Closureでのチャレンジはやや時期尚早だった。Carter氏とWaldron氏はそれが特にどのゲームカテゴリが上手くいくのかを考える上で重要な経験になったと語っている。

「私たちが開発した「Zynga Poker」はまるでウェブページを開くかの如く友人と遊べる、そんな魔法のような体験でした。自分たちのやったことに対して衝撃を受けました。これは私たちだけがやるようなものではない。新たなゲーム開発の幕開けだ、と」(Waldron氏)。

Waldron氏はZyngaが株式を公開したのは2011年で、当時のメインプラットフォームであったFacebookのユーザー数は2億人だったと当時を振り返る。今ではFacebookのユーザー数は26億人となり、インスタントゲームで人々にリーチする技術は格段に向上している。一方で、アプリストアはそれほど拡散性がなく、ゲーム開発者は新規ダウンロードを獲得するため、広告に多額の費用をかけなければならない。

「ユーザー獲得のチャネルはどんどん高価になっていきました。結果、そういったお金を使おうとしている人たちのみをターゲットにしなければなりません。私たちの使命はやみくもに幅広いユーザーをとにかく獲得すればよい、というものではありません。お金は使うけど、もっと小さなグループを狙います。多くのゲーム会社は1000万人や1億人をターゲットにしていますが、ここに欠けているのは、遊びが人間にとって必要なことである、という考え方だと思います。気心知れた大切な人と一緒に遊びたいはずです。ゲームとは人と人との距離を縮めることができるものなのです」(Waldron氏)。

この技術はかつての10年間のゲームの懐かしい外観だけでなくそれ以上のものを提供できる、Waldron氏はそう考えている。PlaycoはWebGL、クラウドコンピューティング、5Gネットワークを介して3Dゲームエンジンの技術を活用し、楽しさとストレスのない面白いタイトルを提供しようとしている。

Carterは取材の最後、こう付け加えた。

「私たちは他のプラットフォームが持っているものと同じ基盤となるハードウェアにアクセスできるようになりました。品質は保証できます。もちろんギャップはありますが、それは40年ほどの大層なものにはならないでしょう。大切なのは誰も考えていない新しいゲームが何なのかを考えてみることです。リスク要因はありますが、しかし同時に、それをはるかに超える大きなチャンスでもあるのです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ポスト・アプリストアの刺客「Playco」:世界から集結、タレント揃いのビッグ・チーム(3/4)

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ポスト・アプリストアの世界 (前回からのつづき)Epic Gamesは、AppleがApp Storeでのゲーム販売に制限をかけたため独占禁止法違反を理由にAppleを提訴している最中だ。もちろん、ウェブリンク経由で配信されるインスタントゲームは、アプリストアを迂回することができる。Carter氏はこの状況をこう語る。 「今、世界ではこれらの大きなプラットフォームで多くのことが起こっています。私た…

PlaycoシニアプロデューサーJimmy Griffith氏がかつて手掛けた「Everwing」はFacebookのインスタントゲームだ/Image Credit:Facebook

ポスト・アプリストアの世界

(前回からのつづき)Epic Gamesは、AppleがApp Storeでのゲーム販売に制限をかけたため独占禁止法違反を理由にAppleを提訴している最中だ。もちろん、ウェブリンク経由で配信されるインスタントゲームは、アプリストアを迂回することができる。Carter氏はこの状況をこう語る。

「今、世界ではこれらの大きなプラットフォームで多くのことが起こっています。私たちが今、この会社を始めようと決めた理由の一つは、AppleとGoogleが私たちのコンセプトを受け入れたからです。以前であれば、単に2人で簡単にゲームをプレイできるという考えが、例えば決済モデルの仕組みであったり、そもそも誰がプラットフォームの未来をコントロールするのか、ということと何らかの形で結びついていると感じていたはずです。

そういった大きな話はさておきとしても、全ての出来事はエコシステム一部であるべきものですから、実際には消費者にとって本当に良いことになると思いますし、争いも起こるでしょうね。一方のソーシャルネットワーク側は、人々がどのようにして簡単に一緒にゲームをプレイできるかを知っているので楽観的です。そしてAppleとGoogleは、よい消費者体験を本当に大切にしています。興味深い時代になるでしょうが、インスタントプレイが可能な時代になることは間違いありません」。

Carter氏は同社には大きな軍資金があり、これによって多くのプラットフォームでのインスタントプレイの命題を証明することができ、また、旋風が巻き起こった際には大きなアドバンテージを得ることになるだろうとも語っている。

「技術はすでに現実のものとなっているので、今では企業同士がどのように展開していくのかを話し合っています」とWaldron氏は語る。

問題の一つは、インスタントゲームが広告ベースであり、画面を何度もクリックした後、プレイヤーにダウンロードを完了させ、ダウンロードしたゲームでさらに追加購入するように促すことが多かったことだ。この点についてCarter氏は「インスタントゲームの中での購入もすぐに可能になるはず」と回答する。例えばAppleのApp Clipsは、現在これを可能にしているのだ。Carter氏は、同社が作成してきたプロトタイプに満足しており、今年中に2、3本のゲームを出すことができるとした。

ビッグ・チーム

Carter氏は、彼とWaldron氏がインスタントゲームにおける一流の人材を採用したことが、同社をして多くの資金を調達することができた理由と述べている。このキラー・チームは投資家たちを興奮させた。このチームの構築には本当に力をいれたとCarter氏は語る。

大塚氏は2005年から2015年まで日本にいた際、DeNAの人気ゲームプラットフォーム「Mobage」の構築を手掛けた人物だ。Cross氏はGame ClosureのCarter氏と共にHMTL5ゲーミングに携わった。同じくGame ClosureのベテランであるTom Fairfield氏がPlaycoのボードに参加している。

創業者と経営陣は、ソウル、東京、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの都市でWFHにて参加している。ゲーム会社Chobolabsの元CEOであるDeyan Vitanov氏がチーフマーケティングオフィサーを務め、3億8,000万インストールを突破したインスタントゲーム「EverWing」の生みの親であるJimmy Griffith氏がシニアプロデューサーを務める。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ポスト・アプリストアの刺客「Playco」:メッセで送れるインスタントソーシャルゲームの可能性(2/4)

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Game Closure時代の「遺産」 (前回からのつづき)スタンフォード大学の学生主導アクセラレーター「StartX」出身だったGame Closureは、ダウンロードを必要としないクロスプラットフォームのインスタントゲームを手がけていた。同社は2012年に1,200万ドルを調達したが時期尚早で、一部のブラウザがHTML5をサポートしていなかったり、すぐに実行できなかったりするようなタイミングで…

Playcoは任意のプラットフォーム上で、リンクからアクセスできるインスタントゲームを開発/Image  Credit: Playco

Game Closure時代の「遺産」

(前回からのつづき)スタンフォード大学の学生主導アクセラレーター「StartX」出身だったGame Closureは、ダウンロードを必要としないクロスプラットフォームのインスタントゲームを手がけていた。同社は2012年に1,200万ドルを調達したが時期尚早で、一部のブラウザがHTML5をサポートしていなかったり、すぐに実行できなかったりするようなタイミングで船出してしまった。

Game Closureは今年まで続いていたのだが、最終的にCarter氏とWaldron氏は新たな会社を作ることにした。彼らはGame Closureの技術を買収し、その従業員を何人か雇い入れただけでなく、ゲーム業界から新しい人材も加えることに成功した。Carter氏によるとGame Closureの従業員の中にはキャッシュアウトすると決めた人もいたのだが、その他はPlaycoへ入社してくれて、現在75名のチームのほとんどはゲーム開発をしているという状況なのだそうだ。

今回の技術はより成熟しており、クラウドストリーミングからiOS上のApp Clips(iMessage上でのインスタントゲーム配信)まで、複数の方法でインスタントゲームを実行できるようになっている。PlaycoはFacebook、Line Messenger、楽天Viber、Snapchatと提携している。そして、Playcoは独自のゲーム構築をも計画している。

Carter氏はビジネス的な優位性についてこう語る。

「ビジネスモデルはマージン(利益率)の観点から改善されています 。20回クリックしてもらうマーケティングにお金を払う代わりに、ここでは1回のクリックでユーザーを獲得することができます。ユーザーはゲームを共有することもできますし、ストレスが非常に少なく、大規模な話題性を得ることができます。これまでゲームをプレイしたことがない人にも広がる市場性があるのです」。

アプリストアがゲーム唯一の窓口?/Image Credit: Apple

「App Store」

Game Closureから参加した投資家もいるが、ほとんどの投資家は新たな顔ぶれとなった。デジタルゲームが爆発的に成長し続けている中、COVID-19はゲームカテゴリの成長をさらに加速させ、一部のアナリストが過去数カ月で75%の増加を予測するまでになっている。家に閉じこもり、人々は他人との具体的なつながりを求め、ますますゲームに目を向けるようになったのだ。

しかし、Playcoはまだゲーム市場に大きな穴があり、そしてそのソリューションになれると考えているようだ。テクノロジーによって一緒にゲームをプレイする方法が増えたにも関わらず、実際にはその逆のことが起こっている。ゲーム市場は、よりニッチでアプリベースのものが成長しているとCarter氏は指摘する。

「開発者やプラットフォームは、実は数十億人規模ではなく、数百万人規模の小規模な「ハードコアな」オーディエンスの収益化に関心を持っています。さらに、アプリストアやゲームプラットフォームは本質的には、大きな参入障壁(ログイン、ダウンロードなど)があり、人々がすぐにゲームを手に取って、友人や家族と一緒にプレイできるようにするという目的からはズレているのです」(Carter氏)。

2012年当時のGame Closureチーム/Image Credit: Game Closure

Playcoは8歳でも80歳でも、筋金入りのゲーマーでもカジュアルなプレイヤーでも、手に取って簡単に遊べるインスタント・ゲームを作りたいと願っている。もちろんそれはゲーム性もあり、広く魅力的なジャンルで、何十億人もの人々にアピールできるものでもある。

プレイヤーはリンクを共有するだけで、どこからでもすぐにゲームにアクセスすることができる。Playcoは、FacebookやInstagramメッセンジャーからWeChat、Snap、Tik Tok、Tinder、Zoom、House Partyに至るまで、人々が毎日使用するコミュニケーション・プラットフォーム上でゲームが役立ち、大きく拡大することに真のチャンスを見出そうとしている。

Carter氏は、オープンウェブ技術の進歩により、Playcoがこのゲームビジョンを立ち上げることが可能になったとしている。また、これはゲーム業界にとって2つの大きな転換点でもある。インスタントソーシャルゲームは、ソーシャルゲームやゲーム会社のトップ・ティアがこの分野に多額の投資をしていることで、上昇傾向になっている。

そして話題になっているのが「ポストアプリストア」のアイデアだ。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ポスト・アプリストアの刺客「Playco」:大物たちが出資するユニコーン(1/4)

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ゲーム業界に新たなユニコーンの登場だ。Playcoは多種多様なプラットフォームで展開するインスタントゲームを拡大させるため、このほど10億ドルの評価額で1億ドルを調達した。 ウェブリンク上でプレイし、どのプラットフォームでも動作するインスタントゲーム用のウェブブラウザゲームエンジンを開発している企業としては破格の高評価だろう。業界では「ポスト・アプリストア」の世界が議論されており、何十億人ものプレ…

写真左のMichael Carteris氏がPlaycoの CEOを務める。もう一人のJustin氏は共同創業者/Image Credit: Playco

ゲーム業界に新たなユニコーンの登場だPlaycoは多種多様なプラットフォームで展開するインスタントゲームを拡大させるため、このほど10億ドルの評価額で1億ドルを調達した。

ウェブリンク上でプレイし、どのプラットフォームでも動作するインスタントゲーム用のウェブブラウザゲームエンジンを開発している企業としては破格の高評価だろう。業界では「ポスト・アプリストア」の世界が議論されており、何十億人ものプレイヤーにリーチする可能性を秘めたゲーム配信の完璧な受け皿としてインスタントゲームはその候補になっている。

投資家陣も豪華だ。Sequoia Capital Global EquitiesとMino Gamesの創業者、Josh Buckley氏がラウンドを主導し、Sozo Ventures、Raymond Tonsing氏のCaffeinated Capital、プロ・サッカープレーヤーの本田圭佑氏が率いるKSK Angel Fund、孫泰蔵氏のMistletoe Singapore、Digital Garage、Will Smith氏のDreamers VC、Makers Fundがラウンドに参加した。

対象となるプラットフォームはクラウドストリーミング、Google Play Instant、iOS App Clips、Facebook Instant Games、Snapchat Minisなど。Playcoはゲーム開発、バックエンドインフラとアナリティクスを提供し、多数のインスタントゲームプラットフォームにゲームを配信することになる。PlaycoのCEOであるMichael Carter氏は本誌・GamesBeatのインタビューでインスタントゲームについてこう語る。

「インスタントゲームとは何か。xCloudのようなクラウドストリーミングであれ、Google Stadiaのようなクラウドストリーミングであれ、様々なテクノロジーがあります。ウェブアセンブリやJavaScriptを使用してウェブ上で動作させることもできますし、Google Instant Playだけでなく、iOS 14に登場したiOS App Clipsも非常に興味深いものです。インストールする前にゲームをプレイすることができますからね」。

さらに、彼はテック巨人たちの動きをこのように分析する。

「Microsoft、Facebook、Apple、そしてGoogleなど、あらゆる大手テック企業がこの種のテクノロジーに大々的に投資しています。一方、実はこの新しいシフトにおけるキラーゲームは何かという問いに答えることに集中している会社はありません。私たちは、コンテンツ企業としてこれを追いかけようと決めたのです」。

Playcoは任意のプラットフォーム上で、リンクからアクセスできるインスタントゲームを開発/Image  Credit: Playco

東京に拠点を置くPlaycoには、オープンソースの接続プロトコル「WebSocket」の開発者であるCarter氏や、Zyngaの共同設立者であるJustin Waldron氏、元DeNAで怪盗ロワイヤルを作った大塚剛司氏、HTML5ゲームのパイオニアであるTeddy Cross.氏など、注目度の高いリーダーが集まった。

こういったPlaycoの専門性は新しいコンピューティング・プラットフォームの構築におけるCarter氏のバックグラウンドと、Zynga Pokerのような大規模なソーシャルゲーム体験を通じてプレイヤーを繋いできたWaldron氏の経験が融合して実現した。2011年にCarter氏はPlaycoと同様のビジョンを共有する企業「Game Closure」を立ち上げており、Waldron氏はそこのアドバイザーを務めていた。

「ゲーム市場を拡大し、より多くの人にゲームをプレイしてもらう。それが会社の使命です。遊びを通じて世界をもっと身近にしたいのです」(Carter氏)。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】