アプリDL要らずのゲーム開発Playco、TikTok向けに初タイトル「Sway Stories」をローンチ

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Playco が TikTok でローンチした「Sway Stories」
Image Credit: Playco

ソーシャルプラットフォーム向けにすぐに遊べるゲームを提供している Playco は「Sway Stories for TikTok」を発表した。短編動画で絶大な人気を誇る TikTok では初の試みである。Playco にとっては、まだ始まったばかりのゲーム市場に早くから参入する大きなチャンスとなる。

Playco は「Sway House」で有名な Griffin Johnson 氏や「BFFs」の Josh Richards 氏など、TikTok のスターたちと協力してプロジェクトを進めている。TikTok のユーザがアプリから離れることなくゲームをプレイできるのは今回が初めてだ。ユーザは Sway House のパーティーにサプライズで招待されたクリエイター志望の若者の役を演じ、その選択によって、若者のクリエイターの物語がどのように展開していくかを決定する。

このような機会によって、東京に本社を置くPlayco は昨年、インスタントゲーム各種開発で10億米ドルの時価総額を得て、1億米ドルを調達した。同社は、Webリンクでプレイでき、あらゆるプラットフォームで動作するインスタントゲーム用のウェブブラウザゲームエンジンの製作に注力している。

今回の資金調達は、業界で「ポスト・アプリストア」の世界が議論されている中で行われたもので、インスタントゲームは、何十億人ものプレイヤーにリーチする可能性のあるゲームを配信するための理想的な器といえるかもしれない。

Playco は、クラウドストリーミング、Google Play Instant、iOS App Clips、Facebook Instant Games、Snapchat Minis などのプラットフォームをターゲットにしている。ゲームを作り、バックエンドのインフラと分析を提供し、いくつかのインスタントゲームプラットフォームに配信する。

Playco は、あらゆるプラットフォーム上でリンクをクリックするだけで遊べるインスタントゲームを開発。
Image Credit: Playco

Playco には、オープンソースの接続プロトコル「WebSocket」開発者の Michael Carter 氏など、注目を集めるリーダーが籍を置く。他にも、Zynga の共同設立者 Justin Waldron 氏、DeNA 元取締役の大塚剛氏、HTML5 ゲームのパイオニアであるTeddy Cross 氏など、Playco には著名な社員が在籍する。

Playco の共同設立者である Justin Waldron 氏は、GamesBeat の取材へ回答で次のように述べている。

Sway Stories を TikTok のプラットフォームに完璧に適合させるために、TikTok と緊密に連携しました。クリエイターと TikTok のようなプラットフォームの両方と協力することで、ファンのための全く新しいタイプのゲームを作ることができます。今後もクリエイターとソーシャルプラットフォームの両方と協力して、クリエイターエコノミーを再構築していきたいと思います。

Playco は、Carter 氏の以前のスタートアップ Game Closure から誕生した。Game Closure は、スタンフォード大学の学生向けアクセラレータ StartXを経て、ダウンロード不要のクロスプラットフォーム向けインスタントゲームを開発していた。同社は2012年に1,200万米ドルを調達したが、HTML5 に対応していないブラウザがあったり、素早く実行できなかったりする時期に登場したため時期尚早であった。

Game Closure は2020年まで継続したが、Carter 氏とWaldron 氏は最終的に新しい会社をつくることにした。Game Closure の技術を買収し、その従業員の一部を採用するとともに、ゲーム業界から新たな人材を採用した。

Playco はゲーム市場に大きな穴があると考えている。テクノロジーの進歩により、人と人がつながり、一緒にゲームをする方法が増えたにもかかわらず、実際にはその逆のことが起きている。ゲーム市場はよりニッチでアプリベースのものになってしまっているのだ。

Playco は、何十億人もの人々にアピールできる魅力的なジャンルのゲームを、手に取って簡単に遊べるインスタントゲームにしたいと考えている。プレイヤーは、ゲームのリンクを共有するだけで、どこからでもゲームにアクセスできる。Playco は、FacebookやInstagram Messengerをはじめ、WeChat(微信)、Snap、TikTok、Tinder、Zoom、House Partyなど、人々が日常的に使用するコミュニケーションプラットフォーム上で、同社のゲームが生き生きと機能することに大きなチャンスを見出している。

ポストアプリストアの世界

Playco が TikTok でローンチした「Sway Stories」
Image Credit: Playco

Epic Games は、同社の Fortnite に関連する App Store のルールにまつわる独占禁止法上の疑惑について、Google や Apple と法廷で争っている。Epic Games は、Apple がアプリストアでのゲーム販売に制限をかけすぎていると考えており、先週の訴訟判決で Epic はわずかに譲歩した。しかし、Web リンクで配信されるインスタントゲームは、アプリストアを回避することができる。

TikTok に最初のゲームを提供することは、エキサイティングな一歩であり、クリエイター経済の新たな可能性を切り開くことに興奮しています。Playco の新しいゲームプラットフォームは、クリエイターが何年もかけて開発したチャンネルの中で、ゲーム IP や NFT のような新しいマネタイズに直接参加することを簡単にしてくれます。(Waldron 氏)

Playcoには150人の従業員がおり、今年の初めにSway Houseとのコラボレーションを開始した。Playco が開発したストーリーテリングプラットフォームは、クリエイターが自分のゲームを自分のソーシャルチャンネルに直接公開することを可能にし、ファンとの関係を深め、複数のプラットフォームと数十億人の潜在的なファンとの交流と収益化の新たな機会を提供する。

Richards 氏や Johnson 氏のようなクリエイターは、ゲームによってファンを魅了するとともに、プラットフォームに新しいユーザー体験を提供することができる。クリエイターは常に新しいコンテンツをリリースしなければならないというプレッシャーを抱えるが、Playco のプラットフォームは、魅力的なコンテンツを大規模に配信するのに役立つ。

Richards 氏と Johnson 氏は、2019年に TikTok で立ち上げた Sway House のオリジナルメンバーで、人気を博した。一方、Richards 氏は、CrossCheck Studios、CrossCheck Sports、Animal Capital、HawkeZ、Ani Energy などの多数のプロジェクトに投資しており、長期的にエクイティを構築することに注力しようとしている。

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【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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