Apple vs Epic:独占禁止法の議論と浮かび上がる興味深い事実(1/6)

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Travis ScottのFortnite内コンサートは2770万人の視聴者を集めた。iOSでは200万人が視聴している/Image Credit: Epic Games

Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。

対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内で発表した、割引ポリシーと直接課金の仕組みだ。

これはAppleとGoogleがそれぞれの利用規約に違反していると指摘している。EpicのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOは、大手企業がゲームに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicがアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきだと長年主張している。これはすなわち、AppleのiOSプラットフォーム上でのアプリ配信と内部課金がパソコン上と同じようにオープンになるべきという主張にほかならない。

AppleとGoogleはFortniteを禁止した。

そしてAppleはEpicが他の開発者が得られなかった「有利な取引」を自分たちで得ようとしたという主張で反撃することになった(ちなみにこれは下記の通り簡単に反論されている)。

Appleは大きな財政的リスクを負ってiOSモバイルプラットフォーム上にApp Storeを構築したにも関わらず、Epicはもう十分にいろいろ支払ったが故に、これからはタダ乗りさせろと主張しているにすぎないと指摘している。

EpicはAppleとGoogleの両方を独占禁止法違反で訴え、かつて画期的な広告と評価された「1984」のパロディ動画を投稿することで、自由を求めるAppleの姿勢をあざ笑ったのだ。その後Appleは、1,100万人の開発者が使用しているEpicのゲームエンジン「Unreal」の開発者ツール・サポートを取り下げようとしたが、連邦判事はこれを阻止するためにEpic側の一時的な差し止め要求を認めている。UnrealのユーザーであるMicrosoftは、Unreal EngineのTRO問題でEpicを支援することにしている。

1週間前、EpicはなぜAppleが異議を取り下げ、App StoreへFortniteの復帰を認めるべきだという主張を展開している。9月8日、Appleはカリフォルニア州オークランドの米国連邦地方裁判所で反論し、Epicに損害賠償の義務があると主張して提訴した。本誌ではすべての文書を確認し、双方の主張を要約している。水曜日、EpicはAppleが9月11日から、ユーザーが「Sign In With Apple」を利用してEpic Gamesのアカウントにサインインすることを許可しないようにしたと公表している(太平洋時間午前10時47分更新:Appleはこの決定を覆している)。

一方、GoogleはAppleの紛争から距離を置く回答を提出している。

Epicはすべての開発者のために主導的な役割を果たしていると主張しているが、それが可能なのはテック大手に屈していないからに他ならない。Fortniteの収益により、同社の評価額は173億ドルとなり、最近ではソニーからさらに2億5000万ドル、他の投資家から17億8000万ドルを調達している。株式市場における評価額が2兆ドルを超えるAppleは、被害者意識とイノベーションのレトリックで身を守っているのに対し、Epicは自由、開放性、公平性、革命を理由に攻撃しているのだ。

では、提出された訴状では何が語られているのか。本誌が興味深いと思った項目をこれから整理していこう。

そもそも何が問題なのか

Fortniteは第二世代のリアルタイムレイトレーシングを採用している/Image Credit: Nvidia/Epic

実はEpic Gamesはいかなる損害賠償も求めていない。Appleが「Fortnite」の直接課金を理由に、Epic Gamesを罰することを禁止することを要求しているに過ぎない。一方のAppleは、補償的損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用、利息のほか、Appleの利用規約に違反した結果、Epicが得たとされるすべての収益、利益、補償金、利益、その他の不正な利益の返還と差押えを求めている。

EpicがAppleにFortniteの課金決済システムを受け入れさせようとしたことから紛争は勃発したが、現在はゲームやアプリのパブリッシャーとプラットフォームを支配する大企業との対立についての話題に発展している。独立系の開発会社は本件の成り行きを見守ることで、企業がプラットフォーム上で公開する権利に対し、どのような内容で料金を請求できるようになるか、やがて判明することになるだろう。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】