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女性ストリーマーAnne Munitionさんに聞く:メンタルヘルスの大切さ(3/7)

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(前回からのつづき) GamesBeat:もしストリーマーとして疲弊し悩んでいる人たちにアドバイスがあれば。あなたは何を学びましたか? Munition: もしあなたがフリーランスや業務委託あるいは自分の時間を切り売りして仕事をしているなら、周囲の人たちはパソコンの前にいる時間だけ仕事していると考えますが、実際には心の充電をする時間も仕事の一部だと捉えることが重要です。 ニュースレターの購読 注目…

ファンとの交流会でのAnne Munition/Image Credit: Anne Munition/Redbull

(前回からのつづき)

GamesBeat:もしストリーマーとして疲弊し悩んでいる人たちにアドバイスがあれば。あなたは何を学びましたか?

Munition: もしあなたがフリーランスや業務委託あるいは自分の時間を切り売りして仕事をしているなら、周囲の人たちはパソコンの前にいる時間だけ仕事していると考えますが、実際には心の充電をする時間も仕事の一部だと捉えることが重要です。

自分自身をケアすることもあなたの仕事です。ストレスがたまって疲れていて幸せでないなら、ストリーミングでみんなを楽しませるのは難しいでしょう。人を楽しませる、それが私たちの仕事です。気分良くストリーミングができるよう、メンタルの状態に気を遣う必要があります。

GamesBeat:メンタルのケアには苦労していますか、それとも画面の前ではいつも好調ですか?

Munition:目に見えてそうと分かる瞬間がありました。そうなんです、私は今疲弊しています。私が気が短いです。最近はストリーミングすることにわくわくしていません。本格的に疲弊しきってしまう前に、一歩引いて以前のような気持ちに戻る方法を見つけなければならない時期です。

お伝えしたように今年は挑戦的な年でした。今年はどの大会にも行けなかったので、ストリーミングだけの単調さが身に染みました。通常であれば、4つか5つ位の大会に参加したり、それ以外にも様々な仕事をしてましたから。今年は非常にタフな年でした。

GamesBeat:ゲーム会社や業界関係の人たちとはたくさん知り合いになりましたか?

Munition: 開発者や出版社、さまざまな周辺企業といった人たちとの接点は確かにあります。

GamesBeat:このままで続けていきたいと思っていますか?自身をソロストリーマーだと考えていますか、もっと大人数のグループに加わるのを考えたことはありますか?

Munition: ええあります、100Thieves(訳注:eスポーツ業界の有名企業)とかですね。彼らの組織には6〜7人のコンテンツクリエーターがいます。でも今は正直いってよくわかりません。以前は考えていました。だからといってもう考えなくなったという訳でもありません。これまで私がしてこなかったというだけのことです。これから先どうなるかは誰にも分かりません。

GamesBeat:どのようにしてRed Bullを見つけましたか?それとも彼らがあなたを見つけましたか?

Munition: ストリーマーになる前、子供の頃からRed Bullは一緒に仕事をしたいと思っていた会社でした。私はいつもRed Bullがエクストリームスポーツの限界を超えるようなことをやっているのに憧れていました。私は彼らとの関係を築く機会に恵まれてとても興奮しました。私の代理店であるLoadedは、Red Bullといくつかのつながり(Red BullはLoadedのNinjaとも仕事をしている)を作りました。その後私たちは時間をかけて関係を築き上げ、遂に契約を結ぶことができたのです。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

女性ゲーマーAnne Munitionさんに聞く:60万人のオーディエンスが熱狂するもの(2/7)

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(前回からのつづき) GamesBeat: そうなると視聴者ベースは大きく変わりますか?人々はあなたを見たいのか、それともゲームを見たいのでしょうか? Munition: 両方です。何をプレイするかに関係なく固定したコアオーディエンスもいますし、特定のゲームをフォローしている人々もいます。たとえば、私がTarkovをプレイするのを見ている人々の中には、私が他のゲームをプレイするのを見るのは好きでは…

エアホッケーをプレイするAnne Munitionさん
Image Credit: Anne Munition/Redbull

(前回からのつづき)

GamesBeat: そうなると視聴者ベースは大きく変わりますか?人々はあなたを見たいのか、それともゲームを見たいのでしょうか?

Munition: 両方です。何をプレイするかに関係なく固定したコアオーディエンスもいますし、特定のゲームをフォローしている人々もいます。たとえば、私がTarkovをプレイするのを見ている人々の中には、私が他のゲームをプレイするのを見るのは好きではなく、Tarkovをプレイするのを見るのが好きな人と、私がTarkovをプレイするのを見た上で、他のゲームをプレイするのも見続ける人がいます。実にさまざまなタイプの人々がいるのです。

GamesBeat: 今、あなたのモチベーションになっているものは何ですか?何のためにあなたは続けているのですか?

Munition: 今年はモチベーションを保つのにかなり苦労しました。新型コロナウイルスのおかげで、私だけでなく多くの人々がそうでした。個人的には、私はコンベンションや実際にファンに会う時間を楽しみました。とても励みになりました。彼らは本当に心の温かい人々です。

彼らは、コンテンツを楽しんでいることを伝えたがっています。ストリーミングをしている間は、肯定的なコメントも否定的なコメントもたくさんあるので、難しいかもしれません。私にとってTwitchConとE3は一種の充電のようなものです。「大丈夫、人々は私のコンテンツを本当に気に入ってくれている」と。モチベーションを保つことは確かに難しいかもしれません。ストリーミングはマラソンであり、短距離走ではありません。長く続けている私にとっては、特にそうだと思います。

GamesBeat: 直接会う人は、より礼儀正しい傾向がありませんか?

Munition: ええ、インターネットの匿名性をもっていませんから。ネット上で誰かに対して否定的なことを言うのは簡単です。しかし、対面で言うためにTwitchConに駆けつける人はいないでしょう。交流イベントに来て列に並んで待つ人は、ポジティブなことを言いたい人です。それがやる気を起こさせてくれます。

GamesBeat: 態度の悪い人にはどのように対処していますか?いつでも禁じることはできますが、普段どうしているのでしょう?

Munition: それは脇に置いておきます。ネガティブなことを脇へやることを学ぶ必要があります。少数派の声に耳を傾け、何十万人もの人々がコンテンツを見て楽しんでくれているという事実に焦点を当てるのです。彼らはいつも声を上げているわけではありません。思うに、レストランのレビューとよく似ています。

人々はたいてい、いい時は何も言いません。「おいしいです。望んだ通りです」とは言わないです。よくなかった時、人々は声を上げて何か悪いことを言うものなのです。ストリーミングも同じです。ストリーミングが楽しい時は他のことの影に隠れ、チャットを打つ必要性を感じません。ネガティブな人々はリアクションを起こしたくなるのです。

GamesBeat: どうやって、チャットとゲームに同時に注意を払うことができるようになったのですか?とてもバランスを取るのが難しいように思えますが。

Munition: 今では私にとって自然なことになっています。ごくたまにオフストリームでゲームをプレイした時、私はカメラ目線になっている自分に気づきます。ストリーミングしていないのに、起こったことに対するチャットのリアクションを見ようとしたりもします。私にとってはもうゲームの一部になっています。

中には、あまり頻繁すぎるチャットを期待していないチャネルもいくつかあります。視聴者が2万人くらいいると追いつくことは不可能でしょう。しかし、私と同じくらいの人数のチャネルなら、チャットで行われている会話のいくつかには少なくとも追いつけるでしょうし、そうあるべきです。これが、私が人々と人間的なつながりを築く方法です。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

子供たちの遊び場をデジタルで救えーー連続起業家が活用した「au IKEBUKURO」の共創チャンス Vol.3

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 課題とチャンスのコーナーでは毎回、コラボレーションした企業とスタートアップのケーススタディをお届けします。 コロナ禍で急浮上したau IKEBUKURO店での端末除菌問題。前回の記事ではここに挑戦したスタートアップの共創ストーリーをお届けしました。最終回となる今回は、やはり感染症拡大で打撃を受けたキッ…

プレースホルダ代表取締役 後藤貴史さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

課題とチャンスのコーナーでは毎回、コラボレーションした企業とスタートアップのケーススタディをお届けします。

コロナ禍で急浮上したau IKEBUKURO店での端末除菌問題。前回の記事ではここに挑戦したスタートアップの共創ストーリーをお届けしました。最終回となる今回は、やはり感染症拡大で打撃を受けたキッズスペースを手助けするソリューションの共創事例です。子供たちの遊び場はデジタル技術でどのように変わり、新たなビジネスとなるのでしょうか。

子供たちの遊び場をデジタルで救え

「2017年からリトルプラネットというファミリー向けデジタルテーマパークを全国で運営していたのですが、 今年発生した感染症拡大でテーマパークが長期休業を強いられることになったんです」ーー。こう語るのはリトルプラネットを運営するプレースホルダ代表取締役CEOの後藤貴史さんです。

常設展示で全国11箇所に展開しているテーマパークは、子供たちが集まって遊ぶということもあって営業の休止を余儀なくされます。6月から営業再開に漕ぎつけるものの、先行きは不透明なままです。

「ただ今回の問題が発生する以前から、リトルプラネットのアトラクション(体験コンテンツ)を導入したいという企業さんからの問い合わせが定期的にあったので、コンテンツを切り出して販売する準備自体は進めていました。そこでこれをきっかけに全社的なB2B事業を一気に立ち上げることになった、というのが背景にあります。ただ、社員のマインドも急に転換することになり一時期は戸惑いも見られました」(プレースホルダ代表取締役 後藤貴史さん)。

こういった経緯で開発されたのが、今回の共創事例となる小型デジタル遊具「スマイルパッケージ」です。子供たちが描いたお絵かきをスキャンするだけで、画面の中に3Dとなって登場するという体験ができるもので、これを安価、かつ短期間で導入できるように、スキャナと一体化したツールを独自に開発してサービス化しました。これがMUGENLABO支援プログラム 2020に採用されたことで、KDDIの直営店であるau IKEBUKUROとGINZA456の両店舗で展示され、GINZA456では実際にご家族で体験することができるようになっています。

「主なターゲットは店舗や商業施設などのキッズスペースです。近年、多くの店舗でキッズスペースを設置していますが、あくまで”保護者の用事が済むまで子どもたちが遊んで待っている場所”という位置づけであることが多く、実はマーケティングやブランディング、顧客満足のために活用できている店舗はそう多くないんです。一方でキッズスペースにも賃料は発生していますよね。ここに注目して私たちの技術でこのスペースを店舗と消費者(来店者)の双方にメリットがある空間に生まれ変わらせたいと考えていました」(プレースホルダ 後藤さん)。

後藤さんのお話によれば、従来型のキッズスペースではマットや遊具などアナログな体験が多く、一方でデジタル化しようにもコストや運営の問題が大きくのしかかるそうです。壮大なコンテンツを制作すれば当然費用はかかりますし、難しい操作が必要なデバイスを用意してもスタッフが対応できないケースが出てきます。これを月額5万円という低価格に抑えつつ解決しようというのが後藤さんたちの取り組みでした。

「コンセントにつなぐだけですぐ使えるデザイン、新たなコンテンツを追加していける更新性を大切にしました。現在は3種のコンテンツを体験することができますが、これによって『来店するたびに変化する遊具』として提供することが可能になります。また最近の動向として、一般的な絵本やオモチャだと消毒や清掃が難しく、キッズスペースを閉鎖する店舗が多いんです。この点、デジタルは接触を最低限に減らして遊ぶことができるため、そこを期待される声も多いですね」(プレースホルダ 後藤さん)。

連続起業家は共創をどう活用する

プレースホルダを語る上でもうひとつの注目点、それが代表の後藤さんについてです。

後藤さんは大学在学中の2007年にゲーム事業を手掛けるポケラボを創業した人物で、300名規模にまで企業を成長させた後の2012年、グリーによる子会社化を経験した連続起業家でもあります。プレースホルダは東京放送ホールディングスやKDDI Open Innovation Fundなどから出資を受けているのですが、こういった事業会社との資本関係の重要性についてこのようなエピソードを教えてくれました。

「(リトルプラネットが入っている)ららぽーとさんなどのような大手デベロッパーさんとの取引は創業当時、やはり信頼してもらうのは難しかったですね。いくら(過去の事業で)実績があっても最初の店舗って本当に決まらなかったです。個人で保証に入ろうがどうやっても無理で。信頼あるブランドが優先されるのは当たり前でした。だからこういった不動産会社さんとおつき合いする上で、信頼ある事業会社さんからしっかりフォローしてもらえるだけで導入が進むというケースもありましたね」(プレースホルダ 後藤さん)。

共創をなぜやるのか、という問いに対する答えの一つがスピードです。プレースホルダの創業は2016年。連続起業家で、事業経験も豊富にあった後藤さんにとって、ヒットするコンテンツや仕組みを作り出すことは確度の高い仕事だったと思います。一方、積み上げが必要なブランドや信頼はどうしても時間がかかります。プレースホルダの事例はそこをショートカットしたケースでしょう。

今回のB2Bモデルへのシフトチェンジにも共創がうまく寄与しているようです。

「(GINZA456設置のきっかけは)今年8月にau IKEBUKUROで「スタートアップのコロナ対策」というテーマのプレスイベントがあったんです。そこでスマイルパッケージを採用いただきました。その際はまだイベント当日の展示のみだったんですが、それがきっかけでどこかの直営店舗に設置したいという声をいただき、結果、GINZA456の『au 5Gや先端テクノロジーを活用しお客さまの想像を体験に変え「おもしろいほうの未来へ」が体感できる』というコンセプトがスマイルパッケージの体験と合ってるよねということで設置に至りました」(プレースホルダ 後藤さん)。

また、今回のコラボレーションは社内でも反響があったそうです。検討してきたとはいえ、突然の店舗休業やB2Bモデルへのシフトチェンジに戸惑っていた社内メンバーも、自分たちの開発した技術がKDDIの代表的な旗艦店舗に展示されることで大きな自信につながったと言います。

後藤さんは今後もこのサービスのブラッシュアップを続け、共創によって掴んだきっかけをさらに拡大し「ファミリー体験をトータルにデザインできる連合団」を作っていきたいとお話されていました。

「今後、スマイルパッケージ以外にもさまざまなB2Bプロダクトを開発していく考えですが、我々だけでは足りない部分も沢山あります。さまざまな会社と協業し、プロダクトやパッケージの共同開発をしていきたいですね。例えば施工・設計会社さん、デベロッパーさん、広告代理店さん、機材メーカーさんなどです。我々の技術を広く展開していくためにパートナーの存在は不可欠です。すでにさまざまな企業と話を進めていますが、ご興味のある企業の方はぜひ声をかけていただきたいです」(プレースホルダ 後藤さん)。

「smash.」とは何者か:KDDIとの共創が加速した意外な裏側 – KDDI 繁田光平氏 Vol.2

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 前回のSHOWROOM創業者で代表取締役の前田裕二さん引き続いて、バーティカルシアターアプリ「smash.」のキーマンインタビューをお届けします。 今月22日から本格的な配信を開始した「smash.」は、オリジナルコンテンツの「Hey! Say! JUMP」が提供する縦型フォーマットのミュージックビデ…

写真左から:KDDIパーソナル事業本部 サービス統括本部 5G・xRサービス戦略部長、繁田光平氏、SHOWROOM代表取締役社長、前田裕二氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

前回のSHOWROOM創業者で代表取締役の前田裕二さん引き続いて、バーティカルシアターアプリ「smash.」のキーマンインタビューをお届けします。

今月22日から本格的な配信を開始した「smash.」は、オリジナルコンテンツの「Hey! Say! JUMP」が提供する縦型フォーマットのミュージックビデオだけでなく、作品を直接つまんでシェアできる「PICK」機能を使ったインタラクティブな体験にも挑戦するなど、5G時代を代表するプラットフォームを目指しています。

映画やテレビなど、横型スクリーンというフォーマットを「当たり前」と考えてしまう今だからこそ、新たな縦型コンテンツに挑戦する両社の共創チャレンジは、意外な理由で加速していくことになりました。2回目となる本稿に登場するのはKDDI側でプロジェクト推進を担った繁田光平さんです。(本文中の太字は質問はMUGENLABO Magazine編集部、回答は繁田氏・敬称略)

「smash.」はオープンなインターネットサービスでありながら、KDDIとは資本を含めた協業という形でスタートしています。KDDIとしての狙いはどこにあったのでしょうか

繁田:5Gってまだまだ極めて一部の人のものであり、そして何年も先のものだと思われがちなんですよ。でもそれをみなさんのものになるように「みんなの5G」というキーワードを使って、これは目の前で起きているとか、もう友達がみんなそうなっている、といった状況づくりを進めるにあたって(smash.のようなサービスが)一番分かりやすいと思ったんですね。

テッキーまではいかないですが、よりスマホネイティブな人たちが自然に使い始めるイメージです。例えば電車とかでコンテンツを探してスマホを横にしている姿などを見かけますけど、そこをザクザクと縦で見ているような感じというのは、スマホネイティブには非常に当たり前の行動になっています。それに品質が高い画像の方がいいと思うのは当然で、でも一方で本当のプロ作品ってなかったんです。これが一般化すれば、若い子たちを中心に高速でハイパフォーマンスなデバイスを使う姿が見られるようになるんじゃないかなと思ってます。

協業のきっかけ、話の始まりはどこにあったんですか

繁田:私はこれまでauスマートパスの責任者を務めたりと、サービスをゼロから作るようなコンテンツ畑を長く歩んできました。また、現在、5Gサービスの責任者もしているのでお話をさせていただいた、というのが始まりです。前田(裕二氏、SHOWROOM代表取締役)さんがSHOWROOMの次にこういうことをしてみたいというお話を受けてですね、これは5G時代をある意味象徴するようなサービスになり得るんじゃないかと。

あとこの話のきっかけとなった中馬(和彦氏・KDDI 経営戦略本部 ビジネスインキュベーション推進部長)もそうなんですが、auっていうブランドで働いていると、自然とマイナスをプラスマイナスゼロにするような、なんでも何かの付加価値を付けて面白くしようよ、みたいな発想をするようになるんです。常に「オモロイ方をやろう」とする感じで、そういったものが自然と出てくるようになってるんですね。どっちって言われた瞬間に面白い方を選ぶっていうちょっと癖みたいなものです。

これが多分、中馬からも出てたんでしょうし、僕からも出ていたでしょうし、もっと言ってしまうとLISMOの生みの親である社長の髙橋(誠氏)も一発でそのシンパシーを感じていたみたいでした。で、やりましょう、と。そういった意味では前田さんのその深いエンタメ愛に対して、話しやすかったんじゃないかな、なんていう風に思いますね。

意外な協業理由

一方で、SHOWROOM自体、かなり人気のサービスで、彼らとしても協業については選択肢があったように思います

繁田:そうですね、協業だけで言えば色々な選択肢があったはずですし、確かに資本を入れてもらうとなると通信会社以外にもあったと思うんです。ただ、前田さんとのお話の中でSHOWROOMもsmash.も、前田さんがエンターテインメント事業をやるにあたってとても大切なことがあると仰っておられたんですね。

それがちゃんと低レイテンシーで安定した配信をすることにある、というところだったんです。

SHOWROOMのプラットフォームも遅延がほぼなくなっていて、先日、とあるライブを配信されていたんですが、アーティストさんが普通にコールアンドレスポンスをやってました。インターネットサービスで遅延や途中で見れなくなる、画質が悪くなるようなことがあれば、やはり熱狂って生み出しにくい。

5Gのスピードや安定に加えて「通信会社グレード」っていうものをちゃんと自分たちでもできるようになれば、他のプラットフォームと異なる、絶対的な何かになれるのではないだろうか、ということは考えられてるようです。そういう考え方から色々な選択肢の中で通信会社が選択肢に入ってきた、ということを聞いています。

通常、KDDIとの共創事例ではユーザーベースだったり、ビジネス的な視点が多い気がしますが、通信のコア技術の部分に興味を持っていたというのは意外でした

繁田:SHOWROOMのリードエンジニアさんってやっぱり低遅延にこだわってますね。実質、肉眼で見る遅延がやっぱり30秒ぐらいあるとコールアンドレスポンスはできない。見ているみんなノってる〜?ってやって「シーン」となるわけですからね。この辺りは前田さんのアーティストとしての原体験にあるようで、お客さんの前で歌い、お客さんが反応してそれに合わせて曲を選んだりしてたと仰っていました。

別の5Gのプロジェクトで名古屋グランパスさんとの例だと、スタジアムにたくさん人が集まると通信が繋がりにくくなるからこれを5Gで改善したりしているんですが、改めて前田さんと会話することで、前衛的なネットテクノロジーを手掛けてるネット企業に逆に、通信技術の重要性を示されたわけです。僕らって意外と大事なんだな、みたいな気付きですよね。

そういう意味でも一緒にやりたいと思いました。

技術チームとのコラボレーションはもう始まっているのでしょうか

繁田:検討に入っている段階です。僕の中の頭のイメージですけどまあよく「MEC(※)」って言葉が使われたりしますが、そういう風になっていけばこういったサービスが本当ににサクサク動くようになっていくと思います。本当に(前田さんたちは)インターネットレイヤーの方々なんですけど、通信レイヤーである僕らとエンド・ツー・エンドでパフォーマンスや品質を上げていくっていうのは絶対一緒にやっていこう、ということで大盛り上がりしています。

※マルチアクセスエッジコンピューティング、クラウド処理を一部エッジ側に持たせることで全体的な処理を向上させる技法(次回につづく)

関連リンク:「smash.」とは何者か:スマホで”作品”が生めないって誰が決めた – SHOWROOM 前田裕二氏 Vol.1

「バーチャル渋谷」50社が連携した街づくりの物語:1カ月で街を作ったクラスター Vol.1

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 1日300万人が来訪し、ごった返すスクランブル交差点。いつもの風景ががらりと変わったのはいつ頃からだろうか。4月の緊急事態宣言以降、渋谷の交差点は「人がいないこと」を伝えるためのシンボルに変わってしまった。未曽有の感染症拡大で世の中が混乱する5月の真っ只中、東京の中心地に新しい街がもうひとつ生まれた。…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

1日300万人が来訪し、ごった返すスクランブル交差点。いつもの風景ががらりと変わったのはいつ頃からだろうか。4月の緊急事態宣言以降、渋谷の交差点は「人がいないこと」を伝えるためのシンボルに変わってしまった。未曽有の感染症拡大で世の中が混乱する5月の真っ只中、東京の中心地に新しい街がもうひとつ生まれた。

バーチャル渋谷。

あるいはデジタルツインと呼ばれるこの仮想世界は、渋谷区が公認する「第2の渋谷」となった。この世界はなぜ必要だったのか。私はこのストーリーを紐解くため、仮想空間の街づくりに携わった、3人の人物に話を聞くことにした。

バーチャル渋谷のはじまり

バーチャル渋谷のきっかけはもっと前に遡る。元々渋谷は周囲からは見えない課題を抱えていた。例えばゴミの問題。ハロウィンで楽しんだ人たちの爪痕を掃除するのは街の人たちだ。オーバーツーリズムの問題もある。集まりすぎた訪問客が必ずしも街にお金を落としてくれるわけではない。日本のカルチャーの中心地でありながらそれ以外の魅力を伝えきれていない。そういうもどかしさもあったという。

渋谷区にはこういった街の複雑な課題を行政だけでなく、外部企業や集う人たちと一緒に解決する方法を持っている。一般社団法人として3年前に設立された「渋谷未来デザイン」がそれだ。街に集まる人や情報をもっと楽しく、そして効果的に伝える方法がないか。

街でありながら、オープンイノベーションのアプローチで様々な課題解決を模索する中、KDDIと渋谷区観光協会の三者で昨年9月に立ち上げたのが「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」だった。

2020年1月に「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」となったこの動きは、アートやエンターテインメント領域を中心に、渋谷をアップデートするべく様々な企業を巻き込み、現在50社以上が参画する共創企画に発展している。

そしてこのプロジェクトに「バーチャルリアリティ」の領域で参画していたのがクラスターだ。バーチャルイベント空間「cluster」を開発する同社を創業した加藤直人氏は、プロジェクト開始の様子をこう振り返る。

話の最初は2019年の末あたりですね。本格的に進めたのは今年に入ってからです。コロナが酷い状態になるにつれて、話が加速していきました。これはすごく価値のあることになるので力を入れてやっていこう、と(クラスター加藤氏)。

渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト構想のひとつに「渋谷を拡張する」という視点がある。いわゆるAR(拡張現実)を活用した展開だ。リアルの渋谷を訪れた人たちに、現実と重ね合わせた情報を提供する方法でアップデートを試みよう、というわけだ。昨年11月にはかつて渋谷PARCOの建て替え工事の仮囲いにあった「AKIRA ART WALL」がARで蘇る、なんていう演出企画も実施している。

なので元々はリアルな渋谷を徐々にデジタルで拡張し、じわじわとバーチャル空間に「もうひとつの渋谷」が染み出していくーー。そういうプロジェクトだったのだと思う。

それがコロナで一変した。

渋谷を1カ月で作ってくれ

バーチャル渋谷

「制作っていう視点だけで言えば、実はやりようはいくらでもあるんです。フォトグラメトリなんて技術もありまして、写真を全部繋ぎ合わせて見た目だけ全く同じものを作ることもできる。けど、それって正直やる意味ないですよね」ーー話を受けた当時を加藤氏はこう振り返る。

感染症は人だらけだったJR渋谷駅の利用を20%以下に激減させ、街の課題は「人が来すぎて困る」から「人がいなくて困る」に変化した。リアルな渋谷を拡張しようにも人がいなければ手も足も出ない、でも自分たちにはオンラインという方法があるじゃないかーー。

そう考えたプロジェクトチームは、リアルからバーチャルへのベクトルを「逆」に変えることにした。緊急事態宣言で人がいなくなった渋谷に希望を取り戻したい。与えられた時間はわずかに1カ月。課題はできるかできないか、ではなく「どう作るか」にあった。

リアルにあるものをデジタルにする価値とは何か。渋谷と情報として完全に一致するものを作ることに対する価値はあるかもしれないんですが、今求められてるのはそれじゃない。バーチャル渋谷ってその一歩先を作らないといけなかったんですね。未来を見せるものでないといけない。じゃあそれをどう表現しよう、という部分はチャレンジでした(クラスター加藤氏)。

clusterはそもそも「ワールド」と呼ばれる仮想空間をユーザーが作り、そこにバーチャル上の「自分」を置いてコミュニケーションやイベントを開催できるプラットフォーム型のサービスになっている。今回のバーチャル渋谷もゼロからではなく、彼らの基盤があったから極めて短期間に開発することができた。

結果、5月19日にバーチャル渋谷は無事、デジタルツインとしてスタートすることとなる。

残る問題は体験価値だ。没入空間でパラレルワールドを作った事例としてはフォートナイトがある。バトルロワイヤルのゲームとして世界中でヒットし、そこから拡張したアーティスト、トラヴィス・スコットのイベントには1200万人以上が接続するという伝説的な話題も打ち立てた。バーチャル世界は実はもうすぐそこにまで来ているのだ。

しかし今回はゲームではない。リアルな街だ。仮想空間の渋谷で何をすればいいのか。加藤氏はバーチャルな街づくりを通じて得た気付きとして「ストーリー」を挙げる。

街は物語を紡ぐ場所

街に人を呼び込む体験について尋ねると加藤氏は私見と断りつつ、「働かなくなる未来」について語ってくれた。

ライブもゲームもコマースとしての買い物体験も全部インタラクティブなエンターテインメントです。このインタラクティブ性というのが重要で、人間ってソーシャルな生き物ですからやっぱり友だちと一緒にエンターテインメントに参加したいし、フィジカルを伴って体験できるならそれに尽きる。あと、これは個人の意見なんですが、やっぱり働かなくなっていく未来ってあると思っているんですよ。働かなくても生きていける。こうなると基本的に人生はエンターテインメントに帰結していくと考えています(クラスター加藤氏)。

音楽イベントがあったとして、没入空間で単に「視聴」するだけだったらあまり意味がない。加藤氏はそこにあたかもいるかの如く「参加する」体験こそが必要と語っていた。参加とは何か。友人との会話であり、出演アーティストとの掛け合いであったり、そこにいるという空気感だったりするのだろう。加藤氏はこう続ける。

改めてバーチャル渋谷をやって言語化できたのが『集まる理由ってどこにあるだろう』ということなんですね。で、結論から言えばストーリーが必要なんです。何もストーリーがないところには人って集まらないんです。そう考えると渋谷って歴史も詰まってるしストーリー性がすごく強い。この渋谷というストーリーの上で、例えば集客のきっかけとしての音楽コンサートがある、そういうことが本質的な価値になるんだなと気がついたんです(クラスター加藤氏)。

単なるバーチャル空間で有名なアーティストを呼んでイベントをやっても、そこにコンテキストがなければ単なるコンテンツになってしまう。しかしそこの場所としての「渋谷」という歴史が加われば、別の会話が生まれる。人との触れ合いが発生する。ここに価値がある。

単なるオンラインイベントであればコンテンツの視聴方法はいくらでもある。でもそこに関係値のあるお店や友人、ちょっと会いたいと思っていた有名なアーティストがいることで物語が生まれる。人はストーリーがあるから集まり、また違った別の物語を生み出す。この「空気感」があればそこがリアルであろうとバーチャルであろうと人は集まりたくなる。

街の役割ってそこだと思ってて。リアルの街って人がそこに集まって何かを営んで、ストーリーを生み出す場じゃないですか。人が集まるって言い方しましたけど、それ以上にストーリーを生み出すジェネレーターなんですよね(クラスター加藤氏)。

加藤氏はデジタルツインという仮想空間でありながら、すごく手触り感のある街づくりの裏側を教えてくれた。次回はKDDIとしてこの共創プロジェクトに臨んだ、チームの話題をお届けする。

「smash.」とは何者か:スマホで”作品”が生めないって誰が決めたーSHOWROOM 前田裕二氏 Vol.1

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」などのエンターテインメント事業を展開するSHOWROOMは22日、KDDIと協力してスマートフォン視聴に特化したプロクオリティのバーティカルシアターアプリ「smash.」の配信を開始しました。オリジナルコンテンツの「Hey! Say! JUMP」が提供する…

写真左から:KDDIパーソナル事業本部 サービス統括本部 5G・xRサービス戦略部長、繁田光平氏、SHOWROOM代表取締役社長、前田裕二氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」などのエンターテインメント事業を展開するSHOWROOMは22日、KDDIと協力してスマートフォン視聴に特化したプロクオリティのバーティカルシアターアプリ「smash.」の配信を開始しました。オリジナルコンテンツの「Hey! Say! JUMP」が提供する縦型フォーマットのミュージックビデオだけでなく、作品を直接つまんでシェアできる「PICK」機能を使ったインタラクティブな体験にも挑戦するなど、5G時代を代表するプラットフォームを目指しています。

この新たな「縦型コンテンツ」の新しい可能性追求すべくタッグを組んだのがKDDIとSHOWROOMです。両社は今年3月に業務資本提携を締結。KDDI Open Innovation Fund 3号から出資を含めた関係値を作ることで今回の共創事業は加速していきます。

大企業とスタートアップという共創関係はどのように築かれたのか、また、両社はサービスを通じてどのような世界観を作ろうとしているのか、キーマンとなるSHOWROOM創業者で代表取締役の前田裕二さん、そしてKDDI側でプロジェクトの推進を担った繁田光平さんのお二人にサービス公開までの裏側をお聞きします。インタビューの初回は前田さんからです(本文中の太字は質問はMUGENLABO Magazine編集部、回答は前田氏・敬称略)

5Gを体感する新メディア「smash.」

smash.

22日にバーティカルシアターアプリ「smash.」の提供が始まりました。第一弾のオリジナルコンテンツとして「Hey! Say! JUMP」のミュージックビデオに加えて作品も配信開始しています。まず、このsmash.というプラットフォームについて、どのような狙いがあるか、お話いただけますか

前田:僕ら最近「作品」っていう言葉をよく使ってるんです。

みなさんにちょっと想像していただきたいんですが、日々、スマートフォンでよく使っているサービスが様々あると思うんです。例えばYouTubeだったりLINEだったり、Instagram、Twitter。こういったプラットフォームで何か自分の心に突き刺さるような、自分の人生を変えるきっかけになるような作品があったかなと考えてみると、意外とすごく少ないんじゃないかなと。YouTubeから生まれた作品を挙げてくださいと言ってもちょっと難しい。なんでだろうなと。

こう考えたんです。例えば作品やアートってきっちり「額縁」に入ってるじゃないですか。額縁に入れられ、美術館に飾られると極論、真っ白なキャンバスに線を一本描いただけ、のようなシンプルな作品でも一気に「作品」としての重みを感じる。そういう視点で、「スマホの中に作品を展示するための額縁や美術館」が今まであったのかなって。作品は、作品が生まれてくるための場をきちんと作ってあげないことには、きっと生まれてこないだろうなと。プロクオリティの作品って例えば映画だったり、テレビの中にも勿論、誰かの人生を変えるようなすごい感動を与えるものって過去にも生まれてきたと思うんですけど、これをスマホ上で観たいと思ったんですね。

逆に「スマホ上で作品が生めないって誰が決めたんだろう」と僕らも思っていまして、それを全力で言いたい、反語的に、いや、生めると証明したいというのが、このsmash.の根底にある価値観なんです。

smash.のことを説明される時、前田さんはスクリーンサイズとコンテンツの変遷についてお話されています。改めて詳しく教えていただけますか

前田:これは、世の中の映像メディアの「ポジショニング」を社内で整理する時に、そして、smash.がこの4象限のうちどのポジションを取りに行くのかっていう戦略を説明する時によく使っている図です。縦軸が映像の作り手ですね。下にいくほどプロの方々で、上が素人。素人ってなんですかと言うと、みなさんも例えばInstagramで、今日のランチはどうだった、とか5秒ぐらいで動画を撮影して文字を入れてアップしたりすると思うんですが、あれが一番上に位置するいわゆる素人動画ですね。

動画市場におけるポジショニング

この「プロ or 素人」の縦軸に、もうひとつ重ねた横軸が「スクリーン」軸です。すなわち、これは映像の作り手が実際、どのスクリーンを意識してコンテンツを作っているのか、という観点です。この図ではこれがすごく重要で、歴史的にプロの方々は本図の右にあたる、16:9 の横スクリーンをめがけてテレビや映画のコンテンツをずっと作ってきた。

とある映画監督さんとの会話の中で、僕もすごくハッとしたのが、今までプロの映像の作り手として、この「スマホ向けの映像を作る」という発想が微塵もなかった、ということです。そもそも、スマホ向け作品を作ろうにも、その作品を載せる場所がない。メディアもない。プラットフォームもない。だから特に求められることもなかったし、リクエストを受けたことがないから考えたこともなかったと。

けど、考えてみると、今、みんなが一番可処分時間を使っているスクリーンは、テレビじゃなくてスマホである、というのは目を背けようのない現実であり。一方、今まで、プロの映像の作り手の方々は(四象限の)この右のスクリーン向けに作っていましたと。

ちなみにこの横軸の「スクリーン最適」という軸には、画角や質感や企画やキャストなど本当に様々な要素があるんですが、分かりやすくするために、中でも一番影響が大きそうな要素である「時間」に絞って考えています。

横スクリーンというのは元来、基本的に家の中だったり、映画館だったり、ちょっとチルして、ゆっくりして長い時間見る前提のある場所に置かれています。だから、そこに向けて作るコンテンツも時間軸がちょっと長めに設定してある。テレビで言うと30分から1時間ぐらい。映画でも2時間や2時間半ぐらい。横スクリーン型になればコンテンツの時間は長く、スマホになれば短くなる。そういう進化でした。

プロクリエイターの技巧を「スマホ世界」に流し込む

短尺動画のトレンドは古くは分散メディアのあたりから始まって、TikTokで爆発した感がありました。一方で時間についてもやや幅があるように思います。この辺りのベストプラクティクスはどうお考えでしょうか

前田:この右下から生まれたプロの映像コンテンツ、例えばテレビ番組のアーカイブなどはどんどんネット上にコピーされて、そもそもが著作権を無視しているのでその問題もありましたけど、それ以上に、それら映像はスマホで見るにはちょっと冗長だったんですよね。そこからYouTubeには5分から10分の動画をリズミカルに、ジャンプカット編集を入れてサクサクと小気味よい、リズム感のあるコンテンツにしていった。ヒカキンさんなど、人によっては逆にテレビ化して、20-30分の尺をとっているケースも直近では増えていますが、やはり基本は、スマホはLINEなどの通知もバンバン入ってきますし、移動中などに使っているケースも多いですから、短尺のほうが使い手にとって都合が良い。

だから今は5分でも長い、さらに若年層になればもっと短くなって、TikTokの登場後は15秒尺がスタンダードになってきている。smash.は、作品性や「人の心を動かす」ということを重んじるため15秒はさすがに難しいのですが、一番短い物は1、2分、長くても5分から10分までの時間尺でコンテンツを作っていきたいと思っています。これくらいのshort尺でも、十分deepな体験ができる。short but deepをスローガンに掲げてコンテンツ創出に向き合っています。

一方でプロの作品というのはまだまだ長い印象があります

前田:確かにおっしゃる通りです。ですが最近は、アニメの23分程度の尺に合わせるかのように、ドラマでも20分ほどのコンテンツが増えてきています。僕が今、Amazon Primeでハマっているドラマも、ちょうどそのくらいの尺です。もしかすると、コンテンツが長ければ長いほど、よほど脚本がよくない限りユーザーの離脱率が上がってしまう、というデータが観察されているのかもしれませんね。ユーザーからすると短い方が気楽に見られるのに、プロの作り手は長い物で伝えたいという、作り手と受け手のギャップがあらゆるところで生じている。

なので、才能のある一流クリエイターの方々を、僕らがどんどん巻き込んでいって、この才能の向け先を、テレビや映画からスマホの世界に振り向け直していって、プロのコンテンツをスマホに大量に流し込んでいく。この取り組みが、スマホ上における大きなコンテンツ革命を生むと確信しています。

「つまむ」ジェスチャーが完全に空いていた

ところでsmash.では動画をつまんで「PICK(ピック)」する、という新しい動画シェアの概念を提案されています

前田:まさに最初、ダブルタップで動画を切り取るというアイデアがあり、それでモック版で実装が進んでいたのですが、ここは異常に僕がこだわったところで、途中で「つまむ」に切り替えました。大きな理由としては、「ダブルタップする」というジェスチャーは、もうとっくに、YouTubeはじめ他の動画メディアで習慣化していた。僕自身も、ダブルタップは10秒早送り、という「手グセ」がついています。でもスマホで「つまむ」ってジェスチャーは、やったことがないし、まだ文化として存在しなかった。

この「つまんだ」時間だけ動画を切り取れて、自分のマイページにコレクションしたり、SNSにURLでシェアできたりする機能が「PICK」です。Hey! Say! JUMPはじめ、ジャニーズのコンテンツでもこの機能が解禁されています。是非注目してもらって、楽しんでいただきたい部分ですね。

詳しくはsmash.アプリの中の動画を見ながら、実際にPICKしてみて欲しいのですが、作り手側がPICKを促すようなコンテンツを、隠れミッキー的に入れ込んでいく、という遊びもあります。例えば、実はHey! Say! JUMPのミュージックビデオの中にも、いかにしてお客様、ファンの皆様にピックしてもらうか、という仕掛けが幾つも施されています。映像を何度見ても楽しめるように、「まだ見つけていない隠された楽しみが何かあるんじゃないか」と思ってもらえるように、監督やメンバーが本当に徹夜する勢いで演出を真剣に考えてくれて。

いかにファンの皆様のことを幸せにしたいか、笑顔にしたいかというプロ意識を感じた瞬間でした。

ユーザーが作る世界「じゃない」方

smash.は今後、2600本のコンテンツを来年3月末までに用意するとお聞きしています。ただ、ユーザーの手のひらの可処分時間には限りがあります。どのように差別化していかれますか

前田:TikTokって本当に世界一のサービスだなと思うんですが、そこに上がってくるコンテンツは、原則、素人が中心であり、プロの演者が挙げているコンテンツも、そこに制作や編集が入り込んでいるケースは少ない。むしろそれを入れない独特の質感が、TikTokの楽しさの源泉ですからね。

mixiもFacebookも、「日記を投稿する人」や「投稿数」をいかに増やすかが初期に重要だったという話がありますけど、ユーザーがただ友達の日記に書き込むだけではなく、ちゃんと自分で独立した投稿を投げるユーザーに成長してくれるかどうか、そこのユーザー体験の設計が大事だったわけですよね。

僕らもいずれ、ユーザー投稿を段階的に受け入れる戦略を張っていますが、まずはそれ以上に、動画のクオリティ担保に奔走・注力したい。「このコンテンツに数分の時間を使ってもなんか時間の無駄だったな……」というものは極力排除して、「ああ、良い3分だったな」と思えるものを出していきたいなと思っていて。これは結構な違いになると考えています。また、「良いコンテンツ」という価値観の尺度が、人によって当然ずれることも重要な観点なので、ユーザーの視聴特性に応じて、AIに機械学習させてレコメンドもしていきます。

コンテンツのバラエティについても質問させてください。今後、「縦型ならでは」のアイデアが出てくると思いますが、現時点で教えていただけるアイデアがあれば

前田:例えば、「インタラクティブドラマ」に挑戦したいと考えています。ユーザーの選択によって、物語が変わっていくようなものですね。今、実はNetflixとかでもこういったストーリー選択式のコンテンツは存在するのですが、若干まだ違和感がある。

これは理由があって、要因仮説の一つは「リモコン」だなと。つまり、見ている側が突然、選択肢を提示されても、今ソファに寄りかかってリモコンが手元に必ずしもあるわけではないわけですから、「あれ?リモコンどこだっけ」ってなった瞬間に冷める。でもスマホだったらいつでも親指は遊んでいて、何か入力を促されたら気軽にできます。TinderのSwipe Nightもこの方式のハイクオリティドラマをTinder内で展開して話題になりましたが、もしかしたらこの選択式という方式、「インタラクティブドラマ」という発想は、スマホ動画でこそ、うまく機能していくのかもしれません。

ただし、これもまだ本当にどう転ぶかわからない。

今は全てが「仮説」なので、早く実際にサービスをローンチして、市場に問うのが楽しみでなりません。そして、お客様に育ててもらいながら、サービスを丁寧にブラッシュアップしていって、日本だけでなくアジア、そして世界中を席巻するメディアとへと爆速で成長させていく目線です。日本発のバーティカルシネマ「smash.」、目指すは、世界です。

ありがとうございました。(次回につづく)

Fortnite(フォートナイト)の主張:アフターマーケットは誰のもの?(2/2)

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(前回からのつづき)法定に出された書類の中でAppleは、独占などしておらずゲームを含むあらゆる市場で競争に直面していると主張している。またAppleは反論の中で、Epicは不正な決済システムを使わなければ容易にFortnite(フォートナイト)をStoreに戻すことができるともしている。その上でAppleはApp Storeから削除されたEpicは「自業自得」であると指摘した。 一方のEpicは…

Appleに対抗するEpic・Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)法定に出された書類の中でAppleは、独占などしておらずゲームを含むあらゆる市場で競争に直面していると主張している。またAppleは反論の中で、Epicは不正な決済システムを使わなければ容易にFortnite(フォートナイト)をStoreに戻すことができるともしている。その上でAppleはApp Storeから削除されたEpicは「自業自得」であると指摘した。

一方のEpicはアプリ配信というのはそもそも、スマートフォンプラットフォームの一次市場から派生した「アフターマーケット」であると主張している。Epicはつまり裁判所は本件で関連する独占禁止法上の市場をアフターマーケットに見るべきだと主張しているのだ。これは独自のブランドと市場性を持ち、決して単なる一商品の一サービスが所有するものではない、と。

ということでEpicはあくまで「スマートフォンのプラットフォーム上でのAppleの権利」を争っているのではなく、この「アフターマーケットで」Appleが独占的な振る舞いをしていると主張している。Epicはこの考え方により、Appleは他の市場で消費者が利用できる選択肢(ウェブサイトからアプリをダウンロードするなど)を遮断していると指摘する。

AppleがEpicのApp Storeへのアクセスを遮断して以来、Epicは法廷で、iOSのデイリーアクティブユーザーが60%減少したと明らかにしている。しかし公聴会では、明らかに裁判官がAppleを支持しているように感じられた。というのもFortniteが他の多くの場所でも30%の手数料を支払わなければならない以上、Appleの市場もまたオリジナルのものであり、Epicの弁護士の主張は取るに足らないと考えているようだった。判事のGonzales Rogers氏はにべもなくこのようなコメントを示している。

「あなたの顧客が属するビデオゲーム業界では30%の手数料が業界のレートのようです。例えばSteamは30%を請求していますし、Google、Microsoftも30%を課金しています。コンソールではPlayStation、Xbox、Nintendo、GameStop、Amazon、Best Buyが30%を請求しています。しかしあなたの顧客はそうじゃないという。どこに独占があるのでしょうか?」。

Cravath, Swaine, & Moore法律事務所でEpic Gamesの弁護士を務めるGary Bornstein氏は公聴会で、iOS上のFortniteプレイヤーの63%がiOS上でのみプレイできる状況にありながら、AppleがEpicに対してプラットフォーム上に独自のストアを持つことを禁止しているのは独占以外のなにものでもないと主張している。

AppleはEpicのCEO、Tim Sweeney氏の証言に基づき、1日の平均的なプレイヤーの約90%が競合プラットフォームを経由してFortniteにアクセスしていると指摘している。またAppleは、EpicがAppleのサービスから利益を得ており、それが料金を徴収する理由のひとつになっていると述べている。例えば、AppleはFortniteでは、Apple独自のAPI(Application Programming Interface)フレームワークやクラス(Metalなど)を400件以上使用している。また、Appleは過去にもFortniteのプロモーションを行ったことがあることも付け加えた。

陪審員裁判は2021年の7月に開始される可能性があるが、上訴はさらに長くなる可能性もある。この訴訟のUnreal部分について裁判官は「双方の裁判は自由だが、Epic GamesとAppleはデジタルフロンティアの未来のためにこの争いが傍観者を混乱させるようなことがあってはならない。また、社会的な興味はUnreal EngineとEpicの関連会社に圧倒的に有利に働く」と言及した

Appleに対抗するためにEpicはSpotify、Tile、Basecamp、Blix、Deezer、Blockchain.com、SkyDemon、ProtonMail、Schibsted、European Publishers Council、The Match GroupなどのApple批判者とともに、App Fairnessのための連合を設立している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)はやっぱりiOSに戻ってこない(1/2)

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連邦裁判所は、独占禁止法違反訴訟の判決を前に、Epic GamesがAppleにEpicのFortnite(フォートナイト)をApp Storeで復活させる要請を退けた。一方、米国連邦地方裁判所のYvonne Gonzales Rogers判事はEpicに有利な判断としてApple側に対し、EpicのUnreal Engineのサポートを中止するという報復を阻止する仮命令を下している。 一連の独占…

連邦裁判所は、独占禁止法違反訴訟の判決を前に、Epic GamesがAppleにEpicのFortnite(フォートナイト)をApp Storeで復活させる要請を退けた。一方、米国連邦地方裁判所のYvonne Gonzales Rogers判事はEpicに有利な判断としてApple側に対し、EpicのUnreal Engineのサポートを中止するという報復を阻止する仮命令を下している。

一連の独占禁止法違反訴訟は、8月13日にEpicがFortniteの割引ポリシーと直接課金の仕組み発表したことで勃発し、AppleとGoogleはそれぞれの利用規約に違反したと判断した。EpicのCEOであるTim Sweeney氏は、大手企業がゲーム課金ごとに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicはアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきと長年主張してきている。Epicは自社ストアの開発者向けの手数料として12%しか徴収していない。

EpicがiOS版のFortniteを修正し、プレイヤーがバーチャルグッズの料金をEpicに直接課金できるようにした後、AppleはFortniteをApp Storeから削除した。またAppleは、EpicのUnreal Engineをサポートしないとも公表している。Epicはその後、カリフォルニア州オークランドの裁判所に対し、Fortniteを復活させ、AppleによるUnrealへのサポート停止行動を阻止するよう求めた。

これらの一連の判決は独占禁止法裁判の過程で、EpicがiOSでのFortniteの収益を失う可能性が高いことを示唆している。一方、EpicのUnreal Engineの顧客はというと、Appleが技術サポートを引き払うことで自分のゲームがAppleのiOSとMacプラットフォームで動作しなくなることを心配する必要はもうなくなった、ということを意味している。

Epicは追い出しの原因となった直接課金の修正をすることで、将来的にはFortniteを復活させることは可能だとしている。しかし、Appleがそれを許可するのか、それともEpicにペナルティ期間を待たせるのかは不明だ。

Epic Gamesは声明の中で「Epic Gamesは訴訟が続く中、AppleがUnreal Engineと当社のゲーム開発顧客に対する報復行為を禁止されることを歓迎いたします。当社は裁判所の保護の下でiOSとMac向けの開発を継続し、Appleの反競争的な行為を終わらせるためにあらゆる手段を追求していきます」と述べている。

この論争は何年も続く可能性がある。一方、今回の一時的な禁止命令の要求に対する判決は、連邦裁判所の判事たちがこの事件の是非についてどう考えているのかを知るための最初の兆候となる可能性がある。

Appleは声明の中で、「私たちのお客様はすべての開発者が同じルールに則ることで、App Storeが安全かつ信頼できる場所になると考えております。裁判所が、Epicの行為が自社の顧客にとって最善の利益になるものではなく、顧客が遭遇したかもしれないいかなる問題も、自らが規約違反によって巻き起こしたものであると認めていただけたことを歓迎いたします。12 年間にわたり、App Store は奇跡的な成功を遂げ、大小を問わず開発者に変革的なビジネスチャンスをもたらしてきました。私たちは来年、この革新とダイナミズムの遺産を裁判所と共有できることを楽しみにしています」とコメントした。(次につづく)

 

ポスト・アプリストアの刺客「Playco」:新たなインスタントゲームの時代の幕開け(4/4)

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なぜ今なのか (前回からのつづき)過去、インスタントゲームは幅広いユーザー・リーチの面では大成功を収めたが、収益の面ではそうでもなかった。現在、関係する企業はよりよいビジネスモデルを模索中と言えるだろう。Carter氏は「あるしきい値がやってきたタイミングで、年間700億ドルものモバイルゲーム業界がこれに移行することになるでしょう」と見通しを語る。 一方、前のスタートアップGame Closure…

Facebookはインスタントゲームに取り組む企業のひとつ/Image  Credit:Facebook

なぜ今なのか

(前回からのつづき)過去、インスタントゲームは幅広いユーザー・リーチの面では大成功を収めたが、収益の面ではそうでもなかった。現在、関係する企業はよりよいビジネスモデルを模索中と言えるだろう。Carter氏は「あるしきい値がやってきたタイミングで、年間700億ドルものモバイルゲーム業界がこれに移行することになるでしょう」と見通しを語る。

一方、前のスタートアップGame Closureでのチャレンジはやや時期尚早だった。Carter氏とWaldron氏はそれが特にどのゲームカテゴリが上手くいくのかを考える上で重要な経験になったと語っている。

「私たちが開発した「Zynga Poker」はまるでウェブページを開くかの如く友人と遊べる、そんな魔法のような体験でした。自分たちのやったことに対して衝撃を受けました。これは私たちだけがやるようなものではない。新たなゲーム開発の幕開けだ、と」(Waldron氏)。

Waldron氏はZyngaが株式を公開したのは2011年で、当時のメインプラットフォームであったFacebookのユーザー数は2億人だったと当時を振り返る。今ではFacebookのユーザー数は26億人となり、インスタントゲームで人々にリーチする技術は格段に向上している。一方で、アプリストアはそれほど拡散性がなく、ゲーム開発者は新規ダウンロードを獲得するため、広告に多額の費用をかけなければならない。

「ユーザー獲得のチャネルはどんどん高価になっていきました。結果、そういったお金を使おうとしている人たちのみをターゲットにしなければなりません。私たちの使命はやみくもに幅広いユーザーをとにかく獲得すればよい、というものではありません。お金は使うけど、もっと小さなグループを狙います。多くのゲーム会社は1000万人や1億人をターゲットにしていますが、ここに欠けているのは、遊びが人間にとって必要なことである、という考え方だと思います。気心知れた大切な人と一緒に遊びたいはずです。ゲームとは人と人との距離を縮めることができるものなのです」(Waldron氏)。

この技術はかつての10年間のゲームの懐かしい外観だけでなくそれ以上のものを提供できる、Waldron氏はそう考えている。PlaycoはWebGL、クラウドコンピューティング、5Gネットワークを介して3Dゲームエンジンの技術を活用し、楽しさとストレスのない面白いタイトルを提供しようとしている。

Carterは取材の最後、こう付け加えた。

「私たちは他のプラットフォームが持っているものと同じ基盤となるハードウェアにアクセスできるようになりました。品質は保証できます。もちろんギャップはありますが、それは40年ほどの大層なものにはならないでしょう。大切なのは誰も考えていない新しいゲームが何なのかを考えてみることです。リスク要因はありますが、しかし同時に、それをはるかに超える大きなチャンスでもあるのです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ポスト・アプリストアの刺客「Playco」:世界から集結、タレント揃いのビッグ・チーム(3/4)

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ポスト・アプリストアの世界 (前回からのつづき)Epic Gamesは、AppleがApp Storeでのゲーム販売に制限をかけたため独占禁止法違反を理由にAppleを提訴している最中だ。もちろん、ウェブリンク経由で配信されるインスタントゲームは、アプリストアを迂回することができる。Carter氏はこの状況をこう語る。 「今、世界ではこれらの大きなプラットフォームで多くのことが起こっています。私た…

PlaycoシニアプロデューサーJimmy Griffith氏がかつて手掛けた「Everwing」はFacebookのインスタントゲームだ/Image Credit:Facebook

ポスト・アプリストアの世界

(前回からのつづき)Epic Gamesは、AppleがApp Storeでのゲーム販売に制限をかけたため独占禁止法違反を理由にAppleを提訴している最中だ。もちろん、ウェブリンク経由で配信されるインスタントゲームは、アプリストアを迂回することができる。Carter氏はこの状況をこう語る。

「今、世界ではこれらの大きなプラットフォームで多くのことが起こっています。私たちが今、この会社を始めようと決めた理由の一つは、AppleとGoogleが私たちのコンセプトを受け入れたからです。以前であれば、単に2人で簡単にゲームをプレイできるという考えが、例えば決済モデルの仕組みであったり、そもそも誰がプラットフォームの未来をコントロールするのか、ということと何らかの形で結びついていると感じていたはずです。

そういった大きな話はさておきとしても、全ての出来事はエコシステム一部であるべきものですから、実際には消費者にとって本当に良いことになると思いますし、争いも起こるでしょうね。一方のソーシャルネットワーク側は、人々がどのようにして簡単に一緒にゲームをプレイできるかを知っているので楽観的です。そしてAppleとGoogleは、よい消費者体験を本当に大切にしています。興味深い時代になるでしょうが、インスタントプレイが可能な時代になることは間違いありません」。

Carter氏は同社には大きな軍資金があり、これによって多くのプラットフォームでのインスタントプレイの命題を証明することができ、また、旋風が巻き起こった際には大きなアドバンテージを得ることになるだろうとも語っている。

「技術はすでに現実のものとなっているので、今では企業同士がどのように展開していくのかを話し合っています」とWaldron氏は語る。

問題の一つは、インスタントゲームが広告ベースであり、画面を何度もクリックした後、プレイヤーにダウンロードを完了させ、ダウンロードしたゲームでさらに追加購入するように促すことが多かったことだ。この点についてCarter氏は「インスタントゲームの中での購入もすぐに可能になるはず」と回答する。例えばAppleのApp Clipsは、現在これを可能にしているのだ。Carter氏は、同社が作成してきたプロトタイプに満足しており、今年中に2、3本のゲームを出すことができるとした。

ビッグ・チーム

Carter氏は、彼とWaldron氏がインスタントゲームにおける一流の人材を採用したことが、同社をして多くの資金を調達することができた理由と述べている。このキラー・チームは投資家たちを興奮させた。このチームの構築には本当に力をいれたとCarter氏は語る。

大塚氏は2005年から2015年まで日本にいた際、DeNAの人気ゲームプラットフォーム「Mobage」の構築を手掛けた人物だ。Cross氏はGame ClosureのCarter氏と共にHMTL5ゲーミングに携わった。同じくGame ClosureのベテランであるTom Fairfield氏がPlaycoのボードに参加している。

創業者と経営陣は、ソウル、東京、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの都市でWFHにて参加している。ゲーム会社Chobolabsの元CEOであるDeyan Vitanov氏がチーフマーケティングオフィサーを務め、3億8,000万インストールを突破したインスタントゲーム「EverWing」の生みの親であるJimmy Griffith氏がシニアプロデューサーを務める。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】