Fortnite(フォートナイト)はAppleに勝てるのか(1/2)

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Google CEO Sundar Pichai, Apple CEO Tim Cook, Facebook CEO Mark Zuckerberg, and Amazon CEO Jeff Bezos (clockwise from top left) speak before a July 29, 2020 House Judiciary committee meeting.

Epic Gamesが発表したFortnite(フォートナイト)の割引ポリシーと直接課金の仕組みについて、AppleとGoogleが利用規約に違反していると指摘したことから、Epic Gamesはこの木曜日、AppleとGoogleとの間で独占禁止法違反の争いをおっぱじめることになってしまった。

AppleはFortniteをiOS App Storeから追放し、Epic Gamesは独占禁止法違反の訴訟を起こした。その後、GoogleもGoogle PlayからFortniteを削除しEpic Gamesもこれに応戦。Googleを同じく提訴した。

私はこの論争について、ソーシャルメディア上でゲーム開発者や他の友人に質問し、彼らの主張を私自身の考えと合わせてまとめてみることにした。

Epic Gamesはゲーマーとゲーム開発者を代表し、崇高な大義を掲げて戦っているようだが、その策略はある意味、必要悪とも言えるプラットフォーム・パートナーを孤立化させるリスクを抱えることになるかもしれない。また、訴訟に気を取られてる間にライバルゲームが猛追してFortniteの収益を圧迫するリスクもあるし、モバイルデバイスで気軽にFortniteをプレイできなくなったことにイラついてゲーム自体辞めてしまう可能性もある。

用心深く準備したEpic GamesのCEO

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上の写真。Epic Gamesが『Fortnite』でApple自身の1984年の広告を風刺した。
画像クレジット: Epic Games

Epic Gamesは、AppleとGoogleにアプリストアから追放されるにあたって準備をしていた。ノースカロライナ州ケーリーに拠点を置くFortniteの開発会社は訴訟の準備をしており、巨大企業のIBMが消費者の敵であることを非難した有名なAppleの広告「1984」をオマージュした陽気なビデオも用意していた。Macintoshを蹴散らした動画はFortniteの中で再生されたが、アプリがバンされていたのでファンはiOSで見ることは叶わなかった。

Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は、ゲーム業界ではオープンソースと自由な競争が、開発者や消費者の利益を考えていない独占的なプラットフォームに有利に働くようになってきている、と何年も前から指摘している。彼は過去、MicrosoftがPCをAppleのようなストア戦略へと移行させようとした際にも批判を強めていた。彼はその後に関係を修復している。

Sweeney氏はGoogleについても「偽のオープンシステム」と非難している。というのも、FortniteをGoogle Playストアではなく、Epicのサイトから直接ダウンロードしようとするプレーヤーにセキュリティリスクの恐怖を煽るからだ。

そして最近では、議会で行われた独占禁止法の公聴会でテック大手を批判した。Sweeney氏は、政府が技術独占の危険性に注目しているという「鉄が熱い」内に打って出たのだ。投資家との取引を終え、より多くの資金を調達した直後に物議を醸すようなことをやっていることからも、彼のタイミングの良さを示している。

そもそもSweeney氏がこれら一連の発言をできるのは、Epic Gamesがテック企業に屈していないからだ。Fortniteのおかげで同社の評価額は173億ドルに到達し、2019年のEpic Gamesの売上高は42億ドル、利払い税引・減価償却前利益(EBITDA、収益性の重要な指標)は7.3億ドルと報告されている。

また、2020年の収益は50億ドル、EBITDAは10億ドルと予想される。そしてSweeney氏は最近、ソニーからの2億5000万ドルを含む、さらに多くの資金を調達しているのだ。確かにAppleの評価額は2兆ドル、Googleの評価額は1兆ドルあるが、弁護士費用に溺れさせてEpic Gamesを廃業に追い込むのは簡単なことではないだろう。

崇高な高みを目指すEpic Games

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上の写真。Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は「Dice Summit 2020」にて今後10年でゲーム業界をよりオープンにすることを主張した。
画像クレジット:Dean Takahashi

本誌GamesBeatでは、Carr & Ferrellに所属する独占禁止法関連の弁護士で、1990年代にMicrosoftを相手取ったこともあるGary Reback氏にメールで本件について聞いてみた。その中で同氏は当初、AppleがEpic Gamesとの訴訟処理に時間をかけることで弁護士費用を重くし、苦しめるんじゃないかと想像していたそうだ。

しかし、彼はEpic Gamesが多くのキャッシュを持っていることを認識すると、Appleとの訴訟を避けることより「意中の」ディールを獲得するためにその影響力を使う方が賢明だと指摘した。

「そもそもApple は受け入れてくれただろうか?法的な観点から見て、どのような取引が可能だっただろうか?現時点で意中のディールを想像することは難しい。果たしてEpicは、Appleが収益モデル全体を変えると本気で考えているのだろうか?Epicは訴訟に対してどのような見通しを持っているのか、もしくは勝てると思って勝負をしているのか。おそらく今の議会の圧力が助けになると考えているのかもしれないが」(Gary Reback氏)。

(後半へつづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】